エピローグ

晴れる屋メディアチーム

マルシオ・カルヴァリョの快進撃

 3日目のHareruya Prosの戦いは、最後の一人に託された。

(13-1で6回目のPT/MCトップ8!直近4回のPTの内、3回もトップ8に入賞できるだなんて最高だ!)

 アゾリウスアグロを駆るマルシオ・カルバリョは見事トップ8へ駒を進め、栄光の日曜日を戦う権利を勝ち取ったのだ。直近4回のプロツアー/ミシックチャンピオンシップで3回トップ8に入っている、彼の勢いはダテではない。その実力を疑うものはいないだろう。

 しかし、彼と対峙するプレイヤーはあまりに強大だった。

 立ちはだかるはLSVこと、ルイス・スコット=ヴァーガス/Luis Scott-Vargas。ChannelFireballの総帥であり殿堂プレイヤーでもあるルイスは、イゼットフェニックスを使用していた。

 相性有利なマッチアップながらもルイスに先勝を許してしまう。2本目こそ白系アグロの真骨頂数で押し込むも、ここでもルイスは粘りに粘った。

 残りライフ2。しかし、そこから《弧光のフェニックス》3体がまさに不死鳥のように戦場と墓地を行き来した。一瞬の膠着の後、数にものを言わせなんとか押し切ったマルシオ。それでも、この勝利を喜ぶと同時に、ルイスの底の見えない強さに恐怖を覚えた。

 皆さんもご存じの通り、その後の2ゲームはルイスが勝利し、残念ながらマルシオとHareruya Prosの旅はここで終わりとなってしまった。

マルシオ「相性は良かったんだけどね、ルイスはやっぱり強いや。でも次は負けないよ!

 試合後に彼から前向きな言葉をもらった。

 彼のことならきっとまたこの大舞台へ舞い戻ってくるに違いない。

優勝、そして駆け付ける仲間たち

 最後の瞬間に感動を覚えたものは多いだろう。

 決勝は井川 良彦(エスパーコントロール) 対 オータム・バーチェット/Autumn Burchett(青単)。

 一手、一手が非常に重く、読み間違えれば負けに直結する緊迫した試合の雰囲気は、観戦するこちらにまで伝わってくる。

 ここまでに過酷な道を歩んできた両者の戦いが白熱するのはもはや必然か。

 そして最終戦、オータムは必死に自分のクリーチャーを守りながら井川のライフを残り2まで追い詰めた。

 オータムは井川の放った《ケイヤの怒り》《魔術師の反駁》を、《幽霊暗殺者、ケイヤ》《呪文貫き》で応えると、井川は右手を差し出すのであった。

 こうしてミシックチャンピオンシップ・クリーブランド2019は、オータム・バーチェットの優勝で幕を閉じた。

 勝利が決まった瞬間、仲間たちは駆け出しオータムを取り囲む。孤独から解放され、そして勝利を味わう瞬間だ。

 それはとても温かい光景だった。この光景を目の当たりにし、プレイヤーの後ろに多くの存在を再確認した。そしてマジックがただのゲームではなく、コミュニケーションツールの一つでもあるということを。それによって形成された人間関係の素晴らしさも。

 だからこそ我々はいまだにこのゲームに魅了され、この舞台へ熱を持った視線を送り続けてしまうのだろう。

 勝利を仲間と分かち合う喜びは何ものにも代え難いものだ。

 この先のミシックチャンピオンシップでも、そんな瞬間を見ることができれば幸いである。

 次の開催地ロンドンで会おう、それではまた。

一方そのころ、本戦の裏では……

 今回初めてミシックチャンピオンシップと同時にグランプリ・クリーブランド2019が併催されていた。今後はミシックチャンピオンシップとグランプリは同時開催となるのだ。

 本戦で残念ながら奮わなかった選手たちは、こぞってこのイベントに参加していたのである。そしてそこではなんと……

 Hareruya Pros アレン・ウーが優勝していた。

アレン「まさか勝てるだなんて思ってもみなかったよ!気づいたらトロフィーを持ってたんだ!

――「すごっ!!

ミシックチャンピオンシップ・クリーブランド2019 現地レポート

fin.

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