この神決定戦の醍醐味は、デッキの読み合いが発生するということにある。

　何せ対戦相手は1人。多くの対戦相手が駆る様々なデッキと戦う必要がある普段のトーナメントと違い、ただ1人に勝てばいいのであって、極端な話相手のデッキが75枚わかっているなら、それをガンメタすることすら正当化される。

　そんな状況で。はたして『神』は、『挑戦者』はいかなるデッキを持ち込むのか？

　ここでは互いのデッキについての2人の事前予想を聞いてみよう。

Q1.対戦相手が持ち込んでくるデッキは何だと思いますか？
また、その理由は？

小田

バーンです。

現環境で最新セットの恩恵を一番受けたデッキだからです。

最近使用されている鱗親和のリストを見るにきれいなデッキ構成が好みなのかなと思い、バーンもリストがきれいにまとまるためです。

林

私が挑戦者決定戦で使用した鱗親和に不利なデッキは使わないのでは？との考えから、スイーパー系かコンボかなとは思っていますが、その条件だけではモダンに該当するデッキが多すぎるので、特定はできなかったです。

Q2.それを踏まえてどのように考えてデッキ選択やカード選択をしましたか？

小田

バーンに有利かつ現環境で勢いのあるドレッジを選択しました。

メインボードでの勝率の高さが売りで、メインボード戦を2回行う神決定戦にこそ相応しいデッキではないでしょうか。

林

マイブームがきている青黒ライブラリーアウトにしました。

新しいオリジナルデッキも考えていたんですが、あまり面白いのができなかったのが残念です……。

Q3.自信のほどはいかがですか？

小田

挑戦者が私に抱くイメージから全く逆のパターンを選択できたと思います。

この作戦でうまく裏をかけたら勝ちます。

林

相性差がすごいデッキなため、ほとんどジャンケンなので自信はありません。

《神聖の力線》だけは貼らないでくれ!!

せっかくの機会なので、とにかく楽しんでいきたいです。神の記憶をガリガリ削っていきます(笑)

　挑戦者・林、まさかまさかの青黒ライブラリーアウトをチョイス。

　それも一般的なリストに採用されることが多い《催眠の宝珠》と《罠の橋》が入っていない、かなり個性的な仕上がりだ。ドレッジに対して劇的な《墓所への乱入》こそサイドボードだが、メインボードから《外科的摘出》が4枚と殺意は十分。自らライブラリーを掘り進んでいくドレッジというデッキの性質上、挑戦者が瞬く間に神のライブラリーを削り切るといった展開も容易に想像できる。

　ただし、中途半端なライブラリー破壊は神・小田をアシストしてしまう最悪の結果を招きかねない。ドレッジは《外科的摘出》を乗り越えることができるだけの十分なデッキパワーを誇り、さらには《燃焼》、そして《這い寄る恐怖》という飛び道具すらをも併せ持つデッキなのだ。

　果たして、小田は墓地という領域を思う存分に扱うことができるのか。それとも、有無を言わさぬ速度で林が押し切ってしまうのか。かつてないほどに異様なマッチアップが今、幕を開けようとしている。