決勝ドラフト:瀧村 和幸のピックを追え!
晴れる屋メディアチーム
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ご存知の通り、決勝ドラフト卓では渡辺 雄也、瀧村 和幸、加藤 健介といった強豪揃いのハイレベルな卓となった。
今回はその中から、プロツアー『戦乱のゼンディカー』優勝経験のある瀧村 和幸のピックをお届けしよう。リミテッドにおいて最難関とされるピックをプロはどう進めているのか。
普段中々お目にかかれない貴重なプロのピックをご覧あれ。
(※インタビューは準々決勝終了時に行ったものです)
1-1:《ハイドロイド混成体》 (他カード:《燃え立つ門》、《厳戒態勢》)
1-2:《賢者街の学者》 (他カード:《アゾリウスの騎士判事》、《昇華/消耗》)
1-3:《覆滅/複製》
1-4:《速足ウツボ》
1-5:《シラナの道探し》 (他カード:《フェアリーの決闘者》)
1-6:《立ちふさがる霊》
1-7:《火消し》 (他カード:《成長のらせん》)
1-8:《賢者街の学者》
1-9:《制動規範》 (他カード:《スライム縛り》)
1-10:《黄昏の豹》
1-11:《火消し》
1-12:《珊瑚の猛士》
1-13:《フェアリーの決闘者》 (他カード:《鏡の行進》)
1-14:《アゾリウスのロケット》
1-15:《根の罠》
――「初手からドえらいもんが来ましたね(笑)」
瀧村「強すぎて自分でも驚きました(笑)ほかのカードも強かったんですが、迷わずピックしましたね」
――「1-2では《アゾリウスの騎士判事》を流して《賢者街の学者》をピックされました。《アゾリウスの騎士判事》はタッチもできそうですが、なにか理由はあるのでしょうか?」
瀧村「確かにカードは強いんですが、《ハイドロイド混成体》を探しにいきたかったので《賢者街の学者》をピックしました。1-5の《シラナの道探し》も似たような役割ですね」
――「1パック目の流れになにか感じたことはありますか?」
瀧村「緑があまり流れてこず、青が多かったですね。やりたかった色でもあるので、そのまま青を中心にピックしていきました」
――「なるほど。左隣が神・加藤 健介選手ということで、なにかピック中に意識したことはありますか?」
瀧村「少しだけ意識しました。シミックをできればやりたいと思い、カラー的に地上のクリーチャーで殴っていくデッキになるので、攻撃を止めてくる《立ちふさがる霊》や《黄昏の豹》はカットしました。オルゾフだと《死の歓楽》で回収され、再度利用されると攻めることが難しくなるので」
――「ギルドの特性を考え、自分にとって苦手となるカードをカットしたということですね」
2-1:《激昂した角獣》 (他カード:《魔性》、《早駆けるトカゲ蛙》)
2-2:《剛力の殴り合い》 (他カード:《シミックのギルド門》)
2-3:《冷気をもたらす者》 (他カード:《アゾリウスの空護衛》)
2-4:《連合のギルド魔道士》
2-5:《エアロムンクルス》 (他カード:《暴れ回る裂き角》)
2-6:《フェアリーの決闘者》
2-7:《縄張り持ちの猪》 (他カード:《アゾリウスの騎士判事》)
2-8:《エアロムンクルス》 (他カード:《評議会のギルド魔道士》)
2-9:《早駆けるトカゲ蛙》
2-10:《スライム縛り》
2-11:《石のような強さ》 (他カード:《鋭射手の斉射》)
2-12:《ラクドスのロケット》
2-13:《一面の視線》
2-14:《精神純化》
2-15:《斧折りの獣》
――「返しの2パック目ではかなりシミックのカードが流れてきましたね」
瀧村「そうですね、2-3の《冷気をもたらす者》から2枚の《エアロムンクルス》とピックできました。ポジションが凄くよかったです」
瀧村「ただ、一つ明確なミスを犯しましたね。2-11はバットリ(《石のような強さ》)ではなく、飛行破壊(《鋭射手の斉射》)を取るべきでした。デッキに飛行が多いので使われるのは嫌ですし、こちらが使う分にも飛行を退かして殴りに行けるようになるので」
3-1:《尖塔に忍び寄るもの》 (他カード:《死に到る霊》、《厳戒態勢》、《的中》)
3-2:《応用生術》
3-3:《予知覚》
3-4:《アゾリウスの騎士判事》
3-5:《エリマキ神秘家》 (他カード:《オルゾフの簒奪者、ケイヤ》)
3-6:《シミックのギルド門》 (他カード:《評議会のギルド魔道士》)
3-7:《水底の生術師》 (他カード:《新プラーフのスフィンクス》)
3-8:《アーチ道の天使》
3-9:《的中》
3-10:《可能性の揺らぎ》
3-11:《評議会の急使》
3-12:《大ムンクルス》
3-13:《オルゾフのロケット》
3-14:《シミックのロケット》
3-15:《ラクドスのロケット》
――「最後のパックについてはどうでしょう?」
瀧村「《予知覚》や《エリマキ神秘家》が中盤で回ってきて、立ち位置のよさを再確認できました。デッキがまた一つ引き締まりましたね」
――「全体的に流れがよかったと」
瀧村「そうですね。途中アゾリウスのカードが多く流れてるなという印象があり、タッチも考えはしましたが、カードが十分に取れたので2色にまとめました。それくらい強いシミックを組めたかと思います」
初手の《ハイドロイド混成体》から流れもよく、満足のいくピックができたと語る瀧村。
最終的なデッキは以下のようになった。
――「このデッキの強みとは一体どんなところでしょう?」
瀧村「序盤にクリーチャーを展開して、《火消し》や《エリマキ神秘家》といったカードで蓋をするクロックパーミッション的な動きもできます。インスタントで動くカードが多く、相手にとってもやり辛いデッキになったかと思います」
――「苦手とするギルドなどはありますか?」
瀧村「苦手なギルドはなさそうですね。それくらいしっかり組めたと思います。飛行が多く、地上で殴るだけではないのがいいですね。地上ビートダウンを組むと、オルゾフの『死後』や『接死』がきついんですが、それも乗り越えていけると思います。強いて言えばリソースを稼ぐカードが少ないことですかね」
――「自信のほうはいかがでしょうか?」
瀧村「決勝まで辿り着ければって感じですね」
――「ありがとうございました!この後も頑張ってください!」
自分にとって効果的となるカードのカットや、デッキパワーを考慮し2色にまとめる判断は流石と言わざるを得ない。その後の試合では、デッキの強さとプレイも相まって神の元へと辿り着き、そして見事第3期リミテッド神へと就任を果たした。
さて、4月6日(土)には『ラヴニカの献身』環境名人戦が開催される。彼らプロたちのピックを参考に、ぜひ参加してみてはいかがだろうか?