試験的に投入されたロンドンマリガンとデッキリスト公開によっていつもとは違ったメタゲームになったミシックチャンピオンシップ ロンドン2019。

世界トップクラスのプレイヤーたちが選択したデッキは何か。その全貌を見ていくとともに、何故使用者が多かったのか、今回の特殊ルールがデッキに与える影響から環境を紐解いていこう。

これがミシックチャンピオンシップ・ロンドン2019、メタゲームブレイクダウンだ。

直近の大会では常に使用率トップだったイゼットフェニックスが減少していたりと、なかなか興味深い内容になっている。

今回はその中から上位3つのデッキを紹介しようと思う。

トロン　使用者：75名/15%

トロンというデッキはこの特殊ルールをどちらも自分にとって有利に使えるデッキだ。流行りのイゼットフェニックスやドレッジに対しては《大祖始の遺産》を探したり、本来は知りえないタイミングで相手のデッキを知れるため1ターン目の《古きものの活性》でより有効な札を加えやすくなる。また、トロンはウルザ土地3種とフィニッシャー1枚の4枚だけでデッキが回るため、ロンドンマリガンもマリガン後のブン回りに加担する。

安定しているデッキで、常に大きな大会でも結果を残しているアーキタイプであることからプロたちに好まれたのではないだろうか。

イゼットフェニックス　使用者数：62名/12%

直近の大会で常にぶっちぎりでトップの使用率を誇っていたイゼットフェニックスは、今大会では2位に順位を落としている。とはいえ、12%という数字はアーキタイプの多いモダンにおいて、とても大きなものでありその人気ぶりがうかがえる。

やはり、軽いキャントリップが多く安定していて、それでいてブン回りもある地力の高さが評価されたのだろうか。

ちなみに前評判では、そもそもマリガンが少ないことなどから今回の特殊ルールの恩恵はあまり受けないとされていたがどうだったのだろうか。使用者の多かったイゼットフェニックスが勝ち上がることが出来たのか、非常に興味深い。

人間　使用者数：53名/10%

モダンでは使用率が10%を超えると圧倒的な支配率だと言われるが、今大会はこの3位の人間までが使用率10%を超えている。非クリーチャースペルが少ない、クリーチャーデッキだからこそ扱いがとても難しく、モダンの中でも使用難易度は高いと言われている。

トップレベルの腕を持つプレイヤーのみが集まる大会だからこその使用率なのかもしれない。事実、フィーチャーマッチでもアーネ・ハーシェンビスやドミトリー・ブタコフをはじめとする様々なプレイヤーが人間を好んで使用していた。

人間が今回の特殊ルールによって受ける恩恵はそれなりに大きいと思われる。《霊気の薬瓶》デッキゆえ、マリガン後に土地1枚と《霊気の薬瓶》があるとキープできるのがメリットだろう。何より相手のデッキの全貌を知れるので、《翻弄する魔道士》でいつも以上に確実な宣言をすることが出来る。

以上がミシックチャンピオンシップ ロンドン2019のメタゲームだ。

どのデッキが勝ち組だったのか現段階では判明していないが発表を楽しみにして、今は2日目の放送に備えようではないか。