決勝戦:鳥海 貴(MUD) vs. Uemura Kazuhiro(MUD)
晴れる屋メディアチーム
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By Ken’ichiro Omori
いよいよ初の開催となった『関西帝王戦ヴィンテージ』。ヴィンテージといえば超高額カードの飛び交うフォーマットだという印象がある。そのため開催に向けて参加者不足なども懸念されていたが、蓋を開けてみれば関西圏以外からの遠征者がいたこともあり42名もの参加者に恵まれた。
そして決勝に残ったのは関東からの遠征者の一人でもある鳥海 貴。普段ヴィンテージに馴染みの無い方でもご存知かもしれない、現”ヴィンテージ神”である。
“ヴィンテージ神”の名に違わぬ実力を見せ、決勝戦まで勝ち進んできた。鳥海が優勝すれば“神”と“帝王”二つのタイトルを手にすることとなる。もちろん、過去に達成した者はまだ一人もいない。
対するUemura Kazuhiroもヴィンテージの大会で何度も上位入賞・優勝経験のある強豪。Uemuraは関西のヴィンテージフォーマットの普及にも精力的で、ここ晴れる屋大阪店でヴィンテージの大会が安定して成立するようになったのもUemuraの声掛けなどの成果でもある。
こうしてヴィンテージというフォーマットで『関西帝王戦』を開催できるまでになったのは、Uemuraの過去の尽力があってこそと言っても過言ではない。
実力者同士、そして同系統デッキ同士の対戦となった『第1期関西帝王戦ヴィンテージ』決勝戦。果たしてどちらが初代”ヴィンテージ帝王”の座に就くのだろうか。
両者マリガンでのスタートとなった第1ゲーム。
先手の鳥海は《古えの墳墓》から《太陽の指輪》、さらにそこから《ファイレクシアの破棄者》を唱える。鳥海は自身のデッキに入っていない《鋼の監視者》を指定するが、これはUemuraのデッキにも入っておらず指定は空振りとなる。ともあれ1ターン目に4マナ分のマナソースを確保した鳥海、マリガン後としてはまずまずの立ち上がりと言えるだろう。
だがUemuraの展開はその上をゆく。マリガン後の占術でライブラリートップに見えていた《Black Lotus》を力強くプレイすると、《古えの墳墓》と併せて生み出した5マナから《先駆のゴーレム》を唱える!
1ターン目にして9点のダメージクロックを用意したUemura。これぞヴィンテージ、パワーナインの成せる業だ。
ゴーレムの脅威にさらされる鳥海だが、《高速警備車》を呼び出すと果敢に攻撃を仕掛ける。Uemuraはこれをゴーレムトークンの内一体でブロックして相打ち、鳥海は戦闘後に《不毛の大地》でUemuraの《古えの墳墓》を破壊する。これで1ターン目に5マナを使えたUemuraのマナソースは一瞬にして0となった。
だがUemuraが次に置いた土地はこれもヴィンテージを代表するカード《Mishra’s Workshop》。
アーティファクトを唱えるためだけにしか使えないとはいえ、タップするだけで3マナを生み出すこの土地。Uemuraはそこから《ファイレクシアの破棄者》を呼び出し鳥海の場にある《太陽の指輪》の起動を封じると2体のゴーレムで攻撃、鳥海のライフは《古えの墳墓》からのダメージもあり10へと落ち込む。
返すターン、鳥海も《Mishra’s Workshop》を置き《鋳造所の検査官》を唱える。これはゴーレム1体と相打ちとなるが、Uemuraの場には《電結の荒廃者》が追加される。
《Mox Ruby》を置くだけでターンを返した鳥海に対し、Uemuraは2体目となる《ファイレクシアの破棄者》でその《Mox Ruby》を封じてから3体のクリーチャーで攻撃。鳥海は少考の後《ファイレクシアの破棄者》同士の相打ちを狙うが、Uemuraはブロックされた《ファイレクシアの破棄者》を《電結の荒廃者》で生け贄に捧げ鳥海のライフを2へと落とし込む。
《太陽の指輪》を封じていた《ファイレクシアの破棄者》はいなくなったが、今度は《古えの墳墓》が使えなくなってしまった鳥海。ドローの後少し考えるがUemuraの攻勢を止める手段は無く、投了となった。
鳥海 0-1 Uemura
7枚の初手をキープしたUemuraに対し、またもマリガンとなった鳥海。さらにその6枚も納得のいくものではなく、ダブルマリガンで5枚となった手札もすんなりキープとはいかない。
これ以上のマリガンは厳しい。非常に苦しい表情を浮かべる鳥海だが、この5枚では勝てないと判断しトリプルマリガンを選択する。
そして4枚の初手で迎えた1ターン目、鳥海は《露天鉱床》、《Mox Pearl》、《バジリスクの首輪》と展開。早くも手札は残り1枚となる。Uemuraは《古えの墳墓》から《太陽の指輪》、そして《鋳造所の検査官》と好調な滑り出し。
2ターン目の鳥海、まずは《太陽の指輪》をプレイし考える。トリプルマリガンスタートの鳥海にとって貴重なマナソースを失うことは痛いが、ここはUemuraへの妨害が優先と判断。《露天鉱床》を起動し《古えの墳墓》を破壊する。
だがUemuraの勢いはそれでも止まらない。《不毛の大地》をセットし2枚目の《鋳造所の検査官》を呼び出すと、2枚の検査官の力により0マナで《梅澤の十手》、さらには《ファイレクシアの破棄者》をプレイし《Mox Pearl》の起動をも封じる!
3ターン目に何もプレイすることができなかった鳥海に対し、Uemuraは《ファイレクシアの破棄者》に《梅澤の十手》を装備して総攻撃。鳥海のライフは9へと落ち込み《梅澤の十手》もアクティブな状態となる。カードを引き、考える鳥海。この状況から生き延びる術は……さらに逆転の手はあるのか。
だが神の思考をもってしてもその方法は見つからず、鳥海は勝者となったUemuraを称えるべく右手を差し出した。
鳥海 0-2 Uemura
『第1期関西帝王戦ヴィンテージ』優勝はUemura Kazuhiro!おめでとう!!