決勝戦:棟 研斗(青緑) vs. 佐野 匠(白黒)

晴れる屋メディアチーム

By Kenichiro Omori

選手紹介

『基本セット2020』環境で行われた「第3期関西帝王戦リミテッド」。今まさにその頂点が決まろうとしている。

佐野がドラフトしたのは白黒。多数の除去に白黒特有のライフゲインシナジーが組み込まれた、コンセプトに沿ったデッキとなっている。

佐野 匠

佐野 匠(白黒)

対する棟は青緑をドラフト。クリーチャーが優秀な反面除去呪文に乏しい色という印象があるが、今回棟のデッキには《狂気の一咬み》《金縛り》といった実質的な除去呪文も多く、隙の少ないデッキに仕上がった。

棟 研斗

棟 研斗(青緑)

「帝王」の座をかけた最後の一戦、頂に辿り着くのはどちらか。

決勝戦

Game1

決勝戦の幕開けは、棟が1ターン目に呼び出した《幽体の船乗り》から。棟は続けて《大都市のスプライト》を呼び出し、佐野の3ターン目に現れた《生命力の天使》が、それらを迎え撃つ格好となる。

《大都市のスプライト》の攻撃を一度は通した佐野。《磨かれたやせ地》でライフを回復し、マナを残してターンを渡す。そして再度攻撃へ来た《大都市のスプライト》を今度は《生命力の天使》でブロック、棟が《大都市のスプライト》の能力を起動した後、《勇壮の時》を放ち一方的に討ち取りにかかる。

勇壮の時送還

だが棟は《送還》《生命力の天使》へ。佐野の思惑を打ち崩す。佐野は空になってしまった自身の戦場へ《血の美食家》を、棟は2体のクリーチャーで攻撃の後、さらなる飛行戦力となる《北方の精霊》を加える。

佐野は《血の美食家》で攻撃後、先程《送還》された《生命力の天使》を再召喚。さらに《空からの突撃》《幽体の船乗り》を排除し、自身のライフを回復しながら《血の美食家》の能力で棟のライフを削る。

棟は《大都市のスプライト》のみで攻撃すると、地上に《茂み壊し》を配置。佐野は《血の美食家》での攻撃を継続。棟は少し考えるが、ここはブロックせずライフは11に。佐野は《大胆な盗人》を追加してターンを終える。

ここで棟は一気に攻めに出る。3体のクリーチャーで攻撃すると、これが全て通り佐野のライフは17から8へと落ち込む。棟は《予言ダコ》を戦場へ加え、占術で見えた2枚のカードを両方ライブラリーの上へ残す。

佐野は《血の美食家》で攻撃を返すと、《北方の精霊》《空からの突撃》。ライフを10へと引き上げながら脅威を排除する。戦況は熾烈なダメージレースの様相を呈してきた。

棟は《大都市のスプライト》をブロッカーに残し、《予言ダコ》《茂み壊し》で攻撃。佐野は《予言ダコ》《生命力の天使》《大胆な盗人》のダブルブロックで討ち取りにかかるが、棟の手からは《成長周期》が放たれる。

成長周期

大幅に戦力を削られてしまった佐野。棟の場には《雲族の予見者》が追加される。こうなっては、攻めの要であった《血の美食家》も防御に回らざるを得ない。

だがこれが《金縛り》されてしまうと、自身を守るクリーチャーのなくなってしまった佐野は、棟の攻勢を凌ぎ切ることはできなかった。

棟 1-0 佐野

Game2

先手の佐野は一度マリガンをすると、このゲームも3ターン目《生命力の天使》からのスタートとなる。後手の棟は2ターン目に《幽体の船乗り》、3ターン目に《獰猛な仔狼》と順調にクリーチャーを並べてゆく。

佐野は《生命力の天使》で攻撃すると、後続は《練達の接合者》棟はゴーレムトークンを《金縛り》して攻撃を返す。早くもダメージレースが始まった。

佐野は《鼓舞する隊長》で自陣を強化して攻撃。棟は《幽体の船乗り》で攻撃すると、《予言ダコ》を戦場へ。占術で見えたカードは、2枚ともライブラリーの下へと送る。佐野は《生命力の天使》での攻撃を継続し、《夜明けの天使》を追加する。

自身のライフを引き上げるとともに飛行クロックの面で大きくリードを取る。11対21とライフに大きく差をつけられてしまった棟、《予言ダコ》で攻撃するが戦力追加は無くターンを終える。

佐野は、《鼓舞する隊長》《生命力の天使》《夜明けの天使》で攻撃へ。棟は《鼓舞する隊長》《獰猛な仔狼》でブロック、《夜明けの天使》へは《混迷》を放ち、このターンのダメージを2点に押し留める。

大気の精霊

佐野は《荒廃甲虫》を防御役に配置してターンを終える。1ターンは佐野の攻勢を凌いだ棟だが、そろそろ根本的な解決を見出したい。《大気の精霊》にその役目を託し、戦場へと送り出す。この《大気の精霊》を突破できない佐野、ならばと《残忍な異形》を次なる攻め手として用意する。

だがこれも、棟の《金縛り》で無力化されてしまう。戦力の供給が止まってしまった佐野に対し、今度は棟が攻めへと回る。《予言ダコ》の攻撃で佐野のライフを削ると、《茂み壊し》を追加して防衛網も崩さない。

佐野は《大胆な盗人》を追加するが、棟の追加戦力は《北方の精霊》徐々に戦場が棟の有利へと傾きつつある。なんとか棟の防衛網を突破したい佐野は《大胆な盗人》で攻撃しドローを進める。

深海艦隊の殺し屋

サイズで上回るクリーチャーを複数体コントロールしている棟、何かあるなという気配を感じながらも、残りライフが9とあっては易々と通す訳にもいかない。考えた末に《茂み壊し》で迎え撃つ事を選択。戦闘後、予定調和的に現れた《深海艦隊の殺し屋》によってこれは実質的な相討ちとなる。

2/2と4/3の相討ち、さらに3/3クリーチャーの追加により地上の戦力が均質化される。ならばと今度は空から攻める棟、佐野のライフを削る役目を今度は《大気の精霊》が担う。

しかしこれを待ち受けていたのは、佐野の《空からの突撃》厄介な大型飛行クリーチャーの排除に成功する。棟もこれに対応して、《生命力の天使》《垂直落下》こちらも飛行戦力を排除しつつ、ライフの回復量を1点に留める。

佐野はさらに追加の戦力として、《漆黒軍の騎士》を用意。潤沢なマナを持つ佐野には待ちに待った援軍だ。

シルバーバックの巫師狂気の一咬み

だが、このターンの残りマナでは《漆黒軍の騎士》の能力を一度しか起動することができない。棟はこのタイミングを逃さず、《シルバーバックの巫師》を呼び出し《狂気の一咬み》《漆黒軍の騎士》へ。

佐野の期待の戦力は無念にも討ち取られてしまう。棟は次のターンも《狂気の一咬み》《夜明けの天使》を排除すると《北方の精霊》で攻撃。青緑デッキらしからぬ除去の連打により戦線をこじ開けられ、佐野のライフは残り5となる。

《大都市のスプライト》までが追加され、大きく広がった棟の飛行戦力。このクリーチャー達が攻撃へ向かうと、佐野は勝者となった棟を称えるために右手を差し出した。

棟 2-0 佐野

『第3期関西帝王戦リミテッド』優勝は棟 研斗!おめでとう!!

カバレージトップへ戻る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

晴れる屋メディアチーム 晴れる屋メディアチームの記事はこちら

このシリーズの過去記事

過去記事一覧へ