By Shin Tomizawa
Hareruya Hopes所属の名出 和貴は今シーズンFinal Last Samuraiの一員としてプロツアー・チームシリーズに臨むこととなった。昨シーズンのPWPランキング日本1位として知られる彼はマジックを始めてからまだ3年ほど。今ではマジックの本場アメリカのグランプリを巡るグラインダーとして活動し、シルバーレベル・プロにまで成長している。
今回のプロツアー権利もアメリカのPTQで獲得したという名出選手に、マジックにのめり込むきっかけを聞かせてもらった。
情熱は舞台を世界に変える
――「まだマジックを初めて間もないそうですが、始めたきっかけはなんだったのでしょうか?」
名出「子供の頃にデュエルマスターズにハマったというのが原体験ですね。その後周りの友達と一緒に色々なTCGをやってみて、カードゲームのプロというものに憧れを抱いたんです。競技として発達しているゲームといえばマジックということで、『運命再編』の頃に手を出しました」
――「ということはマジック歴は4年弱なんですね。今では海外GPを回るようなプレイヤーになったわけですが、そこまでハマったきっかけはなんでしたか?」
名出「最初はプロツアーを目指すためにPPTQに出たりしていたんですが、しばらく時間もお金もかけて本気でやってみようと思って、まずはアジア圏のグランプリ・北京に行ってみたのが始まりでした。 そのときの会場はあまり治安の良くない地域にあって(笑)。1人でいるのが怖くなって、はまさん(金川俊哉)に話しかけたのがきっかけで仲良くなり、一緒にアメリカのグランプリに行ったのを皮切りに、そこからはMOとアメリカのGPに出続ける日々でしたね」
――「海外グランプリを回ろうと思ったとき、不安などはありませんでしたか?不安に思っている人もいると思うので、アドバイスがあればお願いします。」
名出「母の仕事の都合で子供のころ少しアメリカに住んでいたので、未知の領域に行くような不安はありませんでした。そこは普通の人とはちょっと違うところだと思います」
名出「もし海外に敷居の高さを感じている人にアドバイスするとしたら、文明の利器に頼れ!といったところですかね(笑)今はスマホ一つで翻訳も地図も参照できますし、配車アプリでタクシーも呼べます。英語が全く話せなくてもなんとかなる時代ですよ!怖がって行かないというのはもったいないと思います」
――「今シーズンも同じように海外を飛び回る予定ですか?」
名出「そこはプロツアーの結果次第ということになります。目標としているゴールドレベルまで、プロツアーだけで上乗せできるのが理想ですね。もし上手くいかなければ、またアメリカのグランプリでプロポイントやプロツアーの権利を狙っていこうと思います」
――「最後に、そこまでのめり込むことになったマジックの魅力は何だと思いますか?」
名出「マジックは歴史が長いこともあってトップの層が厚いし、そうでなくても10年以上も本気で取り組んでいるような凄い人たちがたくさんいて、熱量を感じるんです。それはそのままマジックの魅力になっているし、そういう人たちに認められたい、肩を並べたいというのが、僕が今マジックにオールインしている理由ですね」
熱き思いを胸に世界をまたにかける名出 和貴選手。その意志の強さは彼を瞬く間にシルバーレベルへと昇華させた。彼がさらに世界を舞台に活躍するのもそう遠くないのかもしれない。