セミブルーってなに?データで見る第12期統率者神決定戦!

晴れる屋メディアチーム

はじめに

はじめましての方は、はじめまして!お久しぶりの方はお久しぶりです。

えんぞーと申します。

普段はログテヴェサミットという仲良しcEDHコミュニティで細々と遊んでおります。

今回も引き続き晴れる屋様からお声がけいただき、この場を借りて分析記事を書かせていただけることになりました。

ひとえにこの記事を楽しんでくださっているみなさまのおかげです。

今回もよろしくお願いします!

前回の記事

はじめに2

第12期統率者神決定戦』、お疲れ様でした。

参加者は152名と前回とほぼ同じくらいの参加者!

世界的にみても大規模な統率者戦のトーナメントが日本で開かれているということに感謝……

前回の開催が2025年2月23日ですから、5か月強も時間が空いており(待ちくたびれましたよ…!)、その間にはいろいろなことがありました。

さっそく前回からの環境の変遷を見ていきましょう!

『第11期統率者神決定戦』後の環境の変遷

大きく分けて6つの出来事がありました。

長すぎて多いよ!

①Blue Cradle Stompy (セミブルー/Semi-Blue)の台頭

ロフガフフの息子、ログラクフトリトンの英雄、トラシオス神経質な予見者、ヘルガ

本大会で台風の目となった《ロフガフフの息子、ログラクフ》《トリトンの英雄、トラシオス》《神経質な予見者、ヘルガ》を始めとしたアーキタイプ「Blue Cradle Stompy」(一部では「セミブルー」とも呼ばれていますが、本記事ではこの表記で統一します)。

きよそねさん、あつしきさんによって2025年初頭から研究されてきたアーキタイプで、前回の神決定戦時点で存在していましたが、3月ごろから研究が進み、アーキタイプとしての地位を確立しました。

原義としてはもう少し細かいですが、ざっくりいうと

・青緑ベース。

・マナ・クリーチャーとフリースペル、《ガイアの揺籃の地》を用いたビックマナ戦略。

・クリーチャーコンボなど、勝ち筋のほとんどに《否認》系カウンターへの耐性がある。

この辺りが特徴です。

精霊の魂、アニマー浄火の戦術家、デリーヴィー

《精霊の魂、アニマー》《浄火の戦術家、デリーヴィー》などの「勝ち方」を参考に生み出されたデッキで、この2デッキも広義の「Blue Cradle Stompy」ということができそうです。

面白い点として、「統率者依存度を下げること」が構築思想にあることが挙げられます。

樹の神、エシカ眷者の神童、キナン

この構築思想をもとに《樹の神、エシカ》《眷者の神童、キナン》など、多種多様な統率者でこのアプローチが研究されています。

②『タルキール:龍嵐録』の発売

cEDHへの影響を与えるカードは多くなかったですが、採用されうるカードには1枚1枚にかなりインパクトがあったのでピックアップしていきます。

《勝利の楽士》

勝利の楽士

ついに来てしまった新たな対話拒否クリーチャー

《堂々たる撤廃者》と比較して範囲は少し狭いですが、マナシンボルが薄いため出しやすく、ダブルシンボルの捻出に苦労する4-5色のデッキでも楽に運用できます。

タフネスを3にした人、クリーチャー・タイプに「人間」って書いた人は許しません。

採用されているカードが強すぎるため、あまり強化をもらえない4-5色デッキに強化が入るのは珍しいのですが、そんな中でもこのカードはやりすぎ……

織り手のティムナ刃を咲かせる者、ナジーラ

おまけのテキストが《織り手のティムナ》《刃を咲かせる者、ナジーラ》と相性が良すぎるのもあまりにも!

《湧霧の村》

湧霧の村

『タルキール:対話拒否録』?

土地のセット→起動型能力の使用という「対応できない行動で対話拒否が出てくる」という唯一無二の性能を持ちつつ、固有色が青のみなので白くないデッキでの採用が期待されるギミックランドです。

固有色に赤と緑を含まないデッキですらタップインランドとしても運用を検討するレベルで、その止めにくさはピカイチ。受けるときに使う場合でも、打ち消されないカウンターを撃つことができ強い。

《自然の律動》

自然の律動

《破滅の終焉》《イコリアへの侵攻》の系譜のXGGのクリーチャーサーチ。リアニメイトできなくなった代わりにコンティニュー機能がつきました。

大量のマナが出ていれば打ち消されてもOKというのはやっかいですね。《ガイアの揺籃の地》との組み合わせが強力で、緑色のデッキの新たな小技に。通常プレイと「調和」でクリーチャー2体のコンボがそろうのも驚異的。

《波止場の恐喝者》が禁止で本当によかった。

③2025年4月22日の禁止改定

禁止改定が行われました。

けちな贈り物星の揺らぎ陰謀団の先手ブレイズ
合同勝利一望の鏡

《けちな贈り物》 禁止解除
《星の揺らぎ》 禁止解除
《陰謀団の先手ブレイズ》 禁止解除
《合同勝利》 禁止解除
《一望の鏡》 禁止解除

cEDHにおいて、言うまでもなく注目のカードは《けちな贈り物》ですね。

けちな贈り物

最も強く使えるのは《死の国からの脱出》パッケージがあり、《直観》コンボがそのまま応用できるジェスカイ+Xですが、青いデッキすべてで採用の余地があるパワーカードだと考えています。

④『Secret Lair x Marvel’s Deadpool』国内販売

リリースされた新規カードは1枚ですが、特徴的なカードなのでチェックしておきましょう!

《Deadpool, Trading Card》

Deadpool, Trading Card

文章交換という変則的なテキストですが、赤黒の《金粉のドレイク》のように使えるカード。

金粉のドレイク荒れ模様のストームドレイクケンリスの変身

《金粉のドレイク》《荒れ模様のストームドレイク》《ケンリスの変身》などの「戦場から取り除くことなくクリーチャーを封じる」カードは、統率者が統率領域に帰らないので、依存度が高いデッキに対して有効です。当然相手のドレイク対策としても使用できます。

また、戦場に出たときの能力を使いまわす《クローン》的な使い方もできますね。

こういった黒赤のカードは今までなかったので、サブウェポン的に採用されるのが見られそうです。

意志を縛る者、ディハーダロフガフフの息子、ログラクフ愚者滅ぼし、テヴェシュ・ザット

黒赤のジェネラルなら採用検討レベルのパワーがありますし、《意志を縛る者、ディハーダ》では伝説なので回収でき相性が良いですね。《ロフガフフの息子、ログラクフ》《愚者滅ぼし、テヴェシュ・ザット》でも検討の余地があるかもしれません。

⑤『マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY』の発売

「FINAL FANTASY」シリーズのカードはキャラクター人気も高いため持ち込む人が一定数いそうですし、今後の統率者戦のメタゲームにも影響がありそうです。

高ブラケット帯にインパクトを与えそうなのはこの7種類の統率者と考えていました。

《迷える黒魔道士、ビビ》

迷える黒魔道士、ビビ

《好奇心》系カードをつけると、すべての非クリーチャー呪文に《Ancestral Recall》がつきます。基本的にこのギミックでスペルチェインを行い、ビビの能力で相手を全員焼き切るのが主な動きです。

魔法無効化「シェル」最後の賭け水銀の精霊

ジャイグロ系のカードや軽めの追加ターンが実質的にマナ加速になるのもすごい。また、《水銀の精霊》との1枚コンボも重いながらも隙が少なく優秀です。

《魔導戦士、ティナ》/《幻獣の血を引く少女、ティナ》

魔導戦士、ティナ幻獣の血を引く少女、ティナ

軽くて5色の《食物連鎖》統率者ということで注目されています。

基本の勝ち手段は以下です。

《食物連鎖》によるクリーチャー無限マナ

→無限に《魔導戦士、ティナ》を出し入れ

→無限切削(デッキ内のエンチャント回収)

《闇叫び》《タッサの神託者》を回収したり、《死の国からの脱出》を絡めたり……

食物連鎖灯の分身

裏面も、《灯の分身》などを使用し伝説でない《幻獣の血を引く少女、ティナ》のコピーを作ることで、無限マナ+無限速攻の《幻獣の血を引く少女、ティナ》を作ることができます。

cEDHではあまりにも大振りなコンボですが、こちらも魅力的です。

《異邦の詩人》

異邦の詩人

《白日の下に》から始動する《風景の変容》《見事な再生》ループを行う、《ラグーンの神秘家、アーチェロス》のコンボがそのまま流用できそうです。

偏向はたき拒絶の閃光

5色であることで各色の汎用優秀カードが搭載でき、自身も軽いので統率者ピッチや「閃光」サイクルのカードなども撃ちやすく、新たな形の土地コンボが花開く予感。採用できる土地が増え、より怪しいルートを開拓できそうです。

《ルシスの王子、ノクティス》

ルシスの王子、ノクティス

能力と固有色からアーティファクト・ミッドレンジとして活躍しそうです。

一つの指輪直観けちな贈り物

アーティファクトは打ち消しや除去を食らってもマナがある限り何度でも唱えられるので太い。《一つの指輪》を鬼連打しましょう。《直観》や解禁された《けちな贈り物》も強く使えますね。

ルシスの王子、ノクティス霊気貯蔵器モックス・ダイアモンド

《ルシスの王子、ノクティス》+《霊気貯蔵器》をそろえることで、土地を捨てなかった《モックス・ダイアモンド》がスタックと墓地を往復し、3点を払ってもありあまるライフから50点砲3発でゲームが終了します。

苛立たしいガラクタ虚空の杯

また《苛立たしいガラクタ》《虚空の杯》を絡めることで、0マナファクトなら何でも同様のコンボを決めることができるようになります。

出したアーティファクトをポイポイ投げ捨てる様は、ある意味原作通りかもしれません。

《魔女、ヤ・シュトラ・ルル》

魔女、ヤ・シュトラ・ルル

この世のすべてをそこに置いてきた。

《ルーンナイト、セリス》

ルーンナイト、セリス

戦場に出たときの能力に良質な手札入れ替え能力がついた統率者。統率領域にこのレベルのドローソースが置けることがすごいですね。

調べたところ、この能力と完全に効果が一致した呪文はなさそうですが、類似カードを見るに3マナ相当のドローソースに4/4のクリーチャー+全体強化のおまけと考えると異常なマナレシオだと思います。

残忍なレッドキャップ

デザイン通り、リアニメイト戦略で活躍しそうですね。《残忍なレッドキャップ》絡みでの無限「頑強」コンボもあり、至れり尽くせり。

《人造魔導士、ケフカ》/《破壊の化身、ケフカ》

人造魔導士、ケフカ人造魔導士、ケフカ

序盤を捌きながら《人造魔導士、ケフカ》の着地を目指し、着地したらアドバンテージを根こそぎ持っていくデッキ。

その姿はさながら「グリクシスティヴィット」。

結局はグリクシスグッドスタッフなので、基盤はかなり強力です。

サウロンの遺物

カードパワーがありつつも、なかなか採用できるデッキがなかった《サウロンの遺物》を強く使えそうな統率者としても注目しています。

中身として採用されうる注目カードも挙げていきましょう。

《始まりの町》

始まりの町

ショートレンジでコンボを決めるデッキ待望の5色土地です。

もちろんある程度デッキは選びますが、3ターン目までに勝負が決まりがちなcEDHではほぼアンタップインの5色土地換算ができます。

《ミッドガルの傭兵、クラウド》

ミッドガルの傭兵、クラウド頭蓋骨絞め

《頭蓋骨絞め》とのシナジーが評価されています。

2WWで4ドローは極めて高コスパ、かつ戦場に《頭蓋骨絞め》が残るのでリソース獲得手段として凄まじいです。

《頭蓋骨絞め》を強く使えなくてもコスパがいいので、白い統率者でリソースを取る手段として今後よく見かけそうです。

クラウドが自分でサーチしてきた《頭蓋骨絞め》で死亡するのはちょっと絵面悪いですけどね……

《タタル・タル》

タタル・タル

相手のドローで宝物・トークンを生成するクリーチャー。白いマナ加速は限りがあるので統率者によっては重宝するかも。

出たときに相手にドローさせてしまうのは基本的にデメリットですが、交渉に使って均衡を保つことができるのは評価ポイントです。

宝物・トークンがタップインである点と、パワーが0で殴り統率者とシナジーしないのはネックですね(この文章どこかで……)。

《SeeDの傭兵、スコール》

SeeDの傭兵、スコール

フェッチランドを戻すだけで2マナ加速することができます。色拘束と重さから使える統率者に限りがあるものの、カードの性能はピカイチ。毎ターン《セヴィンの再利用》「フラッシュバック」は鬼です。

秘密売り、ティヴィット

既存のデッキの中では、特に《秘密売り、ティヴィット》での採用が注目されています。《ティヴィット》を出す前の足回りとしてのマナ加速の役割を持ちながら、着地後は《ティヴィット》に二段攻撃を付与することで能力を2回誘発させることができます。

消された《堂々たる撤廃者》とか《時の篩》まで戻せる親切キャラでもあります。

ラフディバイドごときでここまでしないでほしい。

⑥『久遠の終端』の発売

こちらも1枚絶対に語らなければいけないカードがあるので見ていきましょう。

《冷酷な船長、テゼレット》

冷酷な船長、テゼレット

個人的な評価としては「パワーカード」だと思っています。0.5《魔力の墓所》くらいの印象。

主に3種類の使い方があると思っています。

1. 起こす

《冷酷な船長、テゼレット》の忠誠値を伸ばせる青茶系デッキは、[0]能力・[-3]能力の両方を2回以上使用できることが期待でき、価値が高いです。

アーカム・ダグソン老いざる革新者、ジョイラ

《アーカム・ダグソン》《老いざる革新者、ジョイラ》などは、アーティファクトだけでなく、自身を起こすこともできるので強く使えますね。

青茶系でなくても、2回以上テゼレットの[0]能力を起動することにバリューがある、タップ能力つきの統率者ではマストになりそうです。

クリーチャーを起こすことで《冷酷な船長、テゼレット》自身やプレイヤーを守ることができるので、大型統率者でも活躍できそう。シンプルにマナクリーチャーを起こせるので疑似マナファクトとして運用することもできます。

2. マナを伸ばす

魔力の櫃暗黒の儀式

・1ターン目《魔力の櫃》から《冷酷な船長、テゼレット》プレイ、[0]能力で《魔力の櫃》をアンタップ→2ターン目に土地込み8マナ

・1ターン目《暗黒の儀式》から《冷酷な船長、テゼレット》プレイ、[-3]能力で《魔力の櫃》をサーチ→2ターン目に土地込み7マナ

というような序盤における爆発的なマナ加速として機能します。

また、《冷酷な船長、テゼレット》を維持することができれば、《魔力の櫃》《太陽の指輪》と組み合わせて長期的なマナ加速として機能します。

多用途の鍵通電式キー

《多用途の鍵》《通電式キー》をサーチすることで、さらに加速も可能。

例えば、《秘密売り、ティヴィット》などでは土地4枚+《冷酷な船長、テゼレット》《魔力の櫃》をサーチして《秘密売り、ティヴィット》キャストにつなげることができます。

《秘密売り、ティヴィット》は能力でアーティファクトが増えまくるので、[-7]能力まで使えるかもしれません。

エスパーの歩哨頭蓋骨絞め

強いていえば、何もないときにサーチ対象があると強く《エスパーの歩哨》にアクセスできたり、《頭蓋骨絞め》などにアクセスする価値があるデッキだとプラスポイントです。

話は逸れますが、ターンが回ったら[0]能力で《エスパーの歩哨》の上に+1/+1カウンターを置くことができます(忘れがち)。

教議会の座席

最近は2色・単色デッキで《教議会の座席》などの単色アーティファクト・土地を採用し、土地を伸ばせるようにしてバリューを担保するアプローチも試されていますね。

3. 《粗石の魔道士》

粗石の魔道士

色を選ばない《粗石の魔道士》として採用される場合があります。

森の轟き、ルムラ精力の護符ズアーの宝珠

例えば、《森の轟き、ルムラ》における《精力の護符》《ズアーの宝珠》など、そのデッキの要となるカードにアクセスできる場合ですね。

デッキに入れたときに《冷酷な船長、テゼレット》がどれくらい強い動きするのかが、統率者だったり色だったりにかなり依存しています。

エスパーの歩哨頭蓋骨絞め魔力の櫃太陽の指輪

黒いデッキや赤いデッキではマナ加速とのくっつき、白いデッキでは《エスパーの歩哨》《愚者滅ぼし、テヴェシュ・ザット》デッキでは《頭蓋骨絞め》など……。「3マナから《魔力の櫃》《太陽の指輪》持ってこれることに価値があるか」が基礎点となり、そこから加点方式のイメージですね。

このスペックで入らないかなーとなるのは、デッキがパンパンな4-5色の統率者くらいのもんなのでは?と予想しています。

少なくとも「入れない」と最初から決めつけるのではなく、入れてみて「合わないなー」と思うカードだと考えています。

その他

久遠のエレベーター星原の歌手終焉の石星間航路の助言零地点のバラード星蛇氷耕しの探検家屑鉄漁り遺伝子送粉機洞察エンジン長距離センサー水平線の探検家探査幼生艦

特定の統率者において、活躍するポテンシャルを秘めたカードが多い印象です。

このへんは詳しい人たちに任せてしまいましょう。

大会記録

期間が長すぎて大会が多すぎること、途中で環境がかなり変わっているので参考程度に。

日付 店名 統率者
2025/02/24 晴れる屋 TC東京 《身勝手な日和見主義者、ウィンター》
2025/03/01 晴れる屋 千葉店 《ワイアウッドの呼び手、ギランラ》《千の顔の逆嶋》
2025/03/02 晴れる屋 横浜店 《Will the Wise》《Lucas, the Sharpshooter》
2025/03/09 晴れる屋 吉祥寺店 《トリトンの英雄、トラシオス》+《織り手のティムナ》
2025/03/09 晴れる屋 千葉店 《光明の不可思議、タヤム》
2025/03/16 晴れる屋 渋谷店 《Will the Wise》《Eleven, the Mage》
2025/03/20 晴れる屋 千葉店 《Will the Wise》《Lucas, the Sharpshooter》
2025/03/23 カードショップサトPin(立川) 《トレストの密偵長、エドリック》
2025/03/30 晴れる屋 千葉店 《開闢機関、勝利械》
2025/04/04 『タルキール:龍嵐録』発売
2025/04/05 晴れる屋 千葉店 《ロフガフフの息子、ログラクフ》《求道の達人、サイラス・レン》
2025/04/06 晴れる屋 吉祥寺店 《精霊の魂、アニマー》
2025/04/13 晴れる屋 千葉店 《秘密売り、ティヴィット》
2025/04/19 晴れる屋 横浜店 《ロフガフフの息子、ログラクフ》《織り手のティムナ》
2025/04/22 禁止制限告知 発表
2025/04/26 晴れる屋 千葉店 《意志を縛る者、ディハーダ》
2025/04/28 晴れる屋 千葉店 未開催?
2025/04/29 晴れる屋 千葉店 《神経質な予見者、ヘルガ》
2025/05/04 晴れる屋 吉祥寺店 《眷者の神童、キナン》
2025/05/05 晴れる屋 横浜店 《神経質な予見者、ヘルガ》
2025/05/05 カードショップサトPin(立川) 《精霊の魂、アニマー》
2025/05/06 晴れる屋 千葉店 《神経質な予見者、ヘルガ》
2025/05/09 『Secret Lair x Marvel’s Deadpool』国内販売
2025/05/10 晴れる屋 渋谷店 《光輝の夜明け、ヘリオッド》
2025/05/11 晴れる屋 千葉店 《破天荒、ステラ・リー》
2025/05/17 晴れる屋 横浜店 《ロフガフフの息子、ログラクフ》《求道の達人、サイラス・レン》
2025/05/24 晴れる屋 吉祥寺店 《織り手のティムナ》《ルーデヴィックの名作、クラム》
2025/05/25 晴れる屋 千葉店 《織り手のティムナ》《三度の再誕、ジェスカ》
2025/06/01 晴れる屋 TC東京 《織り手のティムナ》《ルーデヴィックの名作、クラム》
2025/06/06 『マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY』発売
2025/06/07 晴れる屋 千葉店 《トリトンの英雄、トラシオス》《織り手のティムナ》
2025/06/15 晴れる屋 千葉店 《眷者の神童、キナン》
2025/06/21 カードショップサトPin(立川) 《織り手のティムナ》《ルーデヴィックの名作、クラム》
2025/06/22 晴れる屋 横浜店 《トリトンの英雄、トラシオス》《織り手のティムナ》
2025/06/22 晴れる屋 千葉店 《織り手のティムナ》《ルーデヴィックの名作、クラム》
2025/06/29 晴れる屋 千葉店 《虎の影、百合子》
2025/06/29 晴れる屋 渋谷店 《意志を縛る者、ディハーダ》
2025/07/05 晴れる屋 千葉店 《破天荒、ステラ・リー》
2025/07/13 晴れる屋 千葉店 《秘密売り、ティヴィット》
2025/07/19 晴れる屋 千葉店 《秘密売り、ティヴィット》
2025/07/20 晴れる屋 高崎店 《秘密売り、ティヴィット》
2025/07/25 『久遠の終端』発売
2025/07/26 晴れる屋 渋谷店 《収穫の手、サイシス》
2025/07/27 晴れる屋 千葉店 《精霊の魂、アニマー》

環境予想

環境が高速化している

むかつき沈黙

・引き続き《むかつき》の通りはいい。ただし《否認》には注意。

・ロングゲームになると差し切れないので対話拒否の重要性も上昇。

・特に受けにも使える《沈黙》の価値が上がっている。

「FINAL FANTASY」で登場した統率者が多そう

迷える黒魔道士、ビビルーンナイト、セリス織り手のティムナルーデヴィックの名作、クラム

・『マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY』がリリースされて初の統率者神決定戦なので、好きな統率者を使用して参加する人は一定数いそう。

ティムクラ最強、多そうだし勝ちそう

織り手のティムナルーデヴィックの名作、クラム

正直、最強。

・環境が成熟しきったといえるし、そうなったらこのデッキは強い。

・卓によってデッキのレンジをギアチェンできる強み、卓相性で詰まないポテンシャルが活きる環境になったということ。

ログサイも最強、多くはないけど勝ちそう

ロフガフフの息子、ログラクフ求道の達人、サイラス・レン

コンボが貫通するゲームにおいての出力は全デッキトップクラス。

・オールインデッキ故、貫通しないゲームでの勝率が著しく低いので、一発勝負の大会で使うリスクが大きい部分などで人気がないのも頷ける。

・とはいえ、ブレはあれど常に2日目を狙えるデッキパワーがある。

《迷える黒魔道士、ビビ》は上がりそう

迷える黒魔道士、ビビ

・プロプレイヤー八十岡翔太氏の言う「3マナポン置き界」は統率者戦にも存在している(《戦争の世継ぎ、ローアン》《精霊の魂、アニマー》《神経質な予見者、ヘルガ》など)。

・その中でもかなり強いほう→召喚酔いの影響を受けにくいため。

・ご祝儀期間(バレていない期間のこと)もあり、2日目に行ってもおかしくない。

Blue Cradle Stompyも上がりそう

ロフガフフの息子、ログラクフガイアの揺籃の地トリトンの英雄、トラシオス

ご祝儀期間に加え、対処が困難であることから1名以上は2日目に行くと予想。

メタゲームブレイクダウン+結果の所感

ここからは使用者が多かったジェネラルを見ながら

《織り手のティムナ》《ルーデヴィックの名作、クラム》

織り手のティムナルーデヴィックの名作、クラム

デッキリストページ

第12期 第11期 第10期
使用者 13名 11名 (1名)
戦績 27-48-3 22-40-2 (3-2-1)
勝率 34.62% 34.38% (50%)
順位 ポイント 戦績
6 1643 4-1-1
7 1628 4-2-0
8 1623 4-2-0
14 1435 3-2-1
30 1243 2-4-0
43 1109 2-4-0
45 1103 2-4-0
49 1100 2-4-0
59 1070 2-4-0
73 878 1-5-0
95 844 1-4-1
107 649 0-6-0
130 649 0-6-0

(※X-X-Xは勝ち-負け-引き分けを意味します)

前回から引き続き、というか前回よりも強さが滲み出ている環境最強デッキ。明確に勝率も出ていますね。

けちな贈り物勝利の楽士

採用が分かれる《けちな贈り物》はともかく、《勝利の楽士》は明確な強化です。

あらゆるレンジへの対応力を備え、その丸さから明確な対策もないcEDH界の横綱といえるでしょう。

《トリトンの英雄、トラシオス》《織り手のティムナ》

トリトンの英雄、トラシオス織り手のティムナ

デッキリストページ

第12期 第11期 第10期
使用者 8名 6名 8名
戦績 11-33-2 8-24-2 10-26-10
勝率 23.91% 23.53% 21.74%
順位 ポイント 戦績
3 1714 4-2-0
46 1103 2-4-0
55 1084 2-3-1
62 1068 2-4-0
82 858 1-5-0
99 649 0-6-0
129 649 0-5-1
0-4-0(ドロップ)

フェアデッキといえばの組み合わせとして人気のデッキ。

《トリトンの英雄、トラシオス》を出して4マナ起動を構える動きのテンポが悪く、現環境のスピード感に合っていないこと。

・赤がないため《死の国からの脱出》が取れず、対話拒否からのコンパクトな必殺技がないことがネックになっている印象。

今回入賞したムカイさんのリストのように、現環境のスピード感に対応したプランを用意してチューニングできているかがキモですね。

《浄火の戦術家、デリーヴィー》

浄火の戦術家、デリーヴィー
第12期 第11期 第10期
使用者 6名 4名 6名
戦績 11-21-2 5-16-2 9-19-6
勝率 32.35% 21.74% 26.47
順位 ポイント 戦績
13 1440 3-3-0
18 1402 3-3-0
42 1115 2-4-0
65 1053 2-3-1
91 844 1-4-1
0-4-0(ドロップ)

先述した通り、実はデッキ思想的にはBlue Cradle Stompyに近いですが、《浄火の戦術家、デリーヴィー》《ガイアの揺籃の地》を起こせるのでデッキがコンパクト

一つの指輪洞察エンジン

バントなので妨害を採用できることと《一つの指輪》を強く使えることが利点。「指輪2」こと《洞察エンジン》の評価も気になるところ。

なぜ勝率が上がったのかは……謎です!

《意志を縛る者、ディハーダ》

意志を縛る者、ディハーダ
第12期 第11期 第10期
使用者 5名 3名 (2名)
戦績 6-24-0 6-9-2 (3-9-0)
勝率 20.00% 35.29% (25.00%)
順位 ポイント 戦績
21 1381 3-3-0
70 895 1-5-0
74 874 1-5-0
78 858 1-5-0
131 649 0-6-0

《むかつき》デッキのような印象がありますが、今は「マルドゥ・レジェンズ」のようなデッキ構成になってます。

《ロフガフフの息子、ログラクフ》《織り手のティムナ》との差別化によってランプデッキへと寄っていった感じですね。

Deadpool, Trading CardSeeDの傭兵、スコールShadow the Hedgehog

《Deadpool, Trading Card》《SeeDの傭兵、スコール》に加え、《Shadow the Hedgehog》も入りそう!レジェンド推しであろう『マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スパイダーマン』『マジック:ザ・ギャザリング | アバター 伝説の少年アン』でも強化がもらえそうな雰囲気もありますね。

《秘密売り、ティヴィット》

秘密売り、ティヴィット
第12期 第11期 第10期
使用者 5名 4名 3名
戦績 6-17-1 10-12-2 8-9-1
勝率 25% 41.67% 44.44%
順位 ポイント 戦績
25 1345 3-3-0
53 1085 2-4-0
79 858 1-4-1
0-2-0(ドロップ)
0-4-0(ドロップ)

予想より勝率が出ませんでした。《秘密売り、ティヴィット》で2日目常連のプレイヤーが欠席だったのも関係しているかもしれません。こういう要素である程度勝率がブレてしまうのは、統率者戦の特性上しょうがないのかなと思う部分もありつつ……。

「FINAL FANTASY」の統率者が少なかったのも誤算ですね。そういったデッキへの相性は良いので、多かったらもっと勝率が伸びてたと思います。

織り手のティムナルーデヴィックの名作、クラムトリトンの英雄、トラシオス織り手のティムナ

あとはティムクラとトラティムがきつい!

1番人気2番人気に不利なのと、さすがにネタバレがきついか……?と思いますが、バンバン勝ってるのは見かけますし、またTOP12に入ってくるであろう統率者ですね。

《神経質な予見者、ヘルガ》

神経質な予見者、ヘルガ

デッキリストページ

第12期 第11期 第10期
使用者 4名 (1名) (0)
戦績 8-15-1 (2-4-0)
勝率 33.33% (33.33%)
順位 ポイント 戦績
10 1580 4-2-0
57 1082 2-4-0
58 1082 2-4-0
118 649 0-5-1

内訳はBlue Cradle Stompy3人、純ヘルガ1人でした。

チャクラムの受け手

もともと《神経質な予見者、ヘルガ》《チャクラムの受け手》などを用いたクリーチャーチェイン系デッキで、いうなれば「バントアニマー」のような感じです。

もともとの思想がBlue Cradle Stompyに近く、“より尖らせた結果”とも言えるかもしれません。

Blue Cradle Stompyの中ではキルターンが遅いかわりに、受けを入れることができるという立ち位置ですが、4色共闘にはこの強みぶん有利という印象です。

《迷える黒魔道士、ビビ》

迷える黒魔道士、ビビ

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第12期 第11期 第10期
使用者 4名
戦績 9-15-0
勝率 37.50%
順位 ポイント 戦績
5 1643 4-2-0
61 1069 2-4-0
77 858 1-5-0
89 844 1-5-0

この統率者はターンが回ってきたら基本的にゲームが終了します。

「鳥は見たら焼け」ならぬ「《ビビ》は見たら焼け」ですね。

こういったところで「分からん殺し」をして勝率を稼いだ部分もあると思います。

3マナポン起き界においての《迷える黒魔道士、ビビ》の革命的なところは「召喚酔いの影響を受けない」という点にあります。

入賞したシバサキ選手はそれを活かした「《ビビ》を出したターンに決める」というアプローチを取り入れておりかなりやっかい。

ターンが回ってこなくてもゲーム終了を警戒してください。

原則《迷える黒魔道士、ビビ》はありあまるマナをリソースに変換するスペルを撃ってくるので、除去がない場合はリソース札に《否認》を当てることも大事。

《眷者の神童、キナン》

眷者の神童、キナン
第12期 第11期 第10期
使用者 4名 6名 9名
戦績 5-18-1 10-25-1 9-41-4
勝率 20.83% 27.78% 16.67%

勝率を落としました。

環境に対応する速度を担保することが必要になった結果、マナクリーチャーを採用しなければいけなくなったことが原因と考えています。

マナクリーチャーを採用すると

・全体除去や《オークの弓使い》に弱くなり脆い。
・序盤の展開が激しくなり、ヘイトが上がる。
・後引きが弱すぎる。

というデメリットを背負う必要があり苦しいですね。

Blue Cradle Stompyに相性が悪いのも向かい風。

《Iron Man, Titan of Innovation》

Iron Man, Titan of Innovation
第12期 第11期 第10期
使用者 3名 4名
戦績 3-13-1 7-16-1
勝率 17.65% 29.17%

重統率者なのでちょっと高速環境では立ち位置が悪そうです。《Mishra’s Workshop》は強力ですが、アクセス手段がないのが問題か。

流石に時期が空きすぎて、やばさが知れ渡ってしまった感もありますね。

もともと「なんかやばくね?」で除去られやすい派手な統率者なので、統率者神決定戦の波に乗るのは少し難しいかもしれません。

《ロフガフフの息子、ログラクフ》《トリトンの英雄、トラシオス》

ロフガフフの息子、ログラクフトリトンの英雄、トラシオス

デッキリストページ

第12期 第11期 第10期
使用者 3名 (0名) (0名)
戦績 6-9-3
勝率 33.33%
順位 ポイント 戦績
9 1621 4-1-1
81 858 1-5-0
98 844 1-3-2
ガイアの揺籃の地トリトンの英雄、トラシオス

最近海外で流行している統率者です。内情はTurbo Cradleと呼ばれる「高速《ガイアの揺籃の地》デッキ」です。《ガイアの揺籃の地》でマナを伸ばして《トリトンの英雄、トラシオス》でゲームするイメージ。

偏向はたき重複の閃光はらわた撃ち

またそこからの派生で、赤い土地を採用せずに《偏向はたき》《重複の閃光》《はらわた撃ち》だけを採用したいわゆる「シミックログトラ」も存在します。

なのに、今回さらに追加で「傍若無人Blue Cradle Stompy」が発生!

今回はそれぞれ1名ずつなので、正直統率者ごとの勝率という数字に意味があんまりないです。

困ったねぇ……。

Blue Cradle Stompyとしてみると、スピードと安定性の折衷案といった感じ。赤いBlue Cradle Stompyなので続唱ベースのため、受けを入れることができない代わりにスピードを上げている感じです。《ロフガフフの息子、ログラクフ》を活かせるのも強みですね。

《鋭い目の航海士、マルコム》《激情の薬瓶砕き》

鋭い目の航海士、マルコム激情の薬瓶砕き
第12期 第11期 第10期
使用者 3名 6名 5名
戦績 3-14-0 9-26-1 6-20-1
勝率 17.65% 25.00% 22.22%
順位 ポイント 戦績
64 1068 2-4-0
87 844 1-5-0
0-5-0(ドロップ)

《ログラクフ》《サイラス・レン》より1段階スローなこのデッキも、現環境のスピード感に合っていないと思います。《死の国からの脱出》はありますが、統率者で引けない上に対話拒否がないのでロングゲームができないのが問題ですね。

光り角の海賊むかつき

《むかつき》デッキに対しての有意性→《光り角の海賊》

・Blue Cradle Stompyに対しての有意性→《むかつき》などの2キルや、バックアップ付きの3キルができる。

Blue Cradle Stompyのせいで3キルデッキは環境に対して速度感が中途半端になりつつあります。

同じ色ならギアを上げて《ログラクフ》《サイラス・レン》か、太いプランを取れる《人造魔導士、ケフカ》に軍配があがりそう。

今後環境に除去が増えていくことが予想されるのは少し厳しいですね。

《鋭い目の航海士、マルコム》《織り手のティムナ》

鋭い目の航海士、マルコム織り手のティムナ
第12期 第11期 第10期
使用者 3名 (1名) 3名
戦績 5-13-0 (0-4-0) 5-13-0
勝率 27.78% (0.38% (50%)
順位 ポイント 戦績
27 1341 3-3-0
39 1117 2-4-0
127 649 0-6-0

以前の記事でも書きましたが、「デッキが強くなるレンジに持っていくことの再現性は高いが、そこから勝ち切らない」デッキのひとつです。

対話拒否からのデモコンタッサに一定の強さはありますが、逆に言うとこれしかないのが辛いところ。

現環境のcEDHは、“ゲームを長引かせる”ために赤と白が必要なのでなかなか勝ち切れないですね。

《虎の影、百合子》

虎の影、百合子

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第12期 第11期 第10期
使用者 3名 3名 4名
戦績 6-12-0 5-13-0 2-20-2
勝率 33.33% 27.78% 8.33%
順位 ポイント 戦績
1 1724 4-2-0
71 891 1-5-0
86 844 1-5-0

「上忍術」するための道が空きやすい《織り手のティムナ》《ルーデヴィックの名作、クラム》の流行は追い風か。

地方から遠征してきたプレイヤーが「関東は《虎の影、百合子》に対するガードが低い」とコメントを残していました。

最近多くは見かけないので、対戦経験が減っている部分はあるかもしれません。統率者の性能上対応に専用の立ち回りが必要なので、意識したほうがよさそうです。

具体的には道を開ける開けないの判断や、めくれたカードからの動きのリーディングなどですね。

《森の轟き、ルムラ》

森の轟き、ルムラ
第12期 第11期 第10期
使用者 3名 (1名) (1名)
戦績 4-13-1 (2-4-0) (4-2-0)
勝率 22.22% 33.33% (66.67%)
順位 ポイント 戦績
22 1380 3-2-1
76 859 1-5-0
105 649 0-6-0

EDHの國こと岡山は倉敷で生まれた熊さん。そのハチミツの如き中毒性に取りつかれてしまったプレイヤーが全国に点在しているらしいです。

『久遠の終端』だけで、

冷酷な船長、テゼレット氷耕しの探検家水平線の探検家
飢えた星祖探査幼生艦

5枚の新カードをもらっており、水面下(森林下?)でとんでもない強化を受けています。

見た目より繊細に勝ちまで動いてくるので要注意。

私も絶賛勉強中です。

《人造魔導士、ケフカ》

人造魔導士、ケフカ
第12期 第11期 第10期
使用者 3名
戦績 6-12-0
勝率 33.33%
順位 ポイント 戦績
15 1420 3-3-0
38 1119 2-4-0
72 885 1-5-0

概要は前項で書いたので、《秘密売り、ティヴィット》との比較をしていきましょう。結局統率者の特性上、基本的にロングゲームをつくることになります。

良いところ

人造魔導士、ケフカDemonic Consultationタッサの神託者死の国からの脱出

ロングゲームの攻めにおいて、《人造魔導士、ケフカ》が相手のリソースを枯らすことができるので、攻めの対話拒否が不要

グリクシス部分(デモコンタッサや《死の国からの脱出》コンボ)のおかげで徒競走に参加できること。不器用ながらレンジのギアチェンが可能というところが大きな強み。

悪いところ

リソースを枯らした相手と1vs3をしないといけないこと。

《秘密売り、ティヴィット》より盤面へ与えるインパクトが大きくヘイトを買いやすいし、護法がない。

そのため受けの対話拒否がないことが響きやすく、相手の無理仕掛けや急襲パターンをしのぐことができない。

といったところでしょうか。

《刃を咲かせる者、ナジーラ》

刃を咲かせる者、ナジーラ

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第12期 第11期 第10期
使用者 3名 4名 (2名)
戦績 6-11-1 10-14-0 (2-9-1)
勝率 33.33% 41.67% (16.67%)
順位 ポイント 戦績
2 1717 4-2-0
31 1217 2-3-1
111 649 0-6-0

こちらも安定して強いですね。5色デッキの強みを生かした多角的な攻めは、この環境において大きな強みだと思います。

このデッキもティムクラと同じく、卓によって自分のデッキのレンジをギアチェンできるデッキのひとつです。

ただし統率者で引くことができないため、受け側に回る難易度はティムクラに比べて高めであるといえます。

環境予想答え合わせ

環境が高速化している→〇

むかつき死の国からの脱出

上位入賞デッキや勝率の高い統率者を見ても高速デッキが多かったです。

神決定戦に至っては、全デッキが2~3キルを狙えるポテンシャルを持つデッキかつ、高速環境をさばいた後の長期戦にも耐えうるデッキだったことからもよくわかりますね。

FINAL FANTASYで登場した統率者が多そう→×

上で出した7統率者も含め、人気のFFキャラで出場するプレイヤーがもう少し多いと予想したのですが、14/152と10%以下にとどまる結果に…

内訳は以下の通りです。

ティムクラ最強、多そうだし勝ちそう→〇

織り手のティムナルーデヴィックの名作、クラム

同一の統率者が3人2日目に残ったのは12回の統率者神決定戦初めての出来事。

強さを示す象徴的な出来事になりました。

ログサイも最強、多くはないけど勝ちそう→×

ロフガフフの息子、ログラクフ求道の達人、サイラス・レン

まさかの使用者0名……。

ティムクラやトラティムくらいの使用者数がいれば1名は2日目に進出したと思います。

この現状は悲しい……。

《迷える黒魔道士、ビビ》は上がりそう→〇

迷える黒魔道士、ビビ

下馬評通り1名上がってきました。

Blue Cradle Stompyも上がりそう→〇

ロフガフフの息子、ログラクフトリトンの英雄、トラシオスガイアの揺籃の地

こちらも下馬評通り。

ただでさえコンボの貫通力が高いうえに「分からん殺し」されたらたまったもんじゃないですよね。

ティムクラ特集

見事神に輝いたタカハシ選手のリストをベースにリストを比較していきましょう!

デッキリストページ

まずはタカハシ選手のリストの特徴的な部分から。

《オアリムの詠唱》

オアリムの詠唱

対Blue Cradle Stompyも意識された受け攻め両刀カード。アンテナを張っているプレイヤーは採用していた印象。

《裏切り者の都》

裏切り者の都

《リスティックの研究》《息詰まる徴税》《ルーデヴィックの名作、クラム》といった強い置物を1周早く定着させる目的。

ハードマリガンが肯定され、キープ基準にもなる。

タカハシ選手 – コンドウ選手比較

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《ドラゴンの怒りの媒介者》

ドラゴンの怒りの媒介者

《織り手のティムナ》用のアタッカー。
《死の国からの脱出》による急襲ルートの幅が広がる。
・諜報がめちゃくちゃ難しい。

タカハシ選手 – クロサワ選手比較

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《研磨基地》

研磨基地

・急襲プランの幅を広げる目的。

・赤だけで《死の国からの脱出》のコンボが決まる(=色マナ負担が軽減される)。

《けちな贈り物》

けちな贈り物

・勝ち手段兼受け。

・やや重いという意見もわかるが、2枚目の《むかつき》としての運用はめちゃくちゃ強い。

《発展のタリスマン》/《威圧のタリスマン》

発展のタリスマン威圧のタリスマン

《リスティックの研究》《息詰まる徴税》《ルーデヴィックの名作、クラム》《一つの指輪》といった強い置物を1周早く定着させる目的。

・その目的のための2マナランドとのくっつきの良さが評価。

・キープ基準の増加。

・手が溢れたときにドロップしても青マナを減らさない。

《毒の濁流》

毒の濁流

・Blue Cradle Stompyを含むクリーチャーデッキに対する対策。

・タリスマンを増やして《織り手のティムナ》のリキャストがしやすくなっている点も含めて考えられている。

《Wheel of Fortune》

Wheel of Fortune

・激しいマリガンをするためカード。

・4枚、3枚のマリガンを《神秘の教示者》+マナ加速などで肯定することができる。

Blue Cradle Stompyについて

このデッキは《否認》系カウンターを貫通し、安定で3~4キルをたたき出すという高出力デッキです。

このデッキに勝利するためには、

①このデッキより早く勝利する。
②このデッキに足をかけ、生み出した数ターンで勝利する。

の2パターン以外現実的ではなく、

《織り手のティムナ》《ルーデヴィックの名作、クラム》

《ロフガフフの息子、ログラクフ》《愚者滅ぼし、テヴェシュ・ザット》

《ロフガフフの息子、ログラクフ》《求道の達人、サイラス・レン》

《刃を咲かせる者、ナジーラ》

くらいのパワーがないと対応しきれないと思われます。

正直上記の統率者でも、初手や手番によっては1人では受けきれないほど対処しにくく、貫通力があります。

典型的な足切り3~4キルデッキとして、今後君臨することになるでしょう。

どうしても抵抗したい場合、必然的に②のプランを取ることになると思います。マナクリーチャーなどのファーストアクションを潰すことが大切です。

精神的つまづき剣を鍬に毒の濁流沈黙

《精神的つまづき》、単体除去、全体除去、《沈黙》系などを用いて時間を作っていくことになると思います。

ログサイと対面したときくらいの「覚悟の準備」をしておく必要があると胸に刻んでおいてください。

おまけ:Blue Cradle Stompyの勝率

総合勝率は12-21-3の33.33%。

争奪戦などに出場し、熱心に調整していた3名の勝率は10-6-2で55.55%。とんでもないですね。

まとめ

織り手のティムナルーデヴィックの名作、クラムガイアの揺籃の地

第11期~第12期統率者神は《織り手のティムナ》《ルーデヴィックの名作、クラム》の君臨「Blue Cradle Stompy」の躍進でした。

カードの採用枚数も使用者1~2名の統率者の割合(51.97%)も前回から横ばいで、全体を見ると「あまり変わっていない」ように見える環境ですが、Blue Cradle Stompyという新たな旋風は環境にどのような影響を与えていくでしょうか。

今回は『久遠の終端』の発売直後だったこともあり、まだ『久遠の終端』のカードの検討をできていなそうなプレイヤーも見受けられました。影響はこれから8月にかけて広がっていくかもしれませんね。


ここからも『マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スパイダーマン』『マジック:ザ・ギャザリング | アバター 伝説の少年アン』と続きます!また伝説のクリーチャーがフィーチャーされると思うので楽しみですね!

次回の統率者神決定戦がいつかはわかりませんが、また新たな環境でお会いしましょう!

おわりに

いかがでしたでしょうか。

この分析記事が、みなさんの良きcEDHライフの一助になれば幸いです。

えんぞー

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