最新のスタンダード大会結果をチェック!
こんにちは!晴れる屋メディアの紳さんです。
最近の私は、『久遠の終端』で登場した《サンスターの司祭》というカードにハマっています。
1ターン目に《ボヤージャーの滑空車》や《地区のマスコット》のような機体や乗騎を出せば、2ターン目に出した《サンスターの司祭》が即乗り込んで攻撃でき、2体のクリーチャーがタップしているので《サンスターの司祭》の能力が誘発します。かなり強力なムーブです。
「でも、《サンスターの司祭》が引けなかったらどうにもならないんでしょ?」と思われるかもしれません。
「8枚あったらデッキになる」とはよく言ったもので、同じ役割のカードがもう1種類ぐらいないとコンセプトデッキは作りづらいですよね。
ご安心ください。《尻込みする優等生》はほぼ《サンスターの司祭》です。2ターン目に「生存」を誘発させることで、これも強力な動きとなります。
揃いましたね、パーツが。しかも、いずれも50円~100円で手に入るカードばかりです。
まぁ、イゼット大釜の《略奪するアオザメ》と《プロフトの映像記憶》が こちらより遥かに強い わりと似たような動きをしてきますが、白は除去が強いので余裕です。
《安らかなる眠り》も採用できますしね!
さて、それでは今週も最新の大会結果をチェックしていきましょう!
『Standard Showcase Qualifier – 2025/08/23』
『Showcase Qualifier』はMOの予選を抜けたプレイヤーのみが参加できる大会で、優勝するとプロツアーの参加権利と『マジックオンラインチャンピオンシップ』(以下、MOCS)』の参加権利が得られるビッグイベントです。
MOCSで優勝or準優勝すれば世界選手権への出場権利も得られるため、MOから世界へと繋がる重要な大会の一つとなっております。
トップ16の結果がこちらです。
『Standard Showcase Qualifier – 2025/08/23』
優勝 ディミーアミッドレンジ
準優勝 イゼット大釜
トップ4 イゼット大釜
トップ4 エスパーピクシー
トップ8 イゼット大釜
トップ8 イゼット大釜
トップ8 アゾリウスコントロール
トップ8 ディミーアミッドレンジ
トップ16 イゼット大釜
トップ16 イゼット大釜
トップ16 イゼット大釜
トップ16 アゾリウスコントロール
トップ16 エスパーピクシー
トップ16 赤単アグロ
トップ16 イゼット大釜
トップ16 4色コントロール
優勝はディミーアミッドレンジ、準優勝はイゼット大釜と、トップメタデッキのワンツーフィニッシュとなりました。
特にイゼット大釜はトップ16中8名が使用しており、支配的なメタゲームといえるでしょう。
ディミーアミッドレンジ
こちらが優勝したディミーアミッドレンジのリストです。
除去カードはなるべくコストが軽く、それでも最大限、スタッツが高いクリーチャーも除去できるようなカードが厳選されています。
《悲劇の軌跡》は1マナながら、「ヴォイド」を達成することで大型クリーチャーまでも始末できる優れものです。《地図トークン》を生け贄に捧げるだけでもヴォイドは達成できるため、《遠眼鏡のセイレーン》の価値が高くなっています。
注目はメインから2枚採用された《下水王、駆け抜け侯》。墓地対策カードとしてはインスタントタイミングでの妨害はできないものの、相手の「昂揚」達成を阻止する役目は十分にこなせそうです。
また、横並べしたネズミ・クリーチャー・トークンは将来的に《永劫の好奇心》での大量ドローにも貢献するなど、戦力としても期待できます。
さらに、サイドボード後は《情け知らずのヴレン》まで登場。ネズミシナジーまで有効活用するなど、抜け目がありません。
そのほか、《アガサの魂の大釜》《プロフトの映像記憶》を1マナで打ち消せる《無効》、クリーチャー除去と墓地追放を同時に行える《戦略的裏切り》などがサイドボードに採用されており、イゼット大釜対策は万全といったところでしょうか。
《悪夢滅ぼし、魁渡》や《永劫の好奇心》が定着したときのイケイケ感はすごいです。今後も形を微妙に変えながら、トップメタの一角を担い続けるデッキだと思います。
4色コントロール
最近、少しずつ使用者が増えている印象の4色コントロール。この大舞台で持ち込むプレイヤーがいたことに驚きを隠せません。
クリーチャーは《マラング川の執政》が2枚採用されているだけで、デッキのほとんどがインスタント・カードで構成されています。
《不可避の敗北》は4マナと重いですが、パーマネント追放除去に3点ドレインが付くという破格の性能。
《ジェスカイの啓示》にいたっては能力が盛り込まれすぎていますが、「通れば、だいたい勝てる」性能であることは間違いありません。
青系デッキ相手に《ジェスカイの啓示》を打ち消されてはたまりませんので、《湧霧の村》がメインとサイドに1枚ずつ採用されていました。
「呪文が打ち消されない」という安心感は素晴らしいですね。
あとは「いかに勝負を終盤までもつれ込ませるか」というところですが、《喝破》で出ばなをくじきながら、《稲妻のらせん》などでライフを高水準に保ち続けることで勝機が見えてきます。
少し気になるのは、また赤系のアグロデッキが流行り出したことです。
特に《叫ぶ宿敵》は天敵で、万が一にも能力を誘発させてしまうとデッキの構造的に厳しい戦いとなります。《稲妻のらせん》《不可避の敗北》《ジェスカイの啓示》のライフ回復がすべて封じられてしまうのは、さすがにマズそうですね。
サイドボードにはクリーチャーがたくさん採用されており、軸ずらしの戦略がハマりそうです。
逆に、このデッキと対戦する場合は「サイド後、クリーチャー除去を少しだけ残す」ということを意識したいですね。かなり腐りやすくなるので抜いてしまいたい気持ちもありますが、まったく対処できないのは問題です。
特に《忘れ去られし伝承のスフィンクス》を除去できないと、どんどんアドバンテージ差をつけられてしまいます。
それにしても、イゼット大釜全盛の時代にこのような大胆な戦略のデッキが活躍していることは嬉しいですね。
『Standard Challenge 32 – 2025/08/24』
それでは続いて、日曜日の『Standard Challenge 32』の結果をチェックしていきましょう。47名が参加しました。
『Standard Challenge 32 – 2025/08/24』
優勝 イゼット大釜
準優勝 ディミーアミッドレンジ
トップ4 イゼット大釜
トップ4 イゼット大釜
トップ8 ボロスハツカネズミ
トップ8 赤単アグロ
トップ8 ボロスドラゴン
トップ8 ディミーアミッドレンジ
この大会もやはり、トップメタデッキ同士の1、2フィニッシュとなりました。優勝はイゼット大釜、準優勝はディミーアミッドレンジという結果です。
7位入賞のボロスドラゴンは、流行中の赤単ドラゴンに白がタッチされた形で、《鳴り渡る龍哮の征服者》が4枚採用されていました。
《鳴り渡る龍哮の征服者》はクリーチャー・アーティファクト・プレインズウォーカーの能力をシャットダウンする能力を持ち、《迷える黒魔道士、ビビ》のマナ能力も封じることが可能です。マナ能力まで使えなくするのは、この手のメタカードとしては珍しい特徴ですね。
攻撃はされてしまうものの、《悪夢滅ぼし、魁渡》の忠誠度能力を封じることができるのも好印象です。
ボロスハツカネズミ
最近、ちょくちょくMOの大会で入賞しているボロスハツカネズミ。今大会でもトップ8に食い込む活躍を見せました。
かつての《心火の英雄》が使用可能だった時代に比べるとスピードでは劣る代わりに、横並べしてから《花足の剣豪》で大ダメージを狙う動きに加えて、《熾火心の挑戦者》や《髭谷の先駆け》でアドバンテージを稼ぎながらロングゲームに備えることも可能なデッキとなっています。
アグロというよりは、ややミッドレンジ要素が濃いデッキではあるものの、《岩面村》以外にそこまでシナジーがあるわけでもない《雇われ爪》をメインから4枚採用しているところをみると、スピード決着を狙う意識はあるようです。
初期手札の状況によって、プランを柔軟に変更する必要がありそうですね。
ライフ回復、置き物への対処、墓地対策など赤単では難しい部分も白と手を組むことで解決しています。
今、赤系のデッキといえばドラゴンに勢いがありますが、ハツカネズミもまだまだ戦えそうですね!
赤単アグロ
「イゼット大釜だけは絶対に許さない」という強いコンセプトで誕生した赤単アグロデッキがトップ8に入賞していました。
ベースとなったデッキは赤単ドラゴンですが、《財宝使い、マグダ》《雄牛のやっかいもの》といった名誉ドラゴンカードが抜けています。やはり悠長だったのでしょうか。
代わりに採用されているのが《焼き切る非行士》と《剃刀族の棘頭》です。
《焼き切る非行士》は「エンジン始動!」を持ち、さらに威迫を持っているため、序盤から順調に「速度」を上げることができそうです。
1/1というスタッツは貧弱ですが、「最高速度」に達すると二段攻撃を持つことで、中盤以降も強烈なアタッカーとなります。マナさえあれば+1/+0修正できる点も見逃せません。
《剃刀族の棘頭》は対戦相手がカードを引くたびに1点のダメージを与えます。
通常のデッキであればそこまで脅威となるクリーチャーではありませんが、ルーティングを多用するイゼット大釜には致命的なカードで、除去を強要することで動きを鈍らせることができます。
もちろん、除去されなければライフレースが大幅に有利となるでしょう。
サイドボードも徹底してイゼット大釜が嫌がるカードを中心に採用されています。
なかでも《復讐に燃えた憑依》は巨大に成長した《略奪するアオザメ》や《プロフトの映像記憶》が+1/+1カウンターを乗せたクリーチャーを奪って勝つことが想定されており、劣勢でも一気に逆転できる切り札となります。
ベースが赤単なので、イゼット大釜以外のマッチアップでもそれなりに戦えそうで、現在のメタゲームに合っているデッキかもしれませんね。
おわりに
以上、最新の大会結果と注目デッキの紹介でした。
イゼット大釜一強のメタゲームはまだまだ続きそうですが、新しいアプローチのデッキがたくさん誕生しており、非常に興味深い環境になっております。
極端な環境だからこそ、今回紹介した赤単のような大胆な工夫が見られたデッキが誕生するのかもしれませんね。人間ってすごい。
次はどんなデッキが活躍するでしょうか。来週の大会結果もお楽しみに!それでは、また。