最新のスタンダード大会結果をチェック!
こんにちは!晴れる屋メディアの紳さんです。
土日にアメリカのメリーランド州ボルチモアでスタンダードの大型大会『Magic Spotlight: Spider-Man』が開催されました。今回はそちらの結果を振り返りながら、最新のメタゲームを追いかけたいと思います!
『Magic Spotlight: Spider-Man』
かつての「グランプリ」に位置づけられるオープン大会、「スポットライト・シリーズ」。今回の『Magic Spotlight: Spider-Man』には546名と多くのプレイヤーが参加しました。
トップ16に入賞したデッキは以下の通りです。
『Magic Spotlight: Spider-Man』
優勝 ラクドスアグロ
準優勝 イゼット大釜
3位 イゼット大釜
4位 イゼット大釜
5位 シミックウロボロイド
6位 イゼット大釜
7位 イゼット大釜
8位 ボロスハツカネズミ
9位 イゼット大釜
10位 赤単
11位 イゼット大釜
12位 イゼット大釜
13位 イゼット大釜
14位 イゼット大釜
15位 イゼット大釜
16位 赤単
トップ16中、イゼット大釜が11名入賞するなど支配的なメタゲームとなりました。優勝したのはメタゲーム外のラクドスアグロで、かなりの剛腕が炸裂したようです。
話題のデッキ、シミックウロボロイドも5位に入賞するなど、存在感を示しています。
ラクドスアグロ
見事優勝したラクドスアグロ。ラクドスといってもほぼ赤単で、《残響の力線》を置いてからの爆発的な打点が魅力のデッキとなります。
《熾火心の挑戦者》や《精鋭射手団の目立ちたがり》がクリーチャー強化呪文と相性が抜群なのは言うまでもありませんが、今回の優勝デッキには意外にも《闘技場の花形》が4枚フル採用されていました。
単に爆発力を期待するなら「威迫」や「二段攻撃」を絡めることができる《焼き切る非行士》の方が強そうですが、《闘技場の花形》には 「応召」によって一時的に攻撃クリーチャーを増やせるという強みがあります。《残響の力線》によるコピーを含め、クリーチャー強化呪文の対象を分散させることで、除去されたときの被害を最小限に抑えることが可能です。
戦場に出たトークンがターン終了時に生け贄に捧げられるのも都合がよく、《裏の裏まで》で「戦慄予示」が行えるというメリットがあり、なかなか目から鱗なテクニックが隠されていました。
うっかり相手がタップアウトした返しには《無感情の売剣》の出来事面による一撃必殺があり、自分のターンにマナを使いきることが多いイゼット大釜を牽制します。1枚挿しの《かさ上げ》も対戦相手の計算を狂わせるカードで、《精鋭射手団の目立ちたがり》と組み合わされば大ダメージを叩き出すことができます。
ゲーム開始時の《残響の力線》の有無で強さがかなりブレそうなデッキですが、仮に《残響の力線》なしで戦ったとしても、十分な打点が出せそうなデッキです。
サイドボードにはイゼット大釜対策として定評がある《剃刀族の棘頭》《除霊用掃除機》を採用。さらに、キャストすることが絶対にできない《ヤドクガエル》が1枚採用されています。
優勝者のアレクサンドル・マクアイサックは以前にも、オーランドの大会でマスコットとして《ヤドクガエル》を1枚採用したことで話題となりましたが、今回は話題だけでなく優勝という実績まで獲得しました。
サイドボードの15枚目を完全に無駄にすることで「最適なリストを組み上げる」という重圧から解放され、デッキ調整のために悩み続けて睡眠時間が削られることを防ぐというメリットがあるのかもしれませんね!
また、「お守り」として好きなカードを1枚サイドボードに忍ばせることで精神的なゆとりが生まれ、今回の優勝につながっている可能性も!?僕も愛用のジェスカイコントロールのサイドボードに《ヘクトアイズ》を忍ばせておきたいと思います。
イゼット大釜
現スタンダード環境で間違いなく最強のデッキ、イゼット大釜。《マルチバースへの通り道》を獲得し、マナベースがさらに安定しました。
最近のリストでは《光砕く者、テルサ》を不採用にし、《量子の謎かけ屋》を多めに採用する傾向にあります。ややスピードが落ちるかわりにリソース獲得手段に優れ、《アガサの魂の大釜》で《迷える黒魔道士、ビビ》を追放した際には、2マナの「ワープ」でプレイした《量子の謎かけ屋》に+1/+1カウンターを置くことで、すぐさま5マナ分の呪文を唱えられるようにする動きが強力です。
今大会もそうでしたが、ここ最近はアグロデッキ対イゼット大釜の構図となるメタゲームが多く、メインから《洪水の大口へ》や《塔の点火》といった1マナ除去が採用されています。特に《洪水の大口へ》はいざとなればエンチャントなどにも触れる点が優秀で、汎用性の高いカードです。
デッキ公開制の大会ということもあってか、サイドボードの打ち消しはかなり散らして採用されています。押しつけが強いデッキなので、1マナで相手の妨害を弾ける《呪文貫き》はかなり驚異となりそうです。
《無効》はミラーマッチでも強力ですし、《逸失への恐怖》や《永劫の好奇心》もわずか1マナで打ち消せるなど、思った以上に活躍の幅が広いカードですね。
今や、どのデッキもイゼット大釜への対抗策を積んでいますが、それらをすべて蹴散らして安定した成績を残しているのがこのデッキのすごいところです。快進撃はどこまで続くでしょうか。
ボロスハツカネズミ
かなりの「正統派」というか、ハツカネズミシナジーに重点を置いたデッキがトップ8に入賞していました。
《小癪な家ネズミ》と《花足の剣豪》は優秀な1マナクリーチャーで、これらが横並びした状態で「実質的なハツカネズミロード」である《渓間の冒険呼び》や《多様な鼠》を展開し、ライフを奪っていきます。
攻撃力もさることながら、除去にライフ回復がついてくるところもこのデッキの強みで、アグロデッキ全盛の現スタンダード環境において、かなり良い立ち位置を獲得しています。
また、このデッキに限ったことではありませんが、最近の赤系アグロデッキにはメインから《戦慄大口の怒り》が採用されていることが多いです。標的はもちろん《アガサの魂の大釜》で、「なるべく火力を落とさずにイゼット大釜対策がしたい!」という切実な気持ちが伝わってきます。できれば《熾火心の挑戦者》を対象に使いたいところです。
ここまでハツカネズミに寄せるなら最強のロードである《岩山炎の後継者、メイブル》にも手が伸びそうなところですが、現スタンダード環境において2マナと3マナの差は果てしなく大きいようで、《冒険呼び》が優先的に採用されているようです。《冒険呼び》はウサギなんですけどね!?
アグロデッキに強いアグロデッキ、ボロスハツカネズミ。フェアデッキが好きな方はぜひ、お試しください。
おわりに
以上、最新の大会結果をお伝えしました。ご覧の通り、コンボ・コントロール使いにとってはかなり厳しいメタゲームとなっています。



ただし、来月の10日には禁止制限告知、さらに14日には最新セット『マジック:ザ・ギャザリング | アバター 伝説の少年アン』プレリリースが控えており、環境が大きく変わることが予想されています!
いろんなアーキタイプがまんべんなく活躍できるような、バランスのいいメタゲームとなることを期待しましょう。
さあ、次はどんなデッキが活躍するでしょうか。次回の大会結果もお楽しみに!















































