伊東 修作:「エルドラージストンピィ」
――今回、このデッキを選択した理由を教えてください。
今年の8月頃の話なのですが、愛用していたディミーアリアニメイトがいよいよ「禁止改定で使えなくなる」という段階まできており、禁止後に使うデッキを探していたんです。でも、自分は《厳かなモノリス》や《裏切り者の都》を持っておらず、自分のカード資産で組めるデッキをずっと探していました。
そんなときに出会ったのが、今回の《厳かなモノリス》も《裏切り者の都》も必要としないエルドラージストンピィです。実際、使ってみたらかなり勝率が良く、自分に合っているように感じました。
【MTG】#プレイヤーズコンベンション 横浜2025「レガシー選手権・秋」優勝はIto Shusaku選手です!
— BIG MAGIC (@MtgBigmagic) November 22, 2025
おめでとうございます!
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そして、先日の『レガシー選手権・秋』では運にも恵まれて優勝することができました。
決勝トーナメントが苦手なコンボデッキとの3連戦(ドゥームズデイ、スニーク・ショー、《古の館底種》コンボ)だったのですが、いろいろと噛み合って勝利し、「このデッキ、もしかして最強なのでは?」と。
――このデッキのポイントを教えてください。
大切なのは「ゲームを速く終わらせる」という意識で、テンポを大事にすることで多少、不得意とするデッキでも回り次第で勝ちうるパワーがこのデッキにはあります。相手が速いデッキ、アグロデッキでもスピード勝負を挑みますね。
私のリストで特徴的なのは《終わりを告げるもの》を採用しているところで、全体的に打点を上げることで決着ターンを早くできるほか、ミラーマッチのエルドラージ戦で「サイズ勝ち」できるように工夫しています。
また、サイドボードの《エルドラージの合流点》は最大で1対3交換ができる優れた除去で、《秘密を掘り下げる者》や《ドラゴンの怒りの媒介者》などテンポ系のデッキが流行っている今こそ強いカードです。
いくらエルドラージでも8/8の《濁浪の執政》には手を焼きますが、《エルドラージの合流点》でブリンクすれば3/3までサイズを落とすことができます。いろんな使い方ができるカードですね。
で、
ここからが一番大事な話なんですけど、《古えの墳墓》と《目くらまし》は同じカードということは伝えておきたいです。
わかりにくいですか?
どちらも、見た目以上にアドバンテージがあるカードということです。マナがたくさん出る《古えの墳墓》のおかげで、こちらは相手よりも多くの行動を取ることができ、相手より早く手札を消費できるじゃないですか。《目くらまし》も一緒で、マナを使いきって行動した上で、さらに妨害という行動ができる。これらのカードのおかげで相手より多くアクションすることができるんです。
つまりですね、《古えの墳墓》と《目くらまし》が同じカードという概念を理解することで、エルドラージストンピィのようなテンポデッキをより上手に使いこなせるというわけです。
――すごくよくわかりました。
本当に?
――エルドラージストンピィが得意なデッキ、不得意なデッキはありますか?
ゲームスピードが遅いデッキは全般的に得意とするところです。特にディミーアテンポとかディミーア忍者はイゼット系のデッキに比べると遅いので、戦いやすいと思います。ディミーア側の除去も、こちらのクリーチャーに当たらないこともある《致命的な一押し》だったり、《シェオルドレッドの勅令》のようなクセのある除去だったり。
イゼット系のデッキは、《コーリ鋼の短刀》を採用しているデッキ相手ならクリーチャーのサイズで勝てるので得意とするところです。どちらかというと《秘密を掘り下げる者》や《ドラゴンの怒りの媒介者》のような飛行クリーチャーの方が嫌ですね。
8-Cast(ピナクル親和)系のデッキもわりと得意です。こちらのクロックの方が《河童の砲手》より早いですし、《ピナクルの特使》が生成するトークンは飛行クリーチャーしかブロックできないので、さほど怖くありません。
苦手なデッキとしては、やはり相手への干渉手段が少ないデッキなので、コンボデッキ全般が苦手ですかね。
そこで、私のオススメのカードが《攪乱のフルート》です。これはサイドボードに絶対4枚必要なカードだと思います。これのおかげで勝てた試合は数知れず。
《攪乱のフルート》で《戦慄の復活》や《タッサの神託者》を指定するだけで勝てるゲームもありますね。
《攪乱のフルート》は2マナなので、実質的に《Time Walk》なんですよね。とりあえず《攪乱のフルート》のおかげで1ターンはもらえるので。
「どのカード名を指定すればコンボを止められるか」は経験が重要となるので、すべてのデッキのことを知っている必要があります。しかし、使いこなせればこれほど強いカードはありません。個人的に100枚買っておいて損はないカードだと思います。
――今後、このデッキを改善するとしたら、どのようなアイディアがあるでしょうか。
やはり、《終わりを告げるもの》の枠ですかね。ここの枠は今後のメタゲーム次第で「上陸」でハンドアドバンテージが得られ、到達が優秀な《縄張りの選定者》や、継戦能力がある《作り変えるもの》などに変わる可能性があります。
あとは、《血染めの月》や《海の先駆け》が今よりも流行るようでしたら、《衝動のタリスマン》を採用することになるかも知れませんね。
































