はじめに
みなさん、こんにちは。
早いもので今年も残りあとわずかとなりましたが、みなさんどうお過ごしでしょうか?
今回の連載では『MMM Finals 2025』の入賞デッキを見ていきたいと思います。
『MMM Finals 2025』 -話題の新カード-
開催日:2025年12月6日
優勝 イゼット果敢
準優勝 グリクシス眼魔
3位 ヨーグモス医院
4位 イゼット果敢
5位 ジェスカイブリンク
6位 繁殖鱗コンボ
7位 エルドラージ
8位 魂商人コンボ
大規模なモダンのイベント『MMM Finals 2025』が今月初めに開催されました。
『マジック:ザ・ギャザリング | アバター 伝説の少年アン』のカードを採用したデッキも複数見られるなど、新セットも環境に影響を与えているようです。
今大会では、定番のイゼット果敢やエルドラージ、ジェスカイブリンクのほかにも、新カードを使ったゴルガリヨーグモスや魂商人コンボといったデッキも見られました。
イゼット果敢
イゼット果敢は軽いスペルを多用するため、同じターンに果敢を複数誘発させて一気に相手のライフを削り切ることができます。
《コーリ鋼の短刀》のために《ミシュラのガラクタ》を手札に温存しておくなど、細かいプレイングが求められますが、コンボデッキに対しても速度で勝負できるので現在のモダンでオススメのデッキです。
☆注目ポイント
《ドラゴンの怒りの媒介者》は諜報でドローの質を高めることができます。果敢クリーチャーで攻撃できる状況で《溶岩の投げ矢》を諜報で墓地に落とすことができれば、フラッシュバックで相手の想定よりも大きなダメージを叩き出せるようになります。
青をタッチすることで、軽いキャントリップスペルの《定業》や、アドバンテージ源である《表現の反復》を使うことができ、呪文を連鎖させやすくなっています。ほかにも、サイドに追加のカウンターや勝ち手段である《濁浪の執政》が採用できたりと青をタッチするメリットは多いです。
《コーリ鋼の短刀》はこのデッキで最も重要なカードです。果敢持ちのモンク・トークンを何度も生成する能力は、単体除去が中心の多くのフェアデッキにとって脅威となります。
このデッキは《コーリ鋼の短刀》を出したそのターンからトークンを出せるように構築されています。《変異原性の成長》のように0マナでサイズを上げられるスペルもあるため、《コーリ鋼の短刀》のトランプルと合わせて相手の戦線を無理やり突破することが可能です。
ジェスカイブリンク
現在のモダンを代表するフェアデッキ。早い段階から展開された《敏捷なこそ泥、ラガバン》や《溌剌の牧羊犬、フィリア》はゲームを支配し、《電気放出》《虹色の終焉》《空の怒り》といった優秀な除去もそろっています。
《量子の謎かけ屋》や《火の怒りのタイタン、フレージ》は、現モダンのミッドレンジ戦略において最強の勝ち手段なので、フェアデッキが好きな方にオススメのデッキになります。
☆注目ポイント
《記憶への放逐》はエルドラージやアミュレットタイタンなどに有効で、それ以外にもさまざまな使い道があります。もうすでに定番のムーブとなっている《量子の謎かけ屋》や《火の怒りのタイタン、フレージ》を盤面に定着させたり、《溌剌の牧羊犬、フィリア》を疑似的な除去のように使うことが可能です。
ほかにも、《コーリ鋼の短刀》のトークンの生成や、果敢の誘発、《力線の束縛》の誘発、《河童の砲手》の護法をカウンターして除去するなど、使いどころは多岐にわたります。
《機械の母、エリシュ・ノーン》はミラーマッチも含めたさまざまなマッチアップで有効なサイドカードです。白いデッキの主要な除去である《孤独》が機能しなくなり、ドメインズーの《力線の束縛》も無力化することができます。タフネスも高いため火力スペルにも耐性があるなど、一度場に出たら対処されにくい脅威となります。
《神秘の論争》はミラーマッチや最近増加した「シミック出産の儀」などに有効で、環境に青いデッキも多いのでサイドに数枚採用するのも納得です。
ゴルガリヨーグモス
話題のトップレアである《アナグマモグラの仔》を新たに戦力として採用したゴルガリヨーグモス。《スランの医師、ヨーグモス》を軸にしたクリーチャーベースのコンボデッキで、《緑の太陽の頂点》や《召喚の調べ》などサーチスペルを複数採用しているため再現性が高く、優秀なクリーチャーを利用してミッドレンジとしても振る舞えます。
『モダンホライゾン3』の恩恵が少ないデッキでしたが、『アバター 伝説の少年アン』がリリースされて以降はMOでも結果を残すなど復権の兆しを見せており、今大会で見事にプレイオフ入賞を果たしました。
☆注目ポイント
少し前に解禁となった《緑の太陽の頂点》のおかげで安定性が向上しています。1ターン目から《ドライアドの東屋》をサーチすることでマナ加速でき、中盤以降は状況に応じた緑のクリーチャーを持ってこれます。クリーチャーを除去できる《飢餓の潮流、グリスト》を直接戦場に出せるのは非常に強力です。
《アナグマモグラの仔》はゲーム序盤では優秀なマナ加速として機能し、《ドライアドの東屋》や《喜ぶハーフリング》から追加のマナが出るので、より早い段階からコンボを決められるようになります。
実際に本戦でも「3ターン目に《アナグマモグラの仔》が2体並んで11マナが出た」とのことで、このクリーチャーの強さが確認できます。
《スランの医師、ヨーグモス》や《飢餓の潮流、グリスト》とのシナジーも強力で、「土の技」でクリーチャー化した土地を生け贄にしても戦場に戻ってくるので、実質タダで除去をしたりドローすることが可能です。
魂商人コンボ
『アバター 伝説の少年アン』で登場した《不死鳥艦隊の飛行船》は、先ほどの《アナグマモグラの仔》に比べると当初はそれほど話題にならなかったカードでしたが、有名配信者でデッキビルダーのAspiringspikeがMOで使用し、結果を残したことで徐々に注目を集めるようになりました。
《不死鳥艦隊の飛行船》はこのデッキのキーカードであり勝ち手段ですが、4マナと重く場に出たときに特に仕事をするカードでもないため、強く使えるような仕組みにすることが重要になります。
☆注目ポイント
4枚採用された《ファイレクシアの塔》は、簡単にクリーチャーを生け贄にできる手段でありながら、マナ加速しつつ《不死鳥艦隊の飛行船》を誘発させることができます。《不死鳥艦隊の飛行船》を速い段階からプレイできるようになるので、相性が抜群のペアといえます。
クリーチャーを生け贄にする手段はほかにも多数用意されており、《不死鳥艦隊の飛行船》の誘発には困りません。
《邪悪鳴らし》は《不死鳥艦隊の飛行船》を探しつつ、落とし子・トークンを生け贄にして出せばそのターン中に誘発させられますし、「協約」した《鏡に願いを》でも同様のことが可能です。《悪意の閃光》もピッチコストで自軍のクリーチャーを生け贄にするので、相性が良い除去スペルになります。
《巣穴の魂商人》を使ったコンボも搭載されています。クリーチャーを生け贄に捧げることで宝物・トークンを生成できるため、《墓所這い》を何度も墓地から唱えることができます。横に《マリオネットの見習い》や《威名のソルジャー、セフィロス》がいれば、ライフを吸いつくすことが可能です。
このデッキを使用した本人によると「スイスラウンド5戦のトータルで《不死鳥艦隊の飛行船》が52体場に出た」とのことです。使っていて楽しそうなデッキなのでぜひ試してみてください。
総括
地域予選イベントが終了した後も多種多様なデッキが活躍するモダン。新セットのカードを採用したデッキも複数見られました。
日本国内の大規模なイベントである『MMM Finals 2025』でも、《アナグマモグラの仔》を採用したゴルガリヨーグモスや、《不死鳥艦隊の飛行船》を軸にした新たなデッキが活躍するなど、非常に面白い環境であることが分かります。
《量子の謎かけ屋》や《アナグマモグラの仔》といった最近のカードは強力なものが多く、モダンの環境にも影響を与えるほどのインパクトなので今後も目が離せません。
USA Modern Express vol. 146は以上になります。それでは次回の連載でまた会いましょう。楽しいモダンライフを!







































