武藤 優生:「ナヤユウナ」
――スタンダード全勝、おめでとうございます。今回、ナヤユウナを選んだ理由を教えてください。
武藤:僕は元々、「なんでもできるデッキ」が好きなんです。「ミッドレンジプランを取りつつ、コンボのような動きができる」とか、「あらゆるパーマネントを対処できる」とか。
武藤:今回のナヤユウナはまさにそういったデッキで、《アンの氷山》が加わったことでさらに対応できることの幅が広がりました。除去としても使えるし、「兆候」で出した大主たちを追放して、「水の技」で生け贄に捧げることで戦場に出す、といった「小テク」も使えます。
武藤:また、《叫ぶ宿敵》が環境から消えたことが「すべて」とも言えますね(笑)。《ユウナ》がいればライフ回復もでき、ますます良い立ち位置になったデッキです。
武藤:現スタンダード環境には3種類のイゼットカラーのデッキがあり、メタゲーム的にはイゼットが多いと考えていました。僕自身、イゼットカラーのデッキを一通り触ってみましたが、「どのデッキもナヤユウナには勝てないな」と感じています。
武藤:大会本番では、スタンダード全勝という結果を残すことができましたが、ことごとくイゼットカラーのデッキと当たることができました。読み通りというか、当たり運としては完璧でしたね。
――環境に多いイゼットを倒すために、このデッキではどういった工夫がされているのでしょうか。
武藤:最大のポイントはメインから《真昼の決闘》を採用していることです。軽量呪文を連打するイゼットカラーのデッキに《真昼の決闘》が刺さることは周知の事実ですが、このナヤユウナというデッキは《真昼の決闘》がそもそも腐ることがないんですよ!
武藤:《真昼の決闘》はそもそも5点火力ですし、《ユウナ》で何度でも墓地から出し直しが可能で、盤面を固められても飛び道具として機能するカードなんです。ナヤユウナは《真昼の決闘》を一番上手に使えるデッキだと考えています。
武藤:《忍耐の記念碑》はちょっとだけ苦手なんですけど、《古代魔法「アルテマ」》を採用することで対抗しています。こちらのデッキには《ユウナ》のリアニメイト要素があるので全体除去後の復帰も早く、「兆候」していた大主がタイミングよく登場したりします。《アルテマ》は無理なく運用できるんですよね。

▲SecretLair版「ジョーズ」仕様の《削剥》。お気に入りカードで《忍耐の記念碑》を破壊!
――3色のマナをバランスよく生むのは難しいと思いますが、マナベースはどのようなことを重視しましたか?
そうですね。序盤は絶対に
が必要なのに、中盤以降は
と
が求められるという、なんともわがままなマナベースです。
「諜報」ランドが5枚と多いのですが、もともとは6枚採用していました。ちょっとタップインが多いと感じることもあったので、1枚は《マルチバースへの通り道》に変えています。
これらを安易にショックランドなどに変えてしまうとアグロデッキを相手にしたときにライフが持たないと考えていて、これから変わる可能性もありますが、今はこのマナベースで良いと考えています。
――最後に、このデッキのMVPカードは何だと思いますか?
《鳴り渡る龍哮の征服者》です!こいつのおかげで勝てたゲームが何度あったことか。
今、環境には《安らかなる眠り》や《虚空の力線》を採用したデッキがほとんどなく、ナヤユウナの障害になるとしたら《魂標ランタン》か《除霊用掃除機》なのですが、《鳴り渡る龍哮の征服者》があればビタ止まりです!好きすぎて幽霊火FOIL版で3枚揃えました。
――《鳴り渡る龍哮の征服者》、素敵ですね!貴重なお話、ありがとうございました!
余談:インタビュー終了後……
武藤:負けたあああぁぁぁ!!!くやしいいいいぃぃぃ!!!
――おや、武藤さん!準決勝で負けてしまったとはいえ、トップ4入賞なんてすごいじゃないですか!
武藤:レガシーの練習、ほとんどできなかったんですよね……。スタンダードだったら……
――スタンダード全勝の武藤さんにスタンダードで挑戦する人は、なかなか……。
※「THE LAST SUN」のシングルエリミネーションは、スイスラウンドの上位がフォーマットを選べるルール。武藤さんはレガシーを選ばれ続け、準決勝で力尽きた。
???:トップ4なんてすごいじゃん。賞金も10万円以上もらえるし、へこむことはない。
――おやおや、武藤さん。こちらの方はご友人ですか?
武藤:ヒロガミパイレーツのヒロガミです。僕をマジックに誘ったのが、この人です。
ヒロガミ:こんにちは。僕は映さなくていいですよ(笑)勝ってないので。
――トップ8プロフィールにも書かれてましたね!ヒロガミパイレーツというコミュニティに所属しているのだとか。ヒロガミさんがリーダーなんですね!
武藤:僕は名前が武藤 優生(ムトウ ユウイ)っていうんですけど、某漫画の主人公と名前が酷似していて、それがきっかけで某カードゲームをやるようになり、静岡のカードショップで出会ったヒロガミにマジックに誘われたんです。
武藤:チャレンジャーデッキを買うところからはじめて、どうして《弧光のフェニックス》が1枚しか入っていないんだろう、とか思いつつ。カード資産もなく、グランプリに行った際はサイドイベントのリミテッドを遊んでいました。初心者なのに結構勝てて、カードパックをたくさん貰えたのは良い思い出です。
ヒロガミ:僕の方が武藤より成績が悪かったです。
――素晴らしいエピソードですね。武藤さんとヒロガミさんは親友じゃないですか!
武藤:その後、ヒロガミに誕生日プレゼントで貰った『灯争対戦』のパックから、初期ロットの部分光沢FOIL版「天野リリアナ」が出て、それを売ったお金で本格的にマジックを始めることができたんです。
――なるほど、それが本日のトップ4入賞に繋がっているんですね!すごい話です。
武藤:実は、今日使っていたレガシーのデッキもヒロガミから借りているんです。今回の賞金で、レガシーのカードを少し買ってみようかと思います。
――次は、どんな大会に出るんですか?
武藤:ヒロガミパイレーツのメンバー5人で、『チームで熱くなれ!新春晴れる屋5人チーム杯』に出る予定です!ここで優勝して、今度は5人でインタビューを受けます!
※なお、『チームで熱くなれ!新春晴れる屋5人チーム杯』で優勝してもインタビューありません。大変申し訳ございません。

























