はじめに
みなさん、こんにちは。
新セット『ローウィンの昏明』がリリースされ、Magic Online(以下MO)にも実装されて新環境に突入しました。来月には『第32期レガシー神挑戦者決定戦』も開催されるので楽しみですね。
今回の連載では、先週末に開催された『Legacy Challenge』の入賞デッキを見ていきたいと思います。
『Legacy Challenge 32』 -ディミーアの快進撃が続く-
開催日:2026年1月23日
優勝 ディミーアテンポ
準優勝 ディミーアテンポ
3位 赤単プリズン
4位 デス&タックス
5位 エコーストーム
6位 土地単
7位 イゼットデルバー
8位 エルドラージ
ついに始まった新環境のレガシー。今大会ではディミーアテンポがワンツーフィニッシュという結果になりました。
『ローウィンの昏明』のカードを採用したデッキも見られ、《呪詛の壊し屋》を搭載した「エコーストーム」や、《豊かな在郷》を採用した「エルドラージ」が入賞しています。
エルドラージ
エルドラージは、《エルドラージの戦線破り》や《現実を砕くもの》など、強力なクロックで瞬時にゲームを終わらせる力のあるデッキです。《難題の予見者》や《虚空の杯》といった妨害手段も持ち合わせており、特に《難題の予見者》は妨害と攻めを同時にこなせる強力なエルドラージです。
☆注目ポイント
『ローウィンの昏明』の統率者セットに収録されていた《豊かな在郷》が早速採用されています。《閑静な中庭》の上位互換であり、プレビューでも話題になっていたカードです。
無色マナが出せて《舷側砲の砲撃手》や《エルドラージの戦線破り》をプレイするための色マナも捻出できるので、デッキの安定性が向上しました。長期戦では余ったマナを活用する手段にもなり、「多相」トークンはエルドラージ・クリーチャーとしてもカウントされるため《エルドラージの戦線破り》ともシナジーがあります。
《舷側砲の砲撃手》を使えるようになったことで、さらにプレッシャーをかけられるようになりました。エルドラージ・クリーチャーは比較的マナコストが高めなので、「誇示」能力で投げ飛ばすことで高火力を叩き出すことができます。
《荒景学院の戦闘魔道士》は《濁浪の執政》や《一つの指輪》などさまざまな脅威に対応することができ、唱えたときに誘発する能力なのでカウンターにも耐性があります。
《現実を砕くもの》はトランプルなのでチャンプブロックを許さず、環境の主流な除去である《致命的な一押し》が効かないため、ディミーアテンポにとってやっかいなクリーチャーになります。
『Legacy Challenge 32』 -環境最速のコンボ-
開催日:2026年1月24日
優勝 The Spy
準優勝 ディミーアテンポ
3位 アゾリウステンポ
4位 ジェスカイコントロール
5位 イゼットデルバー
6位 ディミーアテンポ
7位 マルドゥエネルギー
8位 The Spy
フェアデッキが多く勝ち残るなか、高速コンボのThe Spy優勝という結果になりました。
The Spy
The Spyは最速で1ターン目に勝てるコンボデッキです。
マナ加速から《地底街の密告人》や《欄干のスパイ》をプレイし、ライブラリーのカードをすべて墓地に落としたあと、その過程で場に出た《ナルコメーバ》をコストに《戦慄の復活》をフラッシュバックして《タッサの神託者》で勝利します。
先手の場合は相手が《意志の力》を持っていなければ勝ちといったゲーム展開も多く、たとえ妨害があったとしても事前に《陰謀団式療法》でハンデスしたり、《否定の契約》で弾くことができます。
☆注目ポイント
今大会で優勝したのは、一般的なリストとは違い、なんと《空を放浪するもの、ヨーリオン》を「相棒」にした80枚バージョンのThe Spyでした。コンボパーツが初手に来る確率は下がってしまいますが、《ナルコメーバ》や《戦慄の復活》といった絶対に手札に来てほしくないカードを引きづらくなっています。
一般的に《空を放浪するもの、ヨーリオン》を「相棒」にしているデッキは、デス&タックスや多色コントロールといったフェアデッキのため、デッキのカモフラージュにも一役買っており、相手のキープ判断でミスを誘えるメリットもあります。
80枚にしたことで、メインから追加の勝ち手段である《ゴブリンの放火砲》や、《ジャック・オー・ランタン》《強迫》《海門修復》《朦朧への没入》といったカードも採用されています。《朦朧への没入》は妨害としても機能し、特にサイド後は相手のクロックや墓地対策を対処することができます。
サイド後は《ダウスィーの虚空歩き》や《バロウゴイフ》といったクリーチャーが投入されます。これらの勝ち手段には墓地対策が効かず、このデッキ相手には基本的に除去をサイドアウトするためコンボ以外の勝ち手段として優秀です。
『Legacy Challenge 32』 -高速コンボが連覇-
開催日:2026年1月24日
優勝 The Spy
準優勝 デス&タックス
3位 黒単シャドウ
4位 エルドラージ
5位 豆の木コントロール
6位 マルドゥエネルギー
7位 カーンフォージ
8位 赤単プリズン
土曜日に続いて、日曜日に開催された『Legacy Challenge』でもThe Spyが優勝しました。
トップメタのディミーアテンポはプレイオフには不在で、豆の木コントロールや赤単プリズン、マルドゥエネルギーなどさまざなアーキタイプが入賞しています。
黒単シャドウ
今大会で最も印象に残ったのは、『ローウィンの昏明』の新カード《月影》を採用した黒単シャドウでした。
《死の影》《月影》の2種類の”シャドウ”に加え、《ネザーゴイフ》《ダウスィーの虚空歩き》《オークの弓使い》《バロウゴイフ》といった黒い優秀なクリーチャーでビートダウンしていきます。
また《ウルザの物語》パッケージも搭載されており、《虚無の呪文爆弾》や《影槍》を持ってきたりと見た目以上に柔軟に戦うことができそうです。
☆注目ポイント
《月影》は最大で1マナ・7/7・威迫にまで成長するクリーチャーです。《死の影》とも似ていますが、フェッチランドや《通りの悪霊》《ミシュラのガラクタ》《不毛の大地》などを使っていくことで強化されていくので、どちらかといえば《ネザーゴイフ》に近いクリーチャーになります。
「脱出」能力こそ持たないものの、同じ1マナクリーチャーの《ネザーゴイフ》よりもサイズが上がるスピードが早いため、テンポデッキのクロックとして優秀です。
《殺し》は《死の影》と相性がいい除去で、《死の影》を強化しつつ《知りたがりの学徒、タミヨウ》や《濁浪の執政》、エルドラージなどを処理することができます。逆に、このデッキは黒いクリーチャーで占められているため、《殺し》に耐性があるのもポイントです。
《苦々しい勝利》もライフを支払えるため《死の影》と相性がよく、手札を捨てるコストを選べば《月影》の-1/-1カウンターを取り除くこともできます。
赤単プリズン
禁止改定後は相性の悪い《実物提示教育》系デッキが多かったため数を減らしていましたが、土地単、エルドラージ、豆の木コントロールといった《血染めの月》が効くデッキが台頭してきたことで復権してきました。
マナ加速から1ターン目に《血染めの月》を置くことができ、特殊地形を多用するデッキが多いレガシーでは多くのデッキが機能不全に陥ります。
☆注目ポイント
『ローウィンの昏明』のプレビューから話題になっていた《呪詛の壊し屋》が4枚メインから投入されています。《意志の力》や《目くらまし》などカウンターが主要な妨害手段である青いフェアデッキにとっては、着地すれば悪夢そのものです。護法でライフを要求するため、単体除去が中心のデッキとのマッチアップではダメージレースでも有利になります。
1ターン目に相手のマナをロックする確率を上げるために、《月の大魔術師》と《血染めの月》が4枚ずつフル搭載されています。《月の大魔術師》は貧弱なサイズではあるものの複数枚引いても腐りにくく、《活性の力》など置物対策に耐性があります。
このデッキの《ウルザの物語》の構築物・トークンは、親和に比べればサイズは小さいですが、宝物・トークンやマナアーティファクトなどがあるので十分な脅威となります。マナ加速を利用することで1ターン目に《ウルザの物語》、2ターン目からトークンを生成することが可能です。
総括
『Legacy Challenge』ではディミーアテンポとThe Spyが高い勝率を維持しています。上位にエルドラージ、土地単、豆の木コントロールも複数見られるようになり、《血染めの月》の価値が上がってきたため赤単プリズンも復権してきているようです。
『ローウィンの昏明』の新カードを採用したデッキも早速結果を残していました。《呪詛の壊し屋》や《豊かな在郷》は今後もよく見られるカードになりそうです。
以上、USA Legacy Express vol.270でした。それでは次回の連載でまた会いましょう。楽しいレガシーライフを!

































