はじめに
『ミュータント タートルズ』が発売され、「Magic Spotlight: Teenage Mutant Ninja Turtles」が開催されました。
新環境の幕開けに、673もの参加者がアメリカ・リッチモンドに大集合!
ということで今回は、このスポットライトの結果を見ていきます!
直前環境のおさらい
さっそく本題に入りたいところですが、まずは『ミュータント タートルズ』発売直前のメタゲームを見てみましょう。
直近の大きな大会がやや時間が空くため、Magic Onlineの『Standard Challenge』優勝デッキを直近10個羅列してみました。
| 日付 | 開催数 | アーキタイプ |
|---|---|---|
| 03/06 | #1 | 緑単上陸 |
| 03/06 | #2 | 白単アグロ |
| 03/05 | – | 緑単上陸 |
| 03/04 | – | 緑単上陸 |
| 03/02 | – | 白単アグロ |
| 03/01 | – | 白単アグロ |
| 02/28 | – | 白単アグロ |
| 02/27 | #1 | ディミーア加虐者 |
| 02/27 | #2 | ディミーア加虐者 |
| 02/26 | – | イゼット講義 |
プロツアー『ローウィンの昏明』で数を増やした「ディミーア加虐者」、ほかには「イゼット果敢」や「緑単上陸」が入賞している中、「白単アグロ」が急増化しています。
《空飛ぶ友だち、モモ》と《バネ葉の太鼓》から《大空の賢人》をはじめとする飛行クリーチャーを次々と並べていくアグロデッキです。
英名の「Mono-White Momo」の響きもデッキの動きもテンポ良し。新環境直前に新デッキが活躍するとは思いませんでした。
とはいえ今回はスポットライトの話題がメインなのでこの辺にして、大会の結果を見ていきましょう!
大会結果:『Magic Spotlight: Teenage Mutant Ninja Turtles』
開催日:2026年3月7日-3月8日
優勝 緑単上陸
準優勝 イゼット果敢
3位 緑単上陸
4位 緑単上陸
5位 緑単上陸
6位 イゼットエレメンタル
7位 イゼット果敢
8位 ラクドスアグロ
9位 イゼット講義
10位 イゼットエレメンタル
11位 スゥルタイリアニメイト
12位 緑単上陸
13位 赤単アグロ
14位 ジェスカイコントロール
15位 緑単上陸
16位 イゼット講義
優勝は「緑単上陸」! さらに3、4、5位とTOP8の半分を占めています!
それ以外には「イゼット果敢」をはじめとする前環境の上位デッキたちが名を連ねていますが、それを抑えての優勝!
新環境最初の勝ち組として、まずは緑単上陸が名乗りを上げました。
緑単上陸は、上陸によってサイズを上げ、巨大なクリーチャーで攻める爆発力のあるデッキです。
《サッズのヒナチョコボ》や《土のベンダーの位に至る》の上陸を、《寓話の小道》や《氷耕しの探検家》によって複数回誘発させることで速やかに脅威として育て上げます。
そのサイズたるや、場合によっては20点のライフを一発で削り切ることもできるほどです。
具体的なデッキの動かし方はデッキ紹介記事をご覧ください。
- 2026/01/14
- 緑単上陸 -上陸シナジーによる爆発力を秘めたアグロデッキ!-
- 晴れる屋メディアチーム
今回、非常にメタゲームにマッチしており、使用率と結果ともども堂々の1位となりました。
この活躍の裏には何があったのでしょうか?
優勝した緑単上陸の目線から、スポットライトのメタゲームについて詳しく見ていこうと思います。
メタゲームのデッキ遷移
「緑単上陸」はクリーチャーでライフを狙うアグロデッキです。
シンプルゆえに強力な攻撃ができるのですが、その反面速いコンボや強力なシステムクリーチャーに対しての有効な対抗策がありません。
特に「シミック律動」のマナ加速から《ウロボロイド》《孔蹄のビヒモス》という展開がどうしようもなく、その前に削り切るのも難しいようです。
しかしそんな天敵のデッキが、ここ1か月で数を減らしています。
Magic Onlineで定期開催される『Standard Challenge』のTop8数を調べてみたところ、律動系デッキの入賞数が、1月の63回から2月には11回と大幅に減少しています。
緑単上陸としては願ったりかなったりという状況ですね。
これ以外のメタゲーム上位のコンボデッキには「スゥルタイリアニメイト」「ディミーア加虐者」がいるものの、この2つのデッキはやや遅いため速度的に間に合うようです。
このメタゲームの変化に対して、墓地対策のカードを減らして《神出鬼没の狩人、スーラク》をメインから採用し、除去やカウンターを多用する青、黒、赤を用いるデッキへのガードを上げている印象があります。
(画像はSCG CoverageのYoutube配信より引用)
実際のスポットライトの使用率を見てみると、ミラーを除けば《神出鬼没の狩人、スーラク》が有効な相手ばかり。環境を読んだ見事な採用です。
苦手なコンボデッキが減り、それ以外の上位デッキへガードを上げた緑単が活躍したのは、正確な環境分析によるものと言えます。
メタゲームの裏側① 「イゼット果敢」の活躍
さて、コンボデッキの減少についてさらりと流しましたが、その理由に興味はありませんか?
『ローウィンの昏明』リリース直後は大活躍していたデッキは、わずか1か月でなぜこんなにも数を減らしたのでしょうか。
その理由を紐解くために、今回の第2位を収めたデッキを見ていきましょう!
「イゼット果敢」です!
《コーリ鋼の短刀》を失いしばらく数を減らしていましたが、またしてもメタ上位に返り咲きました!
この復活は環境によるものだったと思われます。
『アバター 伝説のアン』にて《ブーメランの基礎》を得てしばらく、イゼットといえば「イゼット講義」が主流でしたが、このデッキは「シミック律動」に対してやや不利なデッキでした。
というのも、イゼット講義の真価は《美術家の才能》と《忍耐の記念碑》が揃うことで発揮されます。
そのために序盤はコントロール寄りの動きをするのですが、序盤は《爆裂の技》の火力が低いことも相まってサイズの大きいクリーチャーを除去できません。
つまり、クリーチャーのサイズが大きい緑系のデッキが苦手なのです。2月上旬、シミック律動をはじめとする《アナグマモグラの仔》を用いたデッキにイゼット講義使いは頭を悩ませていたことでしょう。
そこで、序盤から攻撃的に動くイゼット果敢の出番です。
《ブーメランの基礎》と《嵐追いの才能》パッケージはそのままに、《精鋭射手団の目立ちたがり》による打点が加わりました。
《精鋭射手団の目立ちたがり》は攻撃が通ればすさまじいダメージを叩き出すものの、除去に弱いという欠点があります。
ところが、緑系のデッキは除去が苦手!
到達クリーチャーも除去もない戦場は《精鋭射手団の目立ちたがり》の独壇場です。
ほかの主要デッキに対しても、有利かほぼ五分という素晴らしいデッキでした。
……「白単アグロ」の誕生までは!
メタゲームの裏側② 「白単アグロ」の登場
改めて、最初に軽く触れた「白単アグロ」を詳しく見ていきましょう。
白単アグロは、《空飛ぶ友だち、モモ》の軽減能力から素早く《大空の賢人》や《星原の番人》を繰り出し、飛行戦力で殴り切るアグロデッキです。
また、この白単アグロというデッキ、「イゼット果敢」に対して相当に有利です。
主力の《精鋭射手団の目立ちたがり》は《大空の賢人》のトークンで止められるうえ、《縫い目破り》で対処できます。
《大空の賢人》と《光に導かれし者、ハリーヤ》のライフゲインで逆転の芽を刈り取り、《コスモグランドの頂点》で圧殺してしまうのです。
イゼット果敢からすると、こんな天敵デッキがスポットライト直前に活躍してしまえば意識せざるを得ません。
イゼット果敢だけではなく、サイドボードの《鳴り渡る龍哮の征服者》《安らかなる眠り》の両4枚採用という徹底的な姿勢は、「シミック律動」をはじめこれらが脅威となるデッキの使用をためらう理由に十分なものです。
今回のスポットライトではTop16に入ることはできませんでしたが、その存在感はコンボデッキの選択にも影響を与えたのでしょう。
もういちど、このアーキタイプ表をご覧ください。
(画像はSCG CoverageのYoutube配信より引用)
シミック律動わずか2.9%!
強く意識されていることがわかっているデッキのため、多くのプレイヤーが避けたようです。
白単アグロの存在によってメタゲームが動き、緑単に有利な状況となったのでした。
有利不利がぐるりと回ってメタが回る……、スタンダードはこういう変遷を追っていくのも面白いですね。
おわりに
今回のスポットライトは「緑単上陸」が大活躍しました。
しかし、これによって緑単上陸は逆にマークされる立場となるでしょう。
果たして、意識された後もその強さを見せつけるのか、新たな王者が誕生するのか……
今後もスタンダードから目が離せませんね!































