「バント律動」によってメタゲームは新たな周期へ! -Just Nowスタンダード! vol.81-

晴れる屋メディアチーム

はじめに

3月14日のプレイヤーズコンベンション京都2026にて、『チャンピオンズカップファイナル Season4 Round2』が開催されました。

予選を勝ち抜いた猛者たちが京都でしのぎを削り、今週もメタゲームが動きました!

ということで今回は、このチャンピオンズカップファイナルの結果を見ていきます!

大会結果

『チャンピオンズカップファイナル Season4 Round2』

開催日:2026年3月14日-15日

優勝 バント律動

準優勝 白単アグロ

3位 イゼット果敢

4位 緑単上陸

5位 緑単上陸

6位 イゼット講義

7位 緑単上陸

8位 バント律動

9位 イゼット果敢

10位 イゼット講義

11位 イゼット果敢

12位 イゼット講義

13位 イゼット果敢

14位 緑単上陸

15位 イゼット果敢

16位 イゼット果敢

トップ16デッキリスト

優勝は「バント律動」!

デッキリストページ

律動系のデッキは「イゼット果敢」や「白単アグロ」に苦しめられていましたが、今回はそれをはねのけて優勝です!

しかし、そうなると気になることがあります。こちらのメタゲームブレイクダウンをご覧ください

アーキタイプ 人数 割合
イゼット果敢(タッチ緑含む)7018.3%
緑単上陸5013.1%
ディミーアミッドレンジ266.8%
イゼット講義236.0%
イゼットスペレメンタル215.5%
ディミーア加虐者184.7%
バント律動143.7%
ボロスアグロ123.1%
ジェスカイコントロール102.6%
白単アグロ102.6%
スゥルタイリアニメイト82.1%
ティムール全知71.8%
ティムール講義61.6%
イゼットアグロ51.3%
アゾリウスアグロ51.3%
ラクドスディスカード41.0%
グリクシス記念碑41.0%
グルール昂揚41.0%
イゼットエレメンタル41.0%
赤単アグロ41.0%
イゼット記念碑41.0%
バント気の技41.0%
(使用者3名以下)6918.1%
合計382

mtg-jp公式より引用

注目していただきたいのは、「イゼット果敢」が使用率最多であることです。

たしかに律動系デッキが得意な「緑単上陸」は2番目に多いものの、苦手なはずの「イゼット果敢」が多ければ活躍は難しそうに思えます。

しかし、実際に優勝デッキは3回イゼット果敢と戦っているにもかかわらず、合計6-2と勝ち越しているのです。

使用者が少ない「バント律動」がTop8に2名も残るほどの結果、偶然とは思えません。

一体どうやって律動系デッキが苦手を克服したのか、見ていきましょう!

「律動系デッキ」の環境適応

自然の律動ウロボロイド

まず、シンプルな《自然の律動》を用いたデッキである「シミック律動」から、この変化の流れを追っていきましょう。

緑系のデッキの例にもれず、シミック律動は「イゼット果敢」を苦手としています。

噴出の稲妻精鋭射手団の目立ちたがり

序盤のマナクリーチャーを《噴出の稲妻》で焼かれてしまい、空から襲ってくる《精鋭射手団の目立ちたがり》を除去する手段が乏しいからです。

「シミック律動」のデッキを見てみれば、一目瞭然。

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メインボードに、相手のクリーチャーに干渉する手段が一切ありません

青と緑、どちらもクリーチャー除去が不得意であるため、下手に相手に干渉するよりもマナ加速からのビッグアクションで相手を圧倒する方が良いとされていたのです。

爆発的神童怪異の闘士

その弱点を補うために《爆発的神童》《怪異の闘士》が入った「多色律動」が誕生しました。

自然の律動精鋭射手団の目立ちたがり

しかし、それらは《自然の律動》から出すことが前提であり、「シミック律動」には有効でも、「イゼット果敢」の《精鋭射手団の目立ちたがり》を抑えられるほどではありません。

ではどうやってこの問題を解決したのでしょうか? 改めて、優勝者のデッキを見てみましょう。

デッキリストページ

縫い目破り声も出せない溶かし歩きの消散

なんと、クリーチャー以外の除去が5枚も採用されています!

といっても、単純に除去を入れればデッキが強くなるという話ではありません。除去を入れるために抜けたカードが理由で逆に勝率が下がることもあるでしょう。

そこで、デッキの強みを維持したまま除去をかさ増しするアプローチがされています。

輝晶の機械巨人縫い目破り自然の律動

それが《輝晶の機械巨人》です。戦場に出たときに《縫い目破り》をはじめとする1マナのパーマネントをサーチできる能力を持っています。

これはつまり、《自然の律動》《輝晶の機械巨人》が、2枚の除去に化けるということ。

実際に入っている除去の枚数は5枚と多くはありませんが、除去にアクセスできるこれらの6枚によって都合11枚が除去の役割を持っていることになります!

「シミック律動」の除去は多くても2枚前後であったことと比べると、本当に雲泥の差です。

精鋭射手団の目立ちたがりアナグマモグラの仔空飛ぶ友だち、モモ

除去を入れることによって、《精鋭射手団の目立ちたがり》をはじめとするメタゲーム上位のクリーチャーをある程度対処できるようになりました。

コントロールが苦手になってしまいましたが、現在のメタゲームにおいてはクリーチャーを用いるデッキが多く、今回の「バント律動」のアプローチは有効だったということですね。

ところでこの流れ、スタンダードに詳しい人なら「おや?」と思ったことでしょう

1月末に開催されたアメリカの地域チャンピオンシップの結果を、以前お伝えしたことがありました。

輝晶の機械巨人縫い目破り

なんとその大会では「4色律動」が優勝、これもまた《輝晶の機械巨人》《縫い目破り》パッケージを採用した律動デッキでした。

アナグマモグラの仔精鋭射手団の目立ちたがり

「シミック律動」が今より多かった当時は、主に《アナグマモグラの仔》を除去する目的でしたが《精鋭射手団の目立ちたがり》も同じ2マナということで再び日の目を見ることになったようです。

それにしても、ここ最近は4色律動を見る機会が減っていたところから優勝するほどに環境が一周したということですよね。

たった数か月でメタゲームが一周するほどに変化するなんて、本当に環境変化が面白いフォーマットです。

メタゲームの変化と上位デッキの対応

さて、「バント律動」が目立った活躍をしたものの、先週紹介したおなじみのデッキも入賞しています。

具体的には、「白単アグロ」「イゼット果敢」「イゼット講義」「緑単上陸」の4つです。

しかし、1週間経てばメタゲームに変化が起きるのが今のスタンダード。今週は「緑単上陸」が意識された週といえるでしょう。

ここからは既存のデッキの変化に注目するので、前回の記事を見ていただけると変化に気づきやすいかもしれません。

緑単上陸

デッキリストページ

先週の勝ち組であった「緑単上陸」には、実は2つの変化が起きています。

沼地のハンター、レザーヘッド

まずは《沼地のハンター、レザーヘッド》が多くのリストに採用されるようになりました。

呪禁カウンターによって対処されづらく、攻撃を通せばエンチャントかアーティファクトを破壊できる能力を持っています。

初めてこのカードを見たときにはメインから採用しやすい置物対策という印象だったのですが、実はメインプランに関わる1枚です。

沼地のハンター、レザーヘッド強靭形態の調和者寓話の小道

《沼地のハンター、レザーヘッド》《強靭形態の調和者》で支援すると、本当に止まらないのです。

対戦相手が除去しようにも呪禁がそれを防ぎ、クリーチャーでブロックしようにもトランプルの前にはさほど意味がありません。

対処できないところに《寓話の小道》などで上陸を複数回誘発させ、20点以上のトランプルで速やかにゲームを終わらせます。

『ミュータント タートルズ』発売からしばらく経って、《沼地のハンター、レザーヘッド》1~2枚の採用がメジャーとなってきました。

若木の生育場幻獣との交わり

そして2つ目は、アドバンテージ源として採用されていたこの2枚の枠争いです。

《若木の生育場》で盤面を重視するか、《幻獣との交わり》の裏面《召喚:幻獣マディン》で決定打を持つか、どちらを採用するかは意見が分かれるところでした。

しかし、今週の上位入賞者を見る限り、今週時点では《若木の生育場》に軍配が上がったようです。

さて、この2枚の変化の理由ですが、どちらもミラー戦を意識した結果だと思われます。

サッズのヒナチョコボ土のベンダーの位に至る強靭形態の調和者

緑単上陸は、上陸によってサイズを上げた巨大クリーチャーによって勝負を決めるデッキです。

しかし、このデッキは回避能力を持たないため、チャンプブロックで防がれるという欠点がありました。

沼地のハンター、レザーヘッド若木の生育場

この欠点に、2枚の変化が如実に影響してきます。

《沼地のハンター、レザーヘッド》は、自身のトランプルと《強靭形態の調和者》の支援によって、実質的にクリーチャーを無視した決定打になれます。

《若木の生育場》は、チャンプブロックするだけの頭数を用意できるほか、数の力で相手のサイズを無視して勝つことが可能です。

つまり、ミラー戦で有用なカードに変化しています。

先週の活躍で有用性を示した緑単上陸は、ミラーを意識したデッキ構築になったのです。

イゼット果敢

「イゼット果敢」の変化自体は、ほかと比べて大人しいものです。

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焼きつけ咆哮する焼炉+蒸気サウナ

《焼きつけ》《咆哮する焼炉/蒸気サウナ》など、サイズの大きいクリーチャーを倒せる火力がメインに数枚採用されるようになってはいますが、大きな変化というほどではないでしょう。

イゼット果敢については、デッキの変化よりも取り巻く環境の変化がもっとも大きなものです。

旅するチョコボ空飛ぶ友だち、モモ自然の律動

メタゲームにおいて特に有利不利関係にあるのが、「緑単上陸」と「白単アグロ」でした。

先週活躍した緑単上陸の人気が続くことや、それに有利な律動系デッキが増えることを読んでいたのでしょう。

実際に、イゼット果敢は緑単上陸が勝ち組に居座ることを許しませんでした

縫い目破り輝晶の機械巨人

イゼット果敢にとって誤算だったのは、除去を搭載した「バント律動」の登場でしょう。

同じく緑単上陸に強いバント律動は、なんとイゼット果敢に有利のようです。

前回の白単アグロの登場といい今回のバント律動の登場といい、イゼット果敢は強く意識され続けていますね。

精鋭射手団の目立ちたがり縫い目破り大空の賢人

逆に言えば、この状況でも上位に入賞する力のあるデッキということでもあります。

《精鋭射手団の目立ちたがり》包囲網は今後どうなっていくのでしょうか。

最多勢力のイゼット果敢は、今後もメタゲームの中心として注目すべき存在です。

白単アグロ

「イゼット果敢」が活躍するところ「白単アグロ」あり。

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縫い目破り空飛ぶ友だち、モモ大空の賢人

こちらもデッキ構成に大幅な変更はなく、《空飛ぶ友だち、モモ》から《大空の賢人》という動きでイゼット果敢を制しています。

とはいえ、「緑単上陸」を意識しているようなカード採用も見られます。

小癪な家ネズミ

それが《小癪な家ネズミ》です。

クリーチャーではありますが、この採用理由は出来事である《危機一髪》です。

《危機一髪》は、「このターン、それはパワーが3以上のクリーチャーにはブロックされない」回避能力を付与することができます。

回避能力を付与することのできるクリーチャーカードであることが重要なのです。

星原の番人小癪な家ネズミ養育するピクシー

なにせ、白単アグロは《星原の番人》によって1マナクリーチャーをサーチできます。

そのため、必要なときにサーチし、《危機一髪》によって攻撃を通す動きが可能です。

場合によっては、戦場に出してから《養育するピクシー》で回収することでもう一度《危機一髪》を唱えることができます。

若木の生育場ツリーフォークトークンウロボロイド

《危機一髪》は緑のデッキに対して有効で、ツリーフォーク・トークンの群れや《ウロボロイド》で育ったクリーチャーをまとめて無視でき、最後の一撃を通すのに有用です。

1枚だけの採用ではあるものの、《星原の番人》からサーチできるため、見た目以上の影響があります。

おわりに

「バント律動」が、苦手なはずの「イゼット果敢」を乗り越え、優勝しました。

ほかのデッキも同じように対策することで、また有利不利が覆るマッチアップが誕生するかもしれません。

一週間でこれだけ変化が起きるスタンダードのメタゲーム、見逃せませんよね!

『Just Nowスタンダード!』では、これからも「今このとき」をお届けしていきます!

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