はじめに
みなさん、こんにちは。
先月末の禁止改定はノーチェンジでしたね。特にMO(Magic Online)ではボロスエネルギーが高い勝率を出し続けていますが、そのほかのアーキタイプも活躍しており、トータル面では健全な環境なため公式の判断は妥当だといえます。
今回の連載では、『第33期モダン神挑戦者決定戦』『Modern Showcase Challenge』『Modern Showcase Qualifier』の入賞デッキを見ていきたいと思います。
『第33期モダン神挑戦者決定戦』 -セプターチャントが優勝-
開催日:2026年3月21日
優勝 ジェスカイコントロール
準優勝 ピナクル親和
3位 ドメインズー
4位 エルドラージトロン
5位 ピナクル親和
6位 エスパー御霊
7位 ボロスエネルギー
8位 ゴルガリヨーグモス
9位 ピナクル親和
10位 アミュレットタイタン
11位 ボロスエネルギー
12位 ピナクル親和
13位 ボロスエネルギー
14位 イゼット果敢
15位 ジェスカイブリンク
16位 ライブラリーアウト
- 2026/03/21
- 第33期モダン神決定戦カバレージ
- 晴れる屋メディアチーム
- 2026/03/21
- メタゲームブレイクダウン
- 晴れる屋メディアチーム
今大会のメタゲームブレイクダウンによると、もっとも使用率が高かったのは「ジェスカイブリンク」「ピナクル親和」「ボロスエネルギー」で、プレイオフにも複数勝ち残っています。
優勝したのはジェスカイコントロールで、《等時の王笏》+《オアリムの詠唱》のロックコンボが搭載されていました。
ジェスカイコントロール
コントロールではありますが、《一日のやり直し》+《覆いを割く者、ナーセット》、《等時の王笏》+《オアリムの詠唱》の2つのコンボを備えているのが特徴です。
《覆いを割く者、ナーセット》がいる状態で《一日のやり直し》を唱えることで、相手の手札を1枚のみにすることができます。また、《等時の王笏》に《オアリムの詠唱》を刻印することで、相手を完全にゲームから締め出すことが可能です。
☆注目ポイント
《覆いを割く者、ナーセット》はリソースを稼ぎながら相手の追加ドローを咎めることができ、《ガイアー岬の療養所》を起動することで手札破壊コンボにもなります。
《時を解す者、テフェリー》がいれば《一日のやり直し》コンボを安全に決めることができ、[+1]を使って相手のドローステップに《一日のやり直し》をプレイすれば手札を空にすることも可能です。
セプターチャント(《等時の王笏》+《オアリムの詠唱》)は、特にエクステンデッドをプレイしていたプレイヤーにとっては懐かしいコンボであり、《時を解す者、テフェリー》と組み合わせることで《耐え抜くもの、母聖樹》などを相手が持っていない限り、完全に相手をロックすることができます。
《オアリムの詠唱》は《ピナクルの特使》のワープに対応して唱えたり、ルビーストームやアミュレットタイタンの妨害、待機明けの《睡蓮の花》のプレイを封じるなど、単体でも優秀な妨害手段として機能します。
白青がベースですが、赤をタッチすることで優秀な除去や追加の勝ち手段にアクセスできます。《電気放出》は、現在では《稲妻》よりも優先して採用される除去です。《火の怒りのタイタン、フレージ》は追加の勝ち手段兼除去、《溶融》は対親和への優秀なサイドカードです。
『Modern Showcase Challenge』 -『ミュータント タートルズ』の新カードを採用したジェスカイブリンク-
開催日:2026年3月20日
優勝 ボロスエネルギー
準優勝 ジェスカイブリンク
3位 エスパー御霊
4位 ジェスカイブリンク
5位 サムワイズフード
6位 グリクシス眼魔
7位 ボロスエネルギー
8位 ピナクル親和
9位 ルビーストーム
10位 ルビーストーム
11位 ボロスエネルギー
12位 ルビーストーム
13位 エルドラージトロン
14位 ジェスカイブリンク
15位 エルドラージ
16位 アミュレットタイタン
シーズン終盤に開催された『Modern Showcase Challenge』の上位は、「ボロスエネルギー」「ジェスカイブリンク」「親和」「エスパー御霊」といった定番デッキが中心となりました。
ジェスカイブリンク
ジェスカイブリンクは基本的には除去とカウンターでコントロールしつつ、コンボデッキに対しては《敏捷なこそ泥、ラガバン》などの軽いクロックで圧をかけたりと、柔軟に戦えるミッドレンジデッキです。
《孤独》《電気放出》《虹色の終焉》など効率的な除去や、全体除去の《空の怒り》があるのでアグロデッキ全般に強く、一方でアミュレットタイタンやルビーストームなどのコンボデッキや、コントロールなどは苦手としています。
☆注目ポイント
《量子の謎かけ屋》はこのデッキの主力兼アドバンテージ源で、「ワープ」でプレイしたあとに《溌剌の牧羊犬、フィリア》や《儚い存在》でブリンクしたり、《記憶への放逐》でワープの誘発をカウンターすることで、《量子の謎かけ屋》を戦場にキープする動きが強力です。
《溌剌の牧羊犬、フィリア》は《敏捷なこそ泥、ラガバン》の攻撃を通すための一時的な除去としても機能し、追放したクリーチャーが戦場に戻る誘発を《記憶への放逐》でカウンターすることで除去にもなります。
『ミュータント タートルズ』で登場した《ヴィジランテ、ケイシー・ジョーンズ》は、3マナ4/3で戦場に出たときに3枚ドローという驚異のスペックを誇るクリーチャーですが、「次のアップキープ開始時にカードを3枚無作為に捨てる」という決して無視できないデメリットを抱えています。
しかし、この誘発を《記憶への放逐》でカウンターすることでデメリットを帳消しにすることができます。また、運よく《火の怒りのタイタン、フレージ》をディスカードできれば、4ターン目に「脱出」を狙えます。
『Modern Showcase Qualifier』 -現モダンのベストデッキ-
開催日:2026年3月27日
優勝 ピナクル親和
準優勝 エスパー御霊
3位 グリクシス眼魔
4位 ジェスカイブリンク
5位 エスパー御霊
6位 ネオブランド
7位 ボロスエネルギー
8位 ボロスエネルギー
『Magic Online Champions Showcase』(MOCS)本戦への出場権をかけた今シーズン最後のプレミアイベントを制したのは「ピナクル親和」でした。
完全招待制のイベントだったこともあり、ほかのイベントと比べると少し特殊なメタゲームとなっています。
もっとも多かったのが「ボロスエネルギー」でトップ32中11名が使用、プレイオフにも2名入賞しています。最大勢力のボロスエネルギーに有利とされている「ルビーストーム」や「ネオブランド」などのコンボデッキも多く、そのなかでもコンボとミッドレンジのハイブリットである「エスパー御霊」がプレイオフに2名と、優勝こそ逃したものの高い勝率を出していました。
ピナクル親和
見事MOCS本戦とプロツアー権利を獲得したピナクル親和。《ピナクルの特使》を1ターン目に「ワープ」でプレイしたあとに、0マナアーティファクトを連打してトークンで戦場を埋め尽くし、高速で《河童の砲手》までつなげます。
《トーモッドの墓所》がメインから入っているので今大会で高い勝率を出していたエスパー御霊に強く、ボロスエネルギーやジェスカイブリンクの《火の怒りのタイタン、フレージ》も牽制できるところもこのデッキの強みです。
もともと強いデッキだったところに、『ミュータント タートルズ』からも新戦力を獲得してさらに強化されました。
☆注目ポイント
《武器製造》をフル搭載した親和が現在の主流になっています。軽いアーティファクトを多用するこのデッキと相性が良く、《河童の砲手》や《ウルザの物語》の構築物・トークンを強化できます。また、《仕組まれた爆薬》をX=0で出して起動することで、大量の爆薬・トークンを巻き込んで一気に相手のライフを削りきることも可能です。
《仕組まれた爆薬》以外にも、《ギックスのかぎ爪》や《電結の荒廃者》といったアーティファクトを能動的に生け贄にする手段が用意されています。大量の爆薬・トークンが並んでしまえば、天敵である《空の怒り》も実質無力化することができます。
『ミュータント タートルズ』から登場した《スケートボード》は、《ウルザの物語》からもサーチ可能な装備品で、これまで採用されていた《溶岩拍車のブーツ》と似ていますが、相手のブロッカーや土地をタップできる能力は「護法
」よりもゲームに与える影響力が大きいため、こちらが優先されるようになりました。
《大いなる脳ミソ、クランゲ》は2マナでプレイすることもでき、「手札を補充する能力」と「アーティファクトによる強化能力」がこのデッキに合っています。ただ、あまり入れすぎると重くなるため1枚のみの採用となっています。
ボロスエネルギー
今大会でももっとも人気があったボロスエネルギー。《火の怒りのタイタン、フレージ》のおかげで中盤以降の消耗戦にも強く、ジェスカイブリンクなどのミッドレンジとも互角以上に渡り合えます。
特にMOにおいて圧倒的なシェアを占めており、これは操作の難しさから苦手なアミュレットタイタンがMOでは少数になっているなど、テーブルトップとのメタの違いなども理由のひとつのようです。
☆注目ポイント
特殊なメタゲームであるため、カード選択が一般的なボロスエネルギーと少し違ったリストに仕上がっています。
最近のボロスエネルギーは、ルビーストームなどコンボ対策として3マナ域に《イーオスのレインジャー長》が採用されていますが、ミラーマッチやジェスカイブリンクなどフェアデッキが多くなることを想定し、《ロクの伝説》が優先されていました。《ロクの伝説》は少し悠長なカードではあるものの、フィニッシャーとしての役割も果たし、ロングゲームになりやすいフェアデッキとのマッチアップで優秀なカードです。
また、アミュレットタイタンも少数と予想していたようで《血染めの月》の採用も見送られています。
《スレイベンの魔除け》はクリーチャー除去として機能する一方で、《ウルザの物語》や《ゴブリンの砲撃》など、やっかいなエンチャントにも触ることができます。メインから使える墓地対策でもあるので、多様な戦略が存在するモダンにおいて非常に有用な選択肢となります。
サイドに採用されている《空の怒り》は、一見するとクリーチャーを並べるこのデッキの方向性と矛盾しますが、こちらより速い親和とのマッチアップにおいて《ウルザの物語》を含めた相手の場をほぼ一掃することができます。
《天界の粛清》はミラーマッチで《火の怒りのタイタン、フレージ》や《ゴブリンの砲撃》を確実に除去でき、ほかのマッチアップでも《超能力蛙》《ベイルマークの大主》《コーリ鋼の短刀》《ギルドパクトの力線》など、さまざまな脅威を対策することができます。
総括
今週末からはモダンの予選シーズンも始まるので、テーブルトップでモダンをプレイする機会が多くなると思います。
「ボロスエネルギー」「ジェスカイブリンク」「親和」の3強を攻略していく必要がありますが、現在のモダンはどんなアーキタイプでも勝つチャンスのある群雄割拠な環境で、フォーマットも常に進化し続けています。
MOでは少ないアミュレットタイタンも、テーブルトップでは一定数見かけることになりそうなので意識するといいかもしれませんね。
USA Modern Express vol.153は以上になります。それでは次回の連載でまた会いましょう。楽しいモダンライフを!









































