はじめに
みなさん、こんにちは。


今月は新セット『ストリクスヘイヴンの秘密』がリリースされます。レガシーでも使えそうなカードも見られ、人気の《意志の力》など強力なカードも「ミスティカルアーカイブ」として登場するので楽しみです。
さて、今回は先週末にMO(Magic Online)で開催された『Legacy Challenge』と『Legacy Showcase Qualifier』の入賞デッキを見ていきたいと思います。
『Legacy Challenge 32』 -ペインターとトロンのハイブリット-
ペインタートロン
今大会で優勝したのは、ペインターコンボを搭載したトロンでした。
カーンフォージから《神秘の炉》と《まばゆい肉掻き》が抜けて、その枠に《絵描きの召使い》+《丸砥石》のコンボが採用されています。
《古えの墳墓》や《次元の結節点》+《ウルザの塔》、各種マナアーティファクトによるマナ加速からコンボによる瞬殺も可能になるなど、従来よりも柔軟性が増しています。
序盤から《冷酷な船長、テゼレット》《大いなる創造者、カーン》《一つの指輪》といった脅威をプレイでき、《ウルザの物語》のプレッシャーやペインターによる瞬殺コンボが加わったことで、ディミーアテンポをはじめとした青いフェアデッキにさらに強く出れるようになりました。
☆注目ポイント
コンボパーツの《丸砥石》はメインとサイドに1枚ずつの採用ですが、《ウルザの物語》《冷酷な船長、テゼレット》《大いなる創造者、カーン》でサーチすることができます。また、《一つの指輪》+《多用途の鍵》で大量にカードを引けるので簡単にコンボをそろえることが可能です。
《大いなる創造者、カーン》はサイドから《丸砥石》と《絵描きの召使い》のどちらもサーチすることができます。常在型能力によって相手のアーティファクトの起動型能力を封じることができるため、最近よく増えているトロンに対しても強いプレインズウォーカーです。コンボが決まりにくい相手に対しては、これまでと同様に《パラドックス装置》や《マイコシンスの格子》などをサーチすることもできます。
サイドの枠の半分以上が《大いなる創造者、カーン》でサーチするアーティファクトで埋まっていますが、The Spyなど自分より速いコンボを対策する必要があるため、残りの枠には《虚空の力線》や《攪乱のフルート》といったカードが惜しみなく積まれています。
ディミーアテンポ
今大会には筆者も参戦し、トップ4に入賞することができました。使用したのは《ネザーゴイフ》を採用したディミーアテンポです。
《ネザーゴイフ》採用型はコンボやビッグマナ系に対してプレッシャーをかけやすくなるため、特に『Legacy Challenge』のメタでは有力な選択肢になります。
☆注目ポイント
軽いスペルを多用するこのデッキでは、《ネザーゴイフ》は多くのマッチアップで強力なクロックになります。また、1マナのアタッカーが増えたことで《悪夢滅ぼし、魁渡》にもつなげやすくなっています。
《ネザーゴイフ》は自分の墓地しか参照にしないので、少しでも早い段階からサイズを上げるためにアーティファクトの《ミシュラのガラクタ》を採用しています。これにより、フェアデッキとのマッチアップでは突破力が増し、コンボや《古えの墳墓》デッキに対してはプレッシャーをかけやすくなります。
トロンとエネルギーデッキの隆盛により、サイドボードのカード選択も変化しています。《記憶への放逐》は強力な無色デッキの多い現在のレガシーでは、3枚より減らすことはなさそうです。
《虐殺》はエネルギーデッキ用の全体除去で、白いデッキ相手ならタダで撃てるため、相手の猫・トークンの群れを一掃したあとに《バロウゴイフ》をプレイするといった動きも可能です。親和には《毒の濁流》のほうが優れた全体除去ですが、現在はエネルギーデッキと対戦する機会が多いので《虐殺》を優先しています。
『Legacy Challenge 32』 -The Spyとトロンのスプリット-
決勝戦にはトロンとThe Spyが残りました。ほかには、スニーク・ショーやネクロストーム、マルドゥエネルギーなどコンボ、フェア問わずさまざまなアーキタイプが入賞しています。
アゾリウステンポ
トップメタではないものの、最近は『Legacy Challenge』の上位でも見かけることが多くなった白青のテンポデッキ。
昨年の『Asia Eternal Weekend』でも活躍していたアゾリウス石鍛冶と似たデッキですが、装備品パッケージを抜き、《量子の謎かけ屋》や除去、カウンターが増量されています。これにより、コンボデッキ相手に不要牌になりやすい装備品を引くリスクが軽減されています。
《不毛の大地》と《もみ消し》でマナを縛りつつ、《溌剌の牧羊犬、フィリア》+《量子の謎かけ屋》によってアドバンテージを取りながら攻めるテンポ戦略もできれば、妨害と《知りたがりの学徒、タミヨウ》で長期戦にも対応できるなど柔軟性があるデッキです。
☆注目ポイント
《溌剌の牧羊犬、フィリア》は見かけ以上にいろいろな使い方のできるカードです。
「ワープ」した《量子の謎かけ屋》をブリンクすることで戦場に定着させたり、トークンの除去や《虚空の杯》《濁浪の執政》《金属モックス》のカウンターや「刻印」のリセット、変身した《知りたがりの学徒、タミヨウ》を変身前に戻すなど、あらゆる場面で活躍します。
《もみ消し》との相性も良く、《溌剌の牧羊犬、フィリア》の遅延誘発をもみ消すことで実質除去になり、フィリアと同じくワープした《量子の謎かけ屋》も戦場に残せます。
そのほか《もみ消し》は、フェッチランドの妨害やプレインズウォーカーの起動、護法などにも対応でき、流行りの《欄干のスパイ》に対しても効果的です。
過去に《もみ消し》を使ったデッキは主にティムールカラーのテンポデッキでしたが、現在のレガシーでは白青系デッキのフェッチランドを見たら《もみ消し》を警戒する必要が出てきました。
『Legacy Showcase Qualifier』 -オムニアルーレンがMOCS本戦への権利を獲得-
開催日:2026年4月4日
優勝 オムニアルーレン
準優勝 ディミーアテンポ
3位 スニーク・ショー
4位 土地単
5位 マルドゥエネルギー
6位 ディミーアテンポ
7位 The Spy
8位 デス&タックス
MOCS本戦への参加権をかけたハイレベルなイベント。参加者29名と小規模ではありますが、予選を抜けた強者ばかりで行われました。
今大会の最大勢力はエネルギーデッキで、次点で《実物提示教育》系、ディミーアテンポとなっています。優勝したのはアルーレンとオムニテルをハイブリットした「オムニアルーレン」でした。
オムニアルーレン
アルーレンはレガシーの中でも比較的ニッチなコンボデッキでしたが、少し前から《実物提示教育》戦略と組み合わせた型が流行しています。
《実物提示教育》のおかげで《魔の魅惑》を1ターン早く出せるようになり、《実物提示教育》がカウンターされても、次のターンに《魔の魅惑》を仕掛けることができるため、相手にカウンターを2枚要求することができます。
☆注目ポイント
従来のリストと大きく違うのは、《アーチリッチ、アサーラック》をサーチする手段として採用されていた《並外れた語り部》が不採用で、代わりに《アーチリッチ、アサーラック》がフルに採用されていることです。
《並外れた語り部》のサーチ能力も捨てがたいですが、手札を捨ててサーチするのにターンを費やすことになることになり、コンボスピードが遅くなります。また、《アーチリッチ、アサーラック》が1枚のみの採用だと、ハンデスや除去をされた場合にゲームに勝つことが難しくなるデメリットがありました。
ほかのリストでは、追加の勝ち手段として《引き裂かれし永劫、エムラクール》も採用されていましたが、勝ち手段を《アーチリッチ、アサーラック》コンボに絞ったほうがデッキの安定性が高まります。
《夏の帳》はコンボにとってやっかいな《思考囲い》と《意志の力》の両方を対策することが可能で、《オークの弓使い》からのダメージを防ぐこともできます。
総括
《知りたがりの学徒、タミヨウ》やThe Spyについてはさまざまな意見が交換されていますが、各イベントの結果から現時点では禁止の必要はなさそうです。ディミーアテンポも人気があるデッキですが、最強のデッキというわけではなくエネルギーデッキなど相性が悪いマッチアップも存在します。
増加傾向にあるトロンに関しては、再録禁止カードの《Candelabra of Tawnos》採用型だとテーブルトップで組むのが難しいため、今後オンラインとテーブルトップのメタが違ってくることも予想されます。
USA Legacy Express vol. 274は以上になります。それでは次回の連載でまた会いましょう。楽しいレガシーライフを!





































