はじめに
みなさんこんにちは。
現在はモダンの予選シーズンで、今週末には『第34期モダン神挑戦者決定戦』が開催されるなどイベントが充実しています。
さて、今回は先週末にMagic Online(以下MO)で開催された『Modern Challenge』の入賞デッキを見ていきたいと思います。
『Modern Challenge 32』 -新カードを使ったストームが優勝-
MOでも実装された新セット『マジック:ザ・ギャザリング|マーベル スーパー・ヒーローズ』のカード、《ヘックス・マジック》を採用したルビーストームが、6月26日の『Modern Challenge 32』で優勝しました。
ほかにも親和やボロスエネルギー、ジェスカイコントロール、グリクシス眼魔といった定番デッキが入賞しています。
ルビーストーム
ルビーストームは、モダンイベントの上位で見られることも多い強力なコンボデッキです。
インスタントとソーサリーのコストを軽減できる《モンスーンの魔道士、ラル》と赤いスペルのコストを軽減できる《ルビーの大メダル》を軸に、《捨て身の儀式》や《発熱の儀式》でマナを増やしていき、《レンの決意》《無謀なる衝動》で実質的に手札を増加させます。
そうして複数のスペルを連鎖させていき、《炎の中の過去》でそれらのスペルを再利用し、最終的に《ぶどう弾》で勝利します。
☆注目ポイント
《ヘックス・マジック》はルビーストームの有用な新カードとして話題です。今大会の結果は、カードが持つ高いポテンシャルを確認するのに十分なパフォーマンスだったといえます。
コンボを開始するターンに《ヘックス・マジック》をプレイすることで、強力なドロースペルとして機能します。《ヘックス・マジック》で追放したカードは次のターン終了時までプレイ可能なため、カードを大量に引いたあとでコンボを開始し、妨害されても次のターンに再びコンボを仕掛けやすくなります。
また、もう一つ重要な要素として《ヘックス・マジック》は「秘儀」スペルでもあるため《捨て身の儀式》と「連繋」させることが可能です。これによってドローしつつ追加のマナを得ることができ、コンボも実行しやすくなりました。
サイドボードの《オアリムの詠唱》はコンボを守るのに最適なカードです。ほかのコンボデッキに対しては時間稼ぎとして使うこともできます。
《真昼の決闘》や《減衰球》などのコンボを妨害するヘイトカード対策として、《摩耗/損耗》や《虹色の終焉》といったカードは必須となります。
『Modern Challenge 64』 -現環境の最高のコントロール-
今大会では、土地破壊が優勝を含めて2名入賞。《ヘックス・マジック》入りのルビーストームも7位に入賞していました。
土地破壊
現在ではモダンの定番デッキの一つとなった土地破壊。《浄化の野火》や《自由の代価》といった土地破壊スペルや、《解体爆破場》などで対戦相手の特殊地形を基本土地に変換させます。
モダンのデッキの多くは基本土地をほとんど採用していないため、これらのカードは効果的に機能します。《浄化の野火》などを数枚使うだけで、対戦相手の基本土地を枯渇させられます。
対戦相手の土地が枯渇するまで時間を稼ぐ必要があり、序盤は後手に回りがちですが、《孤独》や《電気放出》《空の怒り》など優秀な除去をうまく使っていくことで弱点をカバーします。
☆注目ポイント
《電気放出》は序盤に使える最高の除去で、多くの脅威に対処できます。エネルギー・カウンターを得ることもできるので、《空の怒り》とも相性抜群です。
対戦相手の土地を破壊しつつ場の脅威を除去で一掃してコントロールするのが、このデッキの理想的な動きになります。《アベンジャーズ解散》は『マジック:ザ・ギャザリング|マーベル スーパー・ヒーローズ』で登場した土地破壊と全体除去という2つのモードを持つ柔軟なスペルで、このデッキにとって有用な追加のカードです。
《一時の猶予》は、ボロスカラーのこのデッキにとって、スタック上の脅威に対処できる貴重な手段となります。対戦相手の土地を破壊して使用できるマナを減らすことが可能なこのデッキにおいて、バウンスしたスペルを同じターンに再度プレイされる可能性は少ないでしょう。
《コーリ山の僧院》は

で衝動的ドローを行える土地で、中盤以降の余ったマナを有効に活用することができます。
従来の土地破壊と異なる点は、《大いなる創造者、カーン》が採用されていることです。
《大いなる創造者、カーン》の[-2]能力で手札に加えた《液鋼の塗膜》を使い、対戦相手の土地をアーティファクト化させ、[+1]能力でクリーチャーにすることで事実上の土地破壊として機能します。残りの土地をすべて破壊すれば対戦相手をゲームから締め出すことができます。
『Modern Challenge 64』 -モダンでも《コーリ鋼の短刀》が大活躍-
土地破壊、親和、ネクロドミナンス、アゾリウスブリンクなど様々なアーキタイプが入賞するなか、決勝に勝ち残ったのはエスパー御霊とイゼット果敢でした。
イゼット果敢
イゼット果敢はモダンでもっともアグレッシブなデッキです。速度があり《定業》や《表現の反復》といったスペルが使えるため安定感があり、粘り強く戦うこともできます。
《コーリ鋼の短刀》のおかげで単体除去に対して高い耐性を持っています。禁止にはなりましたが、スタンダードやパイオニアでも活躍し、レガシーにおいても第一線で活躍しているため、ほかのフォーマットをプレイしているプレイヤーにもおすすめできるデッキです。
《精鋭射手団の目立ちたがり》や《コーリ鋼の短刀》に加え、《稲妻》《変異原性の成長》といったスペルを複数プレイすることで、対戦相手のライフを高速で削り切れる爆発力が魅力ですが、プレイングの手順など使いこなすには慣れも必要になります。
☆注目ポイント
《精鋭射手団の目立ちたがり》は、《変異原性の成長》の強化と《暴力的衝動》の「二段攻撃」付与などを組み合わせることで、1ショットキルも可能な脅威になりえます。
でプレイできる《溶岩の投げ矢》のフラッシュバックコストは山を1つ生け贄に捧げるだけなので、容易にスペルの回数を稼ぐことができます。《コーリ鋼の短刀》は対戦相手のターンにも誘発させることが可能なため、《溶岩の投げ矢》などをうまく使うことで複数のモンク・トークンを展開することもできます。
ルビーストームなどコンボデッキを対策する必要があるため、サイドボードには《呪文貫き》《呪文嵌め》《記憶への放逐》といった複数のカウンターが積まれています。
親和や《虚空の杯》《三なる宝球》といった置物対策として《溶融》は必須です。
サイドボードの《濁浪の執政》は《真昼の決闘》を置かれたときの勝ち手段です。《孤独》には弱いものの、火力スペルや《空の怒り》などでは対処するのが難しいため頼れる追加のフィニッシャーです。
『Modern Challenge 96』 -モダンでも強いリアニメイト-
開催日:2026年6月28日
優勝 エスパー御霊
準優勝 黒単エルドラージ
3位 ボロスエネルギー
4位 ティムールコントロール
5位 ヨーグモス医院
6位 ジェスカイコントロール
7位 アゾリウスコントロール
8位 ドメインズー
トップメタの一角である親和は今大会のプレイオフには不在でした。禁止改定後も第一線で活躍しているボロスエネルギーは3位入賞と安定した成績を残しています。
モダンらしく複数の異なるアーキタイプが入賞するなか、優勝をおさめたのはモダンのリアニメイトコンボであるエスパー御霊でした。
エスパー御霊
《偉大なる統一者、アトラクサ》や《グリセルブランド》といった強力な伝説のクリーチャーを、デッキ名にもなっている《御霊の復讐》でリアニメイトするコンボデッキです。
《超能力蛙》や《量子の謎かけ屋》《儚い存在》などカードアドバンテージを稼ぐ手段も豊富で、優秀な除去やハンデスなどの妨害にアクセスできます。リアニメイトコンボのみならず、ミッドレンジのように振る舞うこともできる戦略の幅の広さは、このデッキの魅力の一つです。
《信仰無き物あさり》が使えるグリクシスカラーなど異なるバリエーションも見られますが、サイドボードの選択肢や《孤独》など優秀な除去が使えるエスパーカラーがもっとも一般的です。
☆注目ポイント
《御霊の復讐》でリアニメイトした《偉大なる統一者、アトラクサ》は、通常ならターン終了時に追放することになりますが、《儚い存在》でブリンクすることで、場に出たときの能力を再び誘発させることができます。さらに、《偉大なる統一者、アトラクサ》は追放されることなく戦場に残ります。
圧倒的なアドバンテージ差をつけつつ、飛行、警戒、接死、絆魂という複数の能力を持つ7/7のクリーチャーも維持されるため、このコンボが決まればほぼ勝ちです。
スタッツなどを除き、墓地にあるクリーチャー・カードのコピーとして場に出る《スーペリア・スパイダーマン》は、追加のリアニメイト手段となります。《御霊の復讐》以外にもリアニメイトできるカードがあることで、メインのリアニメイトプランが安定して実行しやすくなりました。また、墓地にクリーチャーがいない場合でも、最悪4/4のクリーチャーとして出せる点もこのカードの優れているところです。
対戦相手の墓地のクリーチャーもコピーできるので墓地対策としても機能し、ミラーマッチで特に強さを発揮します。
メインボードは《量子の謎かけ屋》よりも《ファラジの考古学者》が優先されているなどリアニメイトプランを重視しています。そのため本格的に墓地対策が進むサイド後はコンボパーツの多くがサイドアウトされます。
サイドインされるのは、アドバンテージ源となる《量子の謎かけ屋》や《孤独》《空の怒り》といった除去、さらに《神秘の論争》《時を解す者、テフェリー》などで、ミッドレンジプランにシフトしていきます。
総括
ボロスエネルギーは《火の怒りのタイタン、フレージ》の禁止により弱体化を強いられましたが、現在のモダンに数多く存在するルビーストームやベルチャーなど、コンボデッキとのマッチアップでは重要でなかったため、あまり大きな影響はありませんでした。
ジェスカイコントロール、各種ブリンク、ディミーアミッドレンジといったフェアデッキとのマッチアップは、それらのデッキが現在のモダンにおいてトップメタではないこともあり、禁止改定後の環境でも安定した勝率を出しています。
禁止解除されたカードですが、予想通り《梅澤の十手》はカードパワーのインフレが進んだ現代の基準では極めて平凡な性能であり、採用しているデッキはほとんどありませんでした。
リビングエンドは『Modern Challenge』などで結果は残しているものの、《暴力的な突発》は《苛立たしいガラクタ》や《記憶への放逐》など対策手段が増えたこともあり、環境への影響は限定的です。
USA Modern Express Vol.159は以上になります。それでは次回の連載でまた会いましょう。楽しいモダンライフを!

























































