ブラケットからマナーの問題まで!コマンダーの気になる疑問にいってつが答えます!

晴れる屋メディアチーム

コマンダーにはびこる疑問を聞いてみた!

少し前のこと、晴れる屋YouTubeチャンネルで公開された、とある動画が話題となりました。

それが、コマンダーフォーマット委員会(CFP)のメンバーであるいってつ氏に、コマンダーにまつわるさまざまな疑問をぶつけ、回答してもらうというもの。

「ブラケット3でサーチはマナー違反?」「《タッサの神託者》強すぎない?」など、普段コマンダーを遊んでいるなかで気になりがちな疑問について、いってつ氏が一つひとつ答えてくれました。

今回は、そんな動画の内容を記事でもご覧いただけるよう、テキスト形式でお届けします。

(※本記事は、公開された動画の内容を、テキストとして読みやすく再構成したものです)

本記事を読む前に、いってつから伝えたいこと

まず、この記事で話すことは最重要な要素ではありません。

ブラケットはルールではないですし、ゲームチェンジャー・リストは禁止カードリストではありません。「いってつがこう言っていた」「記事にこう書かれていた」というのはどうでもいいのです。

最も重要なのは、ゲームの前に集まった4人で話して、互いのゲーム感を知って、楽しいゲームをみんなで作ることです。

そのために、「ブラケット」や「ゲームチェンジャー・リスト」はマッチングの助けになったり、「いってつが話していたこと」があなた自身の中で指針になるかもしれませんが、それ以上の意味はありません。

あなたとあなたの対戦相手がきょう、今から楽しいゲームができることが最優先です。

みなさんが、1ゲームでもたくさんの楽しいゲームをできますように!

これってマナー違反?コマンダーのプレイについて

Q. 《ドラニスの判事》はマナー違反?統率者が出せなくなっちゃいました!

ドラニスの判事

いってつ:全然マナー違反じゃないと思います。

勝利の楽士溜め込み屋のアウフガドック・ティーグ

すべての対戦相手に干渉するカードは、相手が楽しいと思っているカードのアクションを妨害する側面を持っています。

《ドラニスの判事》は、そういった妨害するカードのなかの1枚でしかありません。

致命的な一押し剣を鍬に

マナは出せませすし、除去も唱えられるはずなので、素直に除去すればよいのです。

また、《ドラニスの判事》は「ゲームチェンジャー・リスト」に入っているカードなので、基本的にブラケット3以上のゲームで登場します。

ブラケット3以上のデッキであれば、《ドラニスの判事》を除去できる手段があるでしょうし、統率者に頼らずにゲームを進めることもできるでしょう。

マナーをサイドボードのように使うのは、あまり感心しませんね。

相手のカードやプレイには、あなたのメインデッキに入っているカードやプレイで対応しましょう。

Q. 統率者の「着地狩り」はマナー違反?

織り手のティムナ稲妻

ケースバイケースなので一概にどうとは言えませんが、少なくともそういったマナーはありません。

ただ、「その除去は本当にあなたにとって都合の良い除去か」というのは考えて使ってみてほしいです。

相手を貶めるためだけに除去カードを使うのではなく、最終的には自分が勝つために除去カードを使いましょう。

状況的に見て、いま本当に一番脅威なのはその統率者ですか?ほかにも、もっとヤバいクリーチャーやもっと有利なプレイヤーがいるのではありませんか?

ほかのプレイヤーが「あそこのプレイヤーまずいですよ!」と言ったのをそのまま受け入れるのもいいですが、最終的にその除去を撃った責任はあなたにあります。自分で考えて、どこに除去を撃つか判断しましょう。

Q. ブラケット3でサーチカードを使うのはマナー違反?

吸血の教示者神秘の教示者

そんなことはありません。問題になりうるのは、どちらかというと「サーチの回数」や「使い方」ですね。

滅び食糧補充

たとえば、相手の脅威に対応するために全体除去を持ってきたり、リソースを増やすカードを持ってくるといったアクションはあまり問題になりません。

Demonic Consultationタッサの神託者

ただ、サーチカードを連続して使ってコンボパーツをそろえるといったプレイは、あまりブラケット3らしくないのかもしれませんね。

全力でコンボパーツを探すというプレイをしたいのであれば、ブラケット4のほうがより楽しい場所だと思います。

──サーチカードで全体除去を持ってきて、身の潔白を示すためにあえて持ってきたカードを見せるという方もいますよね。

悪魔の教示者滅び

そうですね。たとえば、《悪魔の教示者》は探してきたカードを対戦相手に見せる必要はありませんが、マジックのルールでは自分だけが知っている非公開情報を相手に教えても問題ありません。

なので、あえて相手に見せることで、自分がコンボパーツではなく全体除去を持ってきたとアピールしてもいいわけです。

Q. 全体除去を何度も撃つのはマナー違反?

神の怒り審判の日滅び

繰り返しになりますが、「マナー違反」という言葉で相手のプレイやデッキ構築を咎めるのは、それこそマナー違反です。

それはそれとして、全体除去を何度も連打して対戦相手のリソースを奪うプレイや、なにもさせないという戦略は、どちらかというとブラケット4らしい戦略かもしれませんね。

Q. 《ハルマゲドン》はマナー違反?

ハルマゲドン

《ハルマゲドン》のようなマナ基盤を徹底的に破壊したり、拒否する戦略を「土地全体拒否」と呼んでいます。

こうした戦略は、ブラケット3以下では非推奨という取り決めがあります。

血染めの月破滅隔離冬の宝珠

土地を攻める戦略は、対戦相手に与えるストレスが非常に大きいです。そういった戦略を「『FINAL FANTASY』が大好きで、今日構築済みデッキを買ってきました!」というような初心者の方にぶつけるのはやめてあげてくださいね!

それぞれのブラケットにはそこで想像されるゲーム感があり、追加ターンと同じように「土地全体拒否」についても記述があります。詳しくはそちらをご覧ください。

Q. ブラケット3なら6ターン目以降の無限ターンはOK?

時間操作時間の伸長

ブラケット3で連続した追加ターンが非推奨なのは、追加ターンという呪文がゲーム全体の時間の内、自分の占める時間が多くなりすぎるからです。

追加ターンを連続して使うのはとても楽しいので、僕もブラケット4ではよくやっています(笑)。ただ、その間対戦相手はやることがなく、しかもゲームが終わるかも分からないので退屈な時間を過ごすことになります。これは、あまり楽しいゲーム体験ではないかもしれませんね。

とはいえ、ブラケット3ではあまりに高速なコンボは問題になりますが、無限コンボというものは一定許容されています。

Revel in RichesBrass's Bounty

「何らかのコンボで無限ターンが決まり、そのあとどう勝つか」というのが相手に説明できるのであれば、それは別の何かしらのコンボを成立させたのと状況的に変わりありません。

すぐさまゲームを終わらせて次のゲームに移れるので、対戦相手にとって退屈な時間はほとんどないでしょう。このような場合は、ブラケット3で連続した追加ターンが禁止されている理由にはあてはまらないんですね。

ただ一番大切なのは、ゲームの前に集まった4人で話し合って同じゲーム感を持ち、楽しいゲームをみんなで作ることです。

なので、無限ターンに限らず何らかのコンボが入っているのであれば、対戦相手に「自分はこういうコンボを使うぞ」と事前に伝えてゲームを始めるのがベストですね。

Q. たまたまコンボがそろってしまったら?

長いことコマンダーで遊んでいたら、いつかはあることでしょう。

デッキ構築自体に問題があるわけではないと思うので、その状況であなたが「どうしたら、このゲームを楽しく終わらせることができるのか」ということをぜひ考えてみてほしいです。

飛行機械の鋳造所時の篩弱者の剣

その場でコンボパーツを見せて、「すいません、ラッキーでそろっちゃいました!良かったらもう1ゲームやっていきませんか?」という風に提案するのもいいですし、手札にそろってしまったコンボパーツを一旦見なかったことにして、しばらくゲームを続けるのもアリだと思います。

絶対に避けたいのは、あなたが嘘つきだと思われることです。

「ゲーム前はブラケット3と言っていたのに、すぐにコンボを仕掛けてきた。嘘をつかれた!」と相手に感じさせてしまえば、せっかくのゲーム体験が台なしになってしまいます。

もちろん、実際に嘘をついたり、ズルをして勝とうとしたりしたわけではないのですから、そういう風に疑われてしまうのは悲しいことです。

そうしたすれ違いを避けるためにも、ゲーム前の認識合わせにはぜひ心を配ってください。

Q. ブラケット3で再現性の高いコンボは許される?

サーチカードのときにお話ししましたが、やはりブラケット3でサーチカードをたくさん使ってコンボパーツをそろえて勝つぞというのは、ブラケット3っぽくないかもしれませんね。

そういったゲームは、ぜひブラケット4で楽しんでみてください。

ルール0・ブラケットシステムについて

Q. ブラケットシステム、正直どう思う?

最初に公開されたブラケット・システム(アルファ版)

最初に発表されたときは大反対でしたが、そのあとコマンダーフォーマット委員会が設立され、僕もその一員として議論に混ざっていろんなことを話し合いました。

結果、いま世界中で試されているブラケットは、とても良いマッチングの指標になっていると思います。

日本ではマッチングについて困っているという雰囲気は当時そこまでなかったので、最初は困惑したかもしれません。

ただ、この「ブラケットシステム」と「ゲームチェンジャー・リスト」があるおかげで、楽しくて強いカードが禁止を免れたり、世界共通のマッチング指標ができたのはすごく良いことです。

これまでは地域ごとで異なるマッチングが行われていましたが、指標が統一されたことで、『コマンドフェスト』や『MagicCon』など世界中からプレイヤーが集まるイベントでも遊びやすくなりましたね。

Q. 「ルール0」って何?

──ブラケットも大事ですが、さらにその一段上にあるものが「ルール0」なんでしょうか?

そうです。マジックのルールがどうであれ、マッチングの仕様がどうであれ、何よりも優先すべきなのは「みんなが楽しく一日を過ごせること」です。

なので、「ブラケット3のルールに沿って組んだから、間違いなくブラケット3のデッキだ」と自分で決めつけるのではなく、お互いの認識を確認することが大切です。

「自分はこう考えて、このデッキを持ってきました。みんなで楽しくゲームできそうですか?」といったように、ゲーム前にしっかり話し合えるといいですね。

Q. ゲームチェンジャー・リストってどう思う?

カードリストページ

強力なカードが禁止カードにならないような緩衝地であったり、禁止になっているカードを解禁できないか試す場所として、とても良いと思っています。

ただし、繰り返しになりますが、何よりも優先されるのは「ルール0」です。

ゲームチェンジャーの枚数が3枚以下だからといって、「俺のデッキはめっちゃ強いけど、ブラケット3で使っていいんだ!」という考えは間違っています。

ブラケットの指標に書いてあることをすべて守れば、それでブラケット2やブラケット3に参加できるというわけではありません。

ブラケットというシステムは、そもそも「ルール0」助けるために存在しています。

その場に集まった4人が、どんなデッキでどんなゲーム体験を求めているかという話をするときに、ブラケットという指標がないとすり合わせるのが大変です。

ブラケットという指標があるからこそ、自分はこのブラケットでこんなゲームがしたいと伝えやすくなっているのです。

ゲームチェンジャーの枚数は、ゲームのルールではないことをよく覚えておいてください。それさえ守っていれば、すべて許されるというわけではないんですね。

最も重要なのは「その場にいる4人で楽しいゲームができるかどうか」ということです。

Q. ブラケット3.9問題についてどう思う?

──ブラケット3のなかにも強さにグラデーションがあり、長くデッキを使って改良していくなかで、限りなくブラケット4に近いデッキになってしまうことがあります。これについてはどう考えていますか?

これは実際によくあると思います。ただ、ブラケットという指標はあくまでゲーム感をそろえるものであって、みんなのデッキパワーだったり、勝率を均等にするように作られているものではない、ということを理解してほしいです。

デッキを改良していった結果、ブラケット3にしてはかなり強くなりすぎているなと感じたら、ぜひブラケット4に挑戦してみてください。3.5とか3.9って、3を超えちゃってますからね!簡単には勝てませんが、負けても遊ぶたびに成長を感じられるはず。きっと楽しいですよ。

最近では、「コマンダー交流会:辛口」などでブラケット4のゲームに挑戦できるので、そういったイベントにも参加してみるのもいいでしょう。

──わざとデッキを弱くする方もいますよね。強い1000円のカードを弱い5000円のカードに差し替えている方を見て、衝撃を受けました。

ブラケット3で「本当はこのカードを入れたほうが強くなるけど、面白いからこっちにしよう!」というのはとってもブラケット3らしい考え方ですし、コマンダーならではの楽しみ方だと思います。

デッキを弱くするためにカードを集めはじめたら、もう後戻りできません。きっと、一生マジックを遊び続けるプレイヤーなんでしょうね!

Q. やっぱり「ルール0」って初心者には難しい?

特に初心者の方は、初対面の方と自分のデッキについて話すのは緊張すると思いますが、まずは自分のデッキ説明からしてみましょう!

刈り手、ベイレン守護フェリダー鏡割りのキキジキ

「自分のコマンダーはこれです」「こういったコンボがあります」「トークンが大量に並ぶデッキです」など、こういったデッキの方針だけでも話せるといいですね。

なにも、コンボパーツを全部説明する必要はありません。そのスピード感だとか、ビートダウンとコンボのどっちで勝つことを目指しているかとかをぜひ話してみてください。

チームのリーダー、キャプテン・アメリカ元ソルジャー、クラウドLeonardo, the Balance

特に最近は、ユニバースビヨンドをきっかけにすごくたくさんの方がマジックに参入しています。いきなりブラケットについて理解するのは難しいかもしれませんが、ゲーム前にお互いのデッキを紹介し合って楽しく遊びましょう!

このカード強すぎない?

Q. 「共闘」って強すぎない?

織り手のティムナルーデヴィックの名作、クラムロフガフフの息子、ログラクフ

カード1枚で2色分の固有色を持つ《織り手のティムナ》や、0マナで唱えられていろいろなカードとシナジーする《ロフガフフの息子、ログラクフ》は特に強いと思います。

すでに存在しているカードは仕方ないですが、今後もし意見を求められるようなことがあれば、2色の「共闘」を持つカードは作らないようにすべきだと意見することはあるでしょう。

まとめ役、レオナルドWill the Wiseクララ・オズワルド

ただ、最近では『ミュータントタートルズ』から《まとめ役、レオナルド》のような特定の組み合わせでのみ使える「共闘」カードもあります。そういったものは、今後2色以上のものが出てもアリかなと思っています。

Q. 《タッサの神託者》って強すぎない?

タッサの神託者

ブラケット5(cEDH)の観点で言っているのであれば、そこまで簡単なゲームではないです。

否定の力沈黙

《タッサの神託者》を通すための打ち消しの準備だったり、《沈黙》などの対話拒否の準備にプレイヤーの対話性があったり、プレイヤーの腕やデッキ構築の妙がでています。

タッサの神託者Demonic Consultation

ブラケット3では《タッサの神託者》はゲームチェンジャー・カードになっている都合上、ほかの強いカードは入れにくいです。また、ブラケット4では《タッサの神託者》と《Demonic Consultation》のコンボをしたっていいでしょう。

ただ、《タッサの神託者》を1-2ターン目にサーチして、3-4ターン目に《Demonic Consultation》で勝ち!というのはブラケット4らしくはないですね。

ブラケット4は「メタゲームを意識せずに、自分の好きな統率者や好きな構築で遊ぶことができる場」なので、必ずしもこのコンボに頼る必要もないかなと思います。

Q. 《死の国からの脱出》って強すぎない?実質1枚コンボじゃないですか!

死の国からの脱出

強いです。

よく「《タッサの神託者》強すぎ!!」と言われますが、同様に《死の国からの脱出》もかなり強すぎるカードの部類だと思います。

ただ、《死の国からの脱出》がゲームチェンジャーカードだからといって、使うのをひかえるのはもったいないです。

とっても強くて楽しいカードなので、ぜひゲーム前の「ルール0」でみんなで楽しいゲームにできそうなら使ってみてくださいね。

Q. 合体カードは「共闘」ってことにしませんか?

折れた刃、ギセラ消えゆく光、ブルーナ

もし合体カードを統率領域に置けるようになったら、合体カード好きの方にとっては嬉しいかもしれませんが、今後合体カードをデザインするときに強く作れなくなるかもしれません。

悪夢の声、ブリセラ

合体カードというのは、基本的に2枚そろえて初めて力が発揮されるカードなので、だからこそ強くデザインされています。

それがコマンダーでは簡単に2枚そろえられるとなってしまうと、それを前提にカードデザインがされてしまうのではないかと考えています。

そのほかの質問

Q. ヤバい人と当たったらどうすればいい?

コマンダーに限ったことではありませんが、ジャッジを呼びましょう!

たとえばゲーム中に暴言を吐かれたり、コミュニケーションが上手くいかないなどの場面があった際は、当人だけで解決するのではなく、ジャッジを呼んでその場を円満に解決してもらいましょう。

Q. 統率者デッキ、シャッフル難しすぎない?

まずは、ゲームを始める前に統率者を統率領域に置きましょう。

私はイベントに参加しているときは、必ずゲームの前にデッキの枚数を数えるようにしています。

金粉のドレイク法務官の掌握

なぜかというと、コマンダーではカードのコントロールを変更する能力がたくさんあり、自分が相手のカードを受け取ったり、逆に自分のカードを相手に渡すことがあるからです。

うっかり持ち帰ってしまうと、持ち主に返すのは大変です。なので毎ラウンドごと、できればゲームの終了時にもデッキの枚数が確認できるといいですね。

また、シャッフルを決してサボらないでください。ときどき、ライブラリーの上半分だけシャッフルしたり、ほんの2、3回だけ混ぜて済ませてしまう人がいますが、これはいけません。時間がもったいなくても、必ず念入りに、どのカードがどこにあるのか誰にもわからなくなるまでシャッフルしてください。これは「マジックのルール」です。全員守りましょう。

具体的なシャッフル方法については、動画を観てみてくださいね。

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