Translated by Nobukazu Kato
(掲載日 2018/11/21)
はじめに
やぁみんな!マルシオ・カルヴァリョ/Marcio Carvalhoだ。今回もリミテッドの記事について書いていくよ。
アトランタで2週間過ごし、プロツアー『ラヴニカのギルド』では10-6という十分な成績を収めることができた。今はポルトガルの自宅でゆっくりしているよ。毎日MTG Arenaで遊んだり、寿司を食べたり、犬の散歩に行ったりね。
Cant think of anything better to do than waking up open up Mtgarena and start the day dropping this beauty for the win #MTGArena pic.twitter.com/QX86STvHzO
— Márcio A Carvalho (@KbolMagic) 2018年11月17日
「目が覚めたらArenaを立ち上げる体になってしまった。勝利の女神で今日を始めよう。」
今回は『ラヴニカのギルド』リミテッドに関する俺の考えを知ってもらおうと思う。プロツアーに向けてHareruya Latinのメンバーに共有したものと同じような考えを紹介する。
この環境で一番重要なポイントのひとつは、どのギルドが空いているのかをいち早く見つけることだ(画期的なドラフト方法だろ?)。緑がドラフトで人気がないって知っていたから、プロツアーでは緑が空いているようであれば積極的に緑を含むギルドをピックするように心がけた。この作戦が功を奏して、ゴルガリで3-0、超強いセレズニアで2-1できたんだ。セレズニアは強かったんだけど、負けたマッチでは両ゲームでマリガンをしてしまった上に、ドローもかなり弱かったんだ。
Golgari always represent 3 -0 first pod with this #hareruyalatin #ptgrn pic.twitter.com/4U3J3t5QGC
— Márcio A Carvalho (@KbolMagic) 2018年11月9日
「ゴルガリ使うといつも3-0できる。プロツアー初日はこれで3-0だった。」
ギルド別の戦術・キーカード
じゃあ各ギルドについて解説していこう。
ゴルガリ
ゴルガリをドラフトしたくない人が多いみたいだけど、それはドラフトの仕方を知らないからだと思う。「宿根」のような、墓地を肥やすことで機能するカードたちを避けてはいけない。俺も最初避けてたんだけど、今ではお気に入りのアーキタイプのひとつになったよ。ゴルガリを使う上でのポイントは、積極的にリソースの交換をすることとクリーチャーを墓地に送ることだ。勝ち筋は消耗戦の末にリソースで勝つことだから、序盤から押し切られないように注意しよう。
キーカード
《死の重み》は最上級の除去だ。ゴルガリに限って言えば、《致命的な訪問》よりも《死の重み》を優先させてとることも多い。なぜなら、後手をとりたいデッキであり、軽い除去でテンポを取り戻せる《死の重み》はとても重要な役割を果たしてくれるからだ。
《気前のいい野良猫》と《泥棒ネズミ》もできれば欲しいクリーチャーたちだ。戦場に出た時点でアドバンテージがとれるから、チャンプブロックをしたりしてもアドバンテージを損せずに墓地を肥やせるからね。
また、《切断された糸》が《気前のいい野良猫》と《泥棒ネズミ》の価値を高めている。この素晴らしい除去を使うために、生け贄になってくれるこいつらはとっても優秀なんだ。ゴルガリをドラフトするのであれば、《切断された糸》をかなり優先してとるようにしたいね。
《雇われた毒殺者》や《冷酷なゴルゴン》といった接死をもつクリーチャーは常に使いたいカードだ。相手のクリーチャーと相打ちできるから、ゴルガリのゲームプランとかみ合っているんだね。
《よろめく根茎》はゴルガリのフィニッシャーにふさわしいカードだ。ゴルガリが狙うゲームプランができていれば、こいつは大きいサイズになっているはず。だから対処されなければ即座に勝つことができるんだ。
君も俺の友達のベルナルド・サントス/Bernardo Santosぐらいラッキーな人なら、ドラフトをするたびに爆弾レアを引いているかもしれないね。《採取+最終》、《千の目、アイゾーニ》、《ゴルガリの女王、ヴラスカ》といったカードが引けてると良いんだけど、まぁみんながみんなベルナルドみたいにラッキーなわけじゃないからね。期待はしすぎないようにしよう。
セレズニア
まず最初にこれを言っておこう。「召集」のことは忘れてくれ。セレズニアはテンポを重視するギルドだ。「召集」のカードのなかでも《包囲ワーム》は一考に値するカードなんだけど、絶対使いたいレベルじゃない。1枚ぐらいならピックしておいていいけど、他にも優先させるべきカードはあるから、あまり無理のないピックにならない程度にしておこう。その一方で、《薔薇たてがみのケンタウルス》はとても重要なパーツだ。迷わずピックしよう。
《巨大化》系の呪文はかなり点数を高くしてピックしていい。《奨励》や《大群の力》はどちらも強力だ。
俺のアドバイスを守った上で「召集」の罠にはまらなければ、セレズニアをドラフトしたときの勝率は跳ね上がるはずだ。
キーカード
ボロス
ボロスに関しては特に秘訣というものもない。もっともドラフトしやすいギルドのひとつだ。マナカーブ通りに動く、「教導」のクリーチャーをたくさん出す、除去を撃つ、以上。
当初その強さに気づけなかったカードとして《宇宙粒子波》があった。このカードはボロスだとマジで強くて、クリーチャーを2~3体除去することもある。メインデッキに1枚入れておいて困ることはないし、なんなら2枚入れることもある。
ボロスで本領を発揮するカードとして《癒し手の鷹》もあげられる。序盤に出して「教導」で強化すれば、どんなダメージレースでも優位に立てる。そこから負けるなんてほぼありえないね。
キーカード
ディミーア
みんな大好きディミーアだ。「諜報」は最高に面白いし、手札はゲームを通していつも6枚、除去も3枚持っている。一方で相手は手札が1枚、戦場にクリーチャーはいない絶望的な状況。そんなことができるのがディミーアだ(少なくともベルナルド・サントスがディミーアを使うといつもそんな感じだ)。
でも実際にはディミーアにも弱みがある。一番の問題は、何も考えていないとライブラリーアウトしてしまうことだ。だからライブラリーアウトしないように気をつけなくちゃいけないし、ちゃんと勝ち筋も用意しておかないといけない。勝ち筋として《光を遮るもの》を2枚もデッキに入れることもあるんだ!楽しい構築にしたくなるのもわかるんだけど、こういったバニラクリーチャーを入れることも選択肢に入れておこう。もちろん《霧から見張るもの》がいるならそっちの方がはるかに良い。とはいえ、あまり流れてこないカードではあるね。
《悪賢い隠蔽》もデッキに入れておくと良いカードだ。ディミーアは「諜報」するカードが多いから、デッキのベストカードたちにたどり着きやすい。だから《悪賢い隠蔽》はそういったカードをデッキに戻せるから単純に強いし、ライブラリーアウトしなくなるという意味でも最高のカードといえるね。
マジな話、(最強とまではいえなくても)ディミーアは最強のギルドの一角だと思うよ。でもみんなご存知の通り、俺はボロス一筋だ。
キーカード
イゼット
個人的にイゼットはとても出来栄えに差が出やすいギルドだと思う。ほぼ3-0確定みたいなデッキができることもあるし、紙束ができて大事故を起こすようなこともあるんだ。そこで、気をつけるべきポイントはクリーチャーと呪文の比率で、それが3-0のデッキと紙束の分かれ目になる。
イゼットには2つのデッキタイプがある。コントロールかアグロテンポだ。俺はアグロテンポの方が好みだ(お察しの通りだったかもしれないけど)。アグロテンポっていうのは、《ピストン拳のサイクロプス》・《ゴブリンの電術師》・《直流》といったカードを使い、テンポで相手を圧倒するデッキだ。
キーカード
さいごに
以上、各ギルドに対する俺の考えとドラフトの仕方の解説になる。おまけとして、ベルナルド・サントスがイゼットをドラフトしたら大体こんなデッキになるよ、というのを参考までに記載しておこう。
6 《島》
3 《イゼットのギルド門》
-土地 (17)- 4 《ゴブリンの電術師》
2 《団体のギルド魔道士》
2 《ピストン拳のサイクロプス》
1 《小柄な竜装者》
1 《ウォジェクの護衛》
2 《弾けるドレイク》
1 《賽銭ガニ》
1 《パルン、ニヴ=ミゼット》
-クリーチャー (14)-
みんなが何を考えているのかわかるよ。「確かにデッキは強いけど、メインデッキの《賽銭ガニ》だけは弱いな」って思ったんじゃないかな。でもね、みんな、それは感覚が麻痺しているよ。こんな強いデッキだからそう思えるかもしれないけど、普通のプレイヤーからすれば《賽銭ガニ》は普通に良いカードだよ……。
今回の記事もみんなの役に立てばうれしいな!なにか聞きたいことがあったらコメント欄に書いてくれ。すぐに返信するよ。
じゃあまたね!