《硬化した鱗》デッキのカード選択について

Fabrizio Anteri

Fabrizio Anteri

Translated by Nobukazu Kato

原文はこちら
(掲載日 2018/12/28)

はじめに

みなさん、はじめまして。

ファブリツィオ・アンテリ

僕の名前はファブリツィオ・アンテリ/Fabrizio Anteriつい最近Hareruya Hopesに加入したばかりのプレイヤーです。

硬化した鱗

僕はモダンで《硬化した鱗》デッキをここ数週間使い続けてきました。グランプリ・リバプール2018(チーム共同デッキ構築モダン)とMagic OnlineのRPTQに参加するためです。

調整と本番の結果は上々でした。Magic Onlineでは100マッチほどプレイし、勝率は65%。グランプリ・リバプール2018では、(チームメイトの運が悪く、2日目には進出できませんでしたが)個人の成績は5-1。グランプリのPTQでは、勝てばトップ8という試合で負けてしまったものの、再び5-1。Magic OnlineのRPTQもタイブレイカーで惜しくもプロツアーの出場権利を逃したものの、7-2でした。

デッキに入る候補のカードたち

《硬化した鱗》デッキに関しては、アリ・ラックス/Ari Laxマット・ナス/Matt Nassが素晴らしいデッキガイドをすでに書いてくれているので、そちら(アリ・ラックス選手の記事 / マット・ナス選手の記事)をご覧になってみてください。彼らの記事を読めば、基本的なプレイの仕方やサイドボード方法がわかると思います。そこで今回僕が取り上げるのは、デッキに入り得るカードたちの解説です。みなさんがデッキを構築するときの参考にしてみてくださいね。

マナベース

まずは土地の枠に入りそうなカードから見ていきましょう。

《墨蛾の生息地》

墨蛾の生息地

《硬化した鱗》デッキで最高の土地。絶対に4枚使うべきです。《電結の荒廃者》と組み合わせればあっという間に相手を倒せますし、飛行という回避能力付きですからね。もし初手に《硬化した鱗》《電結の荒廃者》《墨蛾の生息地》があり、相手が妨害して来なかった場合、かなりの高確率で3ターンキルが可能です(場合によっては、ある程度妨害されても3ターンキルができます)。

《ダークスティールの城塞》

ダークスティールの城塞

グランプリ・リバプールの前にサイモン・ニールセン/Simon Nielsenと話す機会がありました。彼は《ダークスティールの城塞》を1枚抜いて、別の無色ランドを入れているとのこと。ですが、僕はこの意見に反対です。

《ダークスティールの城塞》があれば《オパールのモックス》の「金属術」を2ターン目に安定して達成できますし、状況次第では1ターン目に達成することもあります。さらに、《ダークスティールの城塞》《電結の荒廃者》の能力に使えますしね。こういった強みがあるので、《ダークスティールの城塞》の枚数を減らす未来はなかなか想像できないですね。

《ペンデルヘイヴン》

ペンデルヘイヴン

基本土地でない緑マナソースを使うデメリットは、ほとんどないと言っていいでしょう。基本的にノーリスクでありながら、ゲームの展開に影響を与えてくれることもあります。ただし、2枚以上は使わないようにしましょう。伝説の土地ですから、リターンよりも手札に被ったときのリスクの方が大きいと思います。

《地平線の梢》

地平線の梢

《硬化した鱗》デッキは前のめりなデッキであり、《地平線の梢》で支払うライフが気になることはほとんどありません。その一方で、生け贄に捧げてドローに変換したくないタイミングも多いですね。なぜなら、このデッキは《活性機構》《歩行バリスタ》といった余分なマナの使い道があるからです。僕は今《地平線の梢》を1枚だけ採用していますが、丁度良い枚数だと感じています。ただし、0枚でも2枚でも全然問題ないと思いますよ。

《ラノワールの再生地》

ラノワールの再生地

このカードをプレイすると、大体のプレイヤーにテキストを確認されました。《硬化した鱗》デッキに最近加えられた改良のひとつですからね。その働きぶりには目を見張るものがあります。その長所を解説する前に、まずは唯一の短所をお話しましょう。それはタップ状態で戦場に出ることです。とはいえ、このデッキの大半は2マナのカードなので、1ターン目か3ターン目にプレイすれば、そこまで問題になりません。

では長所を解説しましょう。まず、わかりやすいシナジーとして、+1/+1カウンターを有効活用できるクリーチャーや《硬化した鱗》と相性が良いです。たとえば、《歩行バリスタ》にカウンターを載せれば、タフネスが1の《貴族の教主》《鋼の監視者》を除去できます。ですから、後の展開を考えて《ラノワールの再生地》のカウンターを温存しておくと、ゲームを有利にめられるでしょう。

しかし、最大のシナジーは別にあります。少しこのデッキを使っただけではおそらく気づけないシナジー。そしてMagic Onlineでプレイしていない人は見たことさえないかもしれないですね。すべての誘発能力に細心の注意を払っていないと気付けないと思います。それは《活性機構》とのシナジーです。

活性機構ラノワールの再生地霊気装置トークン

《ラノワールの再生地》《活性機構》のコンボは、消耗戦に持ってこいのシナジーであり、青白コントロール・ジャンド・《死の影》デッキとの戦いで大活躍します。

具体的にどういった動きをするのか解説しましょう。まず、《活性機構》の3マナの能力を起動し、《ラノワールの再生地》の+1/+1カウンターを増加させます。+1/+1カウンターが置かれたことで《活性機構》の能力が誘発するので、1マナを支払って霊気装置トークンを生成します。クリーチャーが戦場に出たので、《ラノワールの再生地》の+1/+1カウンターを1つ霊気装置トークンに移動させます。ここでも+1/+1カウンターが置かれたことで《活性機構》の能力が誘発するので、さらに1マナ支払えば、再び霊気装置トークンを生成できます。何が起こったかまとめてみますと、4マナを支払い《活性機構》をタップすれば2/2トークンが出て、5マナ支払えば、2/2トークンと1/1トークンが出るということになります。

クリーチャー除去ばかりのデッキに対しては、これだけでも勝ち筋になります。ですから、そのようなデッキと戦う際には、このコンボを成立させるために《ラノワールの再生地》の+1/+1カウンターを温存しておくことが多いです。僕の今のリストでは《ラノワールの再生地》は2枚であり、丁度良い枚数だと感じています。1枚では足りないぐらいの活躍はするのですが、複数枚引いた場合にタップインでテンポを損なう危険性もありますから、3~4枚は多いと思います。

《ファイレクシアの核》

ファイレクシアの核

追加の生け贄に捧げる手段であり、「接合」クリーチャーや《搭載歩行機械》とシナジーを形成します。1点のライフを回復する能力もゲームに影響することもありますね。1枚採用している最大の理由は、《ゲスの玉座》を採用していないので、追加の生け贄に捧げる手段が欲しかったからです。

《ちらつき蛾の生息地》

ちらつき蛾の生息地

試しに使ってみましたが、悪くはありませんでした。しかし、《墨蛾の生息地》には遠く及ばないという印象です。ここで問題になるのは、採用できる無色土地の数にも限りがあるということ。先ほどお話した通り、今の構築では《ゲスの玉座》を採用していない関係で《ファイレクシアの核》を優先して採用しています。20枚の土地の内、緑マナを生み出せる土地が11枚はあった方が良いというのが僕の考えですが、少し欲張って10枚目の無色土地を入れても良いかもしれないですね。

《宝石の洞窟》

宝石の洞窟

以前にこのカードを試したとき、2ターン目に勝てたことが一度だけありました。このカードを採用したのは、《硬化した鱗》デッキは2マナのカードが非常に多いため、後手の1ターン目から2マナのカードを唱えられるようにしたかったからです。しかし、《宝石の洞窟》は2つの問題点がありました。第一の問題点は、せっかく後手で《宝石の洞窟》を出したとしても、相手の先手1ターン目にそのマナを有効活用できる手段がないことです。これは損に近いですし、ちょっと恥ずかしい気持ちになります。

第二の問題点は、相手のデッキがまだわからない場合、《宝石の洞窟》の効果で手札から取り除くべきカードが何なのか、その判断が難しいことです。《硬化した鱗》デッキには2マナ域が多いとはいえ、土地が余分にあっても有効に使える方法があるので、3枚目の土地が必ずしも不要なカードではありません。《活性機構》《溶接の壺》が弱いマッチアップもありますが、有効なマッチアップがあるのも事実ですから、なかなか容易に追放する判断はできません。採用してるクリーチャーはどのカードも常に有用ですから、これも追放したくはありません。唯一追放しても良いかなと思えるのは2枚目の《オパールのモックス》ですが、後手でなおかつ《オパールのモックス》が2枚ある初手を想定して採用するのは、無理があるように思います。

《オラン=リーフの廃墟》

オラン=リーフの廃墟

正直に言いますと、僕自身はこのカードを試したことがありません。《ラノワールの再生地》の方が強いと思いますし、緑マナも生み出せます。《硬化した鱗》デッキの初期のバージョンで《オラン=リーフの廃墟》がどんな動きを見せるのかは知っていましたが、今のリストでは採用されることがほとんどなくなっています。おそらく、実際に使ってみた人たちは《オラン=リーフの廃墟》の働きに納得いかなかったのだと僕は思っています。


全体的な土地の枠に関してですが、僕は今の20枚の土地構成が気に入っています。もし土地の枠を削ってまで使いたい呪文が出てくれば、19枚でも良いかもしれません。(僕が思うに、《硬化した鱗》デッキでは、必須なカードとそうでないカードとの間に大きな力の差があると感じています。)

クリーチャー

では、次はクリーチャーの枠について解説しましょう。《鋼の監視者》の枚数を減らす人がいても理解できなくはないですが、個人的には絶対に枚数を固定したいクリーチャー枠が20あります。

《電結の荒廃者》

電結の荒廃者

このデッキのエンジンであり、すべてのカードの中心にいるクリーチャーです。何枚ドローしても困ることはありません。

《搭載歩行機械》《歩行バリスタ》

搭載歩行機械歩行バリスタ

このデッキの魅力でもあり、デッキを成立させている2枚。《歩行バリスタ》は単体でクリーチャーデッキに対して勝てるカードであり、《搭載歩行機械》は赤や黒の除去を豊富に採用し、リソース勝負をしかけてくる相手に対して有効です。この2種類のカードは絶対に4枚ずつ採用すべきです。

《電結の働き手》

電結の働き手

単体としてみればカードパワーが低いですが、このデッキでは大きな役割を担うとともに、何よりも1マナという軽さが魅力です。核となるクリーチャーは、2マナや4マナが多い中で、唯一1マナで唱えられますからね。マナが無駄になくなることも減ります。《硬化した鱗》があってもなくても、《電結の働き手》は大きな役割を果たしますから、単体としては弱く見えますが、これも絶対に4枚入れたいですね。

《鋼の監視者》

鋼の監視者

このクリーチャーが自分のターンまで生き残れば、しめたものです。ですが、実際にはそう簡単に生き残らせてくれません。4枚ずつ採用している《電結の荒廃者》《搭載歩行機械》《電結の働き手》といったカードは除去されたとしても何らかの価値を残すクリーチャーです。同じく4枚採用している《歩行バリスタ》も除去に対応して能力を起動すれば、プレイヤーやクリーチャーにダメージを与えることができます。

だからこそ、何の価値も残さずに除去されてしまう《鋼の監視者》を好まない人がいるのも理解できます。しかし、除去されなかったときのリターンがあまりにも魅力的なので、僕は抜きたいと思いません。次に大会に出るとしても《鋼の監視者》を4枚から減らすことはないと思います。

《呪文滑り》

呪文滑り

このカードも《硬化した鱗》デッキでは比較的最近に採用され始めたカードです。ミラーマッチでは非常に頼りになりますし、相手が妨害しようとしているときでも、《墨蛾の生息地》を守りながら勝利に向かうことができます。確かに《溶接の壺》でも《墨蛾の生息地》《稲妻》から守ることができますが、《溶接の壺》は「再生」なので、《墨蛾の生息地》は戦闘から取り除かれてしまいます。しかし《呪文滑り》であれば、戦闘から取り除かれることもなく、即座に勝利をものにすることができるのです。現在の僕のメインデッキには《呪文滑り》が1枚だけですが、それはこのクリーチャーも2マナであるため、あまり多く引いてしまうと困ってしまうからです。

《通りの悪霊》

通りの悪霊

これは僕のオリジナルのテクニックです。先ほどお話した通り、このデッキには必須とは言えないカードパワーが低いものが何枚かあるので、マナを支払うことなく「サイクリング」できるこのカードこそが解決策になると考えたのです。

《硬化した鱗》《電結の荒廃者》は常に引きたいカードであり、それは60枚のデッキよりも59枚のデッキの方が引く確率が高くなりますよね。《地平線の梢》も同じ理屈から有用であり、ライフを支払うことが痛手になるマッチアップやゲームはそんなにありません。しかし、これらのカードを採用しすぎると、ライフの支払いが蓄積してゲームに影響が出てしまいます。また、これらのカードを複数引いてしまうと、初手をキープするかどうかの判断が難しくなり、キープに値する手札なのかどうかわかりづらくなってしまうのです。

《金属ミミック》

金属ミミック

1枚だけ数日の間、試してみました。面白そうなことができそうだと思って採用してみたのです。まず2ターン目に《金属ミミック》をプレイし、クリーチャータイプは構築物を選びます。そして、すぐに《歩行バリスタ》《搭載歩行機械》を唱えると、マナを支払うことなく+1/+1カウンターが置かれた状態で戦場に出せるのです。しかも、後続の構築物クリーチャーが戦場に出ると《金属ミミック》の効果で+1/+1カウンターが置かれます。

しかし最終的な採用に至らなかった理由がありました。確かに2ターン目に《金属ミミック》から《搭載歩行機械》(あるいは《歩行バリスタ》)を出すという先ほどの動きでは、実質的に《金属ミミック》を0マナで唱えていると言えます。しかし《金属ミミック》の2/1というサイズに価値がないのです。それに、後続の構築物クリーチャーに+1/+1カウンターが置かれるという点に関しても、クリーチャーを追加して盤面を作っていけているのであれば、すでに有利な状況を作れているはずです。このように、2/1というサイズのクリーチャーや追加の+1/+1カウンターよりも、それ以外のカードを採用した方が価値が高いケースが多いと僕は思います。


ここまでで、核となるクリーチャー、その他の必須とまでは言えないクリーチャーを解説してきました。クリーチャー枠は以上になります。

呪文

今度は呪文の枠です。

《硬化した鱗》

硬化した鱗

このデッキのベストカード。1ターン目に唱えることができれば、勝率は30~50%ほど上がるはずです。

《古きものの活性》

古きものの活性

このカードを使うデッキたちを総称して、《古きものの活性》デッキ」と呼ばれることも多いですが、このカードはそれだけの力を持ち合わせています。《硬化した鱗》こそ手札に加えることはできませんが、《硬化した鱗》デッキであれば無色のカードが多いため、基本的に1マナで唱えられる《衝動》と言えます。しかもライブラリートップから確認するカードも4枚ではなく5枚の《衝動》です。

《オパールのモックス》

オパールのモックス

現在のモダンは「何ができるか」よりも、「いかに早くできるか」が重要になっています。《オパールのモックス》は、みなさんが何をするにしても、1ターン早く動くことを可能にします。伝説ではありますが、《電結の荒廃者》で生け贄に捧げれば何の問題もありません。

《溶接の壺》

溶接の壺

このカードは必要悪だという結論に至りました。有効な相手もいますが、腐ってしまう相手もいるのです。《硬化した鱗》デッキは《オパールのモックス》の「金属術」を達成するために0マナのアーティファクトが必要です。仮にこのカードが役に立たないマッチアップでも、このデッキでもっとも重要なカードのひとつである《オパールのモックス》を機能させるという役割は果たしてくれます。後々《電結の荒廃者》で生け贄に捧げても良いですしね。かつて採用枚数を減らして2枚だけにしたことがありましたが、デッキとしての安定性を考えたときには3枚は欲しいのではないかというのが今の考えです。でも、またいつか2枚の構成にも挑戦したいですね。

《活性機構》

活性機構

大のお気に入りのカードです。《硬化した鱗》デッキが消耗戦に強くなったのは、このカードの採用によるところが大きいですね。また、相手がこのカードに不慣れな場合、相手がミスをする要因にもなります。とはいえ、機能するまでに時間がかかるカードですから、サイドアウトする回数ももっとも多いです。現在の構築では3枚採用していますが、環境が速くなったり、リソース勝負をしてくるデッキが減る方向にシフトしていけば、2枚に抑えても良いでしょう。

《ゲスの玉座》《進化の飛躍》

ゲスの玉座進化の飛躍

デッキリスト次第で枚数がもっとも変わりやすいスロットで、実際にこれらのカードを見かける機会も多いと思います。2種類とも採用することもあれば、いずれかのみの場合もあり、採用枚数も0~2枚とリストによってバラバラです。僕はこの枠に《呪文滑り》を採用していますが、2マナのカードとしては《呪文滑り》の方が果たす役割は大きいと思います。調整しているときは、僕も1枚だけ《ゲスの玉座》を採用することが多かったですが、基本的にいつもサイドアウトしていました。


ミシュラのガラクタ獰猛器具バネ葉の太鼓

ここまで紹介した以外で、僕がメインデッキで試した呪文は《ミシュラのガラクタ》《獰猛器具》《バネ葉の太鼓》です。固定されていない枠に入れてもおかしくないカードたちですが、十分に試したわけではないので確かなことは言えないですね。

青をタッチする

ヤヴィマヤの沿岸頑固な否認植物の聖域

グランプリ・リバプールでは《頑固な否認》のために青をタッチしました。メインデッキに1枚、サイドボードに2枚です。マナベースとしては、《森》を4枚、《地平線の梢》を1枚抜いて、《ヤヴィマヤの沿岸》を4枚、《植物の聖域》を1枚入れました。青をタッチするかどうかは、おそらくメタゲーム次第でしょう。

《頑固な否認》は、青白コントロールやアイアンワークスといったもっとも相性の悪いマッチアップで効果的ですが、裏目に出ることもあります。青マナを生み出せるのは、5枚の土地、4枚の《オパールのモックス》、4枚の《古きものの活性》だけなので、安定して《頑固な否認》を唱えることができないですし、これ以上《森》を減らしたくありません。もしメタゲーム的に青がどうしても欲しいとなれば、マナベースをもう少し犠牲にしても良いかもしれないですね。

サイドボード

サイドボードのカードも、必須である枠とそうでない枠がいくつかあります(正確には、後者の枠は「いくつか」ではなく「たくさん」ですね)。

《減衰球》

減衰球

トロン、ストーム、アイアンワークスに対して最高のサイドボードカードです。現在のリストでは4枚採用していますが、主な理由としては、トロンやアイアンワークスは《自然の要求》をサイドインしてきますし、ストームもアーティファクトを除去したり手札に戻す呪文を使ってくるので、複数枚引いても嬉しいパターンが多いからです。

《自然の要求》

自然の要求

サイドボーディング後は《石のような静寂》を対処する手段が必要になります。今は《石のような静寂》が4枚も採用されることはなくなりましたが、「対処できなければ負け」では困るので、4枚サイドインされても困らないようにしておく必要があると思います。

僕が以前からひとつの可能性として考えているのは、《自然の要求》を3枚、《自然のままに》を1枚という構成です。4マナ以上のアーティファクトやエンチャントを破壊できるよりも、相手に4点のライフを回復させてしまうデメリットの方が問題になるケースが多いからです。

アイアンワークスに対するサイドボーディングは、《減衰球》を4枚、《四肢切断》を2枚入れるようにしています(アイアンワークスはサイドボーディング後に《練達飛行機械職人、サイ》を中心としたプランになるためです)。ですから、いずれにしても《自然の要求》は4枚もサイドインしません。

《石のような静寂》と同様に《虚空の力線》も厄介ですが、《石のような静寂》ほどデッキの機能に支障をきたさないので、《虚空の力線》を破壊できる《自然の要求》を1枚減らしても、そこまで気になりません。

《四肢切断》

四肢切断

素晴らしいサイドボードカードです。最初は3枚採用していましたが、2枚以上唱えてしまうとライフへのダメージが大きく、5色人間やバントスピリットなど、多くのマッチアップで問題になりました。ですから、2枚が丁度良い枚数だと考えています。

《墓掘りの檻》

墓掘りの檻

《硬化した鱗》デッキは、ドレッジに対して1本目を有利に戦える数少ないデッキのひとつです。とはいえ、ドレッジを甘く見るわけにはいけないので、サイドボーディング後のゲームでより有利に戦うためのツールとして《墓掘りの檻》を採用しています。また、ストームや《集合した中隊》デッキにも有効なカードです。現在のリストでは2枚採用していますが、メタゲーム次第では枚数も変わってくるでしょう。

《トーモッドの墓所》

トーモッドの墓所

《硬化した鱗》デッキは2マナのカードが多いため、《墓掘りの檻》に1マナ支払うことはあまり気になりません。ですから、《墓掘りの檻》ではなく《トーモッドの墓所》を代わりに採用する魅力もそこまでないように思います。また、《墓掘りの檻》は使い切りではなく場に残りますし、ここぞというターンになれば《電結の荒廃者》で生け贄に捧げることもできます。《トーモッドの墓所》をゲーム序盤で使用してしまうと、このような芸当はできません。

《真髄の針》

真髄の針

しばらくの間採用していたカードでした。青白コントロールやトロン、その他諸々のデッキに対して有効です(青白コントロールであれば《精神を刻む者、ジェイス》《ドミナリアの英雄、テフェリー》《廃墟の地》を、トロンであれば《忘却石》を指定します)。他に使いたいカードがあったので現在のリストでは採用していませんが、必要性がなくなったわけではないですし、サイドボードに1つ枠を見つけても良いでしょう。とても柔軟性の高いカードですからね。

《ウルザの後継、カーン》

ウルザの後継、カーン

僕のお気に入りのカードです。少し遅いカードではありますが、アーティファクト対策カードをサイドインしてくるような遅めの相手に対して入れるのが普通なので、その遅さはあまり気になりません。ジャンドのプレイヤーは《思考囲い》《ウルザの後継、カーン》を確認すると、真っ先に捨てさせてくるパターンが一般的です。それだけ《ウルザの後継、カーン》を恐れるということは、それだけ強いのだと確信しています。採用枚数は1~2枚で良いでしょう。

《倦怠の宝珠》

倦怠の宝珠

今まで《硬化した鱗》デッキでこのカードを使っている人を見たことがありませんでしたが、つい最近発見したカードです。まだ1回ぐらいしか実際に唱えたことがありませんが、サイドボードに1枚採用するというのは良い考えだと思います。5色人間は《倦怠の宝珠》で大体止まりますし、バントスピリットに対しても、こちらの展開を妨害してくるクリーチャーを基本的に止めることができます。具体的には《呪文捕らえ》《反射魔道士》、サイドボードから投入されてくる《秋の騎士》などです。


サイドボードで試しに使ってみたカードは数えきれないほどありますが、基本的なところは解説できたかなと思います。メインデッキの解説で紹介したカードたちをサイドボードで採用してもまったく問題ありません。忘れないでいただきたいのは、《硬化した鱗》デッキは能動的なデッキですから、過剰にサイドボーディングするのは禁物です。また、メインデッキのカードより多少良いカードをサイドインするよりも、その相手に対して非常に有効なカードをサイドインできるように意識しましょう。

現在のデッキリスト

さまざまなカードの可能性について解説してきたので、今実際に僕がどのカードを使っているのか混乱してしまった人もいるかもしれないですね。僕がRPTQで使った直近のリストを書いておきましょう。

さいごに

今回の内容はここまでになります。みなさんに何か学びを得ていただけたら幸いです。僕が記事で解説したカードに関して、ご意見のある方は (英語記事の) コメント欄にぜひ書き込んでみてください。また、みなさんが強いと思っているカードや、僕が言及し忘れているカードがあったら、それも教えていただけると嬉しいですね。ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

ファブリツィオ・アンテリ@Anteri_F

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Fabrizio Anteri

Fabrizio Anteri ファブリツィオ・アンテリはベネズエラ出身のプロプレイヤー。11回ものグランプリトップ8入賞回数を誇り、そのうちの5回で優勝を収めている。2018年の春に開催されたグランプリ・ボローニャ2018で準優勝に輝き、第2回Hareruya Hopes公募でHareruya Hopesに加入。 Fabrizio Anteriの記事はこちら