決勝:清原 大地(ニヴデルバー) vs. 川村 貴之(グリクシスデルバー)
晴れる屋メディアチーム
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By Tsutomu Date
第6期レガシー東海王決定戦の決勝へ駒を進めたのは清原 大地。第3期のレガシー東海王であり、第4期レガシー東海王決定戦でもTOP4とその実力は折り紙付き。普段は愛知県半田市のカードショップ『アップキープ』を拠点に活動しているプレイヤーであり、レガシー歴は7年と長く、ベテランの風格を漂わせている。
以前は「グリクシスデルバー」を使用していたが、第6期レガシー東海王決定戦では「二ヴデルバー」を選択している。
あまり聞き慣れないデッキタイプだが、「ニヴデルバー」とはその名の通り《ニヴメイガスの精霊》を用いた「青赤デルバー」デッキのことだ。インスタント/ソーサリー呪文を多く含む点は従来のデルバーデッキと同様だが、呪文の応酬の際にスタック中の呪文に対して《ニヴメイガスの精霊》の能力を使う選択が存在し、従来のデルバーデッキよりもテクニカルなデッキとなっている。
一方の川村 貴之もレガシー歴は7年と長く、決勝戦にも関わらず、実に落ち着いた雰囲気で臨んでいる。自ら多くは語らないが、川村は第1期レガシー東海王決定戦のTOP4に食い込んでおり、そのキャリアにふさわしいだけの実力も兼ね備えている。
大会へも精力的に参加しており、特に名古屋駅と大須近辺のショップ大会を中心に活動している。彼を取り巻く仲間達を見れば、その実力と度量の広さがうかがえる。特定のデッキを使い続けるプレイヤーが多いレガシー界では珍しく、様々なデッキを使いこなすオールラウンダーであり、今回はオーソドックスな「グリクシスデルバー」を選択した。
2人は見知った仲であり、大会でもよく顔を合わせるという。決勝戦ともなると緊張した空気が張り詰めるものだが、フリープレイのような和やかな雰囲気が印象的だ。
互いのデッキも理解しているようで、マッチアップについても「先手が有利かな?」、「7:3で清原さん有利でしょ、先手だし」、「7:3は言い過ぎ!」と軽い冗談が飛びかい、ギャラリーからも笑みがこぼれる。
両者、7枚の初手をキープ。
先手の清原は《島》、《思案》のファーストアクションから土地を手に入れ、続く2ターン目には《霧深い雨林》から《Volcanic Island》をサーチ。《目くらまし》をケアしながら《渋面の溶岩使い》をプレイするが、ここは《二股の稲妻》で除去られてしまう。
3ターン目に再び《思案》から《不毛の大地》をプレイ。後続として《秘密を掘り下げる者》を送り出すと、川村の《Underground Sea》と《Volcanic Island》のうち、《不毛の大地》で《Volcanic Island》を破壊する。
川村の手札に土地はなく、通ることを祈りながら《渦まく知識》をキャスト。これはカウンターされず、土地を探しに行くが、3枚の中に土地は見つからない。苦悶の表情を浮かべながらターンエンド。
3ターン目にして一気に天秤は清原へ傾いた。先ほど仕込んだライブラリートップを公開し《秘密を掘り下げる者》は変身、3枚目の《思案》からダメ押しとなる《秘密を掘り下げる者》を召喚する。
清原は川村の《秘密を掘り下げる者》を《目くらまし》、《渦まく知識》も《狼狽の嵐》でカウンターし、反撃を許さないまま勝利した。
一方的な展開となってしまったことに、「先手有利でしたね…」とこぼす清原であった。
清原 1-0 川村
清原は確実性の高い除去カードと《紅蓮破》をサイドインし、後手では扱いづらい《目くらまし》と消耗戦に弱い《意志の力》を減らす。
一方、川村は8枚ものカードをサイドイン。カウンター合戦に強い《狼狽の嵐》と追加の除去、クリーチャー戦では無類の強さを誇る《梅澤の十手》を投入し、ダメージレースには不向きな《思考囲い》やカードアドバンテージに劣る《意志の力》をサイドアウトする。
先手となった川村は初手を迷わずキープ。一方、清原は土地が《Volcanic Island》のみの7枚を睨みつつ長考。意を決して「キープします!」と力強く宣言する。
川村の初動は《Underground Sea》からの《秘密を掘り下げる者》。これは《稲妻》で除去されるが、2ターン目に《不毛の大地》で清原の《Volcanic Island》を破壊。
ここからはまるで1ゲーム目を鏡写しにしたように、川村の一方的な展開となった。
2枚目の土地を引けない清原に対し、川村は2体目の《秘密を掘り下げる者》に《真の名の宿敵》を続け、一方的なダメージレースをスタート。5ターン目にやっと《島》を引いた清原の《秘密を掘り下げる者》を《紅蓮破》で除去し、川村は早々に星を一つ取り返した。
「マリガンでしたね…絶対マリガンだった…3回はマリガンを考えたけど間違えた」
清原 1-1 川村
再び先手となる清、はメインに2枚残していた《意志の力》を全て《目くらまし》に変更する。川村は方針の変更は行わず、IN/OUTはなし。
清原はキープこそ迷わなかったものの、1ターン目から選択肢が多く、7枚から正解を探る。
《沸騰する小湖》からサーチするのは《Volcanic Island》か、《不毛の大地》をケアして《山》か。またクリーチャーは《渋面の溶岩使い》と《ニヴメイガスの精霊》のいずれから展開するべきか。
意を決した清原は、《山》から《ニヴメイガスの精霊》を選択した。 これは《稲妻》で除去されるものの、想定内とばかりに《不毛の大地》をセットしつつ《渋面の溶岩使い》。着地を確認すると川村の《Volcanic Island》をたたき割る。
反撃に入りたい川村は、清原のアップキープに《渦まく知識》で手札を整えるものの、《Underground Sea》までも破壊されるとコントロールする土地は0に。これには「ええ?マジで!?」と思わず一言。
それでも土地破壊されることは予想の範囲だったのか、《溢れかえる岸辺》から《Volcanic Island》をサーチし、《渋面の溶岩使い》を《稲妻》で除去、続くターンには《秘密を掘り下げる者》を展開する。
捌ききってクロックを用意できた川村の反撃が開始されるかと思いきや、清原も展開の手を休めない。2体目の《ニヴメイガスの精霊》を戦場に送り込み、川村の《秘密を掘り下げる者》の変身に合わせ《稲妻》。
これは《狼狽の嵐》されるが、ここでカウンターされる前に《ニヴメイガスの精霊》の能力でスタック中の《稲妻》を追放し、+1/+1カウンターに変換、無駄にはしない。むしろサイズアップしたことで盤面を拮抗させる。
続く清原のターン、川村の変身した《秘密を掘り下げる者》に《削剥》を撃ちながら優先権を渡さずに《呪文嵌め》を自身の《削剥》へキャスト。
一見アドバンテージを失う行動に見えるが、この《呪文嵌め》を《ニヴメイガスの精霊》の能力で再び追放すると、サイズは5/6へ。無事に《削剥》は解決され、わずか1ターンにして強化と除去を行い一方的な場を作り上げた。
川村はこの状況に対し「えー!負けじゃん!でもワンチャン!ワンチャン!」と言いつつ《渦まく知識》をキャストし回答を探す。
だが清原の戦線に《真の名の宿敵》が加わると「負けました」と投了を宣言した。
『第6期レガシー東海王決定戦』、東海王の座を手に入れたのは、清原 大地!おめでとう!