今週末の1月25日(金)、いよいよ最新セット『ラヴニカの献身』が発売されます!
ついにすべてのギルドが出揃い、環境は激変すると予想されます!昔のスタンダードで活躍していた《ヤヴィマヤの火》を彷彿とさせる《野生の律動》や、今やモダンで禁止カードに指定されている《出産の殻》を内蔵した《首席議長ヴァニファール》など面白そうなカードが数多く収録されており、デッキを考えるだけでも楽しい時期ですね!
魅力的なカードが揃った『ラヴニカの献身』を見ると、どのカードやデッキが強いのか、どのカードを買えばいいのか、悩んでしまう方も多いのではないでしょうか?
そこで各フォーマットを代表する実力者である第11期「神」、そしてリミテッド神の計6人に、「『ラヴニカの献身』で注目するカード トップ3」を聞いてみました!
■ 「神」とは?
晴れる屋が主催している、「神決定戦」という大会の暫定王者。
スタンダード・フロンティア・モダン・ヴィンテージ・レガシー・リミテッドの6フォーマットそれぞれで行われており、予選大会 (挑戦者決定戦) と決勝大会 (神決定戦) を勝ち抜いた者だけが「神」になることができる。
各フォーマットを熟知した者ならではの視点から、鋭い意見が飛び交いました。「神」の目には何が映り、彼らは何を考えたのでしょうか。
◆ 第11期スタンダード神 岡井 俊樹
『ラヴニカの献身』カードセット全体の印象
スタンダード屈指のパワーカードとして《ドミナリアの英雄、テフェリー》が挙げられるなかでコントロールへ《吸収》、ターボフォグへ《荒野の再生》と随分攻めたものを渡すなと驚きました。その分、攻撃的なデッキ側のカードも受けるのが難しそうなものが多く、新スタンダードのパワーバランスはとても楽しみです。
マナベースもギルドランドが10種類揃ったことで、《善意の騎士》+《悪意の騎士》や《翡翠光のレインジャー》+《再燃するフェニックス》のような以前活躍していたけれどもマナベースが厳しくて姿を消していた組み合わせをまた試したいなと感じますね。
3色デッキもこれまで以上に色マナカウントを確保できるので構築の自由度が上がりますが、《ラノワールのエルフ》や『ドミナリア』のトリプルシンボルサイクル、1マナ域から展開するアグロデッキや土地を切り詰めるイゼット系のデッキなど、2色以下でまとめたい理由も様々にあるので色々な構築が考えられそうです。
『ラヴニカの献身』スタンダード注目カードトップ3!
1位 《ケイヤの怒り》
スタンダードでの全体除去といえば5マナでずっとやってきたので、本家《神の怒り》の再来は破格に感じます。4マナと5マナの差は4ターン目にキャストできるかどうかはもちろんのこと5マナ目が不要であることも非常に大きく、せっかく引けたのに撃てないで負けてしまったということがかなり減ります。
主な活躍の場はやはり《ドミナリアの英雄、テフェリー》、そして《吸収》を合わせて使えるエスパーコントロールとなるでしょう。エスパーカラーは1対1交換を行うには万能に近い《ヴラスカの侮辱》があり、それに加えて今までのジェスカイコントロールにおける《轟音のクラリオン》のような受けの要となれるカードがあれば多くの状況に対応できるようになります。
難点としてマナシンボルが厳しく、《弾けるドレイク》のように青マナを含んでいないので、《吸収》のような確定カウンターと共存させるときに4マナでのキャストを妨げる《島》を入れるか、青マナカウントを多色土地の16枚だけで妥協するかの選択を迫られることになりそうです。
2位 《プテラマンダー》
『ラヴニカのギルド』時点で激戦区だったイゼットドレイクのクリーチャー枠に、また新たな選択肢が出てきました。既存のドレイク2種に比べて、序盤にブロッカーとしても機能しないことが弱点に感じられる一方、「順応」し始めると《溶岩コイル》圏外になることは魅力的です。
ドレイク軸で合わせて使うことで2体並べやすくして《ビビアン・リード》や《ドミナリアの英雄、テフェリー》のマイナス能力でマウントを取られないようにする動きが狙いやすくなります。
また、フェニックス軸でも《ゴブリンの電術師》を採用しないタイプであれば、赤1マナのキャントリップにより素早くスペルを墓地へ溜め込めるので《弧光のフェニックス》に依存していた難点が解消されるかもしれません。
3位 《舞台照らし》
この手の赤の疑似的なドローには珍しく、次の自分のターンまで持ち越せる器用さがあり、適切なデッキで使えば破格の1マナ2ドローの強力なスペルとなります。
やはり、捲れたカードを余すことなく使いきれる軽いバーンタイプの赤単が最もこのカードを生かせるデッキでしょう。同様に「絢爛」持ちである《批判家刺殺》と合わせて「絢爛」を達成しながら高速でライフを削ることが狙えそうです。追放領域から唱えるため《実験の狂乱》とも相性がよく、サイド後にはコントロールの《吸収》を乗り越えながら1ゲームで30点近く削れる持久力もありそうです。
◆ 第11期フロンティア神 石渡 康一
『ラヴニカの献身』カードセット全体の印象
新々ラヴニカの第2ブロックも、期待に違わぬ多色祭り。
多色でそう簡単に良いとこ取りはさせんぞ、と言わんばかりのトリプルシンボルカードや、クセの強い分割カードなど、一筋縄ではいかないカードが盛りだくさんという印象です。
注目のキーワード能力は「暴動」!
フロンティアの速攻持ちには緑が絡むものは少ないのですが、+1/+1カウンターとの選択式とは素晴らしい2択ですね。クリーチャー自身が持っているだけでなく、「暴動」を与えるカードも非常に強力。ついつい過去のクリーチャーとの組み合わせを考えてしまいます。
『ラヴニカの献身』フロンティア注目カードトップ3!
特別賞 ショックランド5種
マナベースが拡張されるのは、事前に来ると分かっていても嬉しいものです!
《血の墓所》と《踏み鳴らされる地》によってアグロの選択肢が広がり、《神聖なる泉》と《神無き祭殿》で白絡み多色デッキの安定性が向上。《繁殖池》を待ち望んでいたコンボデッキは多いでしょう。
これで全てのデッキが全力を出せるようになりました。新時代の幕開けです。
1位 《成長のらせん》
新しくなった《探検》の登場ですが、私は単純に《不屈の自然》亜種として受け止めています。土地を出せるマナ加速というのは、フロンティアでは3マナからしか存在しないので、多色といえど2マナで土地を増やせるのは革新的。
影の薄かったランプデッキが火を吹くかもしれませんし、スタンダードで話題沸騰中の「ターボフォグ」などでも使われることでしょう。とにかく土地に干渉する手段が少ないのがフロンティアなので、こういった選択肢が増えると影響が大きくて良いですね。
2位 《グルールの呪文砕き》
自ターン限定の呪禁+「暴動」持ち。コイツは強い!
出たターン中に除去されないのが強力な理由は、2マナに《密輸人の回転翼機》という似たような攻め手がいるから。除去するタイミングをこちらから強要できるのは、すなわち相手のマナを非効率的に使わせられるということ。
相手が除去を構えて来れば機体には乗らず速攻で殴り、相手がソーサリーでマナを使ったなら、今度は悠々と「搭乗」しましょう。また、相手に合わせてサイズを選べるのも素晴らしいメリット。除去を火力に頼るデッキに対して、タフネス4は非常に優れた値です。
3位 《舞台照らし》
赤いドロー!軽い!長い(使える期間が)!見た目通りのことしか言えませんが、とても強く感じます。
赤のリソース供給と言えば《実験の狂乱》でしたが、4マナという重さがとにかく難点。このカードの登場で、土地を伸ばしつつ《実験の狂乱》を探すことができるようになりました。
軽いスペルを乱射しつつ、《舞台照らし》で土地を伸ばし、フィニッシャーとして《実験の狂乱》が締める。赤単の新たな戦力に期待です。
◆ 第11期モダン神 小田 光一
『ラヴニカの献身』カードセット全体の印象
『ラヴニカのギルド』に引き続き、やはりマルチカードの魅力が素晴らしいです。 サイドボードとして期待できる、《アゾリウスの造反者、ラヴィニア》、《燃えがら蔦》や、《拘留代理人》、《テイサ・カルロフ》、《生術師の使い魔》、《焼身のシャーマン》など既存デッキの安定性の向上が期待できるカードが多い印象です。
『ラヴニカの献身』モダン注目カードトップ3!
1位 《首席議長ヴァニファール》
あのモダン禁止カード、《出産の殻》が帰ってきました。効果が全く一緒なので、異なる特徴に注目していきましょう。
- ○自身がクリーチャーなので、《異界の進化》などでサーチが可能。
- ○能力起動にマナを必要としないので、アンタップ効果と組み合わせると無尽蔵にクリーチャーの質をレベルアップできる。
- ○クリーチャーなのでメインボードでの除去を受けやすく、召喚酔いの影響を受ける。
- ○青緑のマルチカラー。
- ○ファイレクシア・マナがないので、3マナでの設置ができない。
デメリットを無視することはできませんがメリットも大きく、なにより《出産の殻》が禁止なのでツールボックス系のデッキが好きな方にはお勧めです。
2位 《批判家刺殺》
随分久しぶりにバーンのメインパーツの強化が来たのではないでしょうか。土地を切り詰めているバーンの負け筋の一つに、2マナのカードがダブついてターン中に2回行動ができず負けというのがあります。
手札全ての火力を投げることができれば勝てた……という状況を作りにくくなる、テンポ面に優れた良いカードです。入れ替える候補としては2マナ域同ダメージの《頭蓋割り》、《稲妻のらせん》、《焼尽の猛火》になるとは思いますが、どれも一長一短あるのでデッキ構築者のセンスが問われそうで面白いですね。
3位 《プテラマンダー》
分割払いできる青い《墓忍び》ですね。
「探査」生物と比較すると1ターン目に出せる、墓地リソースを消費しないので複数枚引いても活躍できるなど、メリットが多いです。
デメリットは墓地のインスタント、ソーサリーのみ参照というところで、現状のモダンではレガシーほどドロースペルが充実はしていません。現状ではイゼットフェニックスが一番使いこなしやすそうですが……デッキの方向性に若干アンマッチ感があります。しかし、今後のカードプールの拡張によっては使いやすさが改善することも見込めるでしょう。今後に期待ということでランクインです。
アンコモンなのでとりあえず回収しておいて損はないと思います。
◆ 第11期レガシー神 嘉藤 裕樹
『ラヴニカの献身』カードセット全体の印象
《暗殺者の戦利品》や《軍勢の戦親分》など、レガシー環境にも大きな影響を与えた『ラヴニカのギルド』に続く、ブロック第2弾となる今作。カードパワー自体は抑えめな印象ではあるものの、レガシー環境でも活躍できそうなカードがアンコモンの中にもいくつか見受けられます。
新たなキーワード能力として個人的に注目したいのは「絢爛」で、対戦相手がライフを失った場合に代替コストで呪文を唱えることができる能力となっています。条件を満たした際に本来のコストより軽く唱えられる能力の強さは「奇跡」が実証済みですが、条件の達成が容易であることもあり、その効果次第ではレガシーでも活躍が見込まれます。
『ラヴニカの献身』レガシー注目カードトップ3!
1位 《アゾリウスの造反者、ラヴィニア》
2種の特殊効果をもつヘイトベアー。1つ目の能力は《古えの墳墓》など2マナ以上生み出す土地やマナ加速による非生物呪文のキャスト、「奇跡」などによるコストの踏み倒しを咎めてくれます。2つ目の能力はX=0の《虚空の杯》として機能するほか、《意志の力》などのピッチスペルや《全知》下において唱えられた呪文を打ち消すことができ、広範囲に影響を与える効果となっております。(《引き裂かれし永劫、エムラクール》は打ち消せませんが。)
自身には影響を及ぼさない点も素晴らしく、ANT、ベルチャー、ショーテル系、リア二メイト、ミラクルなどへの対策としてサイドからの投入はもちろん、青白石鍛治などにおいてはメインからの投入も十分検討できるカードだと思います。除去耐性はないため、伝説であることを生かして《カラカス》とセットで使いたいです。
2位 《プテラマンダー》
最高で2マナ5/5飛行と、破格のスペックを有する新時代の《秘密を掘り下げる者》。
《墓忍び》をも彷彿とさせるこのカードですが、「探査」能力と異なり墓地のカードを追放する必要がないため複数引いても全く問題なく、1ターン目からも展開可能ため無理なく4枚搭載できるのが魅力です。(反面インスタントとソーサリー分しかコストが減りませんが、半分近くがインスタント/ソーサリーで構成されるデッキであれば問題にはならないと思います。)
《騒乱の歓楽者》や《謎めいた海蛇》といったクリーチャーとの相性も良いため、軽量ドローを大量に搭載したURデルバーなどのクロックパーミッションで見かけることになりそうです。
3位 《舞台照らし》
前述した「絢爛」持ちであり、「絢爛」で唱えた際は1マナで擬似的に2枚ドローができるコスパに優れたカード。めくれたカードは次のターンまでに使用する必要があるため、能動的にスペルを消化できるバーンやUR果敢、赤単プリズンなどの息切れ防止に採用が検討できそうです。
点数でみたマナコストが3なのも、《虚空の杯》で溢れ返る今のレガシー環境では嬉しいですね。
◆ 第11期ヴィンテージ神 鳥海 貴
『ラヴニカのギルド』カードセット全体の印象
今回の『ラヴニカの献身』は、『ラヴニカのギルド』で収録されなかった残りの5ギルドのカードが収録されました。スタンダードは当然のことですが、モダンぐらいまでは環境に影響がありそうなカードがそれなりにありました(特に《首席議長ヴァニファール》は、ぜひモダンで試してみたいですね)。
ただ、残念ながらヴィンテージ視点から見た場合、イゼット、ディミーア、ゴルガリという強力なカードの産まれやすい色の組み合わせをフィーチャーしていた前セットと比べてしまうと、おとなしめのセットというのが正直な印象です。毎回立ち位置的に怪しい実験ばかりしているというイメージのシミックには、それにふさわしいカードを期待していたのですが、そううまくはいかないようです。
まあ、ヴィンテージに影響を与えるレベルのカードが大量に収録されているセットをホイホイ出されても困るので、バランス的にはちょうどよいのかもしれませんけどね。
『ラヴニカの献身』ヴィンテージ注目カードトップ3!
1位 《アゾリウスの造反者、ラヴィニア》
今回のセットで最もヴィンテージに影響がありそうなのが、この《アゾリウスの造反者、ラヴィニア》です。
多くのデッキが《Black Lotus》、各種《Mox》などのマナアーティファクトの使用を前提に構築されている上に、クリーチャーの少ないデッキも多いヴィンテージにおいては、1つ目の能力が大きな影響を与えます。
例えば、現在のヴィンテージを代表するデッキの一つである《逆説的な結果》デッキですが、マナベースの半分程度をアーティファクトで占めているため、土地の枚数が足りずにキーカードである《逆説的な結果》をプレイできないという状況になりかねません。また《逆説的な結果》デッキに限らず、《時を越えた探索》、《宝船の巡航》などの点数で見たマナコストが重い呪文を使用する際も、今後注意が必要になりそうです。
そして2つ目の能力ですが、《Black Lotus》、各種《Mox》の0マナアーティファクト、《意志の力》に代表されるピッチスペルなどを無力化することができます。ヴィンテージにおいて《虚空の杯》が制限カードに指定されていることを考えれば、この能力がいかに強力であるかということを理解していただけると思います。
その上、行動に制限を受けるのは対戦相手のみというのですから、《逆説的な結果》デッキ自身が、ミラーマッチ対策として投入してくるという状況すらあり得るわけです。
呪文コストに青白の2色が必要なため、1ターン目のプレイが若干難しいというのが欠点といえば欠点ですが、その点を差し引いても、今後のトーナメントではしばしばその姿を見かけることになりそうです。
2位 《燃えがら蔦》
MUDというアーティファクトデッキが環境のトップに存在し、そのほかのデッキでもマナアーティファクトが多用されるヴィンテージでは、《古えの遺恨》に代表されるアーティファクト対策カードがメインから採用されることも珍しくありません。ですが、これらの使い方が限定されるカードは、マッチアップによっては無駄カードとなってしまうこともしばしばです。
この《燃えがら蔦》の場合、アーティファクト対策のみならず《ドルイドの誓い》や《適者生存》といった、それだけでゲームの勝敗を決めかねない危険なエンチャントへの対策、《逆説的な結果》デッキに代表される呪文を連打するタイプのデッキへの牽制を同時に行えることを考えると、無駄になりにくいカードといえます。
特に、環境最速クラスのクロックを持つものの、ストーム系などの高速コンボ系のデッキを苦手としているサバイバルのようなデッキにおいては、このカードのダメージ能力はうまく噛み合う上に、赤緑2色という点もあまり気にせずに採用を検討することができそうです。
ただし、インスタント・ソーサリーを唱えた際のダメージが1点だったり、エンチャント・アーティファクトの破壊能力の起動の際マナが必要だったりと、この手の複数の能力を詰め込んだカードにありがちな、やや器用貧乏な面もあるので注意が必要でしょう。
3位 《プテラマンダー》
1マナ1/1クリーチャーということで、一見すると《秘密を掘り下げる者》のような雰囲気を持ったクリーチャーですが、実際のところは《グルマグのアンコウ》、《墓忍び》に代表される、「探査」持ちのクリーチャーに近い性格のカードのように思えます。
この《プテラマンダー》は基本サイズこそ貧弱ですが、条件さえ満たせばたった1マナで、変身した《秘密を掘り下げる者》のサイズを上回り、《グルマグのアンコウ》や《墓忍び》と同等の5/5サイズにまで成長します。
採用が見込まれるデッキとしては、《若き紅蓮術士》を軸にした青赤のデッキが最有力と思われます。このデッキの場合、基本戦略として《若き紅蓮術士》とそのトークンで盤面を支配していきますが、MUDやサバイバルといったサイズの大きい生物を高速展開してくるデッキが相手だと、盤面を支えきれずにジリ貧な状況になることが多いのです。しかし、《プテラマンダー》がいれば地上を《若き紅蓮術士》とトークンで支え時間を稼いでいる間に、空中から相手のライフを攻めることが可能になるかもしれません。
また、ドレッジのサイドボードによくみられる《グルマグのアンコウ》と入れ替えで採用される可能性もあります。なぜドレッジに?と思われる方もいるとは思いますが、デッキリストを見ると意外にインスタント・ソーサリーの枚数が多く、墓地にカードを積極的に落としていくため、起動コストも軽減しやすいと思われます。
《グルマグのアンコウ》の場合、サイドボード後に墓地対策(特に《虚空の力線》タイプの墓地にカードが落ちなくなるタイプ)をされてしまうと、プレイ自体が絶望的な状況になります。ですが《プテラマンダー》の場合、そのような状況でも最低1/1の飛行クリーチャーとしてプレイは可能ですので、一縷の可能性に賭けることはできます。
もちろん1マナまで起動コストを軽減することは簡単ではありませんが、これらのデッキであれば、現実的なレベルまで起動コストを軽減することは十分に可能でしょう。
◆ リミテッド神 加藤 健介
『ラヴニカの献身』注目のキーワード能力やメカニズム
今回の『ラヴニカの献身』では前回収録されなかった5つのギルドと共にそれに対応した「附則(アゾリウス)」、「順応(シミック)」、「死後(オルゾフ)」、「暴動(グルール)」、「絢爛(ラクドス)」のキーワード能力が追加されています。
この環境のリミテッドをMTGアリーナやリアルのドラフトで何回かプレイしてみた所感としては、キーワード能力では「順応」「死後」「暴動」が強く、中でも実質的にコンバットトリックを内蔵している「順応」が頭一つ抜けている印象を持ちました。
基本的には『ラヴニカのギルド』の時と同様にギルドを軸としてデッキを組むことになりますが、ギルド間のシナジーとしてはシミック(緑青)の「順応」とグルール(赤緑)の「暴動」がともに+1/+1カウンターを使用するため比較的相性が良く、そのためこの2勢力の「ギルド門」はほかのものと比較して若干優先度が高くなりそうです。
『ラヴニカの献身』リミテッド注目カード!
ギルド門とシナジーするカード
ギルド門をコントロールしているとボーナスがあるこれらのカード達。前セット『ラヴニカのギルド』のドラフトでは多色コントロールという逃げ道としての性格が強かったギルド門のアーキタイプですが、『ラヴニカの献身』では強力な専用カードが多数登場しています。
アンコモン以上のカードが複数種必要になるため、構築難易度は高いのですが、 ドラフトでこれらのカードが遅い巡目で回ってきた時は積極的に狙っていきたいですね。
《応用生術》
カードリストを眺めていてあまりの強さに驚いたコンバットトリックです。 私が前回『ラヴニカのギルド』の注目カードに挙げた《巧みな叩き伏せ》の様な攻守ともに小回りが効き、様々な状況下で活躍する1枚です。
2マナという軽量カードでありながらも、ハマったときにはゲームの勝敗を決定づけるほどのテンポアドバンテージを獲得できます。シミック相手は常にこのカードを警戒し、不用意な格闘を避けるなど注意するようにしましょう。
《鏡の行進》
毎度おなじみ“赤のやたら重くて長いテキスト書いてあるエンチャント”シリーズの最新作。
例によって冗談のような効果なのですが、どんな不利な状況でも打開し得るポテンシャルを秘めています。いざ設置してしまえば何をプレイしても強いのですが、《短剣使い》や《冷気をもたらす者》のようなETB能力持ちを複数コピーすることができれば一瞬でゲームに勝てるかも?
コストが重いのでタイトなダメージレースを挑んでくるビートダウン相手には厳しいかと思いますが、ロングゲームが想定される相手にはサイドから投入すると意外と良い働きをしてくれるはずです。何より使っていてとても楽しいカードなので、ぜひ一度体験してみてください。
「神」ならではの柔軟な発想と鋭い着眼点から、各フォーマットの『ラヴニカの献身』の注目カードをレビューしてもらいました。
彼らは、そして世界中のプレイヤーたちは、これらのカードをどう使うのでしょうか?
今後の各フォーマットの大会結果をお楽しみに!!