Translated by Nobukazu Kato
(掲載日 2019/01/25)
編注:文中に不適切な表現があったため、2019年02月01日に修正いたしました。
はじめに
2018年。マジックプレイヤーとしての今後を左右する出来事がいくつもありました。今回はそれらを振り返りながら、僕がおかしたミスや、心打ち砕かれる思い、楽しかった瞬間、教訓といったものをお話しようと思います。ぜひみなさんには、この物語を通じて何か学びを得ていただけたらと思います(少なくとも笑ってやってください)。正直に言いますと、この記事を書くのはワクワクしています。どうなっていくのかもわかりませんが、ぜひ最後までお付き合いくださいね!
2018年の展望
2018年は、プロツアー『イクサランの相克』の参加権利を得た状態で迎えることができました。その前のプロツアー『イクサラン』で11-5という成績で終えていたからです。また、シルバーレベルの特典であるプロツアー参加権利も未行使だったので、2018年のプロツアーに2回参加できることが確約されていました。僕の目標は、ゴールドレベルに到達すること、そして何よりも晴れる屋に目をつけてもらい、僕とスポンサー契約をしてもらうことでした!
グランプリ・ロンドン2018
まずは2月ごろからお話していきましょう。プロツアー『イクサランの相克』の前週に開催されたグランプリ・ロンドン2018。勝てば2日目進出という試合を落としてしまい、サイドイベントのPTQでもトップ8を賭けた試合で負けてしまいました。このグランプリを通して僕の努力に与えられたのは、たったの200Price Tickets(不満の声が多かったため、Channelfireballはこれに対応。報酬額を調整しました)。僕にとって、このグランプリは全体として特別良かったとは言えませんでしたね。
そしてその夜。僕は友人とともに、立派な外装の中華料理店に入りました。が、料理自体はあまりおいしくありませんでした。追い打ちをかけるように、僕はクレジットカードゲームで負けてしまい、全員分の食事代をおごることになってしまったのです。
プロツアーが開催されるビルバオには、翌日の早朝にロンドン・ヒースロー空港からの便で行くことになっていました。そこで、僕たちは早めにベッドに入り、朝の4時にタクシーでヒースロー空港へと向かうことにしたのです。しかし休むどころではありませんでした。一晩中、本当に、本当に気分が悪かったのです。僕を苦しめていたのは食中毒でした。笑えますよね。
2018年でもっとも身体的につらかったのは、この早朝のタクシーに乗っているときで間違いありません。乗車している1時間の間、体内のものを外に出さずにいられたことは、ひょっとするとこれまでの人生の中でもっとも誇らしい瞬間だったかもしれません。また、渋滞に引っかかってしまい、予定よりも時間がかかっていました。最終的には飛行機の搭乗時間に間に合ったのですが、本当にギリギリ。文字通り1分前でした。忘れられない経験になりましたね。
僕たちが滞在したAirbnbは、今まで利用したなかでも一番美しく、僕の体調もすぐに良くなりました。周囲を一望できる、丘の上にある素敵な家でした。その家のホストの方は、とても親切で、気遣いもしていただきました。スペイン語を話せない僕たちのために、ことあるごとにタクシーを呼んでくれたのです。ドイツ人12人で滞在させてもらい、バーベキューも一度やりましたし、とても充実した時間を共にすることができました(ドイツの国別選手権の覇者、フィリップ・クリーガー/Philipp Kriegerの料理の腕前は素晴らしかったですね)。
プロツアー『イクサランの相克』
次のイベントはプロツアー『イクサランの相克』。僕たちの多くは、《歩行バリスタ》を4枚採用した緑単トロンを使用することにしました。《歩行バリスタ》はトロンにとってキーとなるカードです。マナが伸びた終盤にはフィニッシャーにもなりますし、軽量の妨害手段としても使用できる、器用なクリーチャーですからね。柔軟性に勝るものはありません。
不運にも、プロツアー前の木曜日、僕は風邪にかかってしまいました。ひどい頭痛を抱えながらピックやプレイをしていましたが、苦しいものでした。今にわかると思いますが、僕はこの物語のなかで何度も何度も病気にかかることになります。4-1という好スタートを切るものの、そこから3連敗で4-4になってしまいました。正直なところ、連敗をしたことで、自分を惨めに思い、打ち負かされた気分になってしまったので、2日目を戦えないのではないかと危惧していました。
そして迎えた2日目。たっぷりとフルーツを食べ、紅茶を飲み、少しは気分が良くなっていました。そしてなんとか9-4-1という成績まで持ち直したのです。ひとつ面白い話があるのですが、引き分けてしまったマッチは時間内に3ゲーム終わったのに引き分けになってしまったのです。なぜだかおわかりですか?実は、青白コントロールとの対戦で《解放された者、カーン》の奥義が決まっていたのです。リー・シー・ティエン/Lee Shi Tianと僕は、八十岡 翔太が観戦していたら誇りに思ってくれるであろうほどのスピードでプレイしていました。しかし、4本目のゲームは時間内に終わらなかったのです。
最終的な僕の成績は10-5-1。プロツアーの参加権利を得るには、この1つの引き分けが余計でした。おそらくみなさんは少々がっかりな結末だと思ったことでしょうが、僕はそうは捉えませんでした。この成績で終えたとき、僕は今までで一番幸せな人間だと思ったほどです(それと一番疲れている人間でもありました)。風邪を患いながらも、2日目で6-1-1。信じられない偉業です。そういう意味で、プロツアーの参加権利が得られなかったのは重要ではなかったのです。どれだけ体調が悪かろうとも、常に何か解決策を模索しなければなりません。少しでも気分が良くなるもの、病気を影響を最小限に抑えるのに役立つもの、そういったものを自分に与えるのです。イブプロフェンは素晴らしい薬ですから、大会のお供に持っておくと良いでしょう。
そして3日目。ジェリー・トンプソン/Gerry Thompsonとルイス・サルヴァット/Luis Salvattoの決勝を、お気楽にジョークなどを言い合いながら観戦しました。記憶に残る素晴らしいひと時でしたね。
グランプリ・マドリード2018
次に思い出されるのは、僕のマジック史上で最大の敗北。しばらく日を重ねても、心に傷は残ったままでした。
それはグランプリ・マドリード2018(チーム構築)のこと。それ以降も2018年は一緒にプレイすることになる、ベルリン在住のトリオが初めて一緒に参加したイベントでした。ジャスパー・グリマー/Jasper Grimmerは根っからのレガシープレイヤーであり、レガシーを担当。僕は一番好きなフォーマットであるスタンダードを選択。トラルフ・セヴラン/Thoralf Severinは相手に《解放された者、カーン》を突きつけるのが好きだったのでモダンを選びました。
しかし、僕はまたもや風邪を引いてしまいます。信じられないでしょう?それでも僕たちは勝ち進み、14回戦で勝てばトップ4というマッチを迎えます。ジャスパーは負け、トラルフは勝ちました。つまりチームの命運は僕に託されることになったのです(マッチの模様は動画になっていますので、 こちらからご覧ください)。
スゥルタイ《巻きつき蛇》に対し、1ゲームを先取して迎えた2ゲーム目。相手の《殺戮の暴君》によって僕のライフは1まで削られてしまいました(動画62分ごろ)。このとき、すでに軽く20ターンは経過していました。制限時間も残りわずか数分といったところ。1ゲームを先取していること、時間を使ってじっくり考えられることを思い出し、冷静になるべきでしたが、僕はプレイを急いでしまいました。集中力を欠き、いわば自動操縦の状態でプレイしていたのです。
次々とミスを重ね、とうとう運命を分かつターンを迎えます。複数体のクリーチャーをブロックに回して、やっとの思いで《殺戮の暴君》を対処した後、相手は戦闘後に2マナを残して《逆毛ハイドラ》を唱えてきました。僕は時間内に勝たなくていけないと思い、3マナを使って打ち消すことにしたのです。そしてその後に相手が唱えたのは(X)=1の《歩行バリスタ》。引き分けが確定的になり、両チームにグランプリの終わりが告げられたのです。僕たちに3ゲーム目を終えるだけの時間はなく、引き分けを選ぶほかありませんでした。
このマッチを勝てていた方法はいくらでもあったと思います。あまりにもミスをし過ぎました。チームメイトを落胆させてしまったのです。僕は疲れ果て、精神的にも参ってしまい、涙を流しました。数日間は良く眠れずにいましたね。僕の目標は、チームメイトをプロツアーに参加させてあげることでした。これは僕だけではなくチームで参加していました。僕の目標を実現するチャンスだったのです。僕らの夢は一緒にマジック25周年記念プロツアーをプレイすることでした。僕は敗北し、自分を恥じ、その罪深さを感じていました。
マッチが終わった後に存在するのは、勝者と学びを得た者です。敗者はいません。これは非常に重要なことです。
人生で最大のミスをしたのであれば、最大の学びを得ることができる。何が良くなかったかを分析し、仲間と意見を交わし、アドバイスをもらい、同じミスをしないように何ができるのかを考える。今回の僕のケースであれば、その解決策はとてもシンプルでした ―― 集中です。
1本先取していることを思い出し、ゲームを一歩引いた目線でみること。そうすれば、自動操縦にならずに済みます。集中しなおすこと。自分のゲームプランを確認すること。こういったことが僕の解決策でした。自分を責め続けてもあまり意味はありません。このとき、僕は自分をひどく責めてしまいました。しかしチームメイトは僕に理解を示し、何ひとつ文句を言いませんでした。僕が僕であることに感謝してくれたのです。僕がこの挫折から立ち直るのに、友人の存在は大きかったですね。これ以上の友人はいません。
そしてもうひとつ、重要なことを学びました。それは、自分の体や健康をいたわる術を身につけること。僕はあまりにも病気にかかりすぎていたのです。体調不良は僕のマジックのプレイの質を低下させてきました。そして近頃は、滅多に病気になることはなくなりました。食事に気を配り、フルーツを食べ、そして紅茶をよく飲むようになったことが改善できた要因でしょう。加えて、外出して日中の日を浴びること、運動をすることが、健康を保つ秘訣です。これらをしていけば、明らかに多くの恩恵があるので、まさに一石二鳥となります。
それまでは家でMagic Onlineをやってばかりのことが多かったので、自分の健康のことなどまり気にしていなかったですし、知りもしませんでした。僕は健康の重要性を学んだのは挫折を通じてでしたが、今はその重要性が身に染みて分かっているので、この挫折にも意味があったのだと思えています。
グランプリ・アムステルダム2018
マジックに話を戻しましょう。その次にあったチーム戦は、マドリードの数週間後に行われたグランプリ・アムステルダム2018でした。マドリードでの失敗から名誉挽回しようと意気込んでいました。それはそれとして、アムステルダムは僕の大好きな街。ヨーロッパでも屈指の美しさを誇る街ですから、もし訪れるチャンスがあれば、ぜひ行ってみて下さいね!
初日を7-1で終え、なんとトップ4に入ることができました。チーム念願のトップ4でした!この喜びは長い間続きました。マドリードでの挫折からすぐのことでもあったので、僕は大きく胸をなでおろしました。準決勝で早々に負けてしまいましたが、正直僕たちは気にしていませんでした。一緒にマジック25周年記念プロツアーに参加するという目標を達成できたんですからね。挫折から一転して、天にも昇る思いでした。
グランプリ・ワシントン2018
それから2つのグランプリに参加し、次に参加したのはグランプリ・ワシントン2018。チームリミテッドであり、Daniel Graefensteinerとサーシャ・シュワルツ/Sascha Schwarzと参加しました。そして9-2で迎えた12回戦。かの有名なPeach Garden Oathとの対戦になりました。僕らのチームはやられてしまいましたが、少なくとも面白いエピソードがひとつできました。オーウェン・ターテンワルド/Owen Turtenwaldが信じられないという顔で僕を見たのは、僕が真顔で「オーウェン、君は来週のプロツアーへの参加権利あるの?」と訊いたからでした。世界最強のプレイヤーに「釣り」をしたのです。はい、冗談はおいておきましょう。
その次のラウンドは勝利をものにし、10-3としました。残るプロツアー2つに参加すればプロポイント6点が手に入る状況だったので、最終ラウンドに勝ってプロポイントを29点にすれば実質的にゴールドレベルを達成することができます。そして最後の対戦相手は地元のプレイヤーチームでした。サーシャの対戦相手は、5ターン目に《ドミナリアの英雄、テフェリー》を着地させる強力な立ち上がりを見せます。サーシャは大半のリソースを使って《ドミナリアの英雄、テフェリー》の対処に成功しますが、相手はお構いなしと言わんばかりに、すぐに2枚目の《ドミナリアの英雄、テフェリー》を展開。思わず悲鳴を上げたくなりました。そして予想外の逆転が起こることもなく、僕らは負けてしまったのです。ですが、ダニエルとサーシャと一緒に参加できたことはとても楽しかったですね。
プロツアー『ドミナリア』
その一週間後、リッチモンドにてプロツアー『ドミナリア』が開催されました。またも僕たち「ドイツ人ギャング」は、リッチモンドの外にある快適な家で優雅なときを過ごしました。僕らは赤単を使うことにしましたが、それは環境の怪物、赤黒アグロに有利をつけるためでした。
4 《損魂魔道士》
4 《地揺すりのケンラ》
3 《航空船を強襲する者、カーリ・ゼヴ》
4 《ゴブリンの鎖回し》
3 《アン一門の壊し屋》
4 《熱烈の神ハゾレト》
-クリーチャー (26)-
3 《火による戦い》
2 《再燃するフェニックス》
2 《チャンドラの敗北》
2 《削剥》
2 《反逆の先導者、チャンドラ》
1 《屍肉あさりの地》
-サイドボード (15)-
僕らの多くは構築ラウンドで6-4であり、Hareruya Prosの同僚であるクリスティアン・ハウク/Christian Hauckは勝てばプラチナレベルというマッチで惜しくも負けてしまいました。僕の総合成績は9-7で、ゴールドレベルまで足りなかった1点を獲得。並みの成績にも関わず、祝勝されるというのはなんとも変な気分でしたね。これで2018年の目標はひとつ達成です!
とはいえ、プロツアーに向けた調整過程や、本番でのプレイに関しては納得がいっていませんでした。ドラフトの練習にもあまり時間をかけませんでしたし、赤単のようなデッキでもしっかりと練習をしなければならないのだと学びを得ました。その1年前に京都で開催されたプロツアー『破滅の刻』でも赤単を使ったのですが、そのときはあまり練習をせずに10-0できてしまったのです。赤系のデッキを使うのが上手いのだと過信してしまったんですね。僕は根っからのコントロール好きですから、どんなデッキであれ、それがコントロールデッキであれば即座に使いこなせるでしょう。
このプロツアーで学んだのは、ひとつのデッキで何度もMagic Onlineのリーグに参加し、準備を十分しなければならない、ということでした。また、プロツアーが終わってから思ったのは、赤黒アグロは赤単よりも優れたデッキ選択であるということ。というのも、赤以外のデッキとの相性を考えた場合、赤単よりも赤黒アグロの方が好ましいからです。
マジック25周年記念プロツアー
そして次のイベントは、2018年でもっとも大きな大会。マジック25周年記念プロツアーです。大きな賞金総額。チーム戦。そして何よりも、チーム構築戦であり、リミテッドがまったくないのが嬉しいことでした。各フォーマットのベストデッキを使うというのは、個人戦とは非常に大きな違いになります。僕は再びスタンダードを担当することになり、多種多様なデッキを試しました。そして選択肢は青白《王神の贈り物》、青黒ミッドレンジ、赤黒アグロに絞られたのです。
最終的に選んだのは、ベストデッキの赤黒アグロでした。チームメイトのトラルフはモダンを担当し、アイアンワークスを選択。もう一人のチームメイトのジャスパーはレガシーを担当し、青白《石鍛冶の神秘家》を選択しました。それぞれが環境のベストデッキを選んだ形になりました。ジャスパーはレガシー愛好家であり、プロツアー前に《死儀礼のシャーマン》が禁止になったことをとても喜んでいましたね。これにより、彼は信頼する《石鍛冶の神秘家》を再び使えるようになったのです。
1 《沼》
4 《泥濘の峡谷》
4 《竜髑髏の山頂》
2 《霊気拠点》
-土地 (25)- 3 《ボーマットの急使》
3 《損魂魔道士》
4 《屑鉄場のたかり屋》
2 《航空船を強襲する者、カーリ・ゼヴ》
4 《ゴブリンの鎖回し》
2 《ピア・ナラー》
3 《再燃するフェニックス》
3 《熱烈の神ハゾレト》
-クリーチャー (24)-
2 《平地》
3 《Volcanic Island》
2 《Tundra》
4 《溢れかえる岸辺》
3 《沸騰する小湖》
2 《乾燥台地》
1 《カラカス》
1 《不毛の大地》
-土地 (22)- 4 《石鍛冶の神秘家》
3 《瞬唱の魔道士》
3 《真の名の宿敵》
1 《ヴェンディリオン三人衆》
-クリーチャー (11)-
僕らのチームの初日の成績は3-4であり、個人の成績は1-6でした。やってしまいました。受け入れがたい結果ですし、僕はまたもやチームメイトを落胆させてしまったことでしょう。僕は、赤黒アグロのミラーマッチを過小評価していました。誰しもが赤黒アグロを意識していたのです。こういった状況下では、ミラーマッチで有利をつけるのは相当に困難です。僕のデッキリストに関しても、おそらく最善のものではなかったでしょうし、運に恵まれた日でもありませんでした。
2日目は多少調子が良くなり、僕個人は4-3でした。チームとしても8-6という成績でなんとかトップ64に滑り込みました。大会前に望んでいたような結果とかけ離れているのは間違いありません。自分自身に落胆し、滅多にないチャンスを無駄にしてしまったような思いでした。
個人の成績が5-9であった自分を責め、何が良くなかったのかを突き止めようとしました。まず、安定して赤黒を倒せるデッキを調整段階で見つけられなかったこと。そして、努力が不足していたこと。ターボフォグは明らかに赤黒アグロに勝てますし、コントロールも赤黒アグロには有利です。僕がコントロールを諦めたのは、調整の初期段階のリーグで何度か大敗してしまったからでした。これが早合点だったのです。
グランプリ・ブリュッセル2018
プロツアーの翌週、フォーマットがスタンダードであるグランプリ・ブリュッセル2018が開かれました。僕が持ち込んだのはエスパーコントロール。オリバー・ティウ/Oliver Tiuがマジック25周年記念プロツアーで使用したものであり、僕はすぐにそのデッキを気に入ったのです。このデッキは赤黒アグロに対して非常に強いのはもちろん、急速に勢力を伸ばしていたターボフォグに対しても有効なデッキでした。このグランプリほどスムーズに事が運んだ大会はありません。12-1という成績から、IDを2回してトップ8を確定させたのです。残念ながら、準々決勝で早々に敗れてしまいましたけどね。
しかしながら、ブリュッセルでの出来事は僕の灯を再覚醒させました。それまで僕はスタンダードのプレイヤーとして自分には実力がないのではないか、不安になっていたのです。しかしこのグランプリの結果を受けて自信が戻ってきました。また、大会自体もとてもプレイしていて楽しかったのです。それは良い成績を出せたからというのもありますが、久しぶりに《奔流の機械巨人》を使うことができたからでもありました。僕はコントロールプレイヤーとしてのルーツへと立ち戻り、それが結果として報われたのです。エスパーコントロールは、グランプリ・ブリュッセルのメタゲームにおいては、間違いなくベストデッキでした。優勝したのも、同じエスパーコントロールを使ったジェレミー・デザーニ/Jeremy Dezaniでしたね。
世界選手権2018
僕が次に教訓を得たのは、世界選手権2018を観戦していたときのことでした。Hareruya Prosの同胞である、グジェゴジュ・コヴァルスキ/Grzegorz Kowalskiやハビエル・ドミンゲス/Javier Dominguezが圧倒的な力を見せつけているのを目にし、彼らと自分との違いはどこにあるのだろう、と考えさせられたのです。なぜ彼らはあんなにもすごいのだろう?どうすれば同じレベルまでたどり着けるだろうか?
グジェゴジュは際限なくプレイしていると言っていましたし、ハビエルがハードワークしているのも間違いないと思います。彼らがともに飛びぬけた才能に恵まれている、これはひとつの所与。そして僕は気づいたのです。もしも自分の力を極限まで高めたいと心から思うのであれば、もっと時間とエネルギーを注がなければいけないと。確かに一般的なプレイヤーと比較すれば、僕もマジックをやり込んできた方でしょう。しかし、その気になれば調整にもっと多くの時間を使えたのです。労を惜しまなければ、いつか報われることでしょう。ハードワークは才能を超えます。ハードワークと才能が組み合わされば、敵なしです。
まとめ
レオ・カドー/Leo Cadouxをはじめとして、友人たちには感謝をしています。1年を通してずっと私を支え続けてくれました。そして僕をHareruya Prosとして迎え入れてくれた晴れる屋にも感謝の意を述べたいと思います。
2018年で僕が得た大きな教訓をまとめておきましょう。
この記事ではさまざまなトピックを概観してきたので、それぞれについて深入りはしませんでした。この記事で扱ったことに関してもっと詳しく知りたいという方は、ぜひとも以下のコメント欄に書き込んでください。詳細なことを全力で解説します。どんなフィードバックでも歓迎ですし、今回のような「ブログっぽい」内容がどうだったかも教えていただけたら幸いです。
アーネ・ハーシェンビス@Huschenmtg