スゥルタイへと昇華するゴルガリミッドレンジ

Dmitriy Butakov

Dmitriy Butakov

Translated by Ryosuke Igarashi

原文はこちら
(掲載日 2019/02/08)

はじめに

皆さん、ごきげんよう!

『ラヴニカの献身』は我々に構築向けの面白いカードを多くもたらしてくれた。今回はそんな新たなカードを採用した、古き良きゴルガリミッドレンジについて見てみようと思う。

『ラヴニカの献身』からの新戦力

《ハイドロイド混成体》

ハイドロイド混成体

あまり紹介はいらないだろう。これは全てのミッドレンジデッキにとってまさに夢のようなカードだ。コントロールデッキ相手にはカウンターできないドローを、アグロデッキ相手にはライフゲインを、そしてミッドレンジデッキ相手にはその両方に加え、巨大なクリーチャーをもたらしてくれる。マナの使い道として完璧だよ。

《培養ドルイド》

培養ドルイド

この軽量マナクリーチャーの新入りは非常に有望だ。このカードと《ラノワールのエルフ》がいれば3ターン目に《ビビアン・リード》《破滅を囁くもの》を唱えられるし、大抵のマナクリーチャーとは異なりゲームの中盤でも役に立つ。さらに一度「順応」した後でも《ハイドロイド混成体》のようにマナの使い道はいくつかあるからな。

《成長室の守護者》

成長室の守護者

新たな《戦隊の鷹》は先に述べたようなマナの使い道として素晴らしい。多くのクリーチャーを供給してくれるし、良質な2マナ域の選択肢が増えたね。

《野茂み歩き》は必要なのか

すでに多くのスゥルタイミッドレンジのデッキリストが世に溢れている(それに、この記事が出るころにはさらに増えてるだろう)。しかし、それらは2通りに分別できる。

野茂み歩き

(SCGの上位デッキリストで見たような)《野茂み歩き》中心の構築:これはアグロデッキに対して有利であり、私も前環境を通してほぼずっと《野茂み歩き》をプレイしてきた。だが、以下の理由から今は好みではないね。

《野茂み歩き》を採用しない構築:こちらはより柔軟で、未知のメタゲームにも対応できる。

スゥルタイミッドレンジ

以下が2/1現在のリストになる。

私は毎日のようにリストを微調整しているため、決して完成形というわけではない。ゆえに、メタゲーム・個人的な好みを加味してカードの種類や枚数を決めやすいよう、今回はそれぞれのカード選択について見ていこう。

メインデッキ解説

クリーチャー

ラノワールのエルフ培養ドルイド

《ラノワールのエルフ》:このカードは基本中の基本だが、《ゴブリンの鎖回し》を使うデッキ相手で後手ならサイドアウトを考えてもよい。

《培養ドルイド》:初めに紹介した通りだ。このカードはいかなる場合もサイドアウトしようとは思わないね。

成長室の守護者翡翠光のレインジャー打ち壊すブロントドン

《成長室の守護者》:2ターン目の動きが必要なデッキなので、今までのところ悪くないと思っている。現在は、対ターボフォグやミラーマッチなどで2枚サイドアウトするかどうかを考えているところだ。2ターン目にこのカードをプレイしたものの、続くターンに「順応」してもう1枚を探すより優れた行動がある、という場合が多い。加えてゲームの終盤では4/4クリーチャーをめぐる戦いにはならない上、最後の1枚を引いてしまったら「順応」により除去を誘き出すことくらいしかできないからな。

《翡翠光のレインジャー》:2回「探検」ができるというのは2倍素晴らしいし、3マナ域の不在がこのカードの価値を高めている。もし土地を余分に引いたとしても、「順応」クリーチャーや《ハイドロイド混成体》が喜んで助けになってくれるだろう。

《打ち壊すブロントドン》:非常に万能なカードだ。3/4というサイズは《溶岩コイル》以外の火力を耐えてくれるし、《実験の狂乱》《アズカンタの探索》《荒野の再生》《ケルドの炎》といったエンチャントは今も使われている。ミラーやいくつかのミッドレンジデッキとのマッチではサイドアウトするだろうね。

人質取りハイドロイド混成体

《人質取り》:《ハイドロイド混成体》キラー。前は《貪欲なチュパカブラ》の枠だったね。このカードは後半に引いてがっかりすることは少ないし、《貪欲なチュパカブラ》と違って《再燃するフェニックス》を1ターン止められる上に、運が良ければそのまま唱えられるかもしれない。3枚という枚数が適正かはわからないが、今のところは非常に気に入っている。ノンクリーチャーデッキに対してはサイドアウトすることになるね。

《ハイドロイド混成体》:素晴らしいカードだし、1ゲーム中最低1枚はプレイしたいものだが3枚で十分だと思っている。《ビビアン・リード》の[+1]能力もあるため1枚は苦労せず引き込めるし、それを唱えられれば勝利を決定づける、もしくは次の《ハイドロイド混成体》を引くまで生き残るためのカードが見つかるはずだ。

インスタント・ソーサリー

喪心ヴラスカの侮辱採取+最終

《喪心》:私は3枚入れるのが好みだ。アグロデッキに対しては、即座に脅威を対処できるようにしておきたい(加えて、先ほど述べた長所・短所から私は《野茂み歩き》を使いたくない)からね。これは私のよく用いる戦略だが、環境でコントロールデッキが主流だと確信できなければ、メインデッキは対アグロ・ミッドレンジデッキ用に調整するべきだ。コントロールデッキに対しては不要牌になるが、それでもこちらには長期戦に強い「順応」・「探検」を持ったクリーチャーがいるから、相手はしばらくの間その対処に追われることになるだろう。

《ヴラスカの侮辱》:こういった万能な除去は、どんな時もメインデッキに居場所があるものだ。《ドミナリアの英雄、テフェリー》を用いるコントロール相手にサイドアウトしない人もいるが、私は反対だね。対処法は他にたくさんあるし、このような状況に左右されるカードをサイドボード後も残しておく必要はないと考えている。

《採取+最終》:「探検」クリーチャーが少ないため《採取》のモードは多少弱くなるが、未知のメタゲームにおいて融通が利くカードなのでデッキから抜くほどではない。対コントロールでは遠慮なくサイドアウトしてしまって構わないよ。

プレインズウォーカー

ゴルガリの女王、ヴラスカビビアン・リード

《ゴルガリの女王、ヴラスカ》:連続で何度も《運命のきずな》デッキと対戦した後にこのカードを入れることにした。彼女はいわゆる「無難な」カードの完璧な例だね。大抵は何かしらの使い道があるが、彼女に過度な期待はしないほうがいい。サイドアウトした記憶はあまりないが、何を抜くか悩んだときには候補の1枚だ。

《ビビアン・リード》:彼女は今まで通り優秀なカードだと思うよ。新たな環境でも《野生の律動》《荒野の再生》《ハダーナの登臨》《スカルガンのヘルカイト》《騒乱の落とし子》を対処できる。8枚のマナクリーチャーを考慮すると3ターン目にプレイすることも十分可能だし、その場合大きな脅威になる。赤単相手では違うかもしれないけどね。

土地

繁殖池草むした墓湿った墓

マナ基盤はちょっと痛いが、3色出ないよりはマシだね。

その他注目のカード

《ハダーナの登臨》

ハダーナの登臨

このカードが素晴らしい働きをする場面があるかもしれないが、逆に何もしない場面もあるだろう。ミッドレンジデッキとして、何もしない可能性のあるカードをプレイするわけにはいかないと思っている。

《楽園党の議長、ゼガーナ》

楽園党の議長、ゼガーナ

《ハダーナの登臨》と同じで、単純にこのデッキ(特に《野茂み歩き》を採用しない構築)には噛み合わない。このカードがもたらすサイズとドローは悪くないが、このデッキには十分足りているものだ。

《殺戮の暴君》

殺戮の暴君

古き良き「巨大でしつこい死を呼ぶトカゲ」はいまだに悪いカードではないが、メインデッキの枠は《ハイドロイド混成体》で予約済みだ。

《破滅を囁くもの》

破滅を囁くもの

5マナ域を《ビビアン・リード》と争っているが、今のところはプレインズウォーカーの肩を持つね。メタゲームの変遷によってはこのデーモンが再び帰ってくることもあるだろう。

サイドボードの選択肢

サイドボードを対《運命のきずな》・コントロールデッキに寄せる、という今のプランは気に入っている。もしメインデッキをそれらに対して調整するなら、現在有利なマッチアップに大きな悪影響を及ぼしてしまうだろうね。

《強迫》《否認》《軽蔑的な一撃》

強迫否認軽蔑的な一撃

打ち消し・手札破壊呪文の組み合わせが呪文重視のデッキに対し効果がなかった試しはない。理論上、相手が理想の手札を手に入れないよう序盤に1枚、そして勝利を決定づけるために1枚必要なので、それを考えると合計6、7枚が好みだ。特に《強迫》は軽い上に相手の手札について情報を得られることもあり、重視している。

《渇望の時》《漂流自我》

渇望の時漂流自我

《渇望の時》:ウィニーや赤単に対する最高の時間稼ぎだ。序盤の《遁走する蒸気族》を除去するのは特に効果的だね。

《漂流自我》:現在のメタゲームで好きになってきた1枚だ。《ドミナリアの英雄、テフェリー》《運命のきずな》を指定するのが非常に魅力的。

《正気泥棒》

正気泥棒

《夜帷の死霊》は私が以前気に入っていたサイドカードの1枚だ。一度ミッドレンジ・コントロールデッキや除去を採用していないデッキ相手に場に出してしまえば、あとは少し手助けするだけでアドバンテージが積み重なり、勝利へと導いてくれるだろう。

《秘宝探究者、ヴラスカ》《殺戮の暴君》

秘宝探究者、ヴラスカ殺戮の暴君

彼女らをプレイする時間があるようなマッチアップでは最強の矛だ。《ハイドロイド混成体》がいることを考えると、最大でも合計3枚が許容範囲だろう。

《打ち壊すブロントドン》

打ち壊すブロントドン

ウィニーや赤単に対し守りに使えるカードで、《荒野の再生》を破壊することもできる。

最後に

今のところ、ゴルガリの発展のビジョンとしてはこのようなところだ。ここまで読んでくれてありがとう。この記事が君たちの興味を惹くものだったなら幸いだ。

では、Magic Onlineで会った際はよろしく。

ドミトリー・ブタコフ@Butakov_mtg

この記事内で掲載されたカード

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Dmitriy Butakov

Dmitriy Butakov ロシアのプレイヤー。Magic Onlineを主戦場としており、オンラインプレイヤーの中で最強を決める大会である2012 Magic Online Championshipで優勝、翌年の2013 Magic Online Championshipでもトップ4に入賞して注目を浴びる。 2018年には2017 Magic Online Championshipで2度目の優勝を果たし、名実ともにMagic Online上で最強のプレイヤーとして堂々たる実績を残すと同時に、優勝の特典でプラチナレベル・プロとなる。こうした実績が認められ、2018年3月にHareruya Prosへと加入した。 Dmitriy Butakovの記事はこちら