Translated by Ryosuke Igarashi
(掲載日 2019/02/19)
はじめに
MTGアリーナ ミシックインビテーショナルの知らせを聞いて、マジックプレイヤーの99.9%はそこでプレイする自分を夢見たことだろう。総額100万ドルのトーナメントで、優勝すると25万ドルも貰えるんだ。この賞金はあらゆる面でプレイヤーの人生を変えうる。もし君がこの夢を追い、大会に参加するためにランク戦をしているのなら、俺の記事が助けになるだろう。
MTGアリーナでランク戦が導入されたことにより、マジックはBO1(1本先取)と呼ばれる新たなフォーマットを手に入れた。俺たちは競技レベルで1試合だけで勝負が決まるっていうのには慣れてない(コントロールミラーを除いてな)。この新たなフォーマットには秩序なんてものはない。赤単は混乱を引き起こし、自身を王だと主張するのに最適な環境を見つけてしまったんだ!
まだ信じられないかい?じゃあ俺の言い分を聞いてくれ……俺はコントロールプレイヤーなんだ。コントロールデッキを使えるなら、俺はそうする。コントロールデッキを使えないときでも、何が何でも使おうとする。俺はBO1のランク戦でコントロールデッキを使おうとしてきたが、できなかった。この環境に対応できる最良の構築を見つけるのはとても難しかったし、赤単の海といえどゆくゆくは他のデッキにも当たるんだ。俺は赤いデッキを使う一面を受け入れざるを得なかったし、それが俺にできる最良の選択だったんだ。
BO1(1本先取)か?BO3(2本先取)か?
順位を上げるためにBO1・BO3のどちらをプレイすべきか悩んでるかい?俺の考えになるが、これはMTGアリーナに割ける1日あたりの時間によって決まる。もし多くの時間を費やし、熱心にランク戦を回せるならBO1をするべきだ。逆にあまり時間がないというなら、BO3だ。環境に対し適切なサイドボードプランに取り組めれば、短い時間でも高い勝率を上げることができるからね。
ランク戦をやりこむにはBO1が理想だが、だからといってデッキを調整する必要がないわけではない。弱い型の赤単を使っていたら勝率は大きく落ち込み、上位に行くのは難しくなるだろう。というわけで、これからBO1においてもっとも強力なアグロデッキについて紹介しようじゃないか!
なぜ赤単を使うのか?
俺の考えでは、赤単がMTGアリーナのBO1においてはベストデッキだ。こいつは狂気の新フォーマットで成功するために必要な要素をすべて持っている。
- 複雑な判断を必要としない。
- 他のデッキよりも多くの試合をこなすことができる。期間の終わりにはいい結果が望めるはずだ。
赤単を使うことによって、ランクが上がる可能性は非常に高くなる。デッキの調子が悪かったり、相性のよくない相手と当たったりすることもあるだろうけど、かなり多くの試合をこなせるから気にならないだろう。俺は世界一の数学者ってわけではないが、赤単なら最低でも1時間に10~12試合はできると思うね。
また、『ラヴニカの献身』のリリースにより赤単は大幅に強化された。《舞台照らし》という素晴らしいアンコモンのおかげだね。赤1マナで(3マナ払ってるとしたらどっか間違ってるぜ)2枚ドローできるんだ!ウィザーズはどうかしてしまったのだろうか。赤単がより簡単に勝てるような追加のリソースをあげるだなんてね!
《ゴブリンの鎖回し》も同様にこのデッキのキーカードだ。もはや採用していない型もあるが、俺は最愛のアグロデッキからこいつを抜きたいとは全然思わないね。このカードのおかげで、他2つの人気アグロデッキ(白ウィニー・青単)に有利を取れるんだ。
サイドボードがないため相手はタフネスが1のクリーチャーを手元に置いておかなきゃいけない一方、勝機を掴むには早いターンの《ゴブリンの鎖回し》を警戒してられないんだ。もし初動が遅ければ、こちらは余裕をもってゲームを進めることができる。もし相手が展開することに決めたら(俺はそれが正しいと思っているが)、こちらが《ゴブリンの鎖回し》で多大なカードアドバンテージを取るチャンスになる。それに加え、白ウィニーは3/3で先制攻撃というこいつのサイズにも手を焼くことになる。
ミラーマッチでも、このカードは《狂信的扇動者》や《ヴィーアシーノの紅蓮術師》を除去しつつも、「3点のライフ」を恵んでくれるんだ。彼は間違いなく3点火力の対象になるからな。もしミラーで《ゴブリンの鎖回し》を殴らせることができたら、スクリーンショットを俺まで送ってくれ。『ラヴニカの献身』がくる前、《ゴブリンの鎖回し》はBO1で最強のカードだった。
マッチアップの話になるが、このデッキに不利なマッチアップなんてものはない。この環境は基本バントネクサスか赤単、そしてちょっとのエスパーコントロール・スゥルタイミッドレンジ・白ウィニーに青単だ。どれも赤単に有利を取れるとは思わないね。《活力回復》を採用したバントやエスパーコントロールにはちょっと手こずるかもしれないが、我らがレッド・バロンを支配することはできない。
(編注:《運命のきずな》は2019年2月14日、アリーナ・スタンダード(BO1)において禁止されました。)
I think without Nexus on the Arena B1 format, the midrange decks will have more room to develop a really good building. This is bad news for the MonoRed since people had to be concerned about beating a "combo" and an Aggro deck! Now MonoRed has all the attention.
— Carlos Romao (@Jabsmtg) 2019年2月14日
(訳:BO1環境に《運命のきずな》デッキがなければ、ミッドレンジデッキが非常に良い構築を目指せる余地が生まれるだろう。 今まではみんなコンボ・アグロデッキの両方に目を向ける必要があったから、これは赤単には向かい風だね。いまや赤単のみが注目の的だ!)
デッキリスト
これが俺の赤単のリストだ。
デッキについて話そうか。俺にとって、土地は19枚がちょうどよかった。デッキを上手く回すために4枚より多くの土地を引きたくないし、それより少ない枚数しか引かなくてもいいくらいだからな。土地が詰まったとしても、《遁走する蒸気族》と《舞台照らし》が助けになる。
このリストでもっとも悩んだのは、《危険因子》と《実験の狂乱》のどちらを採用するかだ。勝つ可能性がないようなゲームでも勝利に導いてくれるため、俺は《実験の狂乱》の方が優れていると思っている。それに、ミラーマッチではこのカードが完璧な決め手になるんだ。このマッチでは、どちらもクリーチャーを除去しようとするため通常より長いゲームになることが多く、大抵は盤面が更地になった後のトップデッキで決まる。そういうときに《実験の狂乱》を引くことができたら大きな助けになるんだ(トップデッキされたらたまったもんじゃないけどね)。
俺はショーを催すのが好きだし、《遁走する蒸気族》がいるときに《実験の狂乱》で呪文を続けて唱えることほど楽しいことはないね。だが《危険因子》も同じくいいカードだし、結局は読者の皆様の自由にしてもらって構わない。どちらのカード(《危険因子》・《実験の狂乱》)も試合を決定づけて、相手を降参させるには最高のカードだ。
《静電場》は入れていない。赤単以外には弱いカードだからね。BO1では赤単の海といえど、他のマッチアップではお荷物になる。また、《危険因子》を入れていないこともあって《静電場》はかなり弱くなってしまうんだ。有利なときにしか役に立たない壁を入れるより、自分から殴りに行けるクリーチャーを入れたいね。
ランク戦での幸運を祈る
俺の記事を読んでくれて、また、晴れる屋とそのチームを応援してくれてありがとう。俺がこの記事を書こうと決めたのは、マジックの歴史の中でも最大の賞金が出る大会に向け、一部のプレイヤーがランク戦でトップ8の座を手に入れようとどれだけ張り切っているか知っているからなんだ。
何か質問があったら気兼ねなく訪ねてほしい。Facebookページに来てくれれば、俺にダイレクトメッセージを送ることもできる。
この記事を楽しんでくれたなら幸いだ。ではまた会おう!