決勝戦:安田 昌幸(アゾリウスプレインズウォーカー) vs. 谷口 裕昭(グルールアグロ)
晴れる屋メディアチーム
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By Yuma Yamamura
『灯争大戦』発売後の環境で行われた本大会。決勝戦は、その『灯争大戦』を象徴するデッキ同士の対決となった。
安田が使用するアゾリウスプレインズウォーカーは、サイドボードまで合わせるとなんと計19枚もプレインズウォーカーを採用した、他環境に類を見ない構築となっている。
『灯争大戦』から参入した《時を解す者、テフェリー》、《支配の片腕、ドビン》、《覆いを割く者、ナーセット》が持つ妨害能力。プレインズウォーカーに加え、伝説のクリーチャーも多数採用し、安定して使用できるようになった《モックス・アンバー》と《ウルザの殲滅破》。場合によっては0マナで起動することができる《総動員地区》。
これらの要素が合わさり、防御を固めながら盤面を構築、制圧することができるようになったために成立したデッキだと言える。
対する谷口が使用するグルールアグロは、《ボーラスの壊乱者、ドムリ》、《世界を揺るがす者、ニッサ》が参入し強化されたデッキだ。前者はクリーチャーの強化、除去、マナ加速と相手がアグロだろうとコントロールだろうと八面六臂の活躍を見せる。後者は毎ターン3/3速攻警戒を生み出し、途切れることのない軍勢を用意する。またグルールの「暴動」を持つクリーチャーを多数採用し、プレインズウォーカーに対してプレッシャーを与えやすい構築になっている。
守る安田と攻める谷口、帝王の座に就くは果たしてどちらだろうか。
スイスラウンドの順位により安田が先攻。お互いにマリガンはなく、7枚の初手をキープする。
このゲーム最初のアクションは、谷口の《成長室の守護者》。これは安田の《時を解す者、テフェリー》でバウンスされ、一旦手札に戻されることになった。
安田のプレインズウォーカー達にプレッシャーを与えたい谷口だが、3ターン目は先程の《成長室の守護者》を戦場に戻すのみで、土地が止まってしまう。ここからは安田の独壇場であった。
《支配の片腕、ドビン》で《成長室の守護者》を無力化し、次のターンには《総動員地区》設置から《ドミナリアの英雄、テフェリー》。土地が止まり続けている谷口が呼び出した《ラノワールのエルフ》に対しては、 ターンが進み再び[-3]能力が使えるようになった《時を解す者、テフェリー》でバウンス。
さらに《人知を超えるもの、ウギン》を追加し、圧倒的な盤面を築いたところで、谷口の投了となった。
安田 1-0 谷口
今回は谷口が先攻で、お互いマリガンはなし。
谷口が《ザル=ターのゴブリン》を呼び出し、速攻を持たせてプレッシャーをかけるところからスタート。
安田は《総動員地区》をセットしながら《時を解す者、テフェリー》。[-3]能力で、《ザル=ターのゴブリン》の唱え直しを要求する。
が、谷口の返しは先程とは違うゴブリン、《軍勢の戦親分》!親分の呼びかけに応じた子分が、《時を解す者、テフェリー》を退場させる。
安田は《モックス・アンバー》を設置し《迷い子、フブルスプ》、さらにドロー進め親分に対する回答を模索する。谷口は親分が呼び出した新たな子分と共に、フルアタック。安田はこれを全て通し、残りライフ11。
その後、谷口はさらなる攻め筋を探すべく《ビビアン・リード》を唱え、《成長室の守護者》を手札に加えてターンを返す。
安田は《次元間の標》をセットし、現在使用できるマナを数える。十分にあるマナから《幻惑の旋律》を唱え、《軍勢の戦親分》を味方につけることで戦線拡大を阻止。親分が呼び出した子分はビビアンにアタックしターンを終える。
返しのターン、谷口はまず《ビビアン・リード》の能力を使用。2枚目の《成長室の守護者》を手札に加えた後、ゴブリントークン2体でアタック。これを全て通した後、《ザル=ターのゴブリン》を今度は3/3で唱え、さらに《無効皮のフェロックス》を追加し畳みかける!
クリーチャー以外の呪文を唱えることができなくなるデメリットは存在するものの、4マナ6/6という高いスタッツに加え、呪禁まで備えるビーストが安田の喉元を狙う!これに対し安田はドロー後、腕を組み考えをまとめる。
プランが決まった安田は、まず《ドミナリアの英雄、テフェリー》を呼び出す。《次元間の標》によりライフを回復しつつ、[+1]能力で解決策を探す。2枚目の《モックス・アンバー》をレジェンド・ルールで墓地に送りながらもマナを確保し、テフェリーの能力で《総動員地区》を起こして谷口の猛攻に備える。
谷口は《無効皮のフェロックス》の縛りを解除し、さらなる援軍《ボーラスの壊乱者、ドムリ》を呼び出そうとするが、これは《否認》に阻まれる。
だがマナを《否認》に使用したせいで《総動員地区》を起動させることができなくなり、守りが薄くなった安田に対して《ドミナリアの英雄、テフェリー》を無視しプレイヤーへ猛攻を仕掛ける!
寝返らせた親分と子分によりダメージは緩和されるが、《ザル=ターのゴブリン》の攻撃は通って安田ライフは残り6。その後《ビビアン・リード》で《グルールの呪文砕き》を手に入れ、安田を追い詰めていく。
だが安田も負けてはいない。テフェリーで手札補充した後、谷口の戦線を焼き払う《ウルザの殲滅破》!
戦線を崩された谷口だが、《ウルザの殲滅破》を生き延びた《ビビアン・リード》が追加の《グルールの呪文砕き》を見つけ、先程手札に加わった《グルールの呪文砕き》と合わせて速攻で走らせる!
1体は《総動員地区》と相打ちになったが、もう一体の攻撃が通り、安田の残りライフは3。後一発といったところだが、安田の場に新たな刺客、《支配の片腕、ドビン》が立ち塞がる。能力により《グルールの呪文砕き》の攻撃が封じられ、さらに頼みの綱の《ビビアン・リード》も《牢獄領域》に閉じ込められてしまった。
完全に封殺されてしまった格好だが、谷口は持っていた。全てを黙らせる太陽を。
ここで谷口は、安田にとっては致命的な《不滅の太陽》を設置!安田は《時を解す者、テフェリー》を呼び出すも、能力を起動することができない。
谷口は《支配の片腕、ドビン》の拘束を逃れた《グルールの呪文砕き》でアタックを仕掛けるが、最後まで戦場を彷徨い続けた《迷い子、フブルスプ》のブロックによりダメージを軽減されてしまう。さらに谷口は《不滅の太陽》によりマナコストの下がった《成長室の守護者》を2枚戦場に追加し、即座に能力を起動。追加の戦力を切らさない。
これらは《ウルザの殲滅破》によって消滅するが、谷口が引き込んだ3枚目の《グルールの呪文砕き》が安田のライフを削り切った。
安田 1-1 谷口
今度は安田が先手。1マリガンをしたところでゲームスタート。1ターン目2ターン目と土地を置き続けるだけの安田を後目に、谷口はロケットスタートを切る。
ロケットスタート……すなわち1ターン目の《ラノワールのエルフ》から2ターン目に《軍勢の戦親分》!現環境最高レベルのブン回りが安田を襲う!!
《軍勢の戦親分》は《時を解す者、テフェリー》のバウンスにより一旦退場となるが、子分のアタックにより《時を解す者、テフェリー》はすぐに退場し、次なる脅威《無効皮のフェロックス》が戦場に躍り出る!
安田は《迷い子、フブルスプ》でドローを進め、土地を伸ばすのみ。対する谷口は、《無効皮のフェロックス》と子分でアタックし、ブロックはなし。《迷い子、フブルスプ》が残っていれば《ウルザの殲滅破》が唱えることができるため、この小さいホムンクルスは大事にしたいところ。
戦闘後に《成長室の守護者》を追加し、「順応」できる3マナを残してターンを渡す。少し遅れて5マナに到達した安田は、谷口にとって大きな障壁となる《黎明をもたらす者ライラ》を唱える!
谷口は安田のターン終了時に《成長室の守護者》の能力を起動し、返しのターンで唯一サイズで勝る《無効皮のフェロックス》でアタックするが、《迷い子、フブルスプ》のブロックによって阻まれてしまう。
《ウルザの殲滅破》による壊滅を警戒した谷口は、追加の戦力を出さずにそのままターンを渡す。安田は《支配の片腕、ドビン》を呼び出し、順応された《成長室の守護者》を無力化。《黎明をもたらす者ライラ》でアタックを仕掛け、プレインズウォーカーによる妨害と《黎明をもたらす者ライラ》の絆魂を利用したダメージレースを仕掛ける!
この時点で安田のライフが17に対し、谷口のライフは15。その返しのターンで谷口は《グルールの呪文砕き》を唱え、「暴動」は速攻を選択。トークンと《グルールの呪文砕き》で《支配の片腕、ドビン》を倒し、《無効皮のフェロックス》と《ラノワールのエルフ》で安田本体にダメージを与える。
戦力を拡大した谷口に対して、安田は次なる一手を思案する。
小考の末、《人知を超えるもの、ウギン》を唱えスピリットトークンを呼び出し、《黎明をもたらす者ライラ》はアタックに向かわせずに守りを固めることを選択する。受ける安田に対して、谷口も攻め手を熟考。
谷口が導き出した答えは、《無効皮のフェロックス》の縛りを解除。《稲妻の一撃》をスピリットトークンへ撃ち、《無効皮のフェロックス》でウギンを倒す。しかし、思うように安田本体へダメージを与えることができない。
次のターン、安田は本大会中幾度となく必殺の一撃となったであろう《ウルザの殲滅破》を放つ!
脅威がいなくなった戦場で、《黎明をもたらす者ライラ》が介錯せんと谷口に迫る!
谷口は《軍勢の戦親分》と《成長室の守護者》で反撃を試みるが、《黎明をもたらす者ライラ》への解決策を見出すことができず、投了となった。
安田 2-1 谷口
『第6期関西帝王戦スタンダード』優勝は安田 真幸!おめでとう!!