はじめに
皆さん、こんにちは。はじめまして、Hareruya Prosの木原 惇希です。
Hareruya Prosとしては初めての記事になりますので、暖かい目で読んで頂けたら幸いです。
青白奇跡と歩んできた道のり
実は、僕がはじめてグランプリTop8に入賞できた時に使っていたデッキが青白奇跡でした。それからというもの、日々様々なタイプの青白奇跡を使い続けています。
その他にも、グランプリ ラスベガス2018併催イベントのPTQでの優勝や、マジック25周年記念プロツアーでは15位で日本人チーム最上位の成績を残すなど、青白奇跡を使って過去に何度か結果を残しています。
現在は8月17日に開催されるEternal Weekend Asia 2019 レガシーに向けて、日々レガシーの練習をしています。
本稿では、そんな僕がEternal Weekend Asia 2019 レガシーで実際に持ち込む予定の青白奇跡について解説したいと思います。
現在のメタゲーム
現在のレガシーのメタゲームの動きは昔ほど緩やかではなく、新セットが発売される度に大きくメタゲームが動くほど流動的です。
『灯争大戦』・『モダンホライゾン』・『基本セット2020』発売の影響は大きく、現在のメタゲームでは《レンと六番》を中心に新しいカード達が活躍を見せています。特にティムールデルバー・青赤デルバー・ホガークデプスが新たなカードを得て、メタゲーム上位に台頭してきました。
ですが、これらの新しいデッキたちの台頭で、メタゲームが目まぐるしく変わることにより、今まであまり活躍していなかったカードやデッキに日の目が当たることもあります。この移り変わりの激しいメタゲームを逆手に取り、今週末のEternal Weekendでは、上で挙げた3つのデッキに有利な構成のデッキを持ち込むことをおすすめします。
現在のデッキリストと基本プレイ解説
基本的には、序盤は相手の脅威に対応しつつ基本土地を5枚程度並べることを目指します。基本土地である理由は《不毛の大地》で土地を割られないようにするためで、5枚という数字は《意志の力》の素打ちができるマナであり、《精神を刻む者、ジェイス》+1アクションができるマナでもあります。
《終末》の素打ちができるようになるため、6枚目の土地も置いて構いませんが、7枚目以降の土地を置いてしまうとリソースが足りなくなってしまいます。《渦まく知識》や《精神を刻む者、ジェイス》の[0]能力を使うに際し手札の枚数は非常に重要なので、5枚程度の基本土地を並べたらそれ以降の土地は手札に温存しておく、というのが基本的な指針になります。
相手の脅威に除去、または打ち消し呪文を駆使してとにかくターンを稼ぎます。その後、《精神を刻む者、ジェイス》か《僧院の導師》で速やかにゲームを終わらせましょう。
《意志の力》は、ゲームに負けるレベルのカード以外には基本的に打たずに温存したいと考えています。1マナのキャントリップ3種11枚はなるべく無駄打ちしないように明確に引きたいカードをイメージして、フェッチランドと合わせて使うことで《悪魔の教示者》のように使うことを心がけましょう。
《師範の占い独楽》が禁止される以前はただゲームを長引かせればゲームに勝てていましたが、今は独楽相殺コンボで対戦相手をロックすることができないので、対戦相手がリソースを回復する前に決着を付ける必要があります。
このデッキの最大の利点は、圧倒的に不利なマッチアップがほぼ存在しないことです。
各マッチアップの解説とサイドボーディングガイド
ティムールデルバー
このマッチアップのメイン戦では、とにかく《目くらまし》と《もみ消し》をケアして動きましょう。
カナディアンスレッショルドと呼ばれていた時代は青白奇跡側が有利でしたが、《レンと六番》というプレインズウォーカーを得たことにより、ティムールデルバー側の攻めが多角的になり、若干不利になりました。《レンと六番》以外は《意志の力》を使う必要があるカードはほとんどありません。基本土地を並べて《相殺》の着地を目指しましょう。
対 ティムールデルバー
サイド後は《紅蓮破》や《呪文貫き》など、対戦相手の打ち消し呪文が増えると予想されるので、軽い打ち消しに弱い《精神を刻む者、ジェイス》と《意志の力》を抜きます。そして、《森の知恵》や《冬の宝珠》などの置物で対策をされることが多いので、《解呪》もサイドインします。
青赤デルバー
このマッチアップもメインはティムールデルバーと同じく、《目くらまし》と《もみ消し》をケアしながら戦うことになりますが、ティムールデルバーよりさらに攻撃的なデッキなので、ライフに注意を払いながら戦わなくてはなりません。《稲妻》2枚+《意志の力》の1点でも負けない8点以上のライフを保つように心がけましょう。
序盤はクリーチャーを除去することに注力し、中盤以降は《相殺》を設置できるように動くことがポイントです。
対 青赤デルバー
サイド後はお互いに軽いアクションが増えてゲームが長引きやすいので、《相殺》を焦って設置せずに1対1交換を繰り返して、無理なく設置できるタイミングが来るのを待ちましょう。
ホガークデプス
このマッチアップでは《暗黒の深部》と《甦る死滅都市、ホガーク》に注意を払いながら、相手にとって脅威となる《僧院の導師》・《精神を刻む者、ジェイス》・《相殺》を積極的に展開していきます。《暗黒の深部》と《甦る死滅都市、ホガーク》以外のクリーチャーはできるだけ放置し、うまく《終末》で流せるタイミングを探りましょう。
対 ホガークデプス
サイド後は《森を護る者》が入ってくることを意識して、《議会の採決》は抜きません。青くない相手には、よく《Volcanic Island》を抜いてスペルを増やします。
赤単プリズン
このマッチアップは元々有利でしたが、《大いなる創造者、カーン》と《目覚めた猛火、チャンドラ》の登場によって、かなり不利になりました。
元々《虚空の杯》や《三なる宝球》などの、青白奇跡にとって苦手な置物が多数入っているので、そのいずれかを打ち消しきれずに負けるパターンが増えました。除去が少なく大振りなアクションばかりなので、早いターンに《僧院の導師》を《意志の力》バックアップで送り出して、早期決着を狙いましょう。
対 赤単プリズン
サイド後は置物系に触れるカードが増えるためメインよりは戦いやすいですが、相変わらず《目覚めた猛火、チャンドラ》はきついので、なるべく早く勝てるプランを取りましょう。
スニークショー
このマッチアップでは、とにかく不要な白い除去カードを《渦まく知識》・《思案》・《先触れ》でデッキに隠しながら戦いましょう。メイン戦は打ち消し合戦に負けてしまうことがほとんどなので、開き直って3ターン目に《僧院の導師》をお祈りでプレイすることが多いです。
スニークショー
サイド後はこちらも打ち消し呪文が増えるので、メインよりはどっしり構えて戦えます。《すべてを護るもの、母聖樹》だけで負けることが多いので、《基本に帰れ》はあるだけ入れましょう。
赤黒リアニメイト
このマッチアップでは、1ターン目にハンデスで《意志の力》を抜かれてから《グリセルブランド》を出されることが多々ありますが、ライフが0になるまで諦めずに戦いましょう。相手にいくらカードを引かれても《精神を刻む者、ジェイス》か《カラカス》に辿り着ければまだ勝機はあります。
《納墓》をしっかり打ち消しさえできれば時間ができるので、マナを伸ばして《精神を刻む者、ジェイス》の着地を狙いましょう。
対 赤黒リアニメイト
サイド後は墓地対策か打ち消し呪文を探して、相手の場にクリーチャーが出ることを阻止しながら、《精神を刻む者、ジェイス》の着地を狙います。
デス&タックス
このマッチアップでは、ひたすら毎ターン土地を置きましょう。相手は序盤から物凄い打点で攻め立ててくるようなことはなく、《不毛の大地》・《リシャーダの港》・《スレイベンの守護者、サリア》の3種類でこちらのマナ基盤を攻めてきます。マナさえ十分に用意できればデス&タックス側のすべてのアクションに対応可能なので、毎ターン土地を置くことが重要なのです。
逆に土地が詰まってしまうと、手札に3マナ以上のカードが溜まってしまい、2~4程度の軽いクロックに最後まで殴り切られてしまいます。
基本的に盤面のクロックは低いので、焦って《終末》を探す必要はありません。一度《終末》で盤面を綺麗にして、《精神を刻む者、ジェイス》か《僧院の導師》で一気にマウントを取りましょう。《霊気の薬瓶》が最大の脅威なので、全力で打ち消すか《議会の採決》で追放しましょう。
対 デス&タックス
サイド後も土地さえ置いていれば問題ありませんが、《大変動》と《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》だけには注意しましょう。
青白奇跡
ミラーマッチは《精神を刻む者、ジェイス》を巡る戦いです。それ以外のことでゲームが決まる展開はほとんどありません。
基本的に《剣を鍬に》・《終末》・《平地》が弱く、長いゲームになるので《思案》や《先触れ》で白いカードを引かないようにして、引いてしまったら《渦まく知識》でデッキに戻す動きを繰り返します。
対 青白奇跡
サイド後も、《精神を刻む者、ジェイス》を巡る攻防になることは変わりません。
お互いに打ち消し呪文が増えるので、1対1交換を繰り返すことになり、対戦相手より土地を多く引きすぎるとリソースが足りなくなります。カード1枚の価値が高いので、選べるなら後手を選びましょう。
おわりに
ここまで主要な8つのマッチアップとの基本的な戦い方とサイドボーディングを書いてきましたが、上記以外のマッチアップでの戦い方やその他疑問などありましたら、お気軽にTwitterなどでお聞きください。
レガシー環境ではここでは書ききれないほど小テクがたくさんあり、その積み重ねがとても重要なフォーマットです。青白奇跡に限らず自分に合ったデッキを見つけて、とにかくいっぱい対戦してみてください。その1戦1戦から学べることはとても多く、その学びの多さこそがレガシーの最大の楽しみだと思っています。
それではまたどこかで!Good Luck!!!
木原 惇希 (Twitter)