はじめに
みなさん、こんにちは。Hareruya Hopes所属の江原 洸太です。
この度、第14期スタンダード神決定戦で高橋 優太さんを倒し、第14期スタンダード神になることができました。初の記事執筆になりますが、同大会の感想と、そこで使用した「5色スケープシフト」の解説を書いていきたいと思います。
5色スケープシフトを選択した理由
第14期スタンダード神挑戦者決定戦の前日までは、この環境で練習を重ねていた「バントスケープシフト」を使用する予定でした。しかし、直近の試合であまり良い成績を残すことができず、このデッキを使用するかどうか悩んでいました。
「スケープシフト」というデッキが現環境で非常にメタられていると感じ、何か工夫が欲しいと考えていました。
Golos stream is starting!!!
— Andrea Mengucci (@Mengu09) August 9, 2019
(Not sure what happened to @MTGGoldfish as I can't seem to upload lists like I used to before, maybe someone can help?)
Live now on https://t.co/86Ikczox37 pic.twitter.com/QiuveNM0ej
「訳:ゴロスの放送が始まるよ!」
そんな中、Twitterを眺めているとMagic Pro League (MPL) プレイヤーであるAndrea Mengucci選手の「5色スケープシフト」が目に留まり、すぐにMTGアリーナで使ってみてこのデッキの優れた点に気付きました。
それは《風景の変容》の採用枚数 (2枚のみ) です。《風景の変容》は自分のターンに唱えても、返しのターンに全体除去などでゾンビが倒されてしまうため、《時を解す者、テフェリー》の[+1]能力が絡まないと弱く、4枚採用には違和感を覚えていました。しかし、このリストは《風景の変容》に頼らないで勝つことが多く、その違和感が解消されていたのです。
このデッキの主役である《不屈の巡礼者、ゴロス》が《死者の原野》をサーチしてくれるおかげで、《風景の変容》を経由することなくゲームに勝てるため、《風景の変容》の枚数を抑えて同型やコントロールデッキに強い《運命のきずな》を採用することができました。
今の環境が少し遅めで、なおかつミラーマッチが増えると考え、ミラーマッチに強いこのリストをそのまま第14期スタンダード神挑戦者決定戦に持ち込むことに決めました。
デッキリスト
2 《島》
1 《平地》
2 《繁殖池》
2 《神聖なる泉》
2 《寺院の庭》
1 《氷河の城砦》
1 《内陸の湾港》
1 《陽花弁の木立ち》
1 《アゾリウスのギルド門》
1 《ゴルガリのギルド門》
1 《イゼットのギルド門》
1 《セレズニアのギルド門》
1 《シミックのギルド門》
1 《疾病の神殿》
1 《神秘の神殿》
1 《茨森の滝》
1 《平穏な入り江》
4 《死者の原野》
1 《オラーズカの拱門》
1 《爆発域》
-土地 (29)- 2 《樹上の草食獣》
4 《ハイドロイド混成体》
4 《エルフの再生者》
2 《拘留代理人》
3 《不屈の巡礼者、ゴロス》
-クリーチャー (15)-
5色スケープシフトの特徴
このリストと一般的な「スケープシフト」デッキで大きく異なる点は、以下の2種類のカードになります。
《運命のきずな》2枚
まずは《運命のきずな》。7マナなので《死者の原野》が誘発し始めるターンにちょうどキャストできますし、ゾンビを出しながら追加ターンを得ることで疑似的にゾンビに速攻を与えたり、相手のダメージ計算を狂わせたりと、無駄なく使うことができました。
相手のプレインズウォーカーを落とすことにも一役買ってくれ、このデッキの天敵のひとつである《夢を引き裂く者、アショク》の[-1]能力を起動された際にも追放されずにライブラリーに戻ってくれるので、ライブラリーアウトの危険性も消えて至れり尽くせりでした!
《不屈の巡礼者、ゴロス》3枚
そして《不屈の巡礼者、ゴロス》。確実に《死者の原野》をサーチすることができ、アタッカーやブロッカーにもなれる隙のないカードです。
流行りの除去でもなかなか倒すことができず、伝説のクリーチャーであり無色という点も強かったです。
おまけみたいに付いている起動型能力、「ゴロスビーム!!」もこのデッキでは使用できる機会が多く、マナを伸ばすデッキの性質と非常にかみ合っています。「ゴロスビーム」から《運命のきずな》や《時を解す者、テフェリー》を唱えたりと、多くの場面で助けられました。
なお、《不屈の巡礼者、ゴロス》の起動型能力は「プレイしてもよい」という記述なので、これでめくれた土地は通常通りセットランドすることができます。ミラーマッチなどは《死者の原野》の枚数勝負になることが多いですが、このカードのおかげで試合を有利に進められます!
サイドボーディング
バントスケープシフト
対 バントスケープシフト
白黒吸血鬼
対 白黒吸血鬼
赤単
対 赤単
ティムールエレメンタル
対 ティムールエレメンタル
バントランプ
対 バントランプ
エスパー系
対 エスパー系
上記の通り、《成長のらせん》をサイドアウトすることが多いです。《樹上の草食獣》は、1→3→5ときれいに動けた場合のリターンが大きいため、サイド後も残していました。
第14期スタンダード神挑戦者決定戦・神決定戦の結果
第14期スタンダード神挑戦者決定戦
ラウンド | デッキ | 結果 |
---|---|---|
1回戦 | ティムールエレメンタル | ×〇〇 |
2回戦 | ティムールエレメンタル | ×〇〇 |
3回戦 | 白黒吸血鬼 | 〇〇 |
4回戦 | バントランプ | 〇×〇 |
5回戦 | 赤単 | 〇〇 |
6回戦 | バントスケープシフト | 〇〇 |
7回戦 | ティムールミッドレンジ | 〇〇 |
8回戦 | – | ID |
ラウンド | デッキ | 結果 |
---|---|---|
準々決勝 | バントスケープシフト | 〇×〇 |
準決勝 | バントスケープシフト | 〇〇 |
決勝 | バントスケープシフト | 〇〇 |
当日はデッキがかみ合い、4ゲームしか落とすことなく優勝できました。
準決勝では、劣勢の盤面で《不屈の巡礼者、ゴロス》の能力から《運命のきずな》2枚、《時を解す者、テフェリー》1枚がめくれてギリギリで勝利。決勝戦の相手はマジック・フェスト千葉2019の優勝者である中道 大輔さんと気が抜けない試合が続きましたが、なんとか決勝ラウンドの「バントスケープシフト」3連戦を制し、神への挑戦権を手に入れることができました。とにかくデッキが強く、回していてとても楽しかったです。
第14期スタンダード神決定戦
ラウンド | デッキ | 結果 |
---|---|---|
スタンダード神決定戦 | エスパーコントロール | 〇〇〇 |
神決定戦では高橋さんの「エスパーコントロール」相手の立ち回りを理解するのに苦戦しましたが、デッキ相性のおかげでストレートで勝利することができました。サイド後は《スランの崩落》をいつ打たれるかドキドキしていました。
おわりに
なんとかスタンダード神になることができて、今はうれしい気持ちでいっぱいです。強さと楽しさをあわせ持った「5色スケープシフト」を、みなさんにもぜひ使っていただければと思います。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
江原 洸太 (Twitter)