USA Legacy Express vol.157 -レガシーを紅く染める月-

晴れる屋メディアチーム

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はじめに

みなさんこんにちは。

今月は、第14期レガシー神挑戦者決定戦エターナル・ウィークエンド・アジア2019とレガシーの大きなイベントが充実していましたね。

今回の連載では、上記ふたつのイベントとマジックオンラインでおこなわれたLegacy MCQ #11941104の入賞デッキを見ていきたいと思います。

第14期レガシー神挑戦者決定戦
多色の環境に染まる月

2019年8月11-12日

  • 1位 Mono Red Prison
  • 2位 4C Delver
  • 3位 Miracles
  • 4位 BR Reanimate
  • 5位 Grixis Delver
  • 6位 4C Delver
  • 7位 Mono Red Prison
  • 8位 Hogaak
池田 貴浩

池田 貴浩

トップ8のデッキリストはこちら

《レンと六番》によって大幅に強化されたDelver系が活躍する中で、神への挑戦権を獲得したのは《血染めの月》《虚空の杯》といった妨害を多数採用したMono Red Prisonでした。

第14期レガシー神決定戦 デッキ紹介

Mono Red Prison

《レンと六番》の登場により4C Delverや4C Snow Controlといった多色のフェアデッキが増加しました。特殊地形の多いデッキに対しては、1ターン目に《血染めの月》を置くことでほぼ勝ちが確定します。

最初の1~2ターンが重要になるのでロンドンマリガンとも相性が良く、マリガンルールの変更によって強化されたアーキタイプのひとつです。後述するLegacy MCQでも多数入賞していました。

☆注目ポイント

目覚めた猛火、チャンドラ

『基本セット2020』から《目覚めた猛火、チャンドラ》を獲得しさらに強化されました。打ち消されない能力は青いデッキ全般に対して強く、[+2]能力は特にMiraclesなど遅いコントロールデッキに対して有効なダメージ源となります。基本地形が多く《血染めの月》が効きづらい青白系を苦手としていたこのデッキにとって、対処されにくいフィニッシャーは貴重です。

歴戦の紅蓮術士

3マナ域は《軍勢の戦親分》が定番ですが、池田 貴浩選手のリストには《歴戦の紅蓮術士》が採用されています。《軍勢の戦親分》ほどの速度は望めないものの、手札に来てしまった余分なマナ加速カードや《血染めの月》をドローに変換させつつ、エレメンタルトークンを並べることができます。《目覚めた猛火、チャンドラ》の[-3]能力とも相性がよく、横に並ぶので単体除去に対しても耐性が付きます。

Legacy MCQ #11941104
非青デッキが多数、青白石鍛冶が予選を通過する

2019年8月11日

  • 1位 UW Stoneblade
  • 2位 Mono Red Prison
  • 3位 Mono Red Prison
  • 4位 BR Renimater
  • 5位 Mono Red Prison
  • 6位 Humans
  • 7位 Snow Control
  • 8位 Dark Depths

トップ32のデッキリストはこちら

第14期レガシー神挑戦者決定戦と同様に、多色デッキに強いMono Red Prisonが多数上位に勝ち残りました。

Dark DepthsやBR Reanimateなどのコンボデッキも勝ち残っており、メタに動きが見られます。予選を通過したのはUW Stonebladeでした。上位に多かったMono Red Prisonの《血染めの月》《虚空の杯》に耐性があり、多色デッキに対しても《基本に帰れ》が刺さります。

Legacy MCQ #11941104 デッキ紹介

BR Renimater

特定のキーカードに依存するBR Reanimateは、ロンドンマリガンの恩恵を受けたデッキのひとつで、《グリセルブランド》を最も有効活用できるデッキです。

最初の1~2ターン目に勝負を決めるコンボですが、《暴露》を始めとした妨害もあるためカウンターを乗り越えるのは容易です。Sneak and Showなどほかのコンボにもスピードで勝ります。

☆注目ポイント

別館の大長暴露

先手で《別館の大長》が初手に来れば、《意志の力》《外科的摘出》でも妨害されることがなくなり、安心して1ターン目にリアニメイトすることができます。0マナハンデスの《暴露》もあるのでコンボを決めやすく、多くのデッキに対して1ゲーム目は高い勝率を誇ります。

紅蓮破月の大魔術師忍耐の元型
恭しき沈黙静寂悪ふざけ摩耗+損耗

サイド後はDelver系に有効な《紅蓮破》《月の大魔術師》、自軍を守れる《忍耐の元型》が採用されています。置物対策には《恭しき沈黙》《静寂》《悪ふざけ》《摩耗/損耗》と豊富にスペースが割かれています。《虚空の力線》《罠の橋》《墓掘りの檻》《安らかなる眠り》など大抵の対策カードに対応できるようになっています。中でも《悪ふざけ》 は、クリーチャーを墓地を落とす手段にもなり《納墓》でサーチしてこれるので便利です。

エターナル・ウィークエンド・アジア2019
青いデッキの終焉?解き放たれるマリッドレイジ

2019年8月17-18日

  • 1位 Dark Depths
  • 2位 Hogaak Depths
  • 3位 Dark Depths
  • 4位 Sneak and Show
  • 5位 Dark Depths
  • 6位 Mono Red Prison
  • 7位 Hogaak
  • 8位 Painter

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今大会では、Sneak and Showを除いて《渦まく知識》を採用したデッキは見られず、Delver系やMiraclesなど青いフェアデッキが不在でした。ここまで青いデッキが少なかったプレイオフは初めてかもしれません。

プリズン系のデッキやRB Reanimate、Dark Depthsといった戦略が成功する理由のひとつに、ロンドンマリガンの影響が挙げられます。フェアデッキと異なりキーカードを速い段階で揃える必要があるので、能動的で直線的な戦略と相性がいいマリガンルールです。

エターナル・ウィークエンド・アジア2019

Dark Depths

Delver系に強いとされるDark Depthsは現環境で有利な立ち位置にあります。『基本セット2020』から土地をサーチできる《エルフの開墾者》により強化されています。

《レンと六番》《疫病を仕組むもの》によって、このデッキが苦手としていたDeath and Taxesが減少傾向にあるのもこのデッキにとっては追い風です。

☆注目ポイント

エルフの開墾者

《エルフの開墾者》は、《暗黒の深部》《演劇の舞台》といったキーとなる土地をサーチすることができ、実質《輪作》8枚体制となっています。基本土地をサーチしてこれるので、《血染めの月》デッキに対しても耐性ができました。《セジーリのステップ》をサーチすればマリッドレイジの攻撃を通しやすくなります。さらに、《エルフの開墾者》が隣にいることで布告系の除去にも耐性が付きました。

闇の腹心森の知恵

最近では《闇の腹心》のメイン採用が主流になっており、《森の知恵》も採用されているので《剣を鍬に》を採用したデッキとの相性が改善されています。これといった苦手なマッチアップが少なく、ハンデスによる妨害や《闇の腹心》からのカードアドバンテージによって、半端な妨害を物ともしない強さがあり、現環境では安定したデッキのひとつです。

ボーナストピック:トーナメントレポート

Legacy Challenge #11935050:4C Delver

前回の記事でもお話ししたように、筆者は《レンと六番》の登場以来4C Delverを使い続けており、8月4日に開催されたLegacy Challengeでなんと優勝してしまいました。

Legacy Challenge
Round 1 Hogaak 2-0
Round 2 Punishing Jund 2-0
Round 3 Maverick 2-0
Round 4 ANT 2-0
Round 5 Death and Taxes 2-0
Round 6 Temur Delver 2-0
Round 7 Bant Stoneblade 2-0
QF Grixis Control 2-0
SF UR Storm 2-1
Finals 4C Delver 2-0(トス)

最後は知り合い(Adam Yurchick)と当たり、彼はFormat Playoffに必要なポイントをすでに所持していたためトスしてもらえました。彼も4C Delverを使用しており、なんと筆者が前の週のLegacy Challengeでプレイオフに入賞したリストを参考にしたそうです。

グルマグのアンコウ水没思考囲い

前回からの変更点は、hoveydwのリストを参考にして、《戦慄衆の秘儀術師》の枠に《グルマグのアンコウ》を採用し、《水没》《思考囲い》をサイドに採用しました。前回ほどではないものの、コンボとそれなりに当たったので追加のハンデスは役に立ちました。

《グルマグのアンコウ》は期待通りTemur DelverやGrixis Controlとのマッチアップで対処されにくいフィニッシャーとして活躍し、《水没》もTemur Delverや緑デッキとのマッチアップでサイズで勝るクリーチャー対策として有用でした。デッキとしての完成度は高く、余談ですが同様のリストを使用した井川 良彦さんも第14期レガシー神決定戦でトップ8に入賞していました。

SCG Classics Richmond:4C Delver

SCG Classics Richmond
Round 1 UR Delver 2-0
Round 2 Aluren 2-0
Round 3 UR Delver 2-0
Round 4 Mono Red Prison 2-1
Round 5 Death and Taxes 2-1
Round 6 ID
Round 7 ID
QF Mono Red Prison 2-1

SCG Classics Richmondでも4C Delverで参加し、プレイオフに入賞することができました。これで、11月に開催されるSCG Invitational Season 2への権利獲得に必要なSCGポイントを獲得することに成功しました。

呪文貫き暴君の嘲笑

メインは《呪文貫き》《定業》の枚数が入れ替わっている以外は変更はありません。土地を20枚採用しているので、《定業》よりもコンボとのマッチアップのために2枚目の《呪文貫き》を優先しました。

サイドは、Miraclesが少なくなってきているので《冬の宝珠》を1枚減らしています。また、追加の除去として《暴君の嘲笑》を採用しました。もともとマリットレイジ対策に《リリアナの勝利》を入れていたのですが、最近では《エルフの開墾者》が隣にいることが多く機能しなかったためです。

夏の帳燃えがら蔦

《夏の帳》はANTのハンデスや《苦悶の触手》プラン対策になり、Grixis Controlなどフェアデッキに対しても入ります。《燃えがら蔦》は、コンボやコントロールを対策しつつ置物にも触れるので直前に採用することに決めましたが、結局使うことがなかったので《古えの遺恨》の方がよさそうです。

結果を残し続けている4C Delverですが、Dark DepthsやMono Red Prisonなど苦手なマッチアップも増えてきています。ハンデスなどサイドボードの選択肢の豊富さが4色の強みですが、やはりマナ基盤が不安定なところがあります。

今後使うDelver系の形としては、Max Gilmore(@maxtortion)がツイッターに上げていたことで広まったNO Bad Cards RUG Delverがよさそうです。RUG Delverといっても、《レンと六番》《戦慄衆の秘儀術師》と相性の悪い《敏捷なマングース》や使える状況が限定される《もみ消し》は不採用で、4C Delverから黒をカットし3色にまとめたようなバージョンとなっています。デッキパワーは落ちますが、3色にまとめた分安定性が増しています。NBC RUG Delverは先週末に開催されたLegacy Challengeでも優勝しており、筆者もほぼ同様のリストで6-2と好成績だったので試してみることをお勧めします。

デッキのカード選択、サイドボードガイドについてはデッキの制作にかかわったMax Gilmore氏も自身のブログにまとめています。

輪作

Legacy Challengeで使用してみたところ、《輪作》はサイドの《カラカス》をサーチしてこれるので、Dark DepthやReanimate、Death and Taxesとのマッチアップで活躍しました。そのほか《不毛の大地》《焦熱島嶼域》をいつでもサーチしてこれるので、《レンと六番》の強さがさらに増します。

総括

《レンと六番》を採用した青いフェアデッキが上位を支配していた環境から一変して、非青デッキが幅を利かせる環境へとシフトしていきました。

ロンドンマリガンの導入はRB Reanimateのような高速コンボデッキや、Mono Red Prisonなど安定性に難があった戦略の強化に貢献しています。青いデッキもMiraclesなどコントロールよりもDelver系やSneak and Showなどが中心で、レガシーもモダンのように能動的で直線的な戦略が活躍する環境になりつつあるようです。

以上USA Legacy Express vol.157でした。

それでは次回の連載で会いましょう。楽しいレガシーライフを!

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