USA Legacy Express vol. 160 -さらばレンと六番!動き出すレガシー環境!-

Kenta Hiroki

はじめに

みなさんこんにちは。

レンと六番

『モダンホライゾン』登場以来、Temur Delverや多色コントロールを中心に採用され、瞬く間に環境を牽引する存在となった《レンと六番》が禁止カードに指定されました。禁止になった理由については公式でも説明されています。

今回の連載では、《レンと六番》禁止後の環境で活躍しそうなデッキを見ていきたいと思います。

禁止改定後に活躍しそうなデッキ紹介

Miracle

Temur Delverや多色コントロールのデッキパワーに押されていたMiracleでしたが、《レンと六番》によって締め出されていたDeath and TaxesやUR Delverなどが増えてくることを考えると、《終末》を搭載したMiracleが復権してきそうです。

Miracleにタッチされる色は《紅蓮破》にアクセスできる赤が主流でしたが、《王冠泥棒、オーコ》《夏の帳》にアクセスできるタッチ緑バージョンも見られるようになりました。

スタンダードではその強さゆえに禁止カードに指定された歴代最強のプレインズウォーカーとされている《王冠泥棒、オーコ》は、レガシーでも第一線で活躍できるほどのカードパワーを誇ります。

☆注目ポイント

アーカムの天測儀氷牙のコアトル

《アーカムの天測儀》のおかげでマナ基盤がより安定しています。冠雪土地を採用しているので《氷牙のコアトル》《悪意の大梟》よりも優れており、疑似的な除去としても機能します。

神秘の聖域王冠泥棒、オーコ

《神秘の聖域》フェッチランドでサーチすることが可能で、《天使への願い》《終末》など「奇跡」スペルと相性がよく、《相殺》ともシナジーがあります。

アーティファクトを無効化する《王冠泥棒、オーコ》の存在により、《虚空の杯》なども比較的容易に処理できるようになりました。ライフゲインによってこのデッキの得意なロングゲームに持ち込みやすくなり、《瞬唱の魔道士》《アーカムの天測儀》を3/3にすることでクロックを強化したりと攻守において活躍します。

夏の帳

《夏の帳》はカウンター対策だけに留まらず、このデッキが苦手とするANTのハンデスを無効化しつつ勝ち手段の一つである《苦悶の触手》対策にもなる優秀なスペルです。ほかにもDark DepthsやSultaiなどが使う《突然の衰微》も対処することが可能で、《王冠泥棒、オーコ》を保護する最適な手段となります。

UR Delver

『モダンホライゾン』登場前の環境では、《渦まく知識》《思案》を再利用することでアドバンテージを稼ぎ出す《戦慄衆の秘儀術師》を軸にしたUR Delverがトップメタでした。

《レンと六番》が禁止される前の環境でもEternal Weekend 2019で準優勝MOのPTQでも優勝するなど数多く結果を残していたことからも、新環境の代表的なDelver系の形の一つとなりそうです。

☆注目ポイント

若き紅蓮術士戦慄衆の秘儀術師

《レンと六番》が退場したことにより、ようやく《若き紅蓮術士》が強く使える用になりました。《若き紅蓮術士》とエレメンタルトークンを並べることによってアグレッシブに攻めるスタイルで、《戦慄衆の秘儀術師》によって息切れしにくくなっています。

厚かましい借り手

《厚かましい借り手》は置物や高タフネスのクリーチャーをバウンスしつつ、パワー3のクロックとして機能するこのデッキの新戦力です。マリッドレイジトークンを処理する手段にもなるので、メタによってはメインから採用してもよさそうです。

否定の力紅蓮破

『モダンホライゾン』で獲得した《否定の力》は、追加の《意志の力》としてコンボやコントロール相手に活躍します。《紅蓮破》《王冠泥棒、オーコ》を採用したデッキが増えることが予想されるので、より重要なスペルとなりそうです。

Death&Taxes

《レンと六番》が環境から去り、ついにタフネス1のクリーチャーが本来の地位を取り戻しました。以前は《ルーンの母》よりもタフネスが2である《ルーンの与え手》の方を優先していましたが、新環境では《ルーンの母》の構成に戻ることが予想されます。

しかし、《レンと六番》がいなくなったとはいえ様々なデッキで活躍している《疫病を仕組むもの》は健在であるため、GrixisやSultai、Dark Depthsなど黒いデッキとのマッチアップでは注意しておく必要がありそうです。

☆注目ポイント

ルーンの母スレイベンの守護者、サリアちらつき鬼火ファイレクシアの破棄者

禁止改定の影響により、《ルーンの母》《スレイベンの守護者、サリア》《ちらつき鬼火》《ファイレクシアの破棄者》などこのデッキ主力のタフネス1クリーチャーの価値が上がりました。特に《ファイレクシアの破棄者》《王冠泥棒、オーコ》を始めとしたプレインズウォーカー対策になるため、今後はより重要なクリーチャーとなりそうです。《王冠泥棒、オーコ》を有効活用するデッキの中では単体除去が中心のSultai系が有力とされているので、単体除去からクリーチャーを保護する《ルーンの母》も活躍が期待できそうです。

耳の痛い静寂

『エルドレインの王権』の新カードである《耳の痛い静寂》は、ストーム系のコンボに劇的な効果が望めるエンチャントです。1マナと軽いので使いやすく、《スレイベンの守護者、サリア》《エーテル宣誓会の法学者》といったヘイトベアーと合わせてサイド後のコンボとの相性の改善が期待できます。

Sultai Delver

最後にAndrea Mangucci氏が禁止改定直後のMOリーグで5-0の成績を残し、自身のツイッター上でも公開されていたデッキをご紹介していきたいと思います。《王冠泥棒、オーコ》を活用しつつ、相手の《王冠泥棒、オーコ》を含めて様々なパーマネントに対応できる万能除去の《突然の衰微》を搭載したSultai Delverで、Delver系の中では中速寄りの構成です。

☆注目ポイント

タルモゴイフ突然の衰微思考囲い

《タルモゴイフ》《グルマグのアンコウ》といった高タフネスのクリーチャーに、《致命的な一押し》《突然の衰微》といった除去にも恵まれており、メインから《思考囲い》がフル搭載されているのでコンボに対しても強い構成となっています。《突然の衰微》は、《王冠泥棒、オーコ》を含めた環境の多くの脅威に対してクリーンなアンサーとなる優秀なスペルです。

グルマグのアンコウ

《グルマグのアンコウ》は、これから復権してくるであろう《剣を鍬に》を採用したデッキの動向にもよりますが、《突然の衰微》《稲妻》で落ちないフィニッシャーとしてよく見かけることになりそうです。

疫病を仕組むもの最後の望み、リリアナ

Death&Taxesなどタフネス1のクリーチャーを多数採用したデッキが増えると予想されるため、《疫病を仕組むもの》は新環境でも重要なクリーチャーとなるでしょう。タフネス1のクリーチャーが増加することを考慮すると、《最後の望み、リリアナ》の価値も上がりそうです。

総括

レンと六番

《レンと六番》が禁止になり環境が激変しました。新環境はまだ試行錯誤の段階ですが、ツイッター上では多くのレガシープレイヤーが新環境のデッキの公開をしています。

《レンと六番》が退場したことにより、Death&TaxesElvesMiracleStonebladeなどが復権してきそうです。歴代最高のプレインズウォーカーである《王冠泥棒、オーコ》 を軸にしたフェアデッキ(Sultai Delver、多色コントロールなど)の動向にも要注目です。

USA Legacy Express vol. 160は以上となります。

それでは次回の連載でまた会いましょう。楽しいレガシーライフを!

この記事内で掲載されたカード

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Kenta Hiroki アメリカ在住のプレイヤー。 フォーマットを問わず精力的に活動しており、SCGやグランプリの結果などからグローバルな最新情報を隔週で発信する「USA Modern Express」「USA Legacy Express」を連載中。 Kenta Hirokiの記事はこちら