Translated by Nobukazu Kato
(掲載日 2019/12/10)
はじめに
みなさんこんにちは。今回もレガシーグランプリの調整録をお届けします!残念ながら、ボローニャではアトランタと同様に個人的な功績を残せませんでした。初日は8-1という可能性を感じる成績だったものの、8-6でドロップし198位に終わりました。とはいえ、レガシーに対するモチベーションや情熱が失われたわけではありません。調整や大会そのものを扱ったこの記事が、みなさんにとって発見の多く、楽しい記事になっていれば幸いです。
グランプリ・ボローニャの調整録
グランプリ・アトランタ以降、ティムールデルバーは最も警戒されるデッキとしての地位を急速に確立していきました。Magic Onlineのリーグで頻繁に当たることはなかったものの、PTQやMOCS予備予選、レガシーチャレンジといったプレミアイベントはティムールデルバーに支配されていたのです。
グランプリ規模のフィールドならばある程度多様性があるのが常ですが、ティムールデルバーの支配力は特別な警戒を必要とするほど際立っていました。そのため、さまざまな相手に対応でき、なおかつ(ティムール)デルバーとの相性ができるだけよい構成を探す必要がありました。そういった考えから、グランプリ・アトランタに向けて重点的に調整していた《目くらまし》入りのリストへと舞い戻ったのです。
3 《Volcanic Island》
2 《溢れかえる岸辺》
2 《霧深い雨林》
2 《汚染された三角州》
2 《沸騰する小湖》
3 《古えの墳墓》
2 《裏切り者の都》
-土地 (19)- 2 《猿人の指導霊》
4 《グリセルブランド》
3 《引き裂かれし永劫、エムラクール》
-クリーチャー (9)-
あらゆるデルバー系との対戦において《目くらまし》は《呪文貫き》よりもはるかに強力です。《呪文貫き》はコンボを押し通すために使うと相手の《目くらまし》に使い道を与えてしまうことが多いですし、序盤に使いづらい呪文です。他方の《目くらまし》はソフトカウンターにひっかかるリスクを抑えながら、相手の《目くらまし》に対しても使えるため、かなり早いターンからコンボを通しやすくなります。
《猿人の指導霊》はこのプランを促進させるだけなく、ピッチスペルとして唱えると使用できるマナを減らしてしまう《目くらまし》との相性がよいです。並行していろいろなスニーク・ショーの構成を試していましたが、どれもティムールデルバーに対して安定した成績をあげられなかったため、《猿人の指導霊》と《目くらまし》を搭載したリストに全神経を集中させることにしました。
3 《Volcanic Island》
2 《溢れかえる岸辺》
2 《霧深い雨林》
2 《汚染された三角州》
2 《沸騰する小湖》
3 《古えの墳墓》
2 《裏切り者の都》
-土地 (19)- 2 《猿人の指導霊》
4 《グリセルブランド》
3 《引き裂かれし永劫、エムラクール》
-クリーチャー (9)-
新たな敵と禁止告知
『エルドレインの王権』は環境トップデッキであるティムールデルバーにさらなる強化をもたらしました。《王冠泥棒、オーコ》です。《レンと六番》はスニーク・ショーの能動的なゲームプランに対してほとんど関与しませんでしたが、《王冠泥棒、オーコ》はメインデッキから投入できるこちらのクリーチャーに対する解答であり、当初は自分のデッキ選択に疑問を持たざるを得ませんでした。
幸い、調整をしてみると《王冠泥棒、オーコ》を3ターン目にタップアウトで出して裏目がない場面が少なく、《実物提示教育》から《グリセルブランド》を展開すれば《王冠泥棒、オーコ》を乗り越えて勝てることが多いとわかりました。また、《王冠泥棒、オーコ》の採用枚数は多くても1~2枚で、メインデッキにまったく入っていないリストもありました。
ただ、レガシーチャレンジ決勝の3ゲーム目は《引き裂かれし永劫、エムラクール》を大鹿にされて負けてしまいました。このような目に遭ったとはいえ、スニーク・ショーを諦める理由にはならず、およそ2か月に渡って《猿人の指導霊》と《目くらまし》を搭載したリストを使い続け、戦績は296勝144敗。その過程では15連勝を2度達成したり、ティムールデルバーに対して35勝18敗という手ごたえのある結果を残せました。
ティムールデルバーは環境を席巻していましたが、グランプリ・ボローニャを前に禁止カードが出るとは予想しておらず、11月18日の告知で《レンと六番》が禁止されたのは本当に驚きました。真っ先に高確率で起きるであろうメタゲームの変化は、ティムールデルバーが急速に凋落し、青赤デルバーやスゥルタイデルバーが最大勢力の座を奪うことです。
デス&タックスとマーベリックが復権する可能性があり、そうなれば《全知》の復活を検討し得ます。さらに、《不毛の大地》の使い回しがなくなるため、エウレカ・テルやオムニ・スニークといった《すべてを護るもの、母聖樹》に焦点を当てた構成が再び視野に入るようになりました。まずは《全知》を使用した、古典的なスニーク・ショーのリストから手を付け始めました。使用したリストに近しいものをご紹介しましょう。
1 《山》
3 《Volcanic Island》
4 《沸騰する小湖》
1 《溢れかえる岸辺》
1 《霧深い雨林》
1 《汚染された三角州》
3 《古えの墳墓》
2 《裏切り者の都》
-土地 (19)- 4 《グリセルブランド》
4 《引き裂かれし永劫、エムラクール》
-クリーチャー (8)-
2 《紅蓮地獄》
2 《トーモッドの墓所》
2 《魔術遠眼鏡》
1 《ヴェンディリオン三人衆》
1 《狼狽の嵐》
1 《水流破》
1 《紅蓮破》
1 《赤霊破》
1 《残響する真実》
1 《ウルザの後継、カーン》
-サイドボード (15)-
たった数リーグを消化しただけで《目くらまし》が心底恋しくなりました。《目くらまし》はスニーク・ショーの自然な動きによりフィットした呪文なのです。たとえば、《呪文貫き》とは違って序盤の準備ターンにタップアウトしながらキャントリップ呪文を唱えられますし、1ゲーム目に《呪文貫き》を構えようと《水蓮の花びら》を設置して手札を見透かされる心配もなく、《グリセルブランド》のドロー効果で《呪文貫き》と《水蓮の花びら》の2種を見つける必要がありません。
こういった考えから、《猿人の指導霊》と《目くらまし》を入れた直近のリストに立ち返ることにしました。唯一変更を加えたのはサイドボードの《血染めの月》の枠を《魔術遠眼鏡》に変えたことです(《血染めの月》よりも《魔術遠眼鏡》を優先させる理屈が気になる方は前回の記事をご参照ください)。
かつて《血染めの月》はティムールデルバーに対するサイドボードプランに必須のパーツでした。スゥルタイデルバーに対しても同様に効果的であると思われますが、青赤デルバーこそが現時点で最大勢力のデルバーデッキになるだろうと予想していました。
《全知》を不採用にする不利な点は、グランプリ当日に一定数の使用者数がいるであろうデス&タックスとの相性が悪化し得ることです。とはいえ、《猿人の指導霊》はデス&タックスに対して《全知》と類似した利点があると考えています。《全知》と異なり《猿人の指導霊》は《ファイレクシアの破棄者》と《カラカス》のロックを突破できませんが、マナ否定戦略に対して非常に効果的であり、相手の対策カードが出てくるよりも早く《騙し討ち》を使った攻めに貢献します。
さらに、この相手に対しては《呪文貫き》よりも《目くらまし》の方が優れています。《呪文貫き》で打ち消して大きなインパクトがあるのは早いターンの《霊気の薬瓶》ぐらいなものです。《目くらまし》はコンボを1ターン遅らせてしまいますが、《スレイベンの守護者、サリア》や《ファイレクシアの破棄者》といった早期の致命的なヘイトベア―を打ち消せることの方が重要でしょう。
10勝5敗という出だしは《全知》の構築に比して劣っていたものの、戦績にかかわらずそのデッキの動きはより円滑であると感じ、《猿人の指導霊》と《目くらまし》を入れた構成を使い続けました。その結果はたちどころに表れ、16連勝をした後に《レンと六番》の禁止からグランプリ開催までに一度だけ行われたレガシーチャレンジを優勝しました。
その後の月曜日に体調を崩してしまい、ようやく調整に復帰した水曜日はレガシーリーグを0-4でドロップ。とはいえ、総合戦績は29-10という十分なものであり、レガシーチャレンジを制したときのものとまったく同じリストをグランプリに登録することにしました。本来なら(《レンと六番》が禁止される前のときのように)試合のサンプル数をもっと多くしたいところでしたが、それを実現するだけの時間は残されていませんでした。私は本番に向けて脳を休め、しっかりと体調を戻すことにし、見事にその狙いは達成されました。
デッキリストとグランプリレポート
1 《冠雪の島》
3 《Volcanic Island》
2 《溢れかえる岸辺》
2 《霧深い雨林》
2 《汚染された三角州》
2 《沸騰する小湖》
3 《古えの墳墓》
2 《裏切り者の都》
-土地 (19)- 2 《猿人の指導霊》
4 《グリセルブランド》
3 《引き裂かれし永劫、エムラクール》
-クリーチャー (9)-
各ラウンドの展開を部分的にご紹介しましょう。
1~2回戦:Bye
3回戦:デス&タックス ××
1ゲーム目、2ターン目の《スレイベンの守護者、サリア》に対し、3ターン目に《グリセルブランド》を展開。しかしその《実物提示教育》から相手が戦場に出したのは《迷宮の霊魂》で、盤面にはすでに《カラカス》があり、ここから私は建て直すことができませんでした。上記のプレイ以外に選択肢はなかったため、相手が《ファイレクシアの破棄者》》(あるいは《迷宮の霊魂》)を持っていないことに期待し、《グリセルブランド》の能力を1~2回起動して《スレイベンの守護者、サリア》を突破して勝つプランを描いたのです。
2ゲーム目は1ターン目に展開された《ルーンの母》を2ターン目に《紅蓮地獄》で除去する滑り出しで、続く3ターン目には盤面が更地の状態で《実物提示教育》を唱えました(相手の場に《カラカス》はありましたが)。相手は《ちらつき鬼火》を出し、《カラカス》で《グリセルブランド》をバウンスしたものの、こちらは14枚のドローを実現。《紅蓮地獄》や《目くらまし》以外の打ち消し呪文が見つからず、2枚とも見つかった《残響する真実》で2ターン連続《ちらつき鬼火》をバウンスする展開に。それでも《カラカス》や後続として展開された《スレイベンの守護者、サリア》を突破してコンボを決めるために必要なマナとコンボパーツ、あるいは《魔術遠眼鏡》も見つけられませんでした。
2-1
4回戦:スゥルタイデルバー ○○
相手のデッキがわからないなか、後手の1ゲーム目は《水蓮の花びら》《水蓮の花びら》《猿人の指導霊》《思案》《実物提示教育》《意志の力》というリスクのある6枚をキープしました。この手札に求められるのは、相手の妨害数が1以下であること、そしてクリーチャーを素早く引き込むことでした。できれば《グリセルブランド》が好ましく、《引き裂かれし永劫、エムラクール》が苦手とする《カラカス》などの対策カードへの耐性がある程度あります。
相手が1ターン目に《Underground Sea》から《秘密を掘り下げる者》をプレイしてきたときは、少し意気消沈しました。しかしながら、何もアクションをとらなかった1ターン目の後、2回目のドローステップで《グリセルブランド》を引き込むことに成功。相手の妨害は《意志の力》1枚だけで、コンボを押し通すことができました。2ゲーム目、相手はクロックを展開してこなかったものの、《意志の力》2枚、《呪文貫き》、《思考囲い》という妨害手段が満載な手札でした。しかしこちらにはそれを乗り越えるだけのクリーチャー展開手段、そして打ち消し呪文がありました。
3-1
5回戦:赤単スニーク ○○
対戦前にオムニ・スニーク入門編の記事について感謝されたため、相手の方はオムニ・スニークに似た戦略を使用している、あるいは使用していた経験があるかもしれないと推測しました(もしくは《実物提示教育》デッキを使っていると思わせたいという作戦)。1ターン目は《古えの墳墓》を置いてターンを返してきたため、ミラーマッチの可能性は捨てきれませんでした。こちらは打ち消し呪文が多い手札であり、2ターン目に《山》を置き《猿人の指導霊》を追放して唱えられた《騙し討ち》には《意志の力》で対抗。スニーク・ショーでないという確信はなかったものの、赤単である可能性が濃厚でした。
その後、相手は《血染めの月》や(X)=1の《虚空の杯》を展開。私は両者を打ち消しませんでした。相手の場には依然として《古えの墳墓》と《山》しかなく、実は《血染めの月》は相手への影響の方が大きかったのです。私は土地3枚で詰まっていましたが、ついに4枚目の土地を引き込み、《騙し討ち》を設置。次のターンに《引き裂かれし永劫、エムラクール》と《グリセルブランド》を戦場に送り込みました。
4-1
6回戦:ANT ×○○
7回戦:中速デプス ×○○
6~7回戦の詳細はあまり覚えていないのですが、どちらも1ゲーム目に負け、絶体絶命の状況で大接戦の2戦目以降を戦ったことは記憶しています。2日目を確定させ、大きく胸をなでおろしましたが、初日を好成績で終えるために集中を途切らせないように意識しました。
6-1
8回戦:エルドラージ ○○
フィーチャーマッチに選ばれました。ところが、フィーチャー席に移動してみるとすでに全席が埋まっており、もとの席に引き返すはめに。8回戦は10分とかからず勝つことができました。1ゲーム目は相手が《難題の予見者》で妨害してくる前に《実物提示教育》から《グリセルブランド》を早々に展開。相手は《カラカス》を引いておらず、《グリセルブランド》が次のターンに《騙し討ち》を見つけ出しました。
2戦目も同様に《実物提示教育》から《グリセルブランド》を速攻で着地させたのですが、今度は相手が《終末を招くもの》を持っていました。私はすかさず《グリセルブランド》のドロー効果で《騙し討ち》と《引き裂かれし永劫、エムラクール》を引き込み、《終末を招くもの》への解答を揃えました(《残響する真実》や《魔術遠眼鏡》でも対応できました)。
7-1
9回戦:ドレッジ ○×○
1戦目は相手が序盤のターンをキャントリップ連打に費やしていたため、またもや《実物提示教育》と《グリセルブランド》のコンボを早々に決めるだけで事足りました。2戦目は墓地対策を引き込めず、3ターン目あたりに《実物提示教育》と《引き裂かれし永劫、エムラクール》を揃えただけでは相手の速度に及びませんでした。3戦目は初手が3枚になるまでマリガンした相手に対し、こちらは《意志の力》を含む手堅い6枚をキープし、最後は《騙し討ち》からのコンボを決めました。
8-1
初日を8-1で折り返し、最高の気分でした。6~7回戦は非常に早くあっさりと勝てましたが、キャントリップ呪文でまさに欲しいものが見つかることが多い日で、デッキはスムーズに安定した動きを見せてくれました。ところが一転、2日目は正反対の状況に追い込まれます。
10回戦:ドレッジ ×○×
お互いにデッキチェックを受けたところ、相手はスリーブがマークドになっているとして警告をもらいました(マークドに規則性はありませんでした)。1ゲーム目は3ターン目の《引き裂かれし永劫、エムラクール》でも手遅れで、ゾンビトークンの群れ、《イチョリッド》、《甦る死滅都市、ホガーク》にとどめの総攻撃をしかけられてしまいました。
2ゲーム目は《グリセルブランド》を速攻で展開して勝利。3ゲーム目は《意志の力》に加えてキャントリップが多い手札をキープし、1ターン目の《信仰無き物あさり》を打ち消しました。しかし残念ながら、相手は2ターン目にキャントリップからのキャントリップで爆発したのに対し、私のキャントリップは何も見つけられませんでした。
8-2
この敗北はそこまで気になりませんでした。ドレッジとの相性は拮抗していますし、相手は毎ゲーム7枚の初手をキープしてきたからです。初日も初戦を落としてから全勝したので、ここから全勝するつもりでしたし、その自信もありました。
11回戦:バント《食物連鎖》 ××
1ゲーム目は《意志の力》を使いながら《実物提示教育》を解決し、こちらは《グリセルブランド》を、相手は《食物連鎖》を展開しました。しかし不運なことに、《グリセルブランド》の能力を2回起動し、キャントリップ呪文を3度唱えても《目くらまし》が数枚見つかっただけ。明らかにトップデッキした《意志の力》を盾に《護衛募集員》を通され、《歩行バリスタ》をサーチされました。挙句に《意志の力》のコストで追放された《霧虚ろのグリフィン》を使って生成された無限マナを《歩行バリスタ》に注ぎ込まれて負けました。
2ゲーム目はダブルマリガンでした。2ターン目の《秘儀の職工》は《意志の力》で打ち消され、3ターン目の《実物提示教育》もまた《意志の力》で打ち消されました。しかも相手は再びすべてのコンボパーツ、《食物連鎖》《霧虚ろのグリフィン》《護衛募集員》を持っていました。
8-3
この敗北によってトップ8争いから脱落してしまい、それにともなって精神的にも打ちのめされてしまいました。とはいえ、上々の成績を拾える可能性を信じ、以降のラウンドも全力を尽くすことを心に決めました。
12回戦:エルドラージ ×○×
1戦目は、キャントリップ呪文と打ち消し呪文に偏った手札をキープしました。1ターン目の《アメジストのとげ》を《目くらまし》で打ち消し、しばらくしてから《騙し討ち》を引き込むことに成功。しかし残念なことに、こちらがクリーチャーを見つけるよりも先に相手は《魂の洞窟》を使って《エルドラージのミミック》と《現実を砕くもの》による高速クロックで勝負に決着をつけました。
2戦目は《グリセルブランド》による圧勝。3戦目はコンボパーツが1枚足らず、探している間に2枚の《目くらまし》をケアしながら複数の《難題の予見者》が他のコンボパーツを手札から奪っていきました。
8-4
13回戦:青赤デルバー ×○×
土地事故に悩まされた1ゲーム目。《秘密を掘り下げる者》と《戦慄衆の秘儀術師》の高速クロックによる援護を受けた2枚の《目くらまし》を前に敗北しました。2ゲーム目はどうやって勝ったのか記憶が定かではありません。最終戦は《騙し討ち》を2枚の《狼狽の嵐》で守りながら通そうとしたものの、《意志の力》を3連打されて負けました。
しかし残された最後のターンにわずかな希望がありました。相手は手札が空の状態であり、キャントリップ呪文でライブラリー30枚のなかに眠る4枚の《実物提示教育》のうちの1枚でも見つかれば勝機が見えます。しかし天は私に味方せず、ライブラリーシャッフルを織り交ぜながら3度のキャントリップ呪文を打っても見つかったのは《騙し討ち》の2枚だけ。盤面に赤マナは1つしかなく、そのエンチャントを使うことはできませんでした。
8-5
14回戦:ティムールオムニテル(《燃え立つ願い》入り)
ドイツ人の友人であるフロリアン・コッホ/Florian Kochが対戦相手でした。Magic Onlineで対戦したときは青黒に3色目をタッチした《死の影》デッキやシミックカラーのオムニテルを使っていましたが、今大会ではグランプリ・ヘント2012で使用した《燃え立つ願い》入りのオムニテルへと回帰していました。対戦前・対戦中・対戦後に渡って我々は和やかなトークを交わし、接戦の3ゲームを経て勝利は彼の手に渡りました。3ゲーム目の終盤で《騙し討ち》を引けていれば勝てるチャンスがあったタイミングがありましたが、《思案》でシャッフルした後に5連続で土地を捲ってしまいました。
8-6 ドロップ
残念ながら、2日目はデッキが私に力を貸してくれませんでした。キャントリップがキャントリップを呼び、しまいには不要なカードが見つかることがほとんどで、命運を分かつターンで何枚もあるはずの解決の糸口をドローできない。そんなことが続いたのです。しかし喜ばしいこともありました。スニーク・ショーについてオンライン上で語り合ってきたマット・ブラウン/Matt Brownと会えただけなく、その彼が私の75枚と3枚しか違わないリストでトップ8に入賞できたのです。私はホテルの部屋に戻り、グランプリのものとまったく同じリストで臨んだレガシーチャレンジを5-2という消化不良な結果を残してその日を終えました。
Congratulations to @MattBrown_MTG for making the Top 8 of Grand Prix Bologna! #MTGBolognapic.twitter.com/4E9HrNJzDS
— ChannelFireball (@ChannelFireball) December 1, 2019
マット・ブラウンがグランプリ・ボローニャのトップ8に入賞!おめでとう!
月曜日に帰宅し、同じリストをMagic Onlineで引き続き使ってみたところ、4日間連続で5-0のトロフィーを1つ獲得できました。この構成がどんなメタゲームにおいても素晴らしいものであるという信念は変わりません。特に《目くらまし》は主にデルバー対策という印象から、ほぼすべてのマッチアップで強力だという印象に変わっていきました。それは後手であってもです。このリストには一切手を加えようと思いませんし、メタゲーム上のスニーク・ショーの全体的な立ち位置がよいという確信は今後も持ち続けるでしょう。
《王冠泥棒、オーコ》を搭載した人気の多色デッキは、ミラーマッチを有利にするためにアドバンテージを得ることに傾いてきており、総じて相性は良好です。たとえ《引き裂かれし永劫、エムラクール》がオーコに大鹿にされて負けたり、サイドボード後の相性が拮抗していたとしてもです。
《夏の帳》や《変容するケラトプス》をサイドボードに搭載したエウレカ・テルも現在はよい選択になり得ますが、向こう数週間は《猿人の指導霊》と《目くらまし》を入れたスニーク・ショーを自分の武器として選び続けるでしょう。
おまけ:サイドボードガイド
ボーナスコンテンツをご用意しました。《猿人の指導霊》と《目くらまし》を使ったスニーク・ショーのサイドボードガイドです。ではまたの機会にお会いしましょう!
デルバー系
対デルバー系
例外:スゥルタイデルバーに対しての後攻
対スゥルタイデルバー(後手)
バント系オーコ
対バント系オーコ
スゥルタイ系オーコ
対スゥルタイ系オーコ
ANT
対ANT
スニーク・ショー
対スニーク・ショー
黒赤リアニメイト
対黒赤リアニメイト(先手)
対黒赤リアニメイト(後手)
ドレッジ(《ライオンの瞳のダイアモンド》入り)
対ドレッジ(《ライオンの瞳のダイアモンド》入り)
デス&タックス
対デス&タックス(先手)
対デス&タックス(後手)
黒緑デプス
対黒緑デプス(先手)
対黒緑デプス(後手)
赤単プリズン
対赤単プリズン(先手)
対赤単プリズン(後手)
エルドラージ
対エルドラージ
土地単
対土地単
ヨナタン・アンゲレスク (Twitter)