Translated by Takumi Yamasaki
(掲載日 2019/12/25)
はじめに
2019年はマジックのパワーレベルが大幅に向上した年でしたね。『灯争大戦』『モダンホライゾン』『基本セット2020』、そして『エルドレインの王権』はすべてのフォーマットに影響を与え、特にモダンはその中でもより大きな影響を受けました。最近では、シミックをベースとした《最高工匠卿、ウルザ》デッキが非常に優れたパフォーマンスを発揮し、グランプリ・コロンバス2019では優勝することさえありました。
1 《冠雪の森》
2 《繁殖池》
1 《湿った墓》
2 《神秘の聖域》
4 《霧深い雨林》
2 《溢れかえる岸辺》
2 《汚染された三角州》
2 《沸騰する小湖》
-土地 (20)- 4 《金のガチョウ》
4 《湖に潜む者、エムリー》
4 《最高工匠卿、ウルザ》
-クリーチャー (12)-
2 《謎めいた命令》
4 《ミシュラのガラクタ》
4 《オパールのモックス》
3 《仕組まれた爆薬》
1 《永遠溢れの杯》
4 《アーカムの天測儀》
1 《魔法の井戸》
4 《王冠泥棒、オーコ》
3 《大いなる創造者、カーン》
-呪文 (28)-
2 《致命的な一押し》
2 《思考囲い》
2 《暗殺者の戦利品》
2 《湖での水難》
1 《トーモッドの墓所》
1 《真髄の針》
1 《罠の橋》
1 《マイコシンスの格子》
-サイドボード (15)-
グランプリ・オースティン2019への参加を計画中なので、モダンには注目しています。コロンバスでの結果から分かるように、倒さなければならないデッキは明確です。同時に私は、スタンダードとパイオニアで《死者の原野》が禁止にされたことも気になっています。あのカードは誰にでも勝てる能力を擁していましたからね。このウルザオーコというデッキはただの強力なミッドレンジデッキのように思えるので、《死者の原野》を使って倒すことができるのではと考えたのです。
現在モダンには、《死者の原野》を使ったデッキにアミュレットタイタンとタイタンシフトという2つの強力なデッキがすでに存在しています。理論上はアミュレットタイタンの方が優れたデッキではあるのですが、環境には大量の《減衰球》が溢れています。できればこれらを避けたいので、まずはタイタンシフトを検討することにしました。また、マジックオンライン上ではエルドラージトロンが流行っていることもあり、タイタンシフトはそれらに有利であることも理由の1つです。
ということで、マジックオンラインのモダンチャレンジではこちらのデッキで参加することにしました。
3 《冠雪の山》
1 《森》
1 《冠雪の森》
4 《踏み鳴らされる地》
2 《燃えがらの林間地》
1 《隠れた茂み》
4 《樹木茂る山麓》
1 《霧深い雨林》
1 《新緑の地下墓地》
1 《吹きさらしの荒野》
3 《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》
1 《ギャレンブリグ城》
2 《死者の原野》
-土地 (28)- 2 《樹上の草食獣》
4 《桜族の長老》
4 《原始のタイタン》
-クリーチャー (10)-
このリストは『エルドレインの王権』発売直後にティエン・ヌウェン/Thien Nguyenからもらったリストがベースになっています。ただ《樹上の草食獣》と《約束の刻》を少し試してみたかったので、それ用に枠を作りました。大会結果はトップ8を賭けた戦いでバーンに負けて5-2でフィニッシュ。ウルザオーコやエルドラージデッキとは対戦できませんでしたが、デッキの動き自体はとても好きになりましたね。
《死者の原野》はデッキに多角的な攻めを与えてくれました。タイタンシフトのここ最近のアップグレードの中でもっとも注目に値するものであり、2枚プレイできたときは本当に楽しかったです。さらにもう1つ、《ギャレンブリグ城》には本当に感動しましたね。大会中、《ギャレンブリグ城》のおかげで3ターン目に《原始のタイタン》をプレイできたゲームがありました。そして多くの場面で、ランプスペルが1枚しか引けないような弱い展開で4ターン目に《原始のタイタン》をプレイするために、《ギャレンブリグ城》を引きたいと願っていたのです。
デッキの再構築
週の後半に再びデッキについて考えはじめ、3ターン目に《原始のタイタン》をプレイできる確率を最大限に高めたいと決心しました。まず最初にできたデッキがこちらです。
3 《冠雪の山》
1 《森》
1 《冠雪の森》
4 《踏み鳴らされる地》
2 《燃えがらの林間地》
1 《隠れた茂み》
4 《樹木茂る山麓》
1 《霧深い雨林》
1 《新緑の地下墓地》
1 《吹きさらしの荒野》
4 《ギャレンブリグ城》
2 《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》
2 《死者の原野》
-土地 (30)- 4 《樹上の草食獣》
4 《桜族の長老》
4 《原始のタイタン》
-クリーチャー (12)-
2 《夏の帳》
2 《神々の憤怒》
1 《溜め込み屋のアウフ》
1 《シルヴォクののけ者、メリーラ》
1 《再利用の賢者》
1 《不屈の追跡者》
1 《カメレオンの巨像》
1 《強情なベイロス》
1 《スラーグ牙》
1 《四肢切断》
-サイドボード (15)-
どうしてこのような形になったのか、思考の過程を説明しましょう。まずより多くの土地を追加し、《ギャレンブリグ城》を増量するために3枚目の《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》を削ることにしました。土地の枚数を多くすることで、4枚の《樹上の草食獣》をより上手く使うことができます。また、このカードは3ターン目に5マナ用意するための重要なピースでもあります。さらに、モダンチャレンジで《死者の原野》に感銘を受けたので、最大限に活用するために《約束の刻》を4枚にしてみました。
フルに搭載された《召喚士の契約》は、サイド後に特定のマッチアップ用にクリティカルなクリーチャーをいろいろとサイドボードに用意してあるので、ゲームをより面白いものにしてくれます。
モダンチャレンジの後、《風景の変容》を3枚ほど減らそうと思っていました。ハンドにかさ張りますし、それでいて7枚、時には8枚もの土地を必要とすることに感心できなかったからです。ほかのカードの枠も作るために1枚にしましたが、今のところ快適に感じています。いくつかリーグをこなして気づいたのは、感染とバーンのような自分より速いデッキはかなりきついなということでした。
《約束の刻》がそれらに対して有効でないことは分かりましたが、マッチアップによってはとても輝くことがあります。さらに気づいたことは、《むかしむかし》を0マナでプレイしたときに、このカードをもっと使わないのは馬鹿げているなと感じたことでした。最初に掲げた目標が、「3ターン目に《原始のタイタン》をプレイする確率を最大化する」というものでしたから、《原始のタイタン》や《ギャレンブリグ城》、《樹上の草食獣》を探せるカードは多いにこしたことはありません。
その後も思考を重ね、最終的にこのようなリストになりました。
3 《冠雪の山》
1 《森》
1 《冠雪の森》
4 《踏み鳴らされる地》
1 《燃えがらの林間地》
1 《隠れた茂み》
4 《樹木茂る山麓》
1 《霧深い雨林》
1 《新緑の地下墓地》
1 《吹きさらしの荒野》
4 《ギャレンブリグ城》
2 《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》
2 《死者の原野》
-土地 (29)- 4 《樹上の草食獣》
4 《桜族の長老》
4 《原始のタイタン》
-クリーチャー (12)-
2 《夏の帳》
2 《神々の憤怒》
1 《溜め込み屋のアウフ》
1 《シルヴォクののけ者、メリーラ》
1 《再利用の賢者》
1 《不屈の追跡者》
1 《カメレオンの巨像》
1 《強情なベイロス》
1 《スラーグ牙》
1 《四肢切断》
-サイドボード (15)-
このリストは非常に感触が良く、懸念していた赤単果敢やグリクシス/4色《死の影》などにも勝つことができました。そして、これまでのマジックの多くの試合ですでに証明されているように、《むかしむかし》は私の思い描いていたゲームプランに信じられないほどの一貫性を与えてくれました。
また、このデッキでは1ターン目に《明日への探索》を「待機」した後に、何が必要か情報をより多く得た状態で2ターン目に《むかしむかし》をタダで使うことができます。それに加え、サイド後に追加したクリーチャーを探しやすくなるので、シルバーバレット戦略により一層磨きがかかっているのです。
改善の可能性
現在、メインデッキに変更を加えようとは考えていません。また、サイドボードのほとんどは今まで対戦してきたマッチアップで実際に使用したものばかりで気に入っています。いま検討しているのは、バーン用に《強情なベイロス》1枚と《血染めの月》への解答になる《再利用の賢者》をいれるかどうかです。
もし削るのであれば、サイドのクリーチャーの中で弱いと感じている《溜め込み屋のアウフ》、《シルヴォクののけ者、メリーラ》、《不屈の追跡者》辺りでしょうか。《溜め込み屋のアウフ》と《シルヴォクののけ者、メリーラ》はどんなデッキに直面するかによりますが、《溜め込み屋のアウフ》は実際にはウルザオーコに対してそこまで活躍しないということは覚えておいてください。特に、ランプスペルを唱えた後の3ターン目に《召喚士の契約》で持ってきた《溜め込み屋のアウフ》では遅すぎることがあります。
《不屈の追跡者》はコントロールに対して強く、《ヴェールのリリアナ》に対して積極的にリソースを増やしてくれるので、そこまで悪いというわけではありません。
モダンで使える緑のクリーチャーをざっと見てみましたが、使えそうなのは《スズメバチの巣》、《深き森の隠遁者》、《酸のスライム》くらいでした。《原始のタイタン》と同じかそれ以上のコストのカードには価値がないと考えています。6マナ以上用意できたら、《原始のタイタン》以外のクリーチャーを必要としませんからね。
サイドのクリーチャー以外のカードについてはあまり自信がありません。《四肢切断》は使っていてかなり強いと感じましたね。感染やウルザオーコ、エルドラージ、《死の影》デッキのような当たりたいマッチアップにおいては、1枚目であればライフコストはそこまで気になりませんでした。また、自分のゲームプランをできるだけ遂行したいので、単体除去に1マナ以上費やしたくありません。もし除去を追加するのであれば、2枚目の《四肢切断》か単に《稲妻》を採用するでしょう。
《夏の帳》は確かに素晴らしいカードですが、最初の数ターンは頻繁にマナをすべて使い切ってしまうので、序盤の手札破壊を防ぐことは少し難しいです。ですから、もちろん手札破壊してくるデッキ相手にサイドインはしますが、ほとんどの場合、ゲームが長引くカウンターを有する相手のほうが価値が高くなるでしょう。さらに、土地も守ることができるので、《暗殺者の戦利品》や《大爆発の魔道士》などをカウンターできると美味しいですね。
《神々の憤怒》は私が望んでいたほどの活躍はしませんでした。ドレッジ対策と考え正当化こそしましたが、結局のところドレッジ相手は《這い寄る恐怖》を連打するなどバーンデッキとしての側面を相手が発揮できるかにかかっています。このマッチアップでは、《強情なベイロス》の方がより価値があるでしょう。といっても、クリーチャーデッキに対して《神々の憤怒》が1枚あっても別に困りませんし、感染に対してもサイドインできるのはむしろプラスです。
《減衰球》をサイドボードに採用できるのは、ほかの土地コンボよりもポイントが高いです。ただし、《減衰球》があるときに《召喚士の契約》で持ってきたクリーチャーをそのターン中に出そうとすると、コストが重くなるので少し自分のゲームプランにとって邪魔になることもあります。
このことを念頭に置き、あらかじめ《召喚士の契約》を相手ターンのエンドステップにプレイし、6マナのターンに《原始のタイタン》を場に出せるよう、前倒しで契約コストを払うことも検討しましょう。4枚目の《減衰球》の枠を作ることはできますが、いまデッキ自体の速度が以前より上がっているので、必ずしも4枚必要というわけではありません。
サイドボーディング
一般的に、常に正しいサイドボーディングをし続けたいと考えるのが普通でしょう。このタイタンシフトは今までより対応力は落ちましたが、その分自分のゲームプランを遂行することに長けています。過去にタイタンシフトをプレイしたことがある人は、クリーチャーデッキ相手に《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》とランプスペルを使ってコントロールデッキのように振舞う経験をしたことがあるかと思います。
ですが、そんなことはもうこのデッキでは起きません。ほぼすべてのゲームで《原始のタイタン》を素早く見つけプレイし、サイド後にはランプスペルから3ターン目以降に対戦相手の脅威となるクリーチャーをたたきつけることになるからです。
遅いマッチアップでは、《樹上の草食獣》をすべてサイドアウトする余裕があります。このカードはデッキ内で最も価値の変動が大きいカードで、相手からのプレッシャーがそこまでない場合は必要ありません。また、ブロッカーとしても優秀で時間を稼ぐ最高の働きをしてくれることもあります。さらにこのカードは、土地を置けない可能性が低くなることと、ブロッカーが必要かどうか判断しやすくなるため、わずかに後手の方が強いです。
エルドラージトロン
vs. エルドラージトロン
相性はとてもいいですが、《召喚士の契約》を抜くべきかどうかはよく分かりません。もしこのバージョンのタイタンシフトが流行れば、対戦相手は喜んで《虚空の杯》をX=0で置くためにキープしてくることでしょう。
同時に、ゲームプランの一貫性を損ないたくないので、《原始のタイタン》が止まらないよう《罠の橋》を処理できる《再利用の賢者》をサイドインしています。
「《ウルザの後継、カーン》+《マイコシンスの格子》」が揃ったとしても《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》と《死者の原野》は機能するので、投了する前にまだ勝てるかどうか考えましょう。
グリクシス/4色《死の影》
vs. グリクシス/4色《死の影》
これは、今までのタイタンシフトに比べ大幅に相性が改善されたであろうマッチアップの素晴らしい例です。相手は《ギャレンブリグ城》に干渉する手段がなく、たとえ3ターン目の《原始のタイタン》を妨害されたとしても、ハンドに集ったそれらを4~5ターン目にまた叩きつければよいのです。
そのうえ、4枚づつ投入された《召喚士の契約》と《むかしむかし》で《カメレオンの巨像》にアクセスしやすく、それだけでゲームに勝ててしまうでしょう。《不屈の追跡者》と《スラーグ牙》はあまり持ってくることはありませんが、《グルマグのアンコウ》や《死の影》、または《タルモゴイフ》に対して堅実な働きをしてくれます。
ウルザオーコ
vs. ウルザオーコ
相手のデッキはやや遅いので、ランプスペルをサイドアウトし、後半のゲームで強いカードをトップデッキするためにデッキ内を強くする余裕があります。繰り返しますが、多くの場面において《召喚士の契約》で《原始のタイタン》以外のクリーチャーを持ってくることはほとんどありません。ただ、サイドから投入したクリーチャーは時に目覚ましい活躍をみせることがあり、ゲーム序盤では嬉しいドローになることも多いのです。
感染
vs. 感染
難しいマッチアップですが、間違いなく感染側に強い動きを強いさせることができますし、《荒廃の工作員》がなければ、《樹上の草食獣》がそれなりに時間を稼いでくれます。対戦相手は《巨森の蔦》などを構え1マナを残してターンを返せば安全だと思い込むので、その裏をかける《神々の憤怒》をサイドインするのはいいと思います。対戦相手の多くのバックアップスペルをすり抜けて脅威を処理できるのは良いですね。
このマッチアップでは、対戦相手が《王冠泥棒、オーコ》をサイドインしてこないことを望んでいます。《シルヴォクののけ者、メリーラ》を対処されますし、勝利条件として《原始のタイタン》もあてにしていますからね。一度攻撃さえすればゲームを終わらせられることができ、《風景の変容》と同様に効果的なクロックになります。
こちらのデッキを完璧に把握されていなければ、感染側は最速で倒そうとしてくるはずなので、《王冠泥棒、オーコ》をサイドインしてくることはないでしょう。
ドレッジ
vs. ドレッジ
ドレッジをたくさん使い込んできた私としては、このマッチアップはタイタンシフト側が不利だと感じています。ドレッジ側は基本的にバーンデッキのように動き、だいたい4ターン目にはゲームを決めてきます。メイン戦は《樹上の草食獣》が少しは時間を稼いでくれますが、《這い寄る恐怖》のライフゲインがこちらの勝利を遠ざけます。
サイド後は《強情なベイロス》が支えてくれるでしょう。このマッチアップにおいて《風景の変容》はあまり好きではありません。《這い寄る恐怖》のせいでライフが18以上になることが多く、ゲームを決めるには土地が8枚必要ですからね。もう少し対策を厚く取るのであれば、《漁る軟泥》や追加の《強情なベイロス》、そして《大祖始の遺産》などの専用の墓地対策を検討します。
バーン
vs. バーン
このマッチアップも難しいですが、バーンは土地からダメージを受けることが多いので、《風景の変容》で7枚の土地からリーサルを狙うことができます。こちらのライフゲインクリーチャーを警戒して《頭蓋割り》を構えてそうなときは、あえて出さずにマナを伸ばすチャンスです。このマッチアップではあまり除去をする必要はありません。《樹上の草食獣》と《桜族の長老》が多くの戦闘ダメージを軽減してくれますからね。
5色人間
vs. 5色人間
このマッチアップでは、《翻弄する魔道士》を除去できないと大変なことになります。5色人間用にサイドボードに検討しているのが《龍王アタルカ》です。このカードはほかのマッチアップでも活躍しますが、劇的に効くような相手がいない限りはサイドボードにいれません。ただ、《ギャレンブリグ城》で早くプレイできるのは魅力ではあります。
トロン
vs. トロン
《解放された者、カーン》や《絶え間ない飢餓、ウラモグ》が土地を追放してきますし、トロン相手には8枚土地を用意しなければリーサルにならないので、《風景の変容》を1枚サイドアウトしました。このマッチアップでは、《解放された者、カーン》を持ってないことを祈りながら《原始のタイタン》をプレイするか、2ターン目に《減衰球》を置きましょう。《溜め込み屋のアウフ》は2ターン目に出せたときだけ強いですが、後手時だと価値は下がります。
いつタイタンシフトを選択するべきか
このデッキがモダンを壊すようなデッキであるとは思いません。タイタンシフトは自分より速いデッキが少ないときに使うのが最適な選択でしょう。《死者の原野》が追加されたことで、今までより遅いデッキや妨害をすり抜けて勝つことに非常に優れています。
個人的に最も改善したマッチアップは《死の影》デッキです。以前はかなり不利に感じていましたが、《ギャレンブリグ城》や《カメレオンの巨像》のおかげで、今では微有利だと感じています。
アミュレットタイタンと比較するのは実に簡単で、冒頭でも言いましたが《減衰球》を無視できるのは大きなメリットです。もうひとつのメリットは、1対1交換をしてくるデッキほぼすべてに対して優位性があることです。また、アミュレットタイタンは《原始のタイタン》を出すまでに特定のスペルを組み合わせる必要がありますが、こちらのデッキは似たような効果を持つスペルだらけでシンプルなのです。
《原始のタイタン》にアクセスできない場合を両デッキで考えると、タイタンシフトのほうが《死者の原野》の条件を満たしやすいでしょう。アミュレットタイタンは、バウンスランドが7種類の土地を揃えにくくしてしまいますからね。実際に《原始のタイタン》や《風景の変容》を使うことなく、4ターン目からゾンビを生成したゲームもいくつかありました。
なぜ赤を使うのか?
このデッキを組む際、赤いカードがサイドボードに2枚しかないのに《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》とたくさんの山をデッキに入れる必要はあるのかと疑問に思いましたが、全体の勝率を上げるには必要だと確信しています。速いマッチアップは避けたいものですが、《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》と山にアクセスできるおかげで、まだ勝ち続けています。
白や黒をタッチすることで、アグロに対しての問題は解決できるかもしれませんが、私のデッキは非常に合理化されており、使用可能な赤い除去ですらほとんど採用していません。《死者の原野》をより上手く使ったデッキを目指し、さらに特化させるのは間違いなくモダンにおいて価値があるでしょう。しかし、いまこのデッキでは自分のゲームスピードを気にしているので、妨害はほとんどの場合必要ではないのです。
また、このデッキの《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》の価値は以前の型よりも大幅に劣っています。私は参考にしたリストから山(《燃えがらの林間地》)を1枚削りました。このデッキでは頻繁に、《原始のタイタン》や不足しているパズルのピースを探したり、またはプレイするために《ギャレンブリグ城》や基本地形の森から展開することが多いからです。
これはつまり、《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》が主に《原始のタイタン》から持ってくる用のカードであり、《風景の変容》でいち早く勝利することを目的としたカードであることを意味しています。クリーチャーデッキに対して多くのランプスペルを引き込み、コントロールデッキのように上手く振舞うよう機能するツールではもはやないのです。
表面上は、デッキに山以外のカードがたくさんあるので、《原始のタイタン》が十分な速度でリーサルダメージを与えることができないように見えますが、3ターン目に《ギャレンブリグ城》と森、そして3枚の山(もちろんひとつは緑マナを出せる)から《原始のタイタン》をプレイした場合、まず2枚の《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》を持ってくることができます。
そして次のターンに、ランプスペルか山をプレイし、《原始のタイタン》で攻撃することにより、さらにもう2枚山を持ってくることで12点のダメージを与えることができ、それプラス戦闘ダメージで計18点は入ります。もちろん対戦相手は《原始のタイタン》を除去したり、ブロックすることでダメージは抑えられますが、これらの一連の動きは4ターン目に《風景の変容》で18点与えると同様のクロックを現しています。
まとめ
個人的にモダンはいまオープンな環境に見えますが、最近のセットで登場した確かなパワーカードにまだテコ入れすることができると思っています。きっとまたすぐに、なにか禁止になるのではないでしょうか。メタゲームの多くを占めるアーキタイプはひとつもありませんが、SCG Players’ Championshipのデッキリストを見ると、16人中13人が《王冠泥棒、オーコ》を使用しており、5~6個のアーキタイプに渡って採用されていることに気づくでしょう。
1枚のカードがフォーマットを支配しているのは稀ですし、必ずしもひとつのアーキタイプが支配しているということでもありませんが、それでもまだ禁止にする価値があると思います。グランプリ・オースティンの前になにかが禁止にされるとは思わないので、もしあなたが私と同じように参加するのであれば、メタゲームの変化を見ながらタイタンシフトのことも念頭に置いておいてください。
さて、今回は新しい形のタイタンシフトについて解説しました。いつも記事を読んでくれてありがとうございます!もし質問があれば何でも聞いてください。また、定期的に配信も行なっているので、よければそちらもチェックしてみてください!