決勝戦:伊勢 知弘(逆説ストーム) vs. 芥川 正樹(MUD)
晴れる屋メディアチーム
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By Yuma Yamamura
2019年最後となった帝王戦ヴィンテージ。今回も全国からたくさんのプレイヤーにお越しいただき、前回を上回る44名での開催となった。
そんな数々のタイトルホルダーが跋扈し、鎬を削った本大会。決勝まで勝ち上がったのは、地元大阪の伊勢 知弘。ヴィンテージプレイヤーの集まるお店「ふらっと」の常連で、大阪のコミュニティーに明るい。ヴィンテージの数あるコンボデッキの一つ、逆説ストームを巧みに操り優勝を狙う。
そして山口県からの刺客、芥川 正樹。MUDの研究会、「日本煙突協会」に属し、本大会もMUDを駆ってここまで上り詰めた。
関西勢同士となった今回の対決。前回帝王Uemuraやヴィンテージ神就任経験もある鳥海など、たくさんのギャラリーが見守る中で、栄えある帝王の座に君臨するのは果たしてどちらか。
伊勢の立ち上がりは《霧深い雨林》と《Mox Ruby》。対する芥川は《Mox Emerald》、《ミシュラの工廠》から《ファイレクシアの破棄者》!
これが通り《Mox Ruby》を指定、伊勢のマナを拘束する!
芥川のエンドフェイズに伊勢は《神秘の教示者》を唱え、持ってくるのは《Ancestral Recall》!!
1ターン目にしてもう目まぐるしい展開だ!!
2ターン目、伊勢は手に入れた《Ancestral Recall》をすぐさま唱えて手札を補充。《汚染された三角州》、《Black Lotus》、《オパールのモックス》を盤面に追加し、次のターンへ繋げる。
芥川は《古えの墳墓》から《アメジストのとげ》。 クリティカルな1枚だが、これは《意志の力》で弾かれてしまう。ここでコストに使用したのは、《逆説的な結果》……。
嫌な予感はするが、ほかにできる行動はなく《ミシュラの工廠》と《ファイレクシアの破棄者》で殴ってターンを返す。エンド前に伊勢は《汚染された三角州》を《Tropical Island》へ。
マナが十分な伊勢、勝負の3ターン目が始まる。まず手札から《汚染された三角州》を出して即《Underground Sea》へ。 そして、《逆説的な結果》!《オパールのモックス》、《Mox Ruby》、《Black Lotus》を戻し3枚ドロー!!
伊勢はここでストームをカウント開始。芥川を倒す算段を付け始める。次に、ライフをコストに《ギタクシア派の調査》を唱えて芥川の手札を確認。公開されたのは《ミシュラの工廠》、《石とぐろの海蛇》と2枚の《高速警備車》。
邪魔するものは何もない。
《オパールのモックス》、《Mox Ruby》、《Mox Pearl》、《Black Lotus》と並べて《Black Lotus》から青3マナを発生させ、《時を越えた探索》!!
……しかし非常に強力なカードを唱えたはずだが、あまり伊勢の表情が芳しくない。あまりにも有効牌がなかったのか、渋い顔で2枚を選択する。 しかしまだ終わった訳ではない。機能停止した《Mox Ruby》をコストに《修繕》をプレイし、持ってくるのは《ボーラスの城塞》!!
「土地なら負け……」とこぼしながらゆっくりとトップを捲る……。
ここで伊勢は
「ターンエンド」
無念!ここでストップしてしまった!!
チャンスが巡ってきた芥川だが、持っているカードでは伊勢を仕留めきることができない。先ほど公開された《ミシュラの工廠》セットからの《高速警備車》。《ファイレクシアの破棄者》と合わせて攻撃し、伊勢のライフを残り3まで落とす。
ターンが戻ってきた伊勢の4ターン目。ドロー後手札から《渦まく知識》。さらに立て続けにトップから《Mox Jet》と《霧深い雨林》。そして手札の《定業》。ここでもう一度ストームをカウントし始める。
《霧深い雨林》を《Underground Sea》へ変換し、2回目の《逆説的な結果》! 《Mox Jet》、《Mox Pearl》、《オパールのモックス》を回収し3ドロー!
がここでも良い札に巡り合えなかったのか、思わずため息が漏れる…。
だがまだ諦めたわけではない。《Mox Jet》、《Mox Ruby》、《オパールのモックス》の再展開からの《Time Walk》!さらに、《商人の巻物》から最後の《逆説的な結果》を手札に加え最後の望みへと繋げる!
さぁ、後がない伊勢の5ターン目。トップから《師範の占い独楽》を唱え残りライフ1。そして、《師範の占い独楽》のドロー能力にスタックして《逆説的な結果》!《Mox Jet》、《Mox Pearl》、《オパールのモックス》、《師範の占い独楽》を手札へ戻し4ドロー+《師範の占い独楽》の能力で追加ドロー!!
が、芥川を倒す札にまだ巡り合えないか。《Mox Jet》、《Mox Pearl》、《オパールのモックス》を再再展開後、《思案》でさらに模索する。手札から新しい《オパールのモックス》を出して《トレイリアのアカデミー》。《師範の占い独楽》を出して能力でトップを確認するが寂しい笑いがこぼれる……。
ここでアクションの止まってしまった伊勢、無念の投了となった。
伊勢 0-1 芥川
伊勢は最初のハンドを一瞥するなりマリガン。対する芥川はノータイムでキープ。次のハンドも「全然違う」と伊勢、痛恨のダブルマリガン。なかなか満足できる手札に巡り合えない。次の7枚でうなりながら渋々キープ。
1ターン目、《Mox Sapphire》から《定業》。1枚を手札に加え、もう1枚は下に送り《汚染された三角州》、《Mox Ruby》、《オパールのモックス》を展開しターンを返す。ダブルマリガンながらもマナを伸ばすことができた。まだまだ挽回できそうだ。
だがそんな希望を打ち砕くがごとく、芥川は《Mishra’s Workshop》から致命的となる《無のロッド》!!
伊勢のマナ基盤の3/4が機能停止してしまう!何とかしなくてはならない伊勢は、芥川のエンド前に《汚染された三角州》を《Underground Sea》へ変換し、《吸血の教示者》。2ターン目ドロー後、持ってきていた《Ancestral Recall》を即使用し手札を追加するが、やはり《無のロッド》が重くのしかかる。そして、芥川の次の一手は《古えの墳墓》からの《磁石のゴーレム》!!
さらに締め上げに掛かる!!
「アカデミー」と祈りながらドローするが、あるのは《霧深い雨林》……。
ターンが返ってきた芥川は、《不毛の大地》で《Underground Sea》を狙いマナを伸ばすことを許さない。フェイズが移行する前に《霧深い雨林》を《Tropical Island》へ変え《Underground Sea》が残したマナと合わせて《渦まく知識》。祈りを込めてドローをするが、ここでも何も発見することができない様子の伊勢。
芥川は《磁石のゴーレム》の攻撃後、《ファイレクシアの破棄者》を追加。芥川の戦場と自身の手札。 提示された情報をもとに必死に思考を巡らせるが、勝利への道が閉ざされたことを悟った伊勢はここで投了となった。
伊勢 0-2 芥川
『第2期関西帝王戦ヴィンテージ』優勝は芥川 正樹!おめでとう!!