スゥルタイインバーターデッキガイド

Joseba Garcia

Joseba Garcia

Translated by Nobukazu Kato

原文はこちら
(掲載日 2020/1/27)
(編集者注:この記事はプレイヤーズツアー/グランプリ前に執筆されたものです。)

新たなコンボデッキ!

みなさんはじめまして!

僕の名前はホセバ・ガルシア/Joseba Garcia。Magic OnlineではElfkidとして知られている。これが晴れる屋に寄稿するはじめての記事になるけど、楽しんでもらえたら嬉しい。今後も執筆できる機会に恵まれると良いね。

さて、今回取り上げるのはパイオニア界で新しくホットなデッキ、《真実を覆すもの》コンボ(インバーターコンボ)だ!

ゲームプラン

タッサの神託者真実を覆すもの

このデッキの軸は《タッサの神託者》《真実を覆すもの》のコンボだ《タッサの神託者》は『テーロス還魂記』で新たに登場したクリーチャーで、モダンで《研究室の偏執狂》に取って代わっていることを知っている人もいるだろう。

コンボについて説明しておくと、《真実を覆すもの》で自分のライブラリーを追放し、その後《タッサの神託者》をプレイして勝利するというものだ。基本的に2枚コンボのデッキだけど、《真実を覆すもの》のビートダウンで勝つこともできる。6/6というサイズが対処できるデッキは少ないからね。

一般的な構成

まずは一般的なインバーターコンボの構成を解説しよう。この構成を知っている人は多いんじゃないかな。チームメイトであるカニスター/kanisterピオトル・グロゴゥスキ/Piotr Glogowski)が配信で使用していたから、彼の配信を追っている人ならこれから紹介するデッキをご存知だろう。

このデッキリストはインバーターコンボを内蔵したディミーアコントロールだ。コントロールとして振る舞い、《スカラベの神》《真実を覆すもの》を手札破壊や打ち消しで守りながら勝つこともできる

このコンボデッキで何よりも素晴らしいのは、採用されている個々のカードが強いことだ《タッサの神託者》はブロッカーとして優秀なだけでなく、デッキを掘り進めてお目当てのカードを探しだしてくれる。さっき言ったように《真実を覆すもの》はアタッカーとしてもブロッカーとしても頼もしいクリーチャーだ。

友人と開発したスゥルタイカラーの構成

続いて紹介するのは、友人のFradelrockディエゴ・フラデジャス/Diego Fradejas)と共同開発した構成だ。インバーターコンボのなかでも最高の構成ができたかもしれないと思っている。通常の青黒に緑を足したスゥルタイカラーだ

森の女人像楽園のドルイド異界の進化

見てのとおり、オリジナルの構成とは少々異なる。《異界の進化》と呪禁を持つ2マナのクリーチャーを活用し、安定してコンボパーツを揃えられるようにするコンセプトだ。しかも、サイドボードに何枚かシルバーバレットを用意しておけば、デッキコンセプトをゆがめることなく相手のサイドボードへを対処できるようになる!

破滅の終焉人質取り再利用の賢者不屈の追跡者

デッキの安定性を強化するため、《破滅の終焉》も採用した。コンボパーツをサーチできるし、メインデッキの《人質取り》やサイドボードの《再利用の賢者》《不屈の追跡者》といったシルバーバレットを探すこともできる。

カードの選択

メインデッキ

メインデッキとサイドボードのカード選択を分析していこう。

マナ加速

森の女人像楽園のドルイド

ほかの構成と一線を画す部分であり、3色目を足すことでコンボの早期達成を可能にしてくれている。コンボをいち早く達成することは本当に大切で、スゥルタイカラーが最強である理由のひとつはここにある

コンボパーツ

タッサの神託者真実を覆すもの神秘を操る者、ジェイス

デッキの勝利手段であり、核をなす部分だ。さっきも解説したけど、《真実を覆すもの》は自分のライブラリーを追放して《タッサの神託者》《神秘を操る者、ジェイス》の価値を高めてくれる。

チューター

異界の進化破滅の終焉

緑を足す理由だね。シルバーバレットを探し出せるし、コンボに速度と安定性をもたらしてくれる。さっき紹介した2マナの呪禁クリーチャーがいるため、除去を回避しつつコンボを成立させやすい。それから《破滅の終焉》は墓地のクリーチャーもサーチできるから忘れないようにしておこう。このカードがかなり強い理由だからね!

手札破壊と除去

思考囲い致命的な一押し残忍な切断

純粋なコントロールデッキではないけど、環境に存在するクリーチャーや呪文をベースにしたデッキを妨害する手段は必要だ。そのため、パイオニアで最強の手札破壊や、質もマナ効率も優れている最高級の除去を用意している。《残忍な切断》には重要な役割があり、追加の除去であるだけでなく、《真実を覆すもの》の効果でライブラリーに戻したくないカードを追放できるんだ。

キャントリップ

選択

今さら解説するまでもないね。パイオニアにおける最強で最軽量のキャントリップだ。使わないわけがない。

シルバーバレット

人質取り

シルバーバレット枠であり、除去枠でもある。用途が無限大な面白いカードであり、特に素晴らしいのは墓地に行かない除去であることだ。それに対コントロールにも有効で、《タッサの神託者》のような自軍のクリーチャーをその効果で追放しておけば、《至高の評決》などの全体除去をケアしたプレイができる《タッサの神託者》に必要な「信心」を1つ追加できるし、《異界の進化》《破滅の終焉》でサーチできるから、チューター呪文を除去として機能させられる。

サイドボード

群れネズミ

4

強迫

3

神秘の論争

3


不屈の追跡者

2

漁る軟泥

1

再利用の賢者

1


致命的な一押し

1

15枚のサイドボードについてだけど、《群れネズミ》《不屈の追跡者》に代表されるように、コンボからミッドレンジに切り替えられるカードを重視している。この2種のカードは《異界の進化》などをサイドアウトして脅威の量を増やしたいマッチアップでかなり有効だ。

群れネズミ不屈の追跡者思考囲い

2戦目以降で大切なのは、1戦目のようにコンボを重視したデッキとして立ち回らないと理解しておくことだ。『テーロス』があった昔のスタンダードのときのように、《群れネズミ》と手札破壊を駆使してリソース勝負に持ち込む。サイドボード後の《タッサの神託者》《真実を覆すもの》の役割は、サイドボードのカードを掘り当てること、航空戦力としてゲームに決着をつけることだ!

ディミーアカラーと比較したときの長所短所

長所

短所

さて、続いては現パイオニア環境で人気のアーキタイプに対するサイドボードガイドを解説していこう。

サイドボードガイド

あらかじめ念頭に入れておいて欲しいのは、このデッキは比較的新しいものであること、よほど必要でない限りはサイドボード後にコンボを重視しないことだ。

黒単アグロ

対 黒単アグロ

Out

楽園のドルイド 楽園のドルイド 楽園のドルイド
異界の進化 異界の進化
破滅の終焉

In

群れネズミ 群れネズミ 群れネズミ 群れネズミ
漁る軟泥
致命的な一押し
群れネズミ致命的な一押し

おそらく相手は《致命的な一押し》をサイドアウトしてくるから《群れネズミ》がとても有効だ。2ゲーム目に《群れネズミ》を見られた場合、3戦目はサイドアウトして相手に価値の低いカードをデッキに残させる戦略も使える。

5色《ニヴ=ミゼット再誕》

対 5色《ニヴ=ミゼット再誕》

Out

破滅の終焉 破滅の終焉 人質取り 人質取り
致命的な一押し 致命的な一押し 致命的な一押し
残忍な切断 異界の進化

In

群れネズミ 群れネズミ 群れネズミ 群れネズミ
神秘の論争 神秘の論争 神秘の論争
不屈の追跡者 不屈の追跡者
群れネズミ不屈の追跡者神秘の論争

相手は《漂流自我》で勝利条件となるカードを追放したり、《安らかなる眠り》などの対策カードで複数のターンにまたがったコンボ成立を妨害しようとしたりしてくるだろう。だから打ち消し呪文を含むミッドレンジプランが上手く機能する

緑単アグロ

対 緑単アグロ

Out

思考囲い
思考囲い

In

再利用の賢者
致命的な一押し
致命的な一押しグレートヘンジ

速度勝負になる。ひたすらコンボを早く狙って、除去はそれまでの時間を稼ぐことに使おう《再利用の賢者》《屑鉄場のたかり屋》をブロック・破壊できるだけなく、《キランの真意号》《グレートヘンジ》も対処できる。ただし《グレートヘンジ》はすでに複数のドローをされていると破壊したところで立場は苦しい。本命のターゲットとしては考えない方が良いだろうね。

赤単

対 赤単アグロ

Out

破滅の終焉
残忍な切断

In

漁る軟泥
致命的な一押し
タッサの神託者真実を覆すもの神秘を操る者、ジェイス

緑単と似た戦いになるけど赤単は火力呪文があるし、1マナのマナクリーチャーに依存しているわけではないから、少し厄介な相手になるだろう。でもゲームプランは同じで、ただコンボを早く狙っていく。相手は有効な妨害手段を持っていないからね。

アゾリウスコントロール

対 アゾリウスコントロール

Out

異界の進化 異界の進化 異界の進化 異界の進化
致命的な一押し 致命的な一押し 致命的な一押し
人質取り 人質取り 楽園のドルイド
森の女人像 森の女人像
残忍な切断

In

群れネズミ 群れネズミ 群れネズミ 群れネズミ
強迫 強迫 強迫
神秘の論争 神秘の論争 神秘の論争
不屈の追跡者 不屈の追跡者
再利用の賢者
群れネズミ不屈の追跡者強迫神秘の論争

この構成のサイドボードが活躍する相手だ。コンボに特化せず、《タッサの神託者》はライブラリー操作のカードとして、《真実を覆すもの》は高速のクロックとして運用する。特に《タッサの神託者》は強力で、プレインズウォーカーに攻撃できるだけでなく、《真実を覆すもの》や妨害手段を見つけ出してくれる。《不屈の追跡者》とも相性が良くて、手がかりトークンを生け贄に捧げればライブラリートップに置いたカードをすぐに手札に加えてプレイできるんだ。

緑単ランプ

対 緑単ランプ(先手)

Out

致命的な一押し 致命的な一押し 致命的な一押し
残忍な切断 破滅の終焉

In

神秘の論争 神秘の論争 神秘の論争
不屈の追跡者 不屈の追跡者

対 緑単ランプ(後手)

Out

致命的な一押し 致命的な一押し 致命的な一押し
残忍な切断 破滅の終焉
人質取り 人質取り

In

群れネズミ 群れネズミ 群れネズミ 群れネズミ
神秘の論争 神秘の論争 神秘の論争
神秘の論争難題の予見者

理論上は相性が良い相手だけど、《難題の予見者》などの大型クリーチャーを対処する手段として《神秘の論争》はあった方が良い《不屈の追跡者》は除去よりも優れていて、カードアドバンテージももたらしてくれる。

相手がシミックカラーの場合は《神秘の論争》への対抗策として《強迫》を入れることを検討しよう。

テクニック集

練習をするなかでいくつか気づいたテクニックがあったから教えておこう。きっと役に立つはずだ。

デッキの改良案

ヤヴィマヤの沿岸

調整するなかでマナベースが完璧ではないことに気づいた。もう一度見直して、青マナ源をもう少し追加できるか検討した方が良いだろう。多分入れるなら《ヤヴィマヤの沿岸》じゃないかな。

探索する獣ゲトの裏切り者、カリタス

《不屈の追跡者》は手ごたえが良かったけど、《探索する獣》《ゲトの裏切り者、カリタス》の方がシルバーバレットとしても、《異界の進化》《破滅の終焉》のサーチ先としても優れているかもしれない

悪夢の織り手、アショク悪夢の詩神、アショク

そろそろ記事を締めくくろうと思うけど、《悪夢の織り手、アショク》には言及しておきたい。このプレインズウォーカーをミラーマッチで使う人を見かけたけど、素晴らしいアイディアだと思う。

それから《悪夢の詩神、アショク》もミラーマッチや対策カードへの解答としてサイドボードに入れてみても良いかもしれない。バウンス能力は幅広いパーマネントに触れるからね。

おわりに

楽しみながら執筆することができたけど、みんなも記事を楽しんでくれただろうか。このデッキは本当に強いと思うし、何人かの友人はブリュッセルでも使う予定だ。メインデッキとサイドボードの構築に協力してくれたディエゴ・フラデジャスには感謝したい。

ぜひみんなもこのデッキを試してみて欲しい。そして感想を聞かせてくれ!

何か気になることがあったらTwitterでもFacebookでも良いから尋ねて欲しい。

それでは!

ホセバ・ガルシア (Twitter / Twitch)

この記事内で掲載されたカード

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
Joseba Garcia

Joseba Garcia ホセバ・ガルシアは主にMagic Onlineで活動するグラインダーで、そのアカウント名であるElfkidとして知られている。モダンとコンボデッキをこよなく愛し、ドレッジを使用したモダンのグランプリで最初の偉業を成し遂げた。Hareruya Hopesのメンバーとなった今もあらゆるフォーマットの新しいデッキを研究している。 Joseba Garciaの記事はこちら