はじめに
みなさんこんにちは。Hareruya Prosの木原 惇希です。
今回もレガシーの青白奇跡について書こうと思うので、前回の記事と合わせて読んでいただくことでさらに青白奇跡について知ってもらえればなと思います。以前の記事にあるEternal Weekend Asia 2019(レガシー)では、8勝2敗で24位とギリギリ入賞することができました。また、1/6に開催されたMOのLegacy Challengeでも優勝しました。
今回の記事では、残念ながら開催が中止となってしまいましたが、BIC MAGIC Classic Legacyで実際に持ち込む予定だった青白奇跡について解説したいと思います。
変化を続けるレガシーのデッキたち
前回の記事の公開から『エルドレインの王権』、『テーロス還魂記』の発売と《レンと六番》の禁止によりレガシーのメタゲームは大きく動きました。特に『エルドレインの王権』からは《夏の帳》と《王冠泥棒、オーコ》が環境に与えた影響は凄まじく、4色ミラクルなどの新たなコントロールデッキの台頭が見られます。
『テーロス環魂記』からは、《死の国からの脱出》と《タッサの神託者》を得て新たなアプローチのコンボデッキが急増してきました。《レンと六番》の禁止によりティムールデルバーは数を大きく減らしましたが、デルバーデッキ自体は青赤デルバー、スゥルタイデルバーなどに形を変えてメタゲーム上に一定数存在します。
また、《レンと六番》がいなくなったことで《不毛の大地》を使い回されることがなくなったため、エルドラージストンピィやエルドラージポストといった特殊地形に頼ったデッキも増えてきました。さらに、デス&タックスやエルフのようなタフネス1のクリーチャーを多く採用しているデッキも数を増しています。
現在のメタゲームはほかよりコンボデッキが多いですが、アグロ、クロックパーミッション、ミッドレンジ、コントロール、コンボ、ビックマナ、ロックとほぼ全てのデッキタイプが存在しているので、かなり健全な環境に見えます。そのためサイドボードの枚数が足りなくなりがちなので、広く浅くサイド枚数を取るか、苦手なアーキタイプに対して多めにサイド枚数を取るかなど、どのデッキを使うにしても悩みが尽きず、無限に楽しめます。
現在のデッキリストと変更点
大きく変わった点は下記の4点です。
〇《神秘の聖域》の採用
このカードは青白奇跡が求めていた全てが詰まっています。後半のマナフラッドを抑制してくれるだけでなく、状況に応じて必要なカードを墓地から回収でき、《相殺》《予報》と相性が良く、いいこと尽くしなのにフェッチランドから持って来れるなどなど、青白奇跡のために刷られたカードだとしか思えません。
〇《紅蓮破》の不採用
上記の《神秘の聖域》を採用することでデッキの特殊地形の枚数が増えてしまい、《Volcanic Island》の採用は見送りました。 青白奇跡の強みは序盤に基本地形を並べられることにあるので、特殊地形は4~5枚までに抑えたいです。相変わらずレガシーは《不毛の大地》環境なので、特殊地形の枚数には最新の注意を払いましょう。
《紅蓮破》の不採用によりプレインズウォーカーや《相殺》に触りにくくなっているので、いつも以上にカウンターを構えなければいけない場面も訪れますが、基本的に待ちのデッキなのでそこまで気にすることもないでしょう。
〇《僧院の導師》を《天使への願い》に変更
フィニッシャー枠ですが、《神秘の聖域》の採用により墓地から再利用できるので、2枚まで減らすことができるようになりました。その分カウンターを増やせるため、デッキが安定すると共にメインで自分から動かなくてよくなったので、いいこと尽くしですね。
〇《覆いを割く者、ナーセット》を《予報》に変更
環境にコンボデッキが増加したことにより、メインで自分から動きたくなくなったので《予報》を優先しています。青白奇跡は対戦相手のアーキタイプによって必要なカードが両極端なので、《相殺》で捲れた不要牌や《渦まく知識》で戻した不要牌を引くことなく2枚引けるので、実質3枚引いているのと変わらない動きができます。《予期せぬ不在》で戻したカードや、対戦相手が《神秘の聖域》や《悟りの教示者》で積んだカードを指定するなどの小テクもあります。
サイドボードの解説
《ドビンの拒否権》 2枚
《紅蓮破》や《狼狽の嵐》などの軽量カウンターバックアップで、対戦相手が出そうとしてくるプレインズウォーカーや《実物提示教育》などに効果的かつコンボデッキへの追加のカウンターです。
《外科的摘出》 2枚
墓地対策かつ特定のカードに頼ったデッキ用。枠があるなら墓地対策は3枚ほど欲しいが、デッキの性質上墓地に触れなくてもほかの対策が取れることがほとんどなので2枚。
《ヴェンディリオン三人衆》 3枚
主にコンボデッキとミラーに強く、コンボデッキに対しては早いターンからクロックを掛けていきたいので3枚。
《予期せぬ不在》 1枚
追加のなんでも触れる枠。インスタントであることが偉くコンボデッキに対しても入れられるところがいい。
《解呪》 2枚
青白奇跡は1ゲームのターン数が多く、下記置物に弱いのでしっかり触れるように2枚。
《減衰球》 2枚
ストームコンボとエルドラージ系の両方に強いため、《基本に帰れ》より優先度が上がり2枚。
《基本に帰れ》 1枚
《不毛の大地》がデッキに入っていないので特殊地形対策として1枚。
《真髄の針》 1枚
主に《王冠泥棒、オーコ》対策。ほかにも《暗黒の深部》デッキや《オーリオックの廃品回収者》デッキなどにもInできるので、1枚あると意外と助かる。
《至高の評決》 1枚
メインの《剣を鍬に》が1枚減っている分、クリーチャーデッキに強いカードが欲しいので採用。《議会の採決》ではなく《予期せぬ不在》を採用しているため、《真の名の宿敵》に触れるカードが欲しい。
採用に至らなかったカード
〇《僧院の導師》
今まで多くの勝ちを運んできてくれた相棒ですが、コンボデッキの増加と《王冠泥棒、オーコ》の影響で不採用。
〇《カラカス》
《神秘の聖域》の採用により、島カウントできない土地は弱くなってしまいました。メリット能力よりも特殊地形であることと島カウントできないデメリットの方が目につきます。環境にスニークショー、赤黒リアニメイト、ターボデプスなどの割合がかなり多いのなら採用の余地はあります。
〇《議会の採決》
後腐れなくどんなパーマネントにも触れますが、ソーサリーであることがネックになり、よくサイドアウトするカードだったので《予期せぬ不在》の方を優先。コンボデッキが減り、《真の名の宿敵》が多い環境なら採用したい。
〇《仕組まれた爆薬》
2色しか出ないので触れるカードの幅が大幅に減り不採用。赤か緑を足すなら採用の余地はあります。
〇《対抗呪文》
確定カウンターで大好きなカードですが、コンボデッキが多い環境ではより軽いカウンターを優先したい。ミットレンジとコントロールが多い環境なら採用したいです。
〇《狼狽の嵐》
環境に消したいプレインズウォーカー、アーティファクト、エンチャントが多いため《呪文貫き》の方を優先。
〇《水流破》
《レンと六番》の禁止により触れる範囲が狭まったので、《王冠泥棒、オーコ》、《夏の帳》にも触れる《ドビンの拒否権》を優先。
〇《冠雪の島》《冠雪の平地》
白枠が存在しないので不採用。
フェッチランドで持って来れる土地以外を全て黒枠にして、持って来れる土地を白枠にすることで視認性が高くなり、1回のフェッチランド起動で1~2秒ほど時間を短縮できます。デッキの性質上ゲームが長引きやすく、引き分けのリスクが常にあるので短縮できる時間は短縮しましょう。1マッチに20回ぐらいフェッチランドを起動することもあるので、追加1~2ターンは変わるかもしれません。
各マッチアップの解説とサイドボーディングガイド
〇ジェスカイ《死の国からの脱出》
このマッチアップでは、全力で白いカード(《剣を鍬に》や《終末》)を隠しながら早めに《相殺》を探しに行きましょう。《死の国からの脱出》と《オアリムの詠唱》以外にカウンターを使う先がないので、それ以外のカードは基本無視してカウンターを集めます。
vs. ジェスカイ《死の国からの脱出》
《終末》を全部抜かないのは、対戦相手のサイドボードに《僧院の導師》が2~3枚採用されていることがほとんどだからです。《減衰球》と《相殺》を設置し、《ヴェンディリオン三人衆》と《瞬唱の魔道士》で速やかに殴りきりましょう。
〇4色奇跡
このマッチアップの基本的な立ち回りは、前回の記事で書いた対青白奇跡戦と同じです。白いカードを兎に角隠して《精神を刻む者、ジェイス》の定着を狙いましょう。
vs. 4色奇跡
《王冠泥棒、オーコ》はできるだけ《真髄の針》で指定することで対処したいです。《夏の帳》に引っ掛かりたくないので、カウンター合戦ではあまり深追いしすぎない注意が必要になります。
これは主にこちらの呪文を通す場合です。例えばこちらが《相殺》をプレイ、相手が《紅蓮破》でカウンター。ここに《ドビンの拒否権》で追おうとすると《夏の帳》に引っ掛かります。なので、諦めて《紅蓮破》でカウンターされるか、相手が2種以上カウンターを持っていそうならそもそも《相殺》をプレイしないなどの注意が必要です。 (4マナしか出ない場で《相殺》《ドビンの拒否権》《呪文貫き》みたいな手なら5マナまで待つなど) 当然相手の緑マナが出ない状態ではこの限りではないです。
〇エルドラージストンピィ
このマッチアップでは《虚空の杯》以外にカウンターしたいカードがほぼないので、できるだけ除去を多く集めて更地に《精神を刻む者、ジェイス》を出し、X=3以上の《天使への願い》で速やかにゲームを終わらせましょう。《虚空の杯》が出てしまうと本当にきついので、序盤のクリーチャーに《意志の力》を使わずにできるだけ温存しましょう。
vs. エルドラージストンピィ
サイドボード後は《虚空の杯》に触れるカードが増えるので、《意志の力》を無理に温存する必要はありません。ある程度置物をならべて対戦相手の減速をしながら《天使への願い》を待ちましょう。
〇スゥルタイデルバー
このマッチアップでは《王冠泥棒、オーコ》以外に触りにくい脅威がほぼないので、《目くらまし》を上手く当てられないことを意識してゆっくり盤面の対処をしていきましょう。《稲妻》のような飛び道具もないため盤面だけに集中し、《精神を刻む者、ジェイス》の定着を目指します。
vs. スゥルタイデルバー
手札破壊と軽量カウンターに弱い《意志の力》と《否定の力》を抜いて、1:1交換できるカードを増やします。《苦花》や《森の知恵》などの置物系のサイドボードが予想されるので、《解呪》を入れるのを忘れないようにしましょう。
なぜ4色奇跡にしないのか
もちろん4色奇跡も回しましたが、兎に角マナベースが弱いという印象が強く自分には合いませんでした。
《アーカムの天測儀》にマナベースを頼り切っているため引けていないときに大体1色以上出ない色があり、ちぐはぐな動きになることが多かったです。特殊地形を5枚程度に抑えると、各種デュアルランドを1枚ずつしか採用できない兼ね合いで、よく《不毛の大地》に嵌まる(割られた土地の色は出なくなる)初手をキープせざるを得ないこともマイナスポイント。
逆に特殊地形を増やせば《不毛の大地》に何回も当たることになり、土地が伸びないので意味がないと感じました。3~5回戦程度の大会ならそこまで気にならないこともありますが、9回戦以上の長い大会ではマナベースが安定しないことは致命的です。
そもそも《アーカムの天測儀》と《氷牙のコアトル》がただのキャントリップでしかなく、相手によって必要なカードが異なる(《意志の力》と《剣を鍬に》が欲しい相手は全く違うことがほとんど)コントロールデッキには合ってないです。色を足しているデメリットの割に、上記2種が弱いことでデッキ全体のカードパワーが上がっていないと感じる、などなど使わない理由は多数あります。
おわりに
最近はレガシーグランプリの開催がなくなったり、SCGレガシーがなくなったりと大きいレガシーの大会がなくなってレガシーのモチベーションを維持しにくくなっていますが、ゲームとしてのレガシーの面白さ自体に変わりはありません。
今回は開催が中止になってしまいましたが、BIC MAGIC Classic Legacyなどの大型大会に向けてデッキを調整するのはとても楽しいので、国内のレガシー大型大会の開催数が増えることを願っています。
それではまたどこかで!God Luck!!!
木原 惇希(Twitter)