最先端のコンボデッキ
やぁ!また会ったね!Elfkidことホセバ・ガルシア / Joseba Garciaだ!今日はモダンで誕生したばかりのデッキを扱っていくよ。そのデッキとは……ターボオラクルだ!
Magic Onlineで遊んでいる人なら似たようなデッキに当たったことがあるかもしれないね。早速そのターボオラクルの動きについて解説していこう!
デッキの狙い
『テーロス還魂記』が発売されてから、多くのコンボデッキがそのフィニッシャーを《研究室の偏執狂》から《タッサの神託者》に変えてきている。1マナ軽いし、戦場に出たときの能力に対応して除去されても勝てるからだ!
このデッキのコンセプトは、数あるコンボの組み合わせのなかから1つを揃えることだ。
このようにコンボの組み合わせが豊富にあるデッキだ。だけど、こいつらを上手く使ってやるには適切な構成を練ってやる必要がある。そこで、既存の構成とは違うデッキリストとカード選択を紹介していこう。
デッキリスト
4 《真鍮の都》
4 《宝石鉱山》
3 《金属海の沿岸》
2 《闇滑りの岸》
1 《啓蒙の神殿》
4 《殻船着の島》
-土地 (19)- 4 《タッサの神託者》
4 《真実を覆すもの》
-クリーチャー (8)-
4 《天使の嗜み》
4 《血清の幻視》
4 《大霊堂の戦利品》
4 《ファイレクシアの非生》
4 《五元のプリズム》
3 《威圧のタリスマン》
3 《願い爪のタリスマン》
4 《神秘を操る者、ジェイス》
-呪文 (33)-
これは最初に見かけたデッキリストで、興味を持ったきっかけでもある。実際に試してみたら安定性は高かったけど、従来のアドグレイスと同じ問題点を抱えていると感じた。つまり、《廃墟の地》や《血染めの月》/《月の大魔術師》を使われると少しもたついてしまうんだ。というわけで、呪文は似たような構成にしつつも、マナベースに大きなテコ入れを行うことにした。
1 《冠雪の平地》
1 《冠雪の沼》
1 《繁殖池》
1 《神無き祭殿》
1 《神聖なる泉》
1 《湿った墓》
3 《溢れかえる岸辺》
3 《汚染された三角州》
4 《殻船着の島》
-土地 (19)- 4 《タッサの神託者》
4 《真実を覆すもの》
-クリーチャー (8)-
4 《天使の嗜み》
4 《血清の幻視》
4 《大霊堂の戦利品》
4 《ファイレクシアの非生》
3 《アーカムの天測儀》
4 《五元のプリズム》
3 《願い爪のタリスマン》
2 《威圧のタリスマン》
3 《神秘を操る者、ジェイス》
-呪文 (33)-
見ての通り、マナベースには大幅な違いがある。まず、5色土地を全て不採用にした。そもそも《宝石鉱山》や《真鍮の都》が好きになれないし、どちらも《血染めの月》/《月の大魔術師》に弱い。だから全部抜いてしまい、《汚染された三角州》や《溢れかえる岸辺》、冠雪の基本土地を入れた。
それから、もうひとつの変更点である《アーカムの天測儀》はこれまで素晴らしい活躍を見せている。サイドボードから4色目のカードを投入するときに色マナを生成してくれるし、そのキャントリップ効果は《真実を覆すもの》と相性が抜群だ。《汚染された三角州》と《溢れかえる岸辺》は《真実を覆すもの》と微妙に相性が悪いじゃないかと思うかもしれないけど、健全なマナベースを構築できるなら安いものだよ。
メインデッキのカード選択
キャントリップ
モダンの知識がある人ならどちらも見慣れたカードだと思うけど、知らない人のために説明しておこう。《アーカムの天測儀》は氷雪デッキの新しいキャントリップであり、カードを引けるうえにマナ基盤の安定にも役立つ。《血清の幻視》はモダンで最も一般的なキャントリップ呪文と言っていいほどのものだ。より強力な《思案》とか《定業》が使えるフォーマットじゃないからね。
マナ加速
デッキの速度を上げる枠だ。《睡蓮の花》や《猿人の指導霊》じゃない理由は、一度しか使えないものだから。たとえば《五元のプリズム》ならターンをまたがってマナを使うことができるよね。
コンボパーツ
このコンボには多くのカードが関与している。役割ごとに分けて説明していこう。
勝利条件
デッキのキーカードだね。《神秘を操る者、ジェイス》か《タッサの神託者》をプレイしたら即勝利の展開に持ち込もうとするのがこのデッキのコンセプトだ。もちろんその状況に持っていくには他のカードのサポートが必要だけどね!
防御手段
《否定の契約》についてはあまり語ることがない。マナを払うことなくコンボを押し通せる打ち消し呪文だ。《天使の嗜み》と組み合わせれば、序盤のターンで打ち消し呪文として使うこともできる。《天使の嗜み》と《ファイレクシアの非生》はコンボパーツでありながら、最後の1ピースを探す時間を与えてくれる防御手段でもある。
ライブラリーを削る
デッキのなかで特に重要性の高いカードたちだ。《タッサの神託者》や《神秘を操る者、ジェイス》で勝てるのは、《真実を覆すもの》がライブラリーを残り数枚にしてくれたり、《大霊堂の戦利品》がライブラリーを根こそぎ削ってくれたりするからだ!それから、《真実を覆すもの》はビートダウンで勝つプランも提供してくれる。特に相手が除去を全てサイドアウトした2戦目以降に有効なプランだね。
パーツの収集
《願い爪のタリスマン》は、コンボを始動させたいターンに最後の1ピースをサーチしてくれる。ただし、そういったターンよりも前に使うのは要注意だ。相手に好きなカードをサーチするチャンスを与えてしまうからね!
そして《殻船着の島》はお気に入りのカードで、このデッキでは半端じゃない活躍をする。ライブラリーが0枚の状況でアップキープに《殻船着の島》から《神秘を操る者、ジェイス》や《タッサの神託者》をプレイして勝ったことは数えきれないほどある。《否定の契約》とかコンボ中に有用なカードを「秘匿」してもかなり強い。
サイドボードのカード選択
ターボオラクルはコンボデッキだから、懸念となるのは手札破壊、対策カード、打ち消し、ヘイトベアーだ。だから、15枚の枠はこれら全てに対応できるように構築してやる必要がある。
手札破壊
手札破壊対策には《神聖の力線》と《夏の帳》を用意している。《神聖の力線》は0ターン目に設置できる。後手のときに重要なことだ。《夏の帳》は《突然の衰微》や《暗殺者の戦利品》などからパーマネントを守る役割もある。
対策カード
数ある対策カードに広く対応できる《残響する真実》。ほぼ全てのものに対応することができる。《虚空の杯》《時を解す者、テフェリー》《減衰球》……挙げれば切りがない。ヘイトベアーに対しても使えるね。
打ち消し
打ち消しには《思考囲い》と《夏の帳》で対抗する。《思考囲い》は最強の手札破壊呪文であり、こちらの呪文に打ち消し耐性をつける《夏の帳》は実質的な打ち消し呪文となる。
ヘイトベアー
厄介なクリーチャーには《流刑への道》で対応する(《残響する真実》でもOKだ)。この枠に《致命的な一押し》を採用する可能性を考えたけど、「紛争」を達成するフェッチランドが6枚しかないから、総合的に見れば《流刑への道》の方が良いだろうと判断した。それに、ヘイトベアーデッキに土地を与えてもそこまで痛手にならないだろうしね。
ターボオラクルをおすすめするワケ
ターボオラクルは安定性がとても高いし、メタゲーム上の立ち位置もかなり良い。かつてのアドグレイスよりも1つ1つのカードが強いから、その改良型と言っても良いと思う。
《死の影》デッキとの相性は従来は悲惨なものだったけど、《流刑への道》、(6点クロックである)《真実を覆すもの》、《夏の帳》の存在によって大きく改善が図られている。
このデッキは《原始のタイタン》デッキや赤系のデッキに有利に戦える。現環境に多い2つのアーキタイプだよね。
それから、対策のしづらさも魅力だ。先ほど紹介した「ライブラリーを削る」カードも「勝利条件」となるカードも2種類ずつあるから、《翻弄する魔道士》のようなカード名を指定するカードでは抑え込まれない。それに《減衰球》や《スレイベンの守護者、サリア》もどうってことない。《むかつき》のような5マナ以上の呪文を唱える必要がないからね(この事実は《ガドック・ティーグ》と対峙したときにも意義が出てくる)。
サイドボードガイド
アミュレットタイタン
対 アミュレットタイタン
《否定の契約》よりも《思考囲い》を優先させている。どちらも相手の《否定の契約》への解答になるけど、《原始のタイタン》などまで対応できる《思考囲い》の方が用途が多いからだ。《神秘を操る者、ジェイス》は遅すぎるので、ここでは1枚サイドアウトしよう。
赤単果敢
対 赤単果敢
《粉々》の対象となるものをできるだけ差し出さないように、アーティファクトを何枚か減らすようにしている。《神聖の力線》を4枚とも投入していないのは、デッキ本来の動きを鈍くさせたくないし、現状のプランで上手くいっているからだ。だから2枚に抑えている。《流刑への道》は主に《窯の悪鬼》用だね。
バント石鍛冶
対 バント石鍛冶
このサイドボーディングは間違っているかもしれない。コンボデッキを使う場合、2戦目以降はロングゲームを戦うことを意識して構成を変更している。だから、トップデッキして弱いと思うカードをここでも全てサイドアウトしている。手札を整えて、安全を確保したそのターン内に勝つことが理想なんだ。もし相手がドロー・ゴーのコントロールデッキとして立ち回ってくるなら、《威圧のタリスマン》のかわりに《ファイレクシアの非生》を何枚か抜いてみるのも良いだろうね。
ドレッジ
対 ドレッジ
かなり相性が良いと思うけど、時間を稼ぐために《残響する真実》をサイドインする。《思考囲い》や《突然の衰微》を意識するなら《夏の帳》を優先した方が良い可能性はある。もし試してみたら、どんな手ごたえだったか、どんな入れ替えをしたのか教えて欲しい!
エルドラージトロン
対 エルドラージトロン
厄介なのは《虚空の杯》だけなので、2戦目以降もゲームプランは変えず、《虚空の杯》への解答だけ用意する。《残響する真実》はクリーチャーや《大いなる創造者、カーン》による対策にも有効だ。
《死の影》
対 《死の影》
《削剥》や《コラガンの命令》などの投入を見越し、アーティファクトを数枚減らすのが妥当だろう。《神秘を操る者、ジェイス》は《死の影》デッキのような相手にはマナコストが重いため、2枚だけにして《殻船着の島》でその1枚を追放できることを期待しよう。ここでのゲームプランは《真実を覆すもの》を展開してビートダウンすることだ!わかりやすくて真っ当な戦い方だね!
ジャンド
対 ジャンド
対戦経験が多い相手ではないけど、ゲームプランは相変わらず同じだ。《コラガンの命令》や《溜め込み屋のアウフ》に弱いアーティファクトを抜いて、《神聖の力線》や《夏の帳》で手札破壊から身を守ろう。
おまけ:《タッサの神託者》をレガシーで使う!
ここまで見てのとおり、《タッサの神託者》に惚れ込んでいる。だからレガシーにもこのクリーチャーを使ったリストがないかなと思って探してみたんだ。《最後の審判》あたりと組み合わせるんだろうと思っていたら、こんなリストが目に飛び込んできた。
4 《狼狽の嵐》
4 《思案》
4 《定業》
4 《パラダイム・シフト》
4 《意志の力》
4 《Thought Lash》
4 《水蓮の花びら》
1 《神秘を操る者、ジェイス》
-呪文 (33)-
すごく面白そうなリストだし、将来化けるデッキになるかもしれない。すぐにでも試したいデッキだね!《パラダイム・シフト》や《Thought Lash》でライブラリーを削れば、《タッサの神託者》や《研究室の偏執狂》ですぐに勝てる。すでに使ってみたことがある人がいたら、Twitterで感想を教えて欲くれ!
おわりに
今回の記事はどうだったかな?ぜひターボオラクルを試してみて欲しい。デッキそのものも強力だし、立ち位置が良ければTier 1になる可能性は十分にあると思うよ。
何か質問がある人はTwitter(@elfkidmtgo)までどうぞ。
じゃあまた!