決勝戦:弓削 達郎(ジャンド) vs. 梶本 淳史(アミュレットタイタン)

晴れる屋メディアチーム

By Kenichiro Omori

新しきモダンの世界

前回の帝王戦より4枚の禁止カードが制定され、様変わりした環境での開催となった『第9期関西帝王戦モダン』。決勝戦に残ったのはトップメタと目される2つのアーキタイプだった。

第9期関西帝王戦モダン決勝戦

弓削 達郎

弓削 達郎が使用するのはジャンド。昔から根強い人気と強さを誇るデッキだが、最新「テーロス還魂記」から《死の飢えのタイタン、クロクサ》を得てさらなる進化を遂げた王道のミッドレンジデッキ。“元帝王”を打ち倒し、初の栄光を手にすることができるか。

第9期関西帝王戦モダン決勝戦

梶本 淳史

“第4期モダン帝王”梶本 淳史が使用するのはアミュレットタイタン。初戴冠時にも同アーキタイプを使用していた梶本。当時より《死者の原野》《イリーシア木立のドライアド》といった戦力を獲得し、大きくアップデートされている。2度目の戴冠を目標に掲げ、今大会も無敗でここまで勝ち上がってきた。史上2人目、モダンでは初となる“帝王”の座奪還を成し遂げられるか。

デッキリスト


第9期モダン帝王の座に就くの果たしてはどちらか。

決勝戦:弓削 達郎 vs. 梶本 淳史

決勝戦:弓削 達郎(左) vs. 梶本 淳史(右)

決勝戦

Game 1

梶本のマリガンを経て始まった決勝戦の開幕は後手弓削の《思考囲い》から。

原始のタイタン桜族の斥候古きものの活性
シミックの成長室ギャレンブリグ城

この中から《原始のタイタン》を引き抜くと、次ターンには《タルモゴイフ》を呼び出す順調な滑り出し。

対する梶本は2ターン続けての《桜族の斥候》。さらに《古きものの活性》《大いなる創造者、カーン》を手札に加え、その《大いなる創造者、カーン》の[-2]能力により《ワームとぐろエンジン》を手に入れる。着々とビッグアクションへの準備を進めてゆく。

レンと六番

しかし、弓削の次なる戦力は《レンと六番》《桜族の斥候》を次々と撃ち落し、《大いなる創造者、カーン》《タルモゴイフ》の攻撃により退場させる。

さらに《コジレックの審問》により《否定の契約》が落とされると、梶本に残されたのは4枚の土地と手札の《ワームとぐろエンジン》のみとなる。それでも梶本は《シミックの成長室》《ギャレンブリグ城》により、すでに《ワームとぐろエンジン》をプレイできるだけのマナを有している。これを着地させればジャンドにとっては対処の難しい大きな脅威となる。

それを阻止したい弓削は《シミックの成長室》《暗殺者の戦利品》をキャストし、梶本のマナベースを攻める。土地さえ引ければ《ワームとぐろエンジン》をプレイできる梶本だったが、ここは引けず。《イリーシア木立のドライアド》を呼び出してターンを終える。

タルモゴイフ漁る軟泥

《ワームとぐろエンジン》が出てくる前に勝負を決めたい弓削。《タルモゴイフ》で攻撃し、ライフを12へ落とすと持てる戦力を全力投入。《タルモゴイフ》《漁る軟泥》を追加してプレッシャーをかける。

なんとか土地を引き込みたい梶本だが、このターンのドローも土地ではなく《精力の護符》《ワームとぐろエンジン》を呼び出すことは叶わない。弓削の総攻撃は《イリーシア木立のドライアド》で受け止めるが、この戦闘で残りライフが2となった梶本には《レンと六番》の[-1]能力ですら致命的。

決勝戦:弓削 達郎 vs. 梶本 淳史

もはや《ワームとぐろエンジン》では逆転不可能となった戦場を前に、梶本は次のゲームへ向かう意思を見せた。

弓削 1-0 梶本

Game 2

またもマリガンからのスタートとなった梶本だが、今回は1ターン目に《精力の護符》を設置する。2ターン目には《精力の護符》の効果でアンタップ状態で《シミックの成長室》をプレイし、手札へ戻した《森》からのマナとあわせて《迷える探求者、梓》を召喚!

精力の護符迷える探求者、梓

さらに《森》、2枚目の《シミックの成長室》を追加セットランドすると、《古きものの活性》《ギャレンブリグ城》を手札へ加えるビッグターンとなる。

《血染めのぬかるみ》起動により「紛争」を達成した《致命的な一押し》《迷える探求者、梓》は対処した弓削だが、梶本の次なる手は《大いなる創造者、カーン》

大いなる創造者、カーン液鋼の塗膜

[-2]能力で《液鋼の塗膜》を手札へ加えると、3ターン目にアクションのなかった弓削に対して《大いなる創造者、カーン》の[+1]能力とあわせた土地破壊コンボを完成させる!

なんとか梶本の猛攻を止めたい弓削がプレイしたのは《ヴェールのリリアナ》。[+1]能力を起動し梶本の最期の手札である《仕組まれた爆薬》を奪い取る。

だが、梶本は完全に流れに乗っていた。ここで《召喚士の契約》をトップデッキ!

召喚士の契約

《原始のタイタン》を呼びだすと《ボロスの駐屯地》《処刑者の要塞》を追加し、フルタップ状態の梶本の《ヴェールのリリアナ》へ向け速攻アタック!攻撃時に《死者の原野》《トレイリア西部》を戦場へ加えると、ゾンビの生産体制も整ってしまう。

今度は梶本が圧倒的な盤面を作り出し、勝負は3ゲーム目へともつれ込むこととなった。

弓削 1-1 梶本

Game 3

梶本は3ゲーム続けてのマリガンするも、今回は弓削もお付き合い。両者6枚でのキープとなる。

梶本は《古きものの活性》《精力の護符》を手に入れる好スタート。続くターンに《精力の護符》を設置したが、今回は爆発的な展開とはいかず《イリーシア木立のドライアド》を追加するのみ。弓削は《レンと六番》で墓地の《血染めのぬかるみ》を回収してカードアドバンテージを取ってゆく。

決勝戦:弓削 達郎 vs. 梶本 淳史

弓削は《イリーシア木立のドライアド》をフェッチランドを切ってからの《致命的な一押し》で除去、《繁殖池》《大爆発の魔道士》して減速を図ると、《漁る軟泥》をダメージクロックとして用意する。梶本は《大いなる創造者、カーン》の[-2]能力で《ワームとぐろエンジン》を手に入れるが、《漁る軟泥》の攻撃により即退場してしまう。

追加の戦力が欲しい弓削がおいたのは《怒り狂う山峡》《レンと六番》も育ち忠誠値は8となり、いつでも奥義である[-7]能力を起動できる体制が整う。着々と盤面を掌握してゆく弓削。

だが、6ターン目を迎えた梶本はここで《シミックの成長室》をセットランド。《精力の護符》によりこれが起き上がると、ついに《原始のタイタン》が現れる!

決勝戦:弓削 達郎 vs. 梶本 淳史

弓削の立たせたマナと潤沢な手札を警戒してか、ここは《ボロスの駐屯地》《処刑者の要塞》パッケージは控えて《死者の原野》《シミックの成長室》を選択。これならば仮に《原始のタイタン》が除去されたとしても、ゾンビ・トークンの量産により攻め立てる構えだ。

弓削は《原始のタイタン》のプレイにも、その能力に対しても、そして梶本のターン終了時にも動かない。ここまで順調にゲームを進めてきたかに見えた弓削だが、残る手札はなんとすべて土地。そう、動くことができないのだ。このままでは《原始のタイタン》の攻撃も止められない。一転して窮地に立たされた弓削。

だが、ここで弓削のドローは値千金の《暗殺者の戦利品》

暗殺者の戦利品レンと六番

《レンと六番》の[-7]能力により“あなたの墓地にありインスタントかソーサリーであるカードは「回顧」を持つ”紋章を得た弓削。これにより引き過ぎていた土地は、そのすべてが梶本の脅威を排除する《暗殺者の戦利品》へと姿を変える!まずは《原始のタイタン》へと《暗殺者の戦利品》を撃ち込み《漁る軟泥》で攻撃。

強力なシステムと相対することとなった梶本。しかし序盤の動きが少し鈍かったこともあり、残る手札には強力なカードたちが控えていることが伺える。梶本の攻め手の数が勝るか、弓削の《暗殺者の戦利品》がすべてを捌き切るか。

梶本は2枚目の《原始のタイタン》を送り出す。弓削は対応して《死者の原野》《暗殺者の戦利品》を「回顧」し、ゾンビの量産を阻止する。

ボジューカの沼

予想に反して《原始のタイタン》が導き出したのは《ボジューカの沼》虎の子《暗殺者の戦利品》《原始のタイタン》への「回顧」を最期に役目を終える。一連の処理が解決すると 《暗殺者の戦利品》を失い、マナも使いきった弓削はノーガード状態。

梶本の攻め手はまだ途切れない。《召喚士の契約》により《イリーシア木立のドライアド》を呼びだすと、すでに戦場にあった《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》が噴火を始める。《森》をセットランドし3点。《幽霊街》を追加セットランドし3点。

そして《召喚士の契約》が呼び出すのはこのゲーム3体目となる《原始のタイタン》!!

決勝戦:弓削 達郎 vs. 梶本 淳史

この《原始のタイタン》が2枚目の《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》《ヴェズーヴァ》を導きだすと、「第4期関西帝王戦モダン」の決勝戦と同じく《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》の大噴火によって梶本の戴冠が決定した。

弓削 1-2 梶本
『第9期モダン帝王』梶本 淳史

『第9期関西帝王戦モダン』優勝は梶本 淳史!おめでとう!!

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