基本セットなのにド派手!?
いよいよ明日、最新セット『基本セット2021』が発売されます!
今回のセットには、おなじみのテフェリーやガラクだけでなく、新たなプレインズウォーカーである《バスリ・ケト》が登場しています!そしてただの基本セットと侮るなかれ、なんといっても目を引くのが、《精霊龍、ウギン》や《漁る軟泥》をはじめとする豪華再録カードです!
魅力的なカードばかりの『基本セット2021』を見ると、どのカードやデッキが強いのか、どのカードを買えばいいのか、悩んでしまう方も多いでしょう。
そこで、各構築フォーマットを代表する実力者である「神」のみなさんに、「『基本セット2021』で注目するカード トップ3!」を聞いてみました!
■ 「神」とは?
晴れる屋が主催している、「神決定戦」という大会の暫定王者。
スタンダード・パイオニア・モダン・ヴィンテージ・レガシー・リミテッドの6フォーマットそれぞれで行われており、予選大会(挑戦者決定戦)と決勝大会(神決定戦)を勝ち抜いた者だけが「神」になることができる。
各フォーマットを熟知した者ならではの視点から、鋭い意見が飛び交いました。「神」の目にはなにが映り、彼らはなにを考えたのでしょうか。
◆第16期スタンダード神:江原 洸太
『基本セット2021』カードセット全体の印象
今回は再録カードがとても豪華なセットになっていますね。モダンなど現役で使われてるカードも多く、《精霊龍、ウギン》や《悪斬の天使》といったフィニッシャー級のカードも収録されていて、前セットに負けない派手さがあります。
《耕作》、《真面目な身代わり》など、強力なランプカードも豊富で環境初期はランプ系デッキが多く見られそうですね。《漁る軟泥》のような、緑ならどんなデッキにも入りそうな強力カードのおかげで、アグロ系のデッキは少しきつそうです。
『基本セット2021』スタンダード注目カードトップ3!
1位:《時の支配者、テフェリー》
今回の大目玉、初の相手ターンで能力が使えるプレインズウォーカーです。こまめに忠誠度の調整がきく優秀なカードですね。《自然の怒りのタイタン、ウーロ》や《エルズペス、死に打ち勝つ》との相性が良く、「脱出」のコストを貯めたり、リアニメイト先をあらかじめ落として置けるなど[+1]の使い方は無限大です!
[-3]は「フェイズアウト」と最近では珍しい能力ですが、相手のターンに使えるだけに速攻クリーチャーにも対応できる優れものです。[-10]は決まればだいたい勝てます。どの能力も強く、ローテーション後にも使われるであろう新しいテフェリーになりそうです!
2位:《ムウォンヴーリーの世捨て人、ジョルレイル》
緑の強いクリーチャーがまたきましたね。2マナと軽くトークンを生成するカードとして使いやすいのが魅力的です。 このカードも《自然の怒りのタイタン、ウーロ》や《時を解す者、テフェリー》と相性が良く、2ターン目にこのカードを出し、3ターン目に上記の2枚を出すと確定で2/2の猫・トークンが出てくるので、攻めにも守りにも使いやすいカードです。
また、「脱出」後の《自然の怒りのタイタン、ウーロ》が殴るだけでトークンを生成できるので、シミックカラーのデッキで見ることが多くなりそうです。《時の支配者、テフェリー》の[+1]との噛み合いもあり、相手ターンにトークンを生成することも楽にできそうですね。
3位:《峰の恐怖》
とてもいいイラストのかっこいいドラゴンがきましたね。出たときに活躍できないので除去には弱いですが、スタッツも5/4飛行と申し分なく居残り続ければとても強力な能力を持っています。
このカードと一緒にクリーチャーを出せるカードとは相性が良さそうですね。《発生の根本原理》や《空を放浪するもの、ヨーリオン》などでクリーチャーを一気に出して相手に致死量のダメージを当てたいところです。このカードと1番相性が良かったであろう《創案の火》は禁止カードになってしまって使えませんが(笑)、今後活躍する機会がくると思って3位にしました。
◆第2期パイオニア神:眞流 壮太郎
『基本セット2021』カードセット全体の印象
最近のセットらしく基本セットにしてはとてもカードパワーの高いセットだと思います。しかしながら、パイオニアの環境を変えるほどのカードがあるかといわれるとそうは思いません(レア土地も再録の占術ランドということもあり……)。そのため、既存デッキのアップデートが中心になるでしょう。
《迷える探求者、梓》のようなモダンで使用されているカードが、どのような影響を及ぼすのか楽しみです!また、再録カードが多いのでパイオニアで使われているカードを手に入れるいい機会だと思います。
『基本セット2021』パイオニア注目カードトップ3!
1位:《鎖霊》
スピリットデッキを強化する可能性があるカードです。《ネベルガストの伝令》と違い瞬速を持っていませんが、2マナでタフネスが2あるので差別化ができています。タフネス1が理由で赤単相手に《ネベルガストの伝令》をサイドアウトすることもあるため、このカードには注目しております。
しかし、《鎖鳴らし》がいないと瞬速を持たないので、《無私の霊魂》と合わせて2種類もの瞬速でないカードを採用することは懸念点でもあります。発売後に試してはみますが、個人的にはバントよりアゾリウススピリットに向いているカードかなと思います。
2位:《時の支配者、テフェリー》
本セットの目玉プレインズウォーカーです。歴代のテフェリーのカードパワーを見ているのでおのずと期待してしまいます。また、相手ターンやインスタントタイミングに能力を使えるというのもこれまでにないプレインズウォーカーですね!
このカードは、コントロールデッキやディミーア《真実を覆すもの》デッキに採用される可能性があります。ディミーア《真実を覆すもの》デッキでは、《神秘を操る者、ジェイス》とマナ域が被ってしまうので1~2枚の採用にはなりますが、ドローを進めながら墓地も増えるので《時を越えた探索》との相性がいいのは魅力的ですね。
3位:《ケルドの心胆、ラーダ》
緑の良カードである《クルフィックスの狩猟者》を思い浮かべるカードですね。3/3先制攻撃という優秀なサイズと起動型能力もアグロ向きなので、今後グルール系統のアグロ・ミッドレンジデッキのマナフラッド受けとして使われる可能性があります。
種族についてもエルフ・戦士ということで様々な種族シナジーがあることにも期待です。もちろん、《集合した中隊》から出てくる点も見逃せません!アグロデッキが好きな方は是非使ってみてください!
◆第16期モダン神:佐藤 レイ
『基本セット2021』カードセット全体の印象
ぼくは白いアグロが好きなので、《バスリ・ケト》という人物が気になっていろいろと調べました。アモンケット出身の白い聖騎士らしいです。カッコいいのでほかのフォーマットでも使ってみたいですね。とりあえずリミテッドでは強かったです。
カード自体はまさに基本セットといったカードが多いなか、《漁る軟泥》や《精霊龍、ウギン》、《迷える探求者、梓》などすでにモダンで活躍している強力なカードも再録されているのが印象的ですね。これらのカードが強いことはみなさん百も承知だと思いますので、今回は新しく刷られたカードだけを注目カードとして取り上げていきたいと思っています。
『基本セット2021』モダン注目カードトップ3!
1位:《嵐翼の精体》
赤青系の果敢アグロデッキを強化する1枚です。軽量ドローはもちろんのこと、《魔力変》との相性の良さは特筆に値するでしょう。場に出たときの占術も渋くていいですね。使用するデッキこそ限られるものの、使用している以上は2マナで出すことに困ることはないでしょう。
場に出てしまえば、ファイレクシアマナで払える《はらわた撃ち》、《変異原性の成長》や《溶岩の投げ矢》の「フラッシュバック」などで、マナを使用することなくサイズアップすることができるので、相手としてはかなり対処しづらいはずです。こいつは本物!
2位:《人目を引く詮索者》
《ボガートの先触れ》で《鏡割りのキキジキ》をサーチして能力をコピーし、無限トークンを出してから、もう一度《ボガートの先触れ》をコピーして《投石攻撃の副官》などゴブリンを生け贄に捧げてダメージを与えられるクリーチャーにトップを変えることで、無限ダメージを与えるコンボが注目されています。
2マナと3マナのクリーチャーを2体出すだけで決まるので、十分に一線級なデッキになりうるポテンシャルを持ったコンボだと思います。過去に活躍したゴブリンを使ったコンボデッキ、ゴブリン召集やゴブバンテージのような強力なデッキが再び登場するのか楽しみですね!
3位:《真実の視認》
普通に使えば弱いソーサリーの《衝動》ですが、条件さえクリアできれば3ドローできるスペル。3枚引くってシンプルにすごいですよね。
《瞬唱の魔道士》や《炎の中の過去》で「フラッシュバック」をつけて墓地からプレイしたり、「続唱」でトップから唱えるのもいいですね。もしかしたら《祖先の幻視》などの「待機」スペルと一緒に使ったりすることで、新しい「続唱」デッキが生まれるかもしれません。実際に強いかはわかりせんが、ほかにない効果を持ったスペルなので、今後に注目したいカードです!
◆第16期レガシー神:鈴池 史康
『基本セット2021』カードセット全体の印象
再録された《漁る軟泥》《精霊龍、ウギン》《悪斬の天使》を含めてカードパワーの高いエキスパンションに感じました。『神河』ブロックに再来するまで収録されないかと思われた「祭殿」や、最近なかった赤の重くて雑なレア(3倍ダメージ)が戻ってきたりとおじさんに刺さりますね。
『基本セット2021』レガシー注目カードトップ3!
1位:《深淵への覗き込み》
リスクのない《むかつき》。7マナソーサリーでゲームに勝つというテキストですね。通れば勝てますし、《むかつき》と違い複数枚デッキ内にあっても大丈夫です。いかに早く安心してキャストできるか構築を考えるのが楽しみです。
2位:《人目を引く詮索者》
ここ数年、ゴブリンという部族は全くカードが増えず再録ばかりで泣いてましたが、ここで急にハイパワーなゴブリンが収録されました。
すでに話題になっていますが、召喚酔いさえなくなればトップに《鏡割りのキキジキ》がいるだけで無限トークンです。起動型能力を得るだけでも強いのに《未来予知》能力まで!《スカークの探鉱者》などキャストし得なクリーチャーもいるのでいろいろ使い道が多そうですね。僕は《俗世の教示者》入りの赤緑を試しています。
3位:《取り除き》
プレインズウォーカーも触れる《燻し》、ちょっと範囲の狭い《突然の衰微》などいろいろ言われていますが、2マナの除去にしては破格の性能に思えます。
いままで黒緑カラーでないと《突然の衰微》が使えず、《王冠泥棒、オーコ》に触る手段があまりありませんでした。ですが、《取り除き》は黒さえあれば採用できるのでグリクシスカラーのデッキでの使用が考えられます。《王冠泥棒、オーコ》と《タルモゴイフ》の両方に触れるカードが、《突然の衰微》以外になかったので大きな進歩ですね。
◆第15期ヴィンテージ神:谷川 風太
『基本セット2021』カードセット全体の印象
『基本セット』と銘打っていますが、今回はクセの強そうなカードが多い印象を受けました。『灯争大戦』以降のセットと比べてカードパワーは控えめですし、ヴィンテージ環境を揺るがすようなカードは少なさそうです。今回のセットはテフェリーをフィーチャーしていますが……このプレインズウォーカー出すぎでは!?
これまでのテフェリーはヴィンテージで使われたことがありますが、果たして今回のテフェリーは活躍することができるのでしょうか?
『基本セット2021』ヴィンテージ注目カードトップ3!
1位:《封じ込める僧侶》/《トーモッドの墓所》/《漁る軟泥》
ドレッジに対する明らかなヘイトカードであり、ヴィンテージ環境では初収録時より使われてきました。優秀なカードの再録は嬉しいことではありますが、ドレッジに効くカードの存在枚数を増やすのはいかがものかとくぁwせdrftgyふじこlp!!!
失礼しました。つい嫌いなカードを挙げてしまいました。次からは私の注目しているカードの紹介になります。
1位:《峰の恐怖》
主にドレッジで使われそうな1枚です!神決定戦の際に相手の《The Tabernacle at Pendrell Vale》対策で《憎悪縛りの剥ぎ取り》を採用していましたが、《峰の恐怖》はソレと入れ替えるくらい強いです。
《憎悪縛りの剥ぎ取り》は単体で9点削ることができますが、《甦る死滅都市、ホガーク》では誘発しないのがネック(※1)でした。しかし、《峰の恐怖》はホガークが戦場に出た際も誘発するため、《峰の恐怖》+《甦る死滅都市、ホガーク》×2+《黄泉からの橋》のゾンビで相手のライフを焼き切ることが可能です!
※1:一見誘発するように見えますが、《憎悪縛りの剥ぎ取り》の能力は「墓地から戦場に出るたび」なので、墓地から唱えられて場に出る《甦る死滅都市、ホガーク》は”スタック”上を介して出るため、誘発しません!
2位:《人目を引く詮索者》
すでにモダンで結果を残していますが、ヴィンテージにおいても使われそうなそうな1枚。モダンでは《ボガートの先触れ》とのコンボが話題ですが、ヴィンテージでの相棒は《ゴブリン徴募兵》になります!《ゴブリン徴募兵》では圧倒的な積み込み能力により、コンボ後の二の矢三の矢も用意できるのが強みです。
ヴィンテージの赤単といえば、《血染めの月》や《三なる宝球》で相手を縛りながら殴るドラゴンストンピィが主流ですが、このカードの登場によりゴブリンが台頭してくるかもしれないですね!
3位:《灯狩人のマスティコア》
MUDで使われそうな1枚。《Mishra’s Workshop》を使用し強力なアーティファクトを展開するMUDですが、《ダク・フェイデン》という天敵が存在します。ですが、《灯狩人のマスティコア》は《ダク・フェイデン》に奪われる心配はありません!1点を飛ばす能力で環境に存在するプレインズウォーカーを蜂の巣にしてしまいましょう!
「神」ならではの柔軟な発想と鋭い着眼点から、各フォーマットの『基本セット2021』の注目カードをレビューしてもらいました。
目を引くような強いカードが多く、どんなデッキを組むか考えるのが楽しいですね!晴れる屋 トーナメントセンター 東京では7月4日(土)に『基本セット2021』環境初陣戦が開催されますので、新たな戦力と共に新環境へと踏み出してみましょう!