決勝戦:坪井 猛人(《逆説的な結果》ストーム) vs. 田代 晃一(ドレッジ)

大森 健一朗

By Omori Kenichiro

最初の帝王戦

晴れる屋大阪店が晴れる屋 トーナメントセンター 大阪となって初めての『関西帝王戦』。その記念すべき歴史の第一歩目は、マジックの歴史を詰め込んだヴィンテージでの開催となった。

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坪井 猛人が使用するのは「《逆説的な結果》ストーム」。ヴィンテージらしくパワー9の力を存分に発揮できるアーキタイプだ。地元愛知県へ、延いては東海地方へ“関西帝王”の称号を持ち帰ることができるか。

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対するは田代 晃一の「ドレッジ」。「《逆説的な結果》ストーム」とは対照的にパワー9が1枚も採用されていないデッキだが、こちらもヴィンテージならではの爆発力を十分に備えている。大阪勢として“関西帝王”の称号を守り切ることはできるか。

デッキリスト

  • 第3期関西帝王戦ヴィンテージ
  • (スイスラウンド5位)

晴れる屋 トーナメントセンター 大阪で最初の帝王となるのはどちらか。

坪井 猛人(左) vs. 田代 晃一(右)

坪井 猛人(左) vs. 田代 晃一(右)

決勝戦

Game 1

両者マリガンなく初手の7枚をキープしてスタート。そしてドレッジの田代が7枚でキープしたということは、当然あのカードを持っている。

Bazaar of Baghdad

ヴィンテージを代表する1枚でもあるこのカードは『2枚引いて3枚捨てる』というシンプルな効果ながら、「発掘」を持ったカードと組み合わせることで圧倒的な速度で墓地へとカードを送りこむ。

田代は起動すると、《ゴルガリの墓トロール》《臭い草のインプ》《黄泉からの橋》を捨てる。坪井が土地を置くのみでターンを返すと、田代は自身のアップキープに《Bazaar of Baghdad》を再び起動。

ゴルガリの墓トロール臭い草のインプ

先ほど捨てた《ゴルガリの墓トロール》《臭い草のインプ》を発掘し、通常ドローでさらに《ゴルガリの墓トロール》を発掘!《ナルコメーバ》2枚を含む17枚のカードを一気に墓地へと送り込む!

そして田代は“メインボード全勝”の勢いそのままに、2枚目の《Bazaar of Baghdad》をセットランド。2枚の《恐血鬼》を蘇らせつつ、どんどん発掘していく。戦場には《ナルコメーバ》《恐血鬼》が2体ずつ、墓地には2枚の《黄泉からの橋》と2枚の《陰謀団式療法》、そして《戦慄の復活》。1マナたりとも使用していないのに、2ターン目にして9枚のカードがアクティブになっている!

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この潤沢なリソースから、まずは《恐血鬼》をコストに《陰謀団式療法》をフラッシュバック。宣言した《意志の力》は坪井の手にはなかったが、続けた2枚目は《狼狽の嵐》を叩き落す。

安全確認を終えた田代は満を持して《戦慄の復活》をフラッシュバック、対象は《太陽のタイタン》だ。

戦慄の復活太陽のタイタン

この《太陽のタイタン》は3枚目の《Bazaar of Baghdad》を戦場へと呼び戻し、田代の発掘はまだ止まらない。

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3枚目となる《陰謀団式療法》のフラッシュバックにレスポンスして、坪井は《吸血の教示者》を唱えるが、残された手札から《思案》を奪われる。このターン中のフィニッシュは叶わなかったが、次のターンには圧倒的なゾンビ軍団の攻撃で勝利が見える。

だが、勝負はまだ決していない。坪井は《魔力の櫃》をキャストし、先ほどの《吸血の教示者》で用意した《修繕》!!

修繕ボーラスの城塞

この《修繕》により導かれたのは《ボーラスの城塞》。ライフはたっぷりあるため、ライブラリー上に眠るカード次第では大逆転の可能戦も十分に残っている。

だが、無情にも、坪井のライブラリーのトップは《精神的つまづき》。シャッフル手段なく、ゾンビの軍団に押し潰されることとなった。

坪井 0-1 田代

Game 2

先手坪井は少考するが、初手の7枚をキープ。

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《島》《トーモッドの墓所》《太陽の指輪》《師範の占い独楽》と一気に4枚のパーマネントを展開。余ったマナで《師範の占い独楽》を起動してターンを終える。

7枚をキープした田代は《Bazaar of Baghdad》を設置するも、《トーモッドの墓所》が睨みを利かせており1ゲーム目のようには動けない。ひとまず《Bazaar of Baghdad》を起動し、ディスカードは2枚の《ナルコメーバ》《石化した原野》と緩やかなラインナップ。

虚ろな者

だが、3枚のカードを捨てたことにより、0マナでのプレイが可能となった《虚ろな者》が現れる。これは《トーモッドの墓所》では止められない。

さらに坪井のアップキープに田代は《太陽の指輪》《トーモッドの墓所》を対象に《活性の力》

活性の力

この2枚を失った坪井は《師範の占い独楽》を起動するが、大きなアクションはなくターンを返す。

田代は《虚ろな者》で攻撃後、《Bazaar of Baghdad》を起動する。《トーモッドの墓所》という障害が消えた墓地に《黄泉からの橋》を送り込む。

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さらに追撃の《暴露》《逆説的な結果》《ボーラスの城塞》《精神的つまづき》という坪井の手札から《逆説的な結果》を抜き去る。

田代は最後の手札である2枚目の《Bazaar of Baghdad》セットして起動、待望の発掘カードである《ダクムーアの回収場》が墓地へと送られる。坪井は土地を置き、《師範の占い独楽》を起動。来るべき反撃の瞬間へ向けて準備を進める。

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田代はアップキープに《Bazaar of Baghdad》を起動。1度目は追加の発掘カードに出会えなかったが、2枚目の《Bazaar of Baghdad》を起動すると《ゴルガリの墓トロール》が落ち発掘が繋がる

《ナルコメーバ》《恐血鬼》《戦慄の復活》と、田代の求めるカードが次々に墓地へと落ちてゆく。墓地に2枚の《恐血鬼》がいることを考慮し、ドローフェイズに《ゴルガリの墓トロール》ではなく《ダクムーアの回収場》の発掘を選択する。

この発掘により《炎の血族の盲信者》が墓地へと落ちる。田代の墓地にはすでに《黄泉からの橋》《戦慄の復活》がある。入念に計算を繰り返し、確信を得た田代は《戦慄の復活》をフラッシュバック。

戦慄の復活炎の血族の盲信者虚ろな者

3体のゾンビに《炎の血族の盲信者》《虚ろな者》。それらすべてが+1/+1されて合計17点。一瞬にして作り上げられた強烈な一撃により、坪井のライフは0を割った。

坪井 0-2 田代

『第3期ヴィンテージ帝王』田代 晃一

『第3期関西帝王戦ヴィンテージ』優勝は田代 晃一!おめでとう!!

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大森 健一朗 関西を中心に活動し、これまでいくどとなくプロツアー/グランプリへと参加を果たしてきたプレイヤー。普段は晴れる屋大阪店においてスタッフとして勤務する傍ら、カバレージライターもこなすなどマルチなタレントを見せる。グランプリ・神戸2011で自身初のトップ8入賞を果たし、コツコツと研鑽を積んだ結果2020年に入り大ブレイク。プレイヤーズツアー・名古屋2020では9位入賞、そしてRed Bull Untapped International Qualifier 1では準優勝を果たしている。 大森 健一朗の記事はこちら

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