USA Legacy Express vol.170 -レガシー界の平和の番人-

Kenta Hiroki

Kenta Hiroki

はじめに

みなさんこんにちは。

年末に開催されるThe Last Sun 2020ですが、フォーマットの内1つはレガシーとなっています。オンライン大会が中心となっているなかで貴重なテーブルトップの大会であり、熱いイベントになることは間違いないでしょう。

さて、今回の連載ではLegacy Showcase ChallengeとNero Rage Gaming Championship Series MTGOの入賞デッキをみていきたいと思います。

Legacy Challenge #12192348
Snow Miraclesがタレント揃いのイベントを制する

2020年8月9日

  • 1位 Bant Snow Miracles
  • 2位 Death’s Shadow
  • 3位 Elves
  • 4位 Temur Delver
  • 5位 Temur Snow Control
  • 6位 Hogaak
  • 7位 Esper Vial
  • 8位 Dredge

トップ8のデッキリストはこちら

Legacy Showcase Challengeは参加するために40QP(Magic Onlineの各種イベントで稼げるポイントのこと)が必要であり、普通のLegacy Challengeよりもレベルが高くなる傾向にあります。

事前の予想通り、多くのプレイヤーがトップメタであるTemur Delverを選択していましたが、対策が厳しかったためかプレイオフまで勝ち残ったプレイヤーはわずかに1名。HogaakやEsper Vial、Elvesなどさまざまなアーキタイプが入り混じったプレイオフとなり、そのなかで優勝を果たしたのはBant Snow Miraclesでした。

デッキ紹介

Bant Snow Miracles

SteFaNoGs(Stefano Garcia)はSnowkoと伝統的なMiraclesをハイブリットしたデッキを使用し、見事優勝を収めました。トップメタのTemur Delverをはじめとしたクリーチャーデッキ全般に強い構築であり、今回の結果には納得です。

クロックが遅く、特にメインボードは白い除去スペルが無駄になりやすいため、StormやSneak and Showといったコンボデッキを苦手としますが、Delver系を頂点とした現在のメタゲームではコンボデッキは勝ちにくく、コントロールは有利な立場にいます。

☆注目ポイント

氷牙のコアトル剣を鍬に終末

軽いクリーチャー対策である《氷牙のコアトル》《剣を鍬に》、全体除去の《終末》を採用しているため、クリーチャーデッキとのマッチアップに強い構成です。

ドビンの拒否権

2マナの確定カウンターには《対抗呪文》ではなく、《ドビンの拒否権》が優先されています。単体/全体除去を多数採用しているこのデッキにおいて、カウンターしたいスペルは非クリーチャーとなるため妥当なチョイスといえます。これにより同型やDelver系との《王冠泥棒、オーコ》を巡るカウンター合戦が有利になります。

花の絨毯基本に帰れ

サイドボードの《花の絨毯》《冬の宝珠》をサイドインしてくるDelver系とのマッチアップで活躍します。1マナと軽いため通しやすく、《目くらまし》《呪文貫き》といったソフトカウンターを無効化にすることで、疑似的にカードアドバンテージを得ることになります。基本地形を7枚も採用しているため、《基本に帰れ》で相手だけを一方的に縛ることが可能であり、特にTemur Delverとのマッチアップでは輝きます。

平和の番人精神を刻む者、ジェイス

《平和の番人》は珍しいチョイスですが、EldraziやElvesなどの除去が少なく勝利手段をクリーチャーの戦闘ダメージに頼っているデッキに効果的なカードです。相手の攻撃が止まっている間に《精神を刻む者、ジェイス》の[+2]能力によってライブラリーをコントロールし、相手の数少ない除去をボトムに送り続けることで勝負を決めます。

Death’s Shadow

マジック25周年記念プロツアーで準優勝したことで、にわかに注目を集めたレガシー版のDeath’s Shadow。

レガシーのマナ基盤では半固定化されているデュアルランドよりも、能動的にライフを減らせるショックランドが優先されているのが特徴です。

基本的な動きはDelver系と変わらず、軽いクロックを妨害スペルでサポートしていきますが、《通りの悪霊》《殺し》《思考囲い》などライフを支払う手段が多数あるため、2ターン目から規格外の《死の影》を展開可能となっています。

☆注目ポイント

汚染された三角州グルマグのアンコウ通りの悪霊

このデッキの最高クリーチャーは《死の影》ですが、フェッチランドや《通りの悪霊》によって序盤から墓地にカードが溜まりやすいため、最速2ターン目に《グルマグのアンコウ》を展開することができます。《剣を鍬に》のような白い除去には弱いものの、《グルマグのアンコウ》《突然の衰微》《致命的な一押し》《稲妻》などのレガシーを代表する除去全般に耐性があるカードです。

死の影頑固な否認グルマグのアンコウ

1マナのソフトカウンターは《呪文貫き》が主流ですが、《死の影》《グルマグのアンコウ》が主力のこのデッキでは「獰猛」を満たしやすいため、1マナの《否認》である《頑固な否認》が優先されます。

疫病を仕組むもの厚かましい借り手取り除き

マジック25周年記念プロツアーから2年以上が経っているため、新戦力もみられます。《厚かましい借り手》はこのデッキでは対処が難しかった《虚空の杯》《罠の橋》、マリッドレイジトークンにメインボードから対応できる大変フレキシブルなカードです。

サイドボードでは2種類の黒い除去カードが加わっています。《疫病を仕組むもの》は部族デッキや《真の名の宿敵》を対処し、《取り除き》《タルモゴイフ》《王冠泥棒、オーコ》など多くの脅威に対応できる受けの広い除去になります。

Temur Snow Control

Temur Delverから《秘密を掘り下げる者》《タルモゴイフ》を抜き、《氷牙のコアトル》《自然の怒りのタイタン、ウーロ》を採用したデッキです。デッキのコンセプトはテンポ寄りのDelverとは大きく異なり、ロングゲームを意識したミッドレンジとなっています。

Temur Delverと共通する部分はありますがカードの使い方は異なり、火力は《自然の怒りのタイタン、ウーロ》でアドバンテージを稼げるようになるまで延命措置として使います。

☆注目ポイント

もみ消し

メインからフルに採用された《もみ消し》は、相手のフェッチランドの起動型能力を打ち消すことを基本として、Storm対策やプレインズウォーカーの起動型能力を妨害したり、「奇跡」の誘発を防いだりと用途が広いスペルです。最近はEsper Vialの《護衛募集員》をはじめとした場に出たときの能力(以下ETB能力)持ちのクリーチャーや、復権してきているGoblinsとのマッチアップでも強力なスペルとして機能します。

覆いを割く者、ナーセット

このタイプのミッドレンジはクリーチャーデッキに強い反面、Snowkoやコンボデッキとのマッチアップを苦手とする傾向にあります。そのため、キャントリップなどの追加ドローを止めつつアドバンテージを稼げる《覆いを割く者、ナーセット》はキーカードとなります。

アーカムの天測儀

《不毛の大地》を4枚採用した3色デッキと聞くとマナ基盤に不安を覚えるかもしれませんが、この構築が成立するのは《アーカムの天測儀》あればこそなのです。

Nero Rage Gaming Series MTGO Open #3
『Jumpstart』によって強化された部族デッキ

2020年8月17日

  • 1位 Sneak and Show
  • 2位 Elves
  • 3位 Snowko
  • 4位 Temur Delver
  • 5位 Temur Delver
  • 6位 Bant Snowko
  • 7位 Death and Taxes
  • 8位 Doomsday

大会情報はこちら

Nero Raging Game(NRG)がMTGMELEEを通じて主催している、Magic Online のレガシー大会がありました。賞金総額は$1500にのぼり、参加者も100人を超えるなど大盛況でした。

Temur Delverは優勝こそ逃しましたが、安定した成績を残し続けています。SnowkoやElves、Sneak and Showが入賞し、多様性溢れる大会となりました。

デッキ紹介

Elves

《遺産のドルイド》などのマナエルフによって序盤から爆発的なマナを生成し、《緑の太陽の頂点》《自然の秩序》から《孔蹄のビヒモス》をサーチして相手を殴り倒す、クリーチャーベースのコンボデッキです。一部のコントロールやSneak and Showは苦手ですが、環境にある多くのデッキと互角以上に渡り合えるデッキです。

《垣間見る自然》《ワイアウッドの共生虫》+《エルフの幻想家》からのカードアドバンテージにより、リカバリーしやすいのもこのデッキの特徴です。

☆注目ポイント

垣間見る自然Allosaurus Shepherd自然の秩序

新戦力によって強化されたElves。『Jumpstart』から獲得した《アロサウルス飼い》キーカードである《垣間見る自然》《緑の太陽の頂点》《自然の秩序》をカウンターから守るため、青ベースのデッキにとって脅威となります。クリーチャーが並びマナが大量に出るこのデッキには起動型能力も噛み合っており、アグロプランをとりやすくなりました。

ガイアの揺籃の地むかしむかしワイアウッドの共生虫

《むかしむかし》によって爆発力を支える《ガイアの揺籃の地》《ワイアウッドの共生虫》を引き込みやすくなり、安定性も向上しています。

武勇の場の執政官

《緑の太陽の頂点》《自然の秩序》のサーチ先として採用されている《武勇の場の執政官》は、コントロールやコンボを機能不全に陥らせます。マナコストは6マナとレガシーではかなり重い部類に入りますが、マナクリーチャーが多いためマナを支払って手札からプレイすることも可能です。そのために《Savannah》も採用されています。

総括

《王冠泥棒、オーコ》を使った青ベースのフェアデッキがコンスタントに結果を残しているなか、『Jumpstart』から新戦力を獲得したElvesなどの部族デッキもみられます。『ゼンディカーの夜明け』リリースまでは、しばらくこの環境が続きそうです。

また、The Last Sun 2020の予選大会はすでに各地で開催されているため、レガシー好きな方はお見逃しないように!

USA Legacy Express vol.170は以上となります。

それでは次回の連載でまた会いましょう。楽しいレガシーライフを!

この記事内で掲載されたカード

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
Kenta Hiroki

Kenta Hiroki アメリカ在住のプレイヤー。 フォーマットを問わず精力的に活動しており、SCGやグランプリの結果などからグローバルな最新情報を隔週で発信する「USA Standard Express」「USA Modern Express」「USA Legacy Express」を連載中。 Kenta Hirokiの記事はこちら