『ゼンディカーの夜明け』来る!
『ゼンディカーの夜明け』プレリリースが開催された先週末。みなさんは強力なレアや新カードを手にし、「パーティー」をはじめ懐かしの「キッカー」「上陸」まで、『ゼンディカーの夜明け』をテーブルトップで堪能できましたか?
『ゼンディカーの夜明け』発売は今週末となっていますが、オンライン上では一足早く使用可能となっています。すでに新カードを軸にしたデッキも生まれているようです。
そこで、今回は『ゼンディカーの夜明け』導入後のスタンダードデッキをご紹介していきたいと思います。
新鋭
4色オムナス
3 《島》
2 《山》
1 《平地》
4 《寓話の小道》
3 《進化する未開地》
3 《ラウグリンのトライオーム》
3 《枝重なる小道》
3 《岩山被りの小道》
-土地 (27)- 4 《水蓮のコブラ》
2 《イリーシアの女像樹》
3 《自然の怒りのタイタン、ウーロ》
4 《創造の座、オムナス》
1 《伝承の語り部、チュレイン》
1 《帰還した王、ケンリス》
-クリーチャー (15)-
新たに白が加わった《創造の座、オムナス》が早くも環境を席巻しています(※直近の大会結果一覧へ)。土地を追加で出すカードと「上陸」を持つカードを絡めてアドバンテージを稼いでいく、ミッドレンジデッキになります。
デッキの顔である《オムナス》は土地をセットする枚数により、3つの能力が順に誘発していきます。なかでも最初の能力は「上陸」するたびに4点のライフを得るため、アグロに強いカードとなっています。《寓話の小道》のようなフェッチランドと組み合わせれば、自分と相手のターンに「上陸」することで8点のライフを得ることができますね。
また、フェッチランドを手札からプレイし即起動すれば2番目の能力も誘発することができ、土地1枚で5マナを生成します。5ターン目にして《発生の根本原理》に手が届きますね。生成されたマナは《僻境への脱出》やほかのパーマネントをキャストするなどして、うまく使い切りましょう。
フェッチランドと《自然の怒りのタイタン、ウーロ》、もしくは《発生の根本原理》などと絡めて3度「上陸」を果たせば、プレイヤーとプレインズウォーカーへ直接ダメージを与えることができます。毎ターン誘発させることは難しいかもしれませんが『各プレインズウォーカーへダメージが入る』ため、複数のプレインズウォーカーが並んだ際は狙っていきましょう。
このデッキは大まかにマナ加速とリソース供給、フィニッシャーの3つのカテゴリーから成り立っています。まずはマナ加速についてですが、《オムナス》、《僻境への脱出》、《発生の根本原理》へ1ターンでも早くたどり着くために、複数のカードが採用されています。
《水蓮のコブラ》は《寓話の小道》と相性が良く、《発生の根本原理》の捲れ方次第ではさらに《根本原理》をキャストすることも夢ではありません。後者2種は《オムナス》がいれば2回目以上の「上陸」を誘発する助けとなります。
これらは増えたマナを使ってリソースへと変換していくカードになります。《僻境への脱出》や《発生の根本原理》はマナコストこそ重いものの、瞬間的に複数のカードを補充してくれます。《水蓮のコブラ》や《オムナス》が戦場に入ればマナを生成できる可能性があり、再び動くことも可能となりますね。
フィニッシャーとなるカードはいずれも単体で十分なパワーがありますが、《フェリダーの撤退》に注目してみたいと思います。フェッチランドとの組み合わせで1ターンに2度「上陸」を誘発させることもできますが、ある程度クリーチャーの頭数を揃えて《発生の根本原理》との組み合わせを狙ってみましょう。複数「上陸」を誘発させ、《踏み荒らし》のごとく一気にパンプアップできます。
ここに《水蓮のコブラ》がいればマナも爆発的に増え、呪文を連鎖することができます。《僻境への脱出》や《発生の根本原理》は一気にリソースを爆発させるチャンス!
呪文/土地の両面カードは土地を多く必要とするデッキにとっては最適な1枚となります。土地詰まり(マナスクリュー)を回避しながら、土地の引き過ぎ(マナフラッド)にも対応できるためです。
《棘平原の危険》は地味なカードかもしれませんが、ミラーマッチのポイントである《水蓮のコブラ》を対処できる貴重なカード。しかも相手が《水蓮のコブラ》をキャストしてこなければ土地として置くことができるため、無駄になりません。苦手とする赤単アグロにも効果的な1枚です。
また、《オムナス》は「出来事」や《創造の歌》と組み合わせたものやフィニッシャーに《峰の恐怖》や《精霊龍、ウギン》を据えたものなどさまざまな構築があります。
Hareruya Hopesの増田 勝仁選手は《空を放浪するもの、ヨーリオン》を「相棒」にした4色オムナスで見事ミシック1位を達成しました!
今月も目標達成うおおお! 使ったのは赤単とグルールとスゥルタイとディミーアに勝てない4cオムナス。 pic.twitter.com/JBBjo8srZt
— Masahito Masuda (@manohito_masuda) September 22, 2020
4 《島》
2 《山》
1 《平地》
4 《寓話の小道》
2 《進化する未開地》
4 《ケトリアのトライオーム》
4 《ラウグリンのトライオーム》
4 《岩山被りの小道》
4 《河川滑りの小道》
-土地 (36)- 4 《水蓮のコブラ》
4 《イリーシアの女像樹》
4 《自然の怒りのタイタン、ウーロ》
4 《創造の座、オムナス》
4 《峰の恐怖》
2 《豆の木の巨人》
-クリーチャー (22)-
《オムナス》は無限の可能性を秘めているようですね。
ディミーアローグ
5 《島》
4 《欺瞞の神殿》
4 《清水の小道》
1 《ロークスワイン城》
-土地 (20)- 4 《マーフォークの風泥棒》
4 《盗賊ギルドの処罰者》
3 《ズーラポートの決闘者》
4 《空飛ぶ思考盗み》
4 《厚かましい借り手》
4 《滑りかすれ》
2 《トリックスター、ザレス・サン》
-クリーチャー (25)-
瞬速と飛行を持つクリーチャーを多用し、相手のデッキを「切削」することで自陣を強化していくディミーアローグ。単体は小粒ながら相手の墓地を肥やすことで《空飛ぶ思考盗み》や《盗賊ギルドの処罰者》を強化し、《湖での水難》の届く範囲を広げます。
また、エセ忍者である《トリックスター、ザレス・サン》は「切削」と相性良く、相手のフィニッシャーを釣り上げてくれます。墓地へと落ちた《創造の座、オムナス》や《探索する獣》を狙っていきましょう。
これまで活躍の難しかった《滑りかすれ》ですが、クリーチャーの大半が瞬速を持つこのデッキではかなりアドバンテージを稼いでくれます。ひとたび着地すれば手札を減らさずにゲームを進めることが可能となり、4色オムナスや遅いコントロールに対してはライフにもプレッシャーをかけます。
呪文/土地の両面カードは2種類採用され、瞬速主体のデッキであるため《ジュワー島の撹乱》は避けにくく、重いデッキへ効果的に働きます。《湖での水難》は「切削」と組み合わせることで、どんなカードにも対処できる万能カード。中盤以降の切り札となりますね。
グルール上陸
5 《森》
4 《寓話の小道》
4 《岩山被りの小道》
-土地 (18)- 4 《アクームのヘルハウンド》
4 《山火事の精霊》
4 《水蓮のコブラ》
4 《カザンドゥのマンモス》
3 《ケルドの心胆、ラーダ》
4 《探索する獣》
-クリーチャー (23)-
『ゼンディカーの夜明け』を全面に押し出したアグロデッキが誕生しました。基本スタッツは低いものの、「上陸」することで瞬間的にサイズアップするクリーチャーを使い攻めていきます。フェッチランドが《寓話の小道》4枚しかないのが残念ですが、両面カードを多用することでフラッド/スクリューを同時にケアしつつ、攻撃を継続することが可能となっています。
基本的には毎ターン土地をセットすることで1体につき+2/+2の修正を加えることになりますが、複数体の「上陸」クリーチャーが並んだところで一気にライフを削りきりたいところ。そこで《寓話の小道》や《乱動の再成長》を使って一気にサイズアップを狙います。複数回「上陸」が誘発することで単体のパワーが高くなるため、《エンバレスの宝剣》も相性がいいカードとなっています。
このデッキで着目すべきは「上陸」デッキながら土地が18枚というところです。この構築が成り立つのも呪文/土地の両面カードのなせる技。マナフラッドをケアしながら、マナスクリューに陥るのを防ぐ画期的なカードになります。伸びたマナから《乱動の再成長》や《変わり樹の共生》をキャストするのはもちろんのこと、《ケルドの心胆、ラーダ》のように増えたマナを使う要素となっています。
直近の入賞デッキ
『ゼンディカーの夜明け』リリース後のスタンダードイベントを調査した結果、4色オムナスは支配的な強さであることが判明しました。オンラインリリースから9月22日までの大会結果(最低参加人数16人以上)において、トップ16の内4割を占めているのです。
優勝回数こそ2回と少ないのの、すべての大会において複数の使用者がトップ8 におり、最低でもトップ4まで進出しています。これこそデッキパワーの高さと安定感の証明であり、このデッキの魅力といえるでしょう。
環境初期であり、《オムナス》も多色デッキであるからこそ、つけ入る隙もありそうです。出だしの遅さを咎めるときこそ、アグロデッキの出番となります。赤単アグロやグルールアグロのように軽いクリーチャーでプレッシャーをかけ、必殺技をお見舞いしましょう!
速度に特化したデッキは、存在感を示す時となるでしょう。緑単やほかのアグロデッキにも復権の可能性はありそうです。
今週末の勝ち組を探せ!!
発売前から環境の中心となった《オムナス》を取り巻くメタゲームはどのように変化していくのでしょうか?新しいアグロやコントロールの出現、ミラーマッチに特化した《オムナス》の構築などに注目していきましょう。
今週末には『ゼンディカーの夜明け』環境初陣戦が控えていますね。次回はその情報をお届けしたいと思います。