新環境におすすめのアグロデッキ6選

Joe Soh

Translated by Nobukazu Kato

原文はこちら
(掲載日 2020/09/24)

いざ、新環境へ!

私の大好きなローテーションがやってきました!カードプールに眠る宝石を探してみたり、使えそうなカードを試してTier1を目論むデッキやFNM用のカジュアルデッキの構築したりと、新環境はいつだって新しいデッキを組むのに最適な時期です。

前環境の状況は個人的に好きになれなかったので、特に今回のローテーションは心待ちにしていました。禁止告知があってからの最後のひと月こそ楽しめていましたが、今はこの先に待ち受けているアグロデッキの新たな可能性を試すときでしょう!

アグロデッキ6選

白単アグロ

まずは白単アグロを見てみましょう。私が戦いの場をMagic OnlineからMTGアリーナに移してから愛用してきたアーキタイプですが、上記の新リストにはすでに大きな期待をしています!《敬慕されるロクソドン》による高速展開がなくなったのは寂しいところですが、今の白単アグロには有力な選択肢・解答が多く揃っているという印象です。いままでの白単アグロでは考えられなかった贅沢ですね。

巨人落としスカイクレイブの亡霊光輝王の野心家バスリの副官

1ターン目に展開できるクリーチャーは合計16枚ありますが、その多くはゲームレンジが長くなっても効力が薄れない柔軟性を備えています。また、《巨人落とし》《スカイクレイブの亡霊》はクリーチャー兼除去であるため、非クリーチャー呪文に枠を割かずとも除去を8枚用意できます。さらに、《光輝王の野心家》《バスリの副官》の効果を組み合わせれば、全体除去への耐性も付けられるのです。

歴戦の神聖刃スカイクレイブの大鎚

しかし、最大の魅力かつ個人的にもっとも楽しみにしている動きは、《スカイクレイブの大鎚》を装備した《歴戦の神聖刃》で攻撃することです!このコンボは追放除去のないデッキにとっては対処困難であり、仮に採用しているデッキだとしてもライフが尽きるまでにその除去を探し出す猶予はたった4ターンしかありません。

黒単アグロ

アグロに属するデッキだと思いたいところですが、このデッキは高い持久力を備えており、2ターン目より10ターン目の方が強いのではないかとすら思えます!軽いクリーチャーに《悪魔の抱擁》をエンチャントして序盤からプレッシャーをかけられるデッキではありますが、カードの質はゲームが長引くに連れて強力になっていきます。

スカイクレイブの影忘却の虚僧夜鷲のあさり屋

たとえば、《スカイクレイブの影》は5/3になって墓地から蘇り、《忘却の虚僧》は「キッカー」によって盤面に戦力を呼び戻し、《夜鷲のあさり屋》は高パワーの絆魂クリーチャーになるのです!ほとんどのクリーチャーが絆魂を持っており、各戦闘でライフを回復できるため、《ロークスワイン城》の弱点は取るに足らないものになります。

Hagra Maulingアガディームの覚醒

両面カードはデッキの安定性を高めています。土地が少なければ土地としてプレイでき、土地が伸びた段階になれば比較的安いマナコストで唱えられる追加の呪文になるのです。《ハグラの噛み殺し》は見慣れた効果ですが、《アガディームの覚醒》はかなりカードパワーが高く、適切なデッキに入れればさらなる使い道が見出せそうな気がします

その手始めに《魔王の器》は良さそうです。墓地肥やし役は《ぬかるみのトリトン》でどうでしょうか。もしかしたら《峰の恐怖》を使ったコンボキルができるのかも?黒と赤のカラーリングでどうやって8マナを用意するのかという問題はありますが……アイディアはアイディアですから!

オルゾフクレリック

天界の語り部光輝王の野心家

強そうなオルゾフカラーのデッキで、しかも《アガディームの覚醒》を上手く使えそうときたら私は居ても立っても居られません!序盤から《天界の語り部》《光輝王の野心家》で強化していけば早々に天使トークンが出せるようになるでしょうし、ゲームが長引いたときも《スカイクレイブの秘儀司祭、オラー》《アガディームの覚醒》でこの2体は容易に戦場に戻せます。

生命の絆の僧侶希望の死、タボラックス

《アジャニの群れ仲間》はもうローテーション落ちしてしまいましたが、単体でライフ回復をしてサイズを上げていける《生命の絆の僧侶》は立派な代役になるでしょう《希望の死、タボラックス》は全体除去耐性を付与しながらも《アジャニの群れ仲間》のようにサイズアップする存在になれるかもしれません。

悪魔の信奉者

《悪魔の信奉者》はちょっと変わった選択に思えるかもしれませんが、《魔王の器》を墓地に送ったり、重複した《スカイクレイブの秘儀司祭、オラー》を除去に変換したり、《希望の死、タボラックス》を介して「サイクリング」できたりします。

スカイクレイブの秘儀司祭、オラー

しかし、クレリックというアーキタイプを探究する理由はひとえに《スカイクレイブの秘儀司祭、オラー》にあります。スタッツはそこそこですが、決して戦場に放置できないクリーチャーばかりを序盤から展開していく構成にすれば、《オラー》が継続的にクリーチャーをリアニメイトする土壌が整うため、その能力はケタ外れなものになります。実際のところ、レジェンド・ルールを利用すれば即座にその能力を2回誘発できるので、《オラー》は毎試合何枚でも引きたいカードです。

ボロス戦士

コーの刃使い恐れなき探査者、アキリ

《歴戦の神聖刃》に装備品をつける動きが強いことはおわかり頂けたと思います。でしたら、《コーの刃使い》で二段攻撃を与えてさらに強化してみるのはどうでしょう?はたまた、《恐れなき探査者、アキリ》で毎ターン追加のドローをするのは?

カルガの威嚇者髑髏砕きの一撃

《カルガの威嚇者》が相手のクリーチャーを「臆病者」にしてブロック不可にしてくれるため、このデッキではクリーチャー除去を入れる必要がありません(《髑髏砕きの一撃》はほぼノーコストで採用できます。これは入れておきましょう)。

古代を継ぐ者、ナヒリ

《古代を継ぐ者、ナヒリ》はデッキに合えばかなり強そうです。タダで装備品付きのブロッカーを立てたり、サポート役の戦士/装備品を探し出したり、条件付きの除去としても機能します。私はこのデッキを《歴戦の神聖刃》と装備品のタッグをサポートするものとして考えていましたが、もしかしたら《古代を継ぐ者、ナヒリ》を4枚採用するデッキとして捉えなおすべきかもしれません

ディミーアローグ

滑りかすれトリックスター、ザレス・サン

《滑りかすれ》の登場から多くのプレイヤーに期待されてきたディミーアフラッシュですが、各種新戦力と新たなデッキの大将である《トリックスター、ザレス・サン》が加わったことでとうとう活躍するときが来たかもしれません!《滑りかすれ》は瞬速の呪文をすべてキャントリップ付きに変えることができ、戦場に残ったこのクリーチャーこそがこのデッキの強みですが、以前はこれしかないデッキでした。

しかし今や、《滑りかすれ》はもちろんのこと、相手はデッキ内のすべてのクリーチャーを対処しなければならなくなりました。クリーチャーが生き残れば《トリックスター、ザレス・サン》の疑似「忍術」によってゲームを決定づけられます。あるいは相手のリソースが尽きたあとに、瞬速クリーチャーとして出してもいいでしょう。

Jwari Disruption

以前から私は《魔力の乱れ》が好きですが、《ジュワー島の撹乱》はこのデッキにフィットするでしょう。序盤はタップイン土地として使えますし、大物を打ち消せれば《トリックスター、ザレス・サン》の効果で奪えるのです!

理論上は有効な戦略に思えますが、《自然の怒りのタイタン、ウーロ》がいる世界では《トリックスター、ザレス・サン》を大舞台に持ち込むにはある程度の勇気を必要とするでしょう。

グルールアドベンチャー

アグロの復権を祝うにはこれ以上のない出来事がありました。ジェイソン・フルーラン/Jason Fleurantがグルールアドベンチャーを駆り、《創造の座、オムナス》デッキがあふれる新環境一発目の大会であるThe Bash Bros Battlesを優勝したのです!

おわりに

オンラインに実装されてから1週間が経ちましたが、多種多様な可能性を持つ『ゼンディカーの夜明け』に期待が高まっています。長い間ランプばかりの環境でしたから、もっとアグロが増える環境になると嬉しいですね!

エメリアの呼び声

新環境になって注目しているのは、その柔軟性を期待して呪文と土地の両面カードを幅広いデッキに採用できる点です。ですが、環境がもっとアグロ寄りになれば、この考えは通用しなくなるかもしれません。クリーチャーデッキが多い環境で自らに《稲妻》を打ち続けることは賢くない動きですからね。

さぁ、『ゼンディカーの夜明け』スタンダードの始まりです。みなさんもビートダウンをしましょう!

ジョー・ソー(Twitter)

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Joe Soh ジョー・ソーはマレーシア出身のベテランプレイヤー。グランプリトップ8が4回、マレーシア選手権優勝が2回など数多くの実績を持つ。ここ数年で構築の才能が開花し、グランプリ・神戸2017では独自のオルゾフエルドラージで見事にグランプリ初栄冠。さらにはミシックチャンピオンシップ・クリーブランドでも個性的なマルドゥ吸血鬼を使用して9位に入賞している。 Joe Sohの記事はこちら