決勝戦:坂田 尚耶(ティムール再生) vs. 門脇 達也(スラムオーラ)
晴れる屋メディアチーム
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By Kenichiro Omori
79名ものプレイヤーが集まった『第2期関西帝王戦パイオニア』。その頂点を争う2つのデッキを紹介しよう。
坂田 尚耶が使用するのは「ティムール再生」。直近のスタンダードで猛威を振るったこのアーキタイプは、パイオニアでも健在。《荒野の再生》が生み出す大量のマナから唱えられる呪文は、時には手数で、時には質で対戦相手を圧倒する。
門脇 達也の使用するのは「スラムオーラ」。《夢の巣のルールス》の参入により大きく強化されたデッキであり、「相棒」ルールの変更を受けた今もなお、メタゲームの一角を担うパワーを秘めている。決勝ラウンドへ進出した8名中3名がこの「スラムオーラ」を使用しており、今大会の勝ち組デッキとなっている。
「第2期モダン帝王」でもある門脇はモダンに引き続きパイオニアでも「帝王」襲名となるのか。それとも坂田の初戴冠か。
先手門脇は《天界の語り部》からスタート。続けて《石とぐろの海蛇》をX=2、《命の恵みのアルセイド》とテンポ良くクリーチャーを展開する。対する坂田は《成長のらせん》で順調にマナを伸ばしてゆく。
しかし、デッキの冠でもあるオーラ呪文が姿を現さない門脇。やむなく《ケイラメトラの恩恵》で一時的に《命の恵みのアルセイド》のパワーを上げて攻撃を加える。
絆魂クリーチャーの度重なる攻撃によりライフは27点を越え、《天界の語り部》の起動型能力がアクティブになる。門脇は、天使・トークンを生成して戦線を横へ横へと伸ばしてゆく。
この軍勢に対し、坂田は《神々の憤怒》!
門脇は《命の恵みのアルセイド》を生け贄に《石とぐろの海蛇》を守ろうとするのだが、坂田はさらにスタックして《発展/発破》で《神々の憤怒》を複製!一連のスタックが解決され、《石とぐろの海蛇》と4/4天使・トークンを含めて、門脇のクリーチャーを一掃することに成功する。
だが、門脇の攻め手は途切れない。次に現れたのはX=5の《石とぐろの海蛇》。これに《グリフの加護》がエンチャントされると、対抗策を持たない坂田のライフはピッタリと削り切られてしまった。
坂田 0-1 門脇
先手となった坂田は、《成長のらせん》から3ターン目に《荒野の再生》を設置と最高のスタートを切る!
《命の恵みのアルセイド》、《上級建設官、スラム》とこちらも順調な滑り出しを見せていた門脇だが、坂田はターン終了時に起きた土地から《マグマのしぶき》を《上級建設官、スラム》へ放つ。
好調な坂田の足を止めるべく、門脇は《思考囲い》を唱えるが、手札は《厚かましい借り手》《長老ガーガロス》《サメ台風》と重厚。
門脇は少考の末《長老ガーガロス》を落とし、《命の恵みのアルセイド》へ《歩哨の目》をエンチャント。圧力をかけることで《厚かましい借り手》も消費させ、これで坂田の手札は《サメ台風》1枚のみとなる。
だが、次の坂田のターン終了時、すべてのマナを注ぎ込んだのは、このターンに引き当てた《発展/発破》!薄くなっていた手札へ4枚のカードを補充する。
門脇は《命の恵みのアルセイド》を再度呼び出し、《きらきらするすべて》をエンチャント。改めて攻めの態勢作りにかかるが、坂田はこれも《神々の憤怒》で退ける。
さらに《サメ台風》をサイクリングして、5/5のサメ・トークンを生成。《荒野の再生》が生み出したマナを余すことなく活用してゆく。
門脇は《夢の巣のルールス》を手札へ加えて立て直しを図るが、《厚かましい借り手》が追加された飛行軍団は戦線を再構築する時間を与えなかった。
坂田 1-1 門脇
先手となった門脇はマリガンスタートとなるが、《憎しみの幻霊》を呼び出すと《天上の鎧》をまとわせて攻撃を開始する。
さらに、《歩哨の目》に対応して坂田が唱えた《サイクロンの裂け目》も《ケイラメトラの恩恵》で呪禁を付与してカウンター。オーラデッキの真骨頂が発揮される。
門脇のマナがフルタップとなったこの隙に《憎しみの幻霊》を対処したい坂田だったが、すでにそのサイズは5/6と規格外。手札の《焦熱の竜火》1枚では、手に負えないクリーチャーへと変貌を遂げている。
後続の《命の恵みのアルセイド》こそ《焦熱の竜火》で退場となるが、《思考囲い》によって《発展/発破》を奪われると坂田に残されたのは土地のみ。残ライフは3。眼前には5/6《憎しみの幻霊》。
絶体絶命のピンチを前に、坂田のドローは《神々の憤怒》。これでは《憎しみの幻霊》を止めることは叶わない。
そしてこの《憎しみの幻霊》の攻撃により、門脇は2フォーマット目の“帝王”の栄冠を手にすることとなった。
坂田 1-2 門脇
『第2期関西帝王戦パイオニア』優勝は門脇 達也! おめでとう!!