決勝戦:黒田 正城(ラクドスコントロール) vs. 宮川 佳大(グルールアドベンチャー)
晴れる屋メディアチーム
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By Kenichiro Omori
ローテーション、そして二度の禁止改定。
短期間で目まぐるしく動いたスタンダード環境は、《創造の座、オムナス》一色に染め上げられた状況から一変、様々なアーキタイプが活躍する環境へと変化を遂げた。この『第11期関西帝王戦スタンダード』でもトップ8に残ったアーキタイプは5種。そして2つの赤いデッキが決勝戦へと辿り着いた。
黒田 正城が使用するのは「ラクドスコントロール」。豊富な除去呪文による盤面制圧はもちろんながら、《アイレンクラッグの妙技》からの高速《精霊龍、ウギン》という必殺技も秘めている。現在、第5期の“リミテッド帝王”でもある黒田。過去の“パイオニア帝王”と合わせて三冠となると、『関西帝王戦』史上初の快挙だ。
宮川 佳大が使用するのは「グルールアドベンチャー」。高スペックなクリーチャーでのビートダウンを《エンバレスの宝剣》で強化したり、《グレートヘンジ》でのアドバンテージ勝負もできるデッキだ。今大会でも3名がトップ8入賞を果たしており、早くもメタゲーム上位の一角を担うデッキとなっている。
宮川は第3期、第6期に続き3度目のスタンダード帝王戦トップ8入賞。準々決勝敗退、決勝敗退と順調に戦績を伸ばしており、いよいよ優勝の栄冠を手にすることができるだろうか。
黒田の三冠達成か、宮川の初戴冠か。
ファーストアクションは後手宮川が黒田のターン終了時に唱えた《踏みつけ》から。続けて宮川は自ターンでこれを《砕骨の巨人》として呼び出し。これを受け黒田も《踏みつけ》を宮川本体へ、自ターンで《砕骨の巨人》をブロッカーとして用意する。
相討ちを良しとしない宮川は《恋煩いの野獣》を出来事と共に唱えて戦線を広げてゆく。そして《精神迷わせの秘本》を置いてターンを返した黒田へ、《砕骨の巨人》《恋煩いの野獣》で攻撃開始。
黒田は《砕骨の巨人》同士の相討ちを目論むが、それを阻止せんと宮川の手から現れたのは《エンバレスの宝剣》。
だがこれは黒田の《切り裂かれた帆》によって破壊されてしまう。当初の予定通り《恋煩いの野獣》の攻撃が通り、《砕骨の巨人》が相討つ。続けて黒田は《真面目な身代わり》でマナを伸ばす。この《真面目な身代わり》は《恋煩いの野獣》の攻撃を受け止めつつ黒田へカードを供給。
そして、8マナへと到達した黒田の場には《精霊龍、ウギン》が現れる。この《精霊龍、ウギン》が[-3]で能力を起動すると、黒田の側に《精霊龍、ウギン》と《精神迷わせの秘本》を残して戦場が一掃される。
この《精霊龍、ウギン》を見越して戦力を温存していた宮川。2枚目の《恋煩いの野獣》を出来事と共に唱えて立て直しを図る。
相方のトークンは《精霊龍、ウギン》の[+2]能力により退場となるが、宮川は3度目の《切なる想い》。しかし黒田はこのトークンも《焦熱の竜火》で排除。《恋煩いの野獣》の攻撃は叶わない。
《山火事の精霊》、そして4度目の《切なる想い》でなんとか野獣の攻撃を実らせたい宮川。しかし《ヴァラクートの覚醒》、《精神迷わせの秘本》で手札を整えた黒田の前に、野獣の攻撃に必要な1/1クリーチャーが次々と《焦熱の竜火》の餌食となってゆく。
そしてついに、《精霊龍、ウギン》はその奥義を見せるに至る。これにより新たな《精霊龍、ウギン》と2体の《砕骨の巨人》が現れると、宮川がブロッカーとして用意した2体の《恋煩いの野獣》も《髑髏砕きの一撃》で退けられ、一気に宮川のライフは削り切られることとなった。
黒田 1-0 宮川
先手となった宮川は1ゲーム目と同じく《踏みつけ》→《砕骨の巨人》という立ち上がり。さらに《探索する獣》を続けて順調にアタッカーを展開してゆく。
一方黒田、《砕骨の巨人》は《焦熱の竜火》で対処したものの、《探索する獣》の攻撃は通して《切り裂かれた帆》をサイクリング。だが、自身のターンでのドローを加えても渋い表情。《悪意の神殿》でライブラリートップを下へ送り、《精神迷わせの秘本》を設置する。
ここでほぼフルタップとなった黒田に対し、宮川の後続は《エンバレスの宝剣》。《探索する獣》がこれを纏うと、一気に黒田のライフは2まで減少。黒田は《精神迷わせの秘本》で占術を繰り返すものの、この凶悪な獣への回答を見つけることはできなかった。
黒田 1-1 宮川
後手番となった宮川、今度は1ターン目から《エッジウォールの亭主》を呼び出し黒田のライフを削ってゆく。追加の戦力は《カザンドゥのマンモス》。
黒田は《精神迷わせの秘本》を設置し占術&ドローで手札を整えると、《絶滅の契機》で宮川のクリーチャーを一掃。すると宮川、クリーチャーの展開が一度止まってしまう。なんとか1ターン遅れて《カザンドゥのマンモス》を戦場へ送り出すが……。
黒田は《アイレンクラッグの妙技》でマナを増やすと、1ゲーム目を決めた《精霊龍、ウギン》が6ターン目にして早くも姿を現す!この《精霊龍、ウギン》の[+2]能力により《カザンドゥのマンモス》は退場。
絶大な脅威と相対することとなった宮川。ウギンを倒すべく、黒田の呼び出した《アゴナスの雄牛》を《焦熱の竜火》で退けると再度《カザンドゥのマンモス》を展開。今度は《寓話の小道》も設置し、《精霊龍、ウギン》の[+2]能力を耐え切る構えだ。
だが黒田はこれを《轟く叱責》との合わせ技で対処。《精神迷わせの秘本》、《アゴナスの雄牛》でドローを重ねた黒田の除去攻勢により宮川の戦場にクリーチャーが残らない。
そして《精霊龍、ウギン》はまたも奥義へと到達。圧倒的な盤面を作り上げた黒田は、関西帝王戦史上初、3フォーマットでの戴冠を成し遂げることとなった!
黒田 2-1 宮川
『第11期関西帝王戦スタンダード』優勝は黒田 正城!おめでとう!!