Translated by Kohei Kido
(掲載日 2020/12/03)
はじめに
やぁみんな!
俺のレガシーでのお気に入りコンボデッキがどれなのかをすでに知っている読者もいるかもしれないね!でも今日紹介するホガークも結構使い込んできたデッキなんだ。
モダンで使えた頃にホガークをあまり使っていなかったから、レガシーで使い始めたときにはデッキの回し方をもう一度覚え直す必要があった。でもレガシーですら強いからびっくりしたよ。
ホガークを使う理由
ホガークはレガシーの環境の中で軸をずらして戦っているデッキだ。レガシーのほとんどのデッキが繰り返し出てくるクリーチャーの大群と戦う準備ができていないからね。
多くのコンボデッキはキーカードを利用してその相互作用で勝とうとする。たとえばドゥームズデイ、ショーテル、むかつきストームなんかはそうだね。だからキーカードに対してスタック上で打ち消したりするのがすごく有効だ。でもホガークはデッキを始動させるためのカードがたくさん入っているから打ち消しに強いんだ。
デルバーやデス&タックスに対して必要になるからクリーチャーに対する除去もレガシーではちゃんとデッキに入っている。でもホガークデッキのクリーチャーは繰り返し戦場に出るから除去に強い。繰り返し出てくるクリーチャーにうまく対処できないフェアデッキがホガークデッキの獲物だ。《自然の怒りのタイタン、ウーロ》や《王冠泥棒、オーコ》といったカードを出されても他のデッキほどつらくないのも強みだね。
一方でさっき言ったような一般的なコンボデッキを苦手としている。相手の方がホガークよりも先に試合を終わらせられるからね。
デッキの動かし方
これが今の俺のデッキリストだ。
3 《Bayou》
3 《Underground Sea》
1 《ドライアドの東屋》
4 《新緑の地下墓地》
3 《霧深い雨林》
2 《汚染された三角州》
1 《血染めのぬかるみ》
1 《湿地の干潟》
-土地 (19)- 4 《墓所這い》
4 《面晶体のカニ》
4 《縫い師への供給者》
1 《屍肉喰らい》
4 《恐血鬼》
4 《復讐蔦》
4 《甦る死滅都市、ホガーク》
-クリーチャー (25)-
ホガークは多くの試合でアグロデッキとして振る舞う。戦場をゾンビまみれにすればフェアデッキの多くは墓地から唱えられる《墓所這い》に対して単体除去で対処しきれないからだ。
それがうまくいかなければ《狂気の祭壇》がデッキの第2ゲームプランとなっていて、相手をライブラリーアウトさせられる。相手をライブラリーアウトさせる手順を説明しよう。
まずは《狂気の祭壇》で自分を対象にとって《黄泉からの橋》をたくさん墓地に落とす。そうしたらゾンビトークンを生成しながら《ホガーク》繰り返し場に出して、相手をライブラリーアウトさせられるだけの合計パワーを戦場にそろえる。
《ホガーク》が2枚墓地にあった場合の手順は、場に出ている《ホガーク》を「召集」のコストとしてタップしたら次の《ホガーク》がスタックに乗っている状態で《狂気の祭壇》を使って生け贄に捧げるという手順だ。そうすれば伝説ルールによって墓地に落ちることを回避して立ち回れるからね。《ホガーク》を出し続けてゾンビトークンを増やそう!
もし相手が自らのクリーチャーに《稲妻》を打って《黄泉からの橋》を墓地から追放しようとしていると思ったら墓地に落とす《黄泉からの橋》は2枚までにしておこう。相手が除去呪文を自らのクリーチャーに使ったあと、残りの《黄泉からの橋》を墓地に落としてライブラリーアウトを続行だ。
カード解説
《ドライアドの東屋》
基本土地は《沼》しかないデッキなのに、《霧深い雨林》のような森をフェッチするフェッチランドが入っている理由でもある《ドライアドの東屋》にも言及しないといけないね。《ホガーク》の「召集」コストとなる黒か緑のクリーチャーをフェッチランドで場に出すため、またゲーム後半に《陰謀団式療法》のコストにするために使う。だから他の土地が必要なときは《新緑の地下墓地》よりも《汚染された三角州》を優先的に使った方がいい。あとで《ドライアドの東屋》を出したくなるかもしれないからね。
《縫い師への供給者》
小さなクリーチャーだけど《縫い師への供給者》はデッキのエンジンとして最高のカードで《ホガーク》くんの親友でもある。フェッチランドを切って《縫い師への供給者》を出す動きでゲームを始めれば怪物を2ターン目に出すのも簡単だからね。《縫い師への供給者》はゲーム開始時の手札にあるとうれしいカードで1ターン目に出すことが多い。《沼》から《縫い師への供給者》を出す動きに打ち消し呪文以外で対処するのは困難だけど、《目くらまし》でさえも1ターン目に使うと相手にとってかなりデメリットがある状況になる。
《面晶体のカニ》
《面晶体のカニ》は出すために青マナが必要で、このデッキに《島》は入れられないから《不毛の大地》に対して隙をさらすことになる。それでも相手が対処できなければこのデッキにとって多くのバリューを生むカードでもあるから使う価値はある。「上陸」能力持ちのカードを使うということは、フェッチランドを起動しなくてもいい状況なら温存した方がいいということだと覚えておこう。
《入念な研究》
《入念な研究》は《信仰無き物あさり》ほど強くはないけど、デッキに4色目を足すくらいならこれを使った方がいい。《入念な研究》は《黄泉からの橋》のような手札に引きたくないカードを他のカードに入れ替えてくれる。使う必要がある状況になるまで《入念な研究》を使うのは待った方がいい。ゲームが進行すればゲームに関する情報も増えるし、手札よりも墓地にあった方がうれしいカードを引いてしまっている確率も上がるからね。
《墓所這い》
《墓所這い》は《縫い師への供給者》の誘発型能力で墓地に落ちるとうれしいカードだ。《縫い師への供給者》もゾンビだからすぐに墓地から戦場に出せるからね。この2/1のクリーチャーがデルバーに対してどれほど有効か世間は忘れがちかもしれない。
一般論として《墓所這い》を唱える気があるなら、他のことをやるよりも先に唱えた方がいい。相手に優先権を渡して墓地から《墓所這い》を追放するタイミングや場のゾンビを除去するタイミングを与えたくないからだ。たとえば《縫い師への供給者》の「切削」もしくはゾンビが場に出ている状態で《面晶体のカニ》による「切削」で《墓所這い》が墓地に落ちたなら、相手に《外科的摘出》を使うタイミングを与えずに《墓所這い》を唱えるべきだ。《ホガーク》も同様だ。そうすることでこのデッキでも墓地のカードを対象にとってインスタントタイミングで追放するカードに対して多少抵抗できる。
《恐血鬼》
《恐血鬼》は《墓所這い》と組み合わせられることが多いカードだけど、《稲妻》を除去呪文として使うようなデッキにとってかなり対処しにくいカードだ。2ターン目に《ホガーク》を出せる状況でも《恐血鬼》が貢献することが多い。墓地からマナを払わなくても戻ってくるからね。《恐血鬼》の能力はあくまで「戦場に戻してもよい」だけだということも覚えておこう。戦場に戻さない選択肢を使うことで、たとえば相手の場に《封じ込める僧侶》がある状況で追放されるのを防ぐことができる。
《黄泉からの橋》
《黄泉からの橋》はデッキの大部分と相性がいいし、《ホガーク》と《狂気の祭壇》によるライブラリーアウト勝利も狙える。基本的には墓地にあればうれしいカードだけど、相手のクリーチャーがブロックして死亡すると《黄泉からの橋》を失ってしまうから攻撃しづらくなる状況があることには要注意だ。
《むかしむかし》
クリーチャー主体のコンボデッキで1枚目の《むかしむかし》を入れないのはもったいないと感じている。2枚目を入れるのも選択肢として存在しているが次に紹介するカードと枠を争っている。
《屍肉喰らい》
《屍肉喰らい》はこのデッキと相性がよくて大好きだ。出したその場で勝つようなカードではないけど、《墓所這い》《恐血鬼》《黄泉からの橋》といったカードと良好なシナジーがある。《屍肉喰らい》の最大の弱点は単体除去に弱いことだけど、このデッキ自体が単体除去に強いから許容されると思っている。《屍肉喰らい》を使うことで《狂気の祭壇》を引かない状況や、《引き裂かれし永劫、エムラクール》が相手のデッキに入っていてライブラリーアウトが通用しないような状況で相手に速いクロックを突きつけられるようになる。
《復讐蔦》《甦る死滅都市、ホガーク》
このデッキの緑の大型クリーチャーだ。《復讐蔦》を使いこなすには自分のターンのプレイングを注意深く行う必要がある。2回目にクリーチャー・カードを唱えるまでに「切削」する枚数を最大化できるように気をつけよう。練習すれば簡単にできるようになるよ。
サイドボード後は手札から《ホガーク》を出すコストを払える状況になったらそれ以上カードを「切削」する前に唱えてしまった方がいいことが多い。多少の損はするかもしれないけど、《外科的摘出》を回避して立ち回った方がいい。
《狂気の祭壇》
このデッキをコンボデッキたらしめるカードだということはすでに話したね。でも《狂気の祭壇》について語るべきことは他にもあって、それはいつ唱えるかという問題だ。モダンでホガークが使えた頃は2ターン目に《狂気の祭壇》を唱えて3ターン目に勝利するのが一般的だった。レガシーでも先手ならそれでいい。
でも相手が《スカイクレイブの亡霊》をデッキに入れていると想定していて自分が後手なら、《狂気の祭壇》を出さずに他の行動を優先して、戦場にクリーチャーを多く展開できるまで待った方がいいかもしれないと思っている。《狂気の祭壇》は白いデッキに対して効果てきめんで、クリーチャーの数さえ足りていれば出したその場で勝利できるカードだ。《オーコ》を用いるデッキと対戦しているなら、《狂気の祭壇》を更地の戦場に出した返しに《オーコ》で大鹿にされてしまっても、返しのターンでオーコを落とせる状況なら問題ない。
《陰謀団式療法》
《陰謀団式療法》は相手に干渉する手段で、相性が悪いデッキと当たったときに最高のカードだ。デッキとのシナジーもあって、コンボデッキが多い環境を想定するなら4枚使ってもいいくらいだ。《陰謀団式療法》の弱点はフェアデッキに対してそこまで有効ではないことだ。1マナ使って手札から《陰謀団式療法》を唱えて相手のゲームプランを崩壊させる必要があるわけではないからね。
《思考囲い》
《思考囲い》が入っている理由は単純だ。《陰謀団式療法》は5枚以上デッキに入れられないしコンボデッキを妨害できないとゲームに負ける。3ターンキルできる手札に《陰謀団式療法》や《思考囲い》がないからといってマリガンする必要はないけど、ハンデスしながら3ターンキルできた方が当然いいよね。
《致命的な一押し》
デルバーデッキが繰り出す脅威に対して対処できるからサイドボードに《致命的な一押し》はあった方がいいと思っている。相手が《外科的摘出》や《運命の神、クローティス》のような露骨な対策カードを使っているとしよう。それでも相手が脅威を盤面に定着させられなければ長期戦になっても勝てることが多い。それにデス&タックスに低マナ・コストで干渉できるカードがあると便利だ。マナ・コストが軽いから《突然の衰微》よりも《致命的な一押し》の方がいいと思うね。
《虚空の力線》
《虚空の力線》はミラーマッチ用の対策カードで、リアニメイトデッキのような他の墓地利用デッキにも刺さる。《虚空の力線》があって、それ以外のカードは普通の内容の手札ならほぼキープできる。でもホガークのデッキリストの多くにはそれなりに解答が入っていることは覚えておいて欲しくて、土地と《虚空の力線》しかないような手札はキープできないと思った方がいい。《活性の力》がミラーマッチでは一般的な解答だ。だから手札に複数枚《虚空の力線》があるという状態も1枚の場合と比べてそこまで優れているわけではない。
《活性の力》
《虚空の力線》が《ホガーク》に対する最高の対策カードだとすれば、《虚空の力線》に対する最高の対策カードは《活性の力》だ。《活性の力》の緑のダブルシンボルを含むマナ・コストもフェッチランドの存在を前提とすれば唱えられるマナ・コストだということは忘れずに。
《暗殺者の戦利品》
《暗殺者の戦利品》は対処しなければいけないカードの多くに対して使える範囲の広い解答だ。デッキリスト公開制の大会でなければ範囲の広い解答を用意しておくと役立つね。
2ゲーム目で相手がどういう墓地対策カードをサイドインしてくるかは予想がつかないけど、《暗殺者の戦利品》は相手が対策となるパーマネントを用いてなくても腐ることはない。《オーコ》や《封じ込める僧侶》に対する解答でありながら、《虚空の力線》や《安らかなる眠り》に対する解答でもあるんだから《暗殺者の戦利品》をサイドボードに複数枚入れることが正しいと感じている。
サイドボードガイド
ホガークのようなデッキのサイドボーディングは状況次第な部分がある。たとえば相手のサイドボードに《虚空の力線》が入っているという情報を知っていることもありえるからね。
大まかな指針として、ホガークを使っていてサイドアウトするカードを決めるときには、デッキのシナジーと絡んでいるカードを1種類抜いてしまうのではなくて、複数のカードを1~2枚ずつ抜いた方がいいと思う。たとえば《恐血鬼》《墓所這い》《ホガーク》のどれかを3枚抜いて1枚まで減らすくらいならそれぞれ1枚抜いて3枚ずつにするね。
対戦相手のサイドボードの具体的な予想がつかないなら自分はこういうサイドボーディングをする。
ティムールデルバー
対ティムールデルバー
氷雪コントロール
対氷雪コントロール
氷雪コントロールのサイドボードには《虚空の力線》が入っていることも多いから《活性の力》をサイドインした方がいいとは思うけど、《虚空の力線》がなければ完全に腐るカードを手札に複数枚引きたくもないね。
デス&タックス
対デス&タックス
ドゥームズデイ/ストーム
対ドゥームズデイ/ストーム
ミラーマッチ
ミラーマッチ
《黄泉からの橋》は相手の《狂気の祭壇》に弱いから戦闘ダメージで勝つことを重視したい試合だ。《狂気の祭壇》は《面晶体のカニ》と組み合わせて相手をライブラリーアウトさせる役割、クリーチャーをたくさん戦場に戻せるように自分を「切削」する役割をまだ持っている。でも《狂気の祭壇》と《黄泉からの橋》のコンボをデッキに残すほど信頼はできないね。
おわりに
今日はここまで。読んでくれてありがとう!
読者のみなさんも2ターン目に《ホガーク》を出す喜びを感じられるように祈っているよ!