Translated by Kohei Kido
(掲載日 2020/12/10)
環境最強のコンビ
みなさん、こんにちは!世界を取り巻く状況が厳しい昨今、みなさんは元気に過ごせていますか?
今日はパイオニアのお気に入りデッキについて話したいと思います。ディミーアコントロールです。
数週間前に晴れる屋トーナメントセンター東京でパイオニア王2020秋に参加しました。大会のためにパイオニアでいろいろなデッキを試してみた感触として、スラムオーラのようないいデッキもたくさんあることがわかりました。そうは言ったものの《奔流の機械巨人》と《時を越えた探索》の組み合わせに匹敵するほど気持ちいいものは他になかったと言っていいでしょう!
デッキリスト: ディミーアコントロール
この2枚の組み合わせはパイオニアで最強のコンビだと私は感じています。デッキの上14枚を見て4枚を手札に加えていいのはとんでもないことですし、そうなるともうゲームに負ける方が難しいくらいです。だからこの2枚を入れて最強のデッキリストを作ることを目指しました。大会で使ったのは以下のデッキリストです。
マナベース
《清水の小道》はどうしてもデッキに4枚入れたいと思いました。このデッキは《時を越えた探索》のために墓地を肥やす必要があり、1ターン目から《致命的な一押し》、《選択》、「サイクリング」を可能にするアンタップインの土地を置くことは極めて重要です。《清水の小道》のデメリットは島でも沼でもないことで、アンタップインが難しくなった《水没した地下墓地》を1枚デッキから抜きました。
《清水の小道》4枚、《ロークスワイン城》1枚、《ヴァントレス城》1枚、《廃墟の地》2枚。いずれも《水没した地下墓地》をアンタップインさせてくれません。ゲーム開始時の手札にこういうカードが多すぎるとデッキが上手く回りませんし、それを理由にマリガンを強いられるのも避けたかったのです。
《異臭の池》はかなり強いカードです。たしかに確定でタップインする土地ですが、マナフラッドをやわらげながら墓地も肥やせるこの土地の「サイクリング」能力は重要です。
《廃墟の地》も「探査」の助けになるカードですが、他にもできることがある土地です。《寓話の小道》のように《致命的な一押し》を「紛争」を達成できます。「城」サイクルや《ニクスの祭殿、ニクソス》に対しても強いカードです。The Spyに対して使えば《不毛の大地》よりも強力な効果をもたらします。
クリーチャー
コントロールデッキならば、相手の除去を有効活用させたくはありません。だからこのデッキには除去されても損をせず、インスタント・タイミングで出せるクリーチャーしか入っていないのです(インスタント・タイミングであればたとえば《戦慄掘り》のようなソーサリーの除去を1ターン遅らせられます。)《奔流の機械巨人》は《時を越えた探索》を墓地から再利用できます。そうすると打ち消し呪文が2枚見つかったり、《時を越えた探索》か《奔流の機械巨人》がもう1枚見つかったりします。こうなればもう試合終了です。
このデッキに入っているもうひとつのクリーチャーは《サメ台風》が生むサメです。《サメ台風》は95%の割合で「サイクリング」します。インスタント・タイミングで使えて、墓地を肥やせて、カードを引けるうえに攻撃にも防御にも使えるクリーチャーが生まれるというのはすばらしいことです。《時を解す者、テフェリー》にも対処できます。呪文をソーサリー・タイミング以外で唱えられないという常在型能力は「サイクリング」には関係ないことですからね。
一部のデッキと対戦していると、クリーチャーを出してもその都度除去される場合があります。そういうときは《サメ台風》をエンチャントとして置いて、出せるクリーチャーの数を増やした方がいい場合もあります。
ふだんはクリーチャーを守る目的で打ち消し呪文を使わず、そのまま除去を通します。このデッキはパイオニアでも最強クラスのカード・アドバンテージを得る力とゲーム後半での強さを持っていますから、次のクリーチャーを引くのを待ちつつ相手の打ち消すべき呪文のために打ち消し呪文を温存しておくのが正解です。
インスタント / ソーサリー
《致命的な一押し》 4枚
中途半端な枚数を入れている人も見かけますが私には理解できません。パイオニアにはびこる軽量クリーチャーを用いるデッキたちのことを考えると絶対に4枚入れるべきです。コントロールデッキと対戦しても《自然の怒りのタイタン、ウーロ》やサメを除去できますし、マナ・コストがとても軽いので除去を放ちながら次の呪文を打ち消すことが可能になります。1ターン目に黒マナが出せる土地が10枚まで増えたのでマナ基盤も改善しました。
《選択》 4枚
《選択》はそこまで好きでもないので、私がデッキに入れるのはそれ相応の理由があるときだけです。《瞬唱の魔道士》や《弧光のフェニックス》はそのいい例ですね。ここでは《時を越えた探索》がその理由となっています。《選択》が墓地に落ちることで《水蓮の花びら》のような役割を果たすのです。
《検閲》 4枚
《検閲》は2マナの打ち消し呪文でありながら、必要ではなくなったときには「サイクリング」できる性質を持っているから大好きです。自分の墓地を肥やすにはふつうは呪文を唱える必要がありますが、相手のプレイヤーが何も唱えなくてもこのカードを「サイクリング」すれば「探査」を利用するゲームプランは前進していきます。
《否認》 3枚
《否認》の枚数は当然ながら環境次第です。今回このデッキを持ち込んだパイオニア王2020秋では打ち消したいカードがたくさんあると想定していました。《時を解す者、テフェリー》《白日の下に》《荒野の再生》《創案の火》等々。異なる環境を想定するなら一部を《本質の散乱》に変えてもいいですよ。
《英雄の破滅》 2枚
隙を突かれて《世界を揺るがす者、ニッサ》《時を解す者、テフェリー》《先駆ける者、ナヒリ》といったプレインズウォーカーの着地を許してしまった場合に備えて除去できるカードが欲しかったのでデッキに入れました。
《ヴラスカの侮辱》 1枚
《英雄の破滅》と同様の採用理由ですが、ライフゲインと《自然の怒りのタイタン、ウーロ》を追放できるというメリットがついています。
《悪意ある妨害》 4枚
このカードが《取り消し》のような弱いカードに見えるかもしれません。でもただの《取り消し》ではないのです。《悪意ある妨害》を唱えればこのカードと「諜報」で墓地が複数枚肥える可能性がある《時を越えた探索》に次いで《奔流の機械巨人》で墓地から再利用したいカードでもあります。
《天才の片鱗》 2枚、《ヒエログリフの輝き》 1枚
このデッキには《時を越えた探索》に加えて手札を増やす手段が多少必要です。《天才の片鱗》の方が強いとは思いますが、手札に複数枚抱えたくはありません。《ヒエログリフの輝き》なら序盤に手札で不要なカードになっていれば「サイクリング」できます。
サイドボード
ここがコントロールデッキを構築するときの腕の見せ所です。もしサイドボードが25枚使えれば無敵なのですが、想定するメタゲームに合わせて15枚まで絞る必要があり、だからこそプレイヤーの腕が試されるのです。私がおすすめするのは以下の25枚なので、想定する環境に合わせて調整してみてください。
《霊気の疾風》 3枚
このカードはパイオニアでいろいろなデッキに対して使えます。赤単アグロや緑単ランプ、グルールアグロにも使えますし、5色ニヴやウーロ系デッキ、再生さらにはThe Spyに対してさえも使えます。2ターン目に使いやすい呪文でありながら後半も強いので大好きなカードです。戦場のパーマネントに対してインスタント・タイミングで使える軽くていい解答でもあります。
《神秘の論争》 4枚
《神秘の論争》もとても強いカードです。このデッキにとって最大の脅威である《時を解す者、テフェリー》に対抗できます。《自然の怒りのタイタン、ウーロ》や《ニヴ=ミゼット再誕》に対処できますし、打ち消し合戦にも1マナで勝利できます。ロータスコンボやThe Spyのようなコンボデッキに対してとても強いですね。
《見栄え損ない》 2枚
5枚目と6枚目の《致命的な一押し》です。相手が1ターン目に出したクリーチャーに対処して戦場を更地にできれば打ち消し呪文を強く使えます。赤単が12~13枚の1マナのクリーチャーを入れているのは厳然たる現実です。《見栄え損ない》はそのすべてに対する解答になるだけでなく、《大歓楽の幻霊》にも対処できます。グルールやウィノータに対してもマナクリーチャーを除去できて、3ターン目の《ゴブリンの熟練扇動者》《軍勢の戦親分》も除去できるので大活躍します。
《本質の摘出》 1枚
珍しいカードに見えるかもしれませんが、赤単と対戦したらライフを安全圏に保つことが非常に重要です。クリーチャーを除去しつつ次の火力も打ち消す呪文だと考えてみてください。《奔流の機械巨人》で墓地から唱える呪文として理想的です。
《思考囲い》 2枚
《思考囲い》についてこれまで多くの人によって議論が交わされてきました。そして結論としては黒を含むデッキであれば必須のカードなのです。コンボデッキやコントロールミラーで使うためにデッキに入っています。
《厚かましい借り手》 2枚
《厚かましい借り手》は「瞬速」で出せるクロックでありながら、青と黒の色の組み合わせでは対処に困ることが多いエンチャント、アーティファクトに対する解答でもあります。《サメ台風》が4枚入っているデッキ同士で対戦したときにも最高のカードですね。
《概念泥棒》 2枚
《概念泥棒》はすごいカードです。特に《自然の怒りのタイタン、ウーロ》に対して使うと力関係が完全に逆転します。「サイクリング」できる土地や《海の神のお告げ》《サメ台風》《発展/発破》等々に対して使ってもすばらしいカードです。私のお気に入りの状況は《熟読》を唱えたロータスコンボに対して《概念泥棒》を唱える状況ですね。
《肉儀場の叫び》 3枚
赤単やグルール、黒単、スラムオーラがクリーチャーを複数展開することを咎めるカードです。多くのデッキに対して3マナの全体除去として使えるので優れていますね。
《永遠神の投入》 2枚
《永遠神の投入》はアグロに対して遅すぎる《サメ台風》と入れ替えるためのカードです。《サメ台風》を5マナで「サイクリング」しても《稲妻の一撃》で除去される3/3のサメしか手に入りません。同じ5マナでもこのカードなら除去しながら《ロクソドンの教主》が手に入ったようなものです。墓地にもこのカードを含めて5枚のカードが落ちるので《時を越えた探索》を2マナで唱えるのが簡単になります。
《漂流自我》 3枚
コンボデッキに対して使うカードです。ロータスコンボに対して《睡蓮の原野》や《願いのフェイ》を指定する動きやThe Spyに対して《世界棘のワーム》を指定する動きは極めて強力です。
《ゲトの裏切り者、カリタス》 1枚
《ゲトの裏切り者、カリタス》はタフネス4を持っているうえ、デッキ内の大量の1マナ除去でバックアップすることで、アグロ戦でかなり頼りになります。
おわりに
ベスト8入りをかけた試合で赤単に負けて大会では15位に終わりました。私の大会当日のサイドボードは赤単に対して使えるカードを多く採用しておらず、アグロ対策を厚めに取らなかったことを後悔しました。
でもデッキは強くて、楽しい時間を過ごせました。負けないようにプレイすることを通してゲームに勝利する感覚は大好きです。相手のライフを削って勝利するためのカードをデッキに多く取らない古典的なコントロールデッキです。
デッキ販売のお知らせ
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「パイオニアで遊びたいけどデッキがない」「大会に出る予定だけどデッキが決まらない」「使うならコントロールがいいかな」
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読んでくれてありがとう!健康には気をつけて。