『ゼンディカーの夜明け』チャンピオンシップを振り返る ~トップ16に入賞!~

Luis Salvatto

Translated by Kouhei Kido

原文はこちら
(掲載日 2020/12/15)

はじめに

今回開催された『ゼンディカーの夜明け』チャンピオンシップでは、リーグ・ウィークエンドよりも参加者が多いので調整チームのメンバーを増やすことにした。

今シーズンの初期メンバーは以下の4名だ。

セバスティアン・ポッツォ/Sebastian Pozzo
マティアス・レヴェラット/Matias Leveratto
クリス・カヴァルテク/Chris Kvartek
ピオトル・グロゴゥスキ/Piotr Glogowski

そしてこの大会のために、以下のメンバーが調整チームに加わった。

オータム・バーチェット/Autumn Burchett
エマ・ハンディ/Emma Handy
モンセラート・アイェンサ/Montserrat Ayensa
ジャン=モリッツ・メルケル/Jan-Moritz Merkel
マット・スパーリング/Matt Sperling

最終的には納得のいくデッキができて、トップ8にオータムとジャン=モリッツを送りこめたし、俺とマット、セバスティアンもトップ8まであと一歩という成績だった。

デッキリスト

これが大会で使ったデッキだ。

結果は16位で終わり、ライバルズ・リーグで貴重な2ポイントを獲得できたから、またMPLに昇格するためにさらにポイントを集めたいね。

では各ラウンドについて語っていこう。負けた試合のうち3試合はトップ8に到達した選手との試合だった!

ラウンド 対戦相手 結果
ラウンド1 ジャン=モリッツ・メルケル
(スゥルタイミッドレンジ)
1-2
ラウンド2 トーマス・アシュトン
(ジャンドフード)
2-0
ラウンド3 ベン・スターク
(ディミーアローグ)
2-1
ラウンド4 ヤクーブ・トース
(ナヤウィノータ)
0-2
ラウンド5 小泉 祐真
(グルールアドベンチャー)
2-1
ラウンド6 アスファンドヤール・ラシド
(ディミーアローグ)
2-0
ラウンド7 ウィリアム・ジェンセン
(エスパー《予言された壊滅》)
2-1
ラウンド 対戦相手 結果
ラウンド8 アレン・ウー
(ジャンドフード)
2-0
ラウンド9 ゲイリー・パトリック
(4色ミッドレンジ)
2-0
ラウンド10 コーリー・バークハート
(スゥルタイミッドレンジ)
1-2
ラウンド11 ベルナルド・トーレス
(ゴブリン)
2-0
ラウンド12 ガブリエル・ナシフ
(緑単フード)
0-2
ラウンド13 イヴァン・フロック
(ディミーアローグ)
2-1
ラウンド14 アーロン・ガートラー
(ディミーアコントロール)
2-0
ラウンド15 アンドレア・メングッチ
(エスパー《予言された壊滅》)
1-2

1日目を5-2の成績で終えて、最終成績は10-5だった。最後の試合ではアンドレア・メングッチ/Andrea Mengucciに負けて、彼がベスト8の決勝ラウンドへの参加権を得た。

大会デッキリスト:スタンダードヒストリック

大会レポート

1日目:ヒストリック

ラウンド1:ジャン=モリッツ・メルケル/Jan-Moritz Merkel – スゥルタイ・ミッドレンジ

ジャン=モリッツは腕の立つ選手で、4色ではなくスゥルタイを使う判断をしていたためミラーマッチでは彼のほうに優位がある。色を絞っているからマナ基盤が安定しているし、《ハイドロイド混成体》を4枚採用していることも大きかった。

3ゲームとも試合は長引いたが、基本的に一方的な試合にならなければゲームは長くなりがちで、そうなれば必要なカードをいずれ引いてくるのがこのデッキのミラーマッチだ。こちらの《覆いを割く者、ナーセット》で試合をワンサイドゲームにできなければ最終局面はこうなってしまう。

さて、1ゲーム目の初手が興味深かったので共有しよう。マリガンかキープ、君ならどっちを選ぶ?

致命的な一押し本質の散乱自然の怒りのタイタン、ウーロ自然の怒りのタイタン、ウーロ
ドミナリアの英雄、テフェリーゼイゴスのトライオーム湿った墓

そしてサイドボーディングはこのように行った。

vs. スゥルタイミッドレンジ

Out

致命的な一押し 致命的な一押し 致命的な一押し 致命的な一押し
鎮まらぬ大地、ヤシャーン 鎮まらぬ大地、ヤシャーン 自然の怒りのタイタン、ウーロ 本質の散乱
衰滅 絶滅の契機

In

否認 否認 漁る軟泥 漁る軟泥
サメ台風 サメ台風 覆いを割く者、ナーセット 覆いを割く者、ナーセット
ネスロイの神話 物語の終わり

ラウンド2:トーマス・アシュトン/Thomas Ashton – ジャンドフード

フェイに呪われた王、コルヴォルド鎮まらぬ大地、ヤシャーン

トーマスは《集合した中隊》を使わずに《フェイに呪われた王、コルヴォルド》を4枚使うことにしたようだが、これによってこちら側は一層有利になった。《鎮まらぬ大地、ヤシャーン》によって相手のデッキの大部分が無力化され、相手のメインデッキには対処できるカードが2枚しか入っていないので、場に出せばゲームに簡単に勝利できる。《フェイに呪われた王、コルヴォルド》にさえ対処すれば勝ちだ。

思考囲い

相手はサイドボーディング後、除去を4枚追加してくる。《集合した中隊》が入っていないサクリファイスデッキは遅くてライフに余裕が持てるから、《鎮まらぬ大地、ヤシャーン》を除去するカードや《フェイに呪われた王、コルヴォルド》《初子さらい》を手札から落とすために《思考囲い》をサイドインした。想定どおりに《思考囲い》が役割を果たして問題なく勝利することができた(試合について詳しい記録をとるのを忘れていたから短めに済ませておこう)。

ラウンド3:ベン・スターク – ディミーアローグ

デッキ調整の過程でヒストリックのディミーアローグと対戦したことはなかったが、「《自然の怒りのタイタン、ウーロ》を唱え放題」+「軽くてマナ効率のいいカード」が相手にとって致命的なので有利な試合だと予想した。

ただベンは歴戦の強者でデッキも強い。1ゲーム目に負けたあと、2ゲーム目のサイドボーディングはこのようにした。

vs. ディミーアローグ

Out

霊気の疾風 霊気の疾風 鎮まらぬ大地、ヤシャーン 鎮まらぬ大地、ヤシャーン
衰滅 絶滅の契機 本質の散乱

In

サメ台風 サメ台風 否認 否認
覆いを割く者、ナーセット 覆いを割く者、ナーセット ネスロイの神話

2ゲーム目は彼の土地が詰まって勝利。3ゲーム目は《取り除き》の代わりに《魔女の復讐》を入れることにした。ベンは7枚でキープしたのに2ターン目に2枚目の土地を置けなかったので、その時点で彼の手札は軽くて強い呪文がたくさんある手札だと思った。そうでなければマリガンするからね。そしてその予想は的中していて、彼は《思考囲い》《墓掘りの檻》《トリックスター、ザレス・サン》とほかのならず者たちで構成された手札をキープしていた。2ターン目に土地を置けなかったことが彼の敗因だったから俺にとってはラッキーだったね。

この画像はベンが俺の墓地から《トリックスター、ザレス・サン》《サメ台風》を出したときのものだ。しかしもう手遅れで、《世界を揺るがす者、ニッサ》《ハイドロイド混成体》《否認》で試合に勝利することができた。

1日目:スタンダード

ラウンド4:ヤクーブ・トース/Jakub Toth – ナヤウィノータ

ここからはしばらくスタンダードだ!ヤクーブはナヤウィノータを使っていたけど、デッキのほとんどが「出来事」カードだから、1ゲーム目はミラーみたいだった。よく知られている4ターン目《グレートヘンジ》の動きを達成して彼が1ゲーム目に勝利した。俺は次のターンにならないと対処できない状況だったからね。

これが2ゲーム目のサイドボーディングだ。

vs. ナヤウィノータ

Out

探索する獣 探索する獣 探索する獣 探索する獣
漁る軟泥 漁る軟泥

In

アクロス戦争 アクロス戦争 魂焦がし 魂焦がし
怪物の代言者、ビビアン 怪物の代言者、ビビアン

ワンマリガンしていい感じの手札をキープした。でも相手は上振れの引き(《無私の救助犬》《水蓮のコブラ》《軍団のまとめ役、ウィノータ》)だったうえに、こちらは緑マナのダブルシンボルが出ないせいで4ターン目に《グレートヘンジ》を置くことができなかった。置けていればまた違う試合展開になったかもしれないね。

ラウンド5:小泉 祐真 – グルールアドベンチャー

初めてのミラーマッチだ!彼のデッキリストには《怪物の代言者、ビビアン》《グレートヘンジ》が3枚ずつ入っていたけど、《エンバレスの宝剣》は2枚しか入っていなかった。1ゲーム目は引きもよかったから問題なく勝利することができた。

これが2ゲーム目のサイドボーディングだ。

vs. グルールアドベンチャー

Out

山火事の精霊 山火事の精霊 山火事の精霊 山火事の精霊
探索する獣 探索する獣 探索する獣 探索する獣
エンバレスの宝剣 エンバレスの宝剣 漁る軟泥 漁る軟泥

In

火の予言 火の予言 灰のフェニックス 灰のフェニックス
魂焦がし 魂焦がし 萎れ 萎れ
怪物の代言者、ビビアン 怪物の代言者、ビビアン アクロス戦争 アクロス戦争

2ゲーム目はひどかった。《森》が足りないせいで《グレートヘンジ》を出せず、さらに追加で《グレートヘンジ》を引いてきたから試合が長引いたんだ。お互いにデッキのめくり合いになって、相手に《怪物の代言者、ビビアン》を引かれて敗北した。

灰のフェニックス解き放たれた者、ガラク

先手なら相手の《怪物の代言者、ビビアン》にも後手よりはうまく対処できるから、《灰のフェニックス》は2枚とも抜いた。代わりに3枚目の《エンバレスの宝剣》《解き放たれた者、ガラク》をサイドインして臨んだ。

初手が強く、5ターン目に《エンバレスの宝剣》を使った攻撃を仕掛けることに成功。相手のライフを3まで削っていたから《解き放たれた者、ガラク》の忠誠度[+1]能力を使って勝利できた。

ラウンド6:アスファンドヤール・ラシド/Asfandyar Rashid – ディミーアローグ

ローグとの対戦には自信があった。サイドボーディング後は相性がいいし、メインだって勝てるときは勝てる。初手が強くて、逆に相手の手札は弱かったからあっさり1ゲーム目に勝利した。

これが2ゲーム目のサイドボーディングだ。

vs. ディミーアローグ

Out

エンバレスの盾割り エンバレスの盾割り エンバレスの盾割り 漁る軟泥
エンバレスの宝剣 エンバレスの宝剣 エンバレスの宝剣 原初の力
探索する獣 探索する獣

In

アゴナスの雄牛 アゴナスの雄牛 灰のフェニックス 灰のフェニックス
魂焦がし 魂焦がし 火の予言 火の予言
怪物の代言者、ビビアン 怪物の代言者、ビビアン

2ゲーム目は手札に《怪物の代言者、ビビアン》があるけど戦場にクロックがない状態に陥った。そのとき思い出したのは友人のダミアン・バックリー/Damian Buckleyのアドバイスだ。

「ローグはグルールアドベンチャーとの対戦ではクリーチャーに対処できないと負けるから、《否認》をそんなにデッキに入れられない」

そのアドバイスに従って相手側にアンタップ状態の土地が4枚立っている状況で《怪物の代言者、ビビアン》を唱えたんだ。すると無事に解決して数ターン後に勝利することができた。

ラウンド7:ウィリアム・ジェンセン/William Jensen – エスパー《予言された壊滅》

お互いに一方的な試合で、1ゲーム目は負けて2ゲーム目は勝った。知っているかもしれないけど3ゲーム目で先手と後手の違いは大きい。自明な理由以外だと、このマッチアップでは後手だと《予言された壊滅》を置かれたあとの挽回が難しいという要素がある。しかし幸運にも相手は序盤に《予言された壊滅》を引けなかった。俺はふつうの手札をキープしていてお互いにリソースの交換を繰り返した。この画像は《太陽の恵みの執政官》を除去して数ターン後の勝利につながった場面だ。

2日目:ヒストリック

ラウンド8:アレン・ウー/Allen Wu – ジャンドフード

アレンはメインデッキに《大渦の脈動》を1枚しか入れていなかったし、1ゲーム目はそれを引けなかった。2ゲーム目は《鎮まらぬ大地、ヤシャーン》のおかげで相手の土地が3枚で詰まって勝利だ。

サイドボーディング後は《集合した中隊》型なら《否認》を使って、《フェイに呪われた王、コルヴォルド》型なら《思考囲い》を使うことがポイントだ。同様に《致命的な一押し》《集合した中隊》で出てきたクリーチャーに使えるし、《本質の散乱》《フェイに呪われた王、コルヴォルド》に使える。

ラウンド9:ゲイリー・パトリック/Gary Patrick – 4色ミッドレンジ

1ゲーム目はお互い似たようなカードを引いていたけど、こちらが《霊気の疾風》を引いていたから勝った。

vs. 4色ミッドレンジ

Out

致命的な一押し 致命的な一押し 致命的な一押し 致命的な一押し
鎮まらぬ大地、ヤシャーン 鎮まらぬ大地、ヤシャーン 自然の怒りのタイタン、ウーロ 寺院の庭
衰滅 本質の散乱

In

サメ台風 サメ台風 漁る軟泥 漁る軟泥
否認 否認 覆いを割く者、ナーセット 覆いを割く者、ナーセット
物語の終わり ネスロイの神話

2ゲーム目のサイドボーディングだ。この試合ではこれで勝てたけど、ミラーマッチでどういうサイドボーディングをすればいいのかはまだ自信がない。

ラウンド10:コーリー・バークハート – スゥルタイミッドレンジ

この試合はフィーチャーマッチだった。

史上最強のプレインズウォーカーの一角《覆いを割く者、ナーセット》に敬意を表して、このカードが活躍した場面をお見せしよう。

(こちらが《思考囲い》を唱えた次のターンの相手のデッキトップが《覆いを割く者、ナーセット》だった)

(相手が2枚目の《覆いを割く者、ナーセット》《世界を揺るがす者、ニッサ》を見つけてきた。カードを引いてきてどうにかしようというこちらの希望が打ち砕かれた瞬間である)

コーリーは熟練のプレイヤーだ。ジャン=モリッツみたいにミラーマッチで強いデッキリストを使っていた。俺よりも《ハイドロイド混成体》《覆いを割く者、ナーセット》とハンデスがそれぞれ1枚多い。白をデッキに足さずにスゥルタイでまとめているから《ロークスワイン城》もデッキに入れることができる。

ラウンド11:ベルナルド・トーレス/Bernardo Torres – ゴブリン

1ゲーム目は楽勝だった。相手はマリガンしたうえで土地が1枚しかない手札をキープして、土地も詰まった。そのおかげで戦場を十分整えられたし、相手の脅威に対処しながら《世界を揺るがす者、ニッサ》《自然の怒りのタイタン、ウーロ》で勝利できた。

これが2ゲーム目のサイドボーディングだ。

vs. ゴブリン

Out

鎮まらぬ大地、ヤシャーン 鎮まらぬ大地、ヤシャーン ハイドロイド混成体 ハイドロイド混成体
平地 ドミナリアの英雄、テフェリー

In

魔女の復讐 魔女の復讐 本質の散乱 物語の終わり
絶滅の契機 ネスロイの神話

2ゲーム目もベルナルドはかなり不運で、1体目の《上流階級のゴブリン、マクサス》から《ゴブリンの女看守》1枚しか場に出てこなかったのだ。さらに俺が2体目の《上流階級のゴブリン、マクサス》を止められるカードをデッキトップから引いてきた。

これで何ターンか時間が稼げて、《世界を揺るがす者、ニッサ》は除去されることもなく居座り、何度かリソースを交換したあとに忠誠度[-8]能力で「紛争」を達成して《致命的な一押し》《群衆の親分、クレンコ》を除去できた。《上流階級のゴブリン、マクサス》のめくれ方がまともなら負けたと思われる試合を勝たせてもらえたね。

2日目:スタンダード

ラウンド12:ガブリエル・ナシフ/Gabriel Nassif – 緑単フード

スタンダードに戻ってきた。緑単フードはグルールアドベンチャーの天敵だ。相性が悪いから自分の引きがよくないとガブリエルのようなトッププレイヤーには勝てないが、実際はその逆でガブリエルの引きがすごくよかった。

3ターン目《意地悪な狼》からの4ターン目《巨大猿、コグラ》と5ターン目《怪物の代言者、ビビアン》で、俺の引きはいたって平凡。

これが2ゲーム目のサイドボーディングだ。

vs. 緑単フード

Out

山火事の精霊 山火事の精霊 山火事の精霊 山火事の精霊
探索する獣 探索する獣 漁る軟泥 漁る軟泥

In

魂焦がし 魂焦がし 萎れ 萎れ
怪物の代言者、ビビアン 怪物の代言者、ビビアン アクロス戦争 アクロス戦争
解き放たれた者、ガラク
エッジウォールの亭主エンバレスの盾割り探索する獣アクロス戦争
萎れ髑髏砕きの一撃森

初手は上記7枚で、俺は3ターン目に《萎れ》を「サイクリング」してなんとか3枚目の土地を引いた。ガブリエルは3ターン目に《恋煩いの野獣》、4ターン目に《意地悪な狼》を展開して5ターン目に《グレートヘンジ》《魔女のかまど》を場に出した。もはや追いつくことは不可能だったね。

ラウンド13:イヴァン・フロック/Ivan Floch – ディミーアローグ

イヴァンは《欺瞞の神殿》《寓話の小道》しか土地がない7枚でキープし、彼が4ターン目に引いた3枚目の土地もタップインする土地だった。その間、俺は2ターン目から呪文を唱え続けられて、いい具合に相手に圧をかけられたからイヴァンが手札を有効活用できる前に試合は終わった。

興味深い場面があって、相手は2回土地を置けないターンがあった(自分は1回)。君ならどういうプレイングをする?あとで俺が実際に試合でどうしたのか教えよう。

これが2ゲーム目のサイドボーディングだ。

vs. ディミーアローグ

Out

探索する獣 探索する獣 探索する獣 探索する獣
エンバレスの宝剣 エンバレスの宝剣 エンバレスの宝剣 エンバレスの宝剣

In

アゴナスの雄牛 アゴナスの雄牛 灰のフェニックス 灰のフェニックス
怪物の代言者、ビビアン 怪物の代言者、ビビアン 火の予言 火の予言

2ゲーム目は手札にカードがたくさんあったけど《山》が2枚しか引けなかった。その間にイヴァンは滞りなく戦場と手札を充実させて、あらゆる面で試合に勝利した。

探索する獣解き放たれた者、ガラク

2ゲーム目では《エンバレスの盾割り》をデッキから抜き忘れていたから、3ゲーム目では抜いて、その枠に《探索する獣》《解き放たれた者、ガラク》を入れた。そして、彼は《遺跡ガニ》をサイドアウトしているようだったから、《原初の力》の代わりに《エンバレスの宝剣》を入れた。

3ゲーム目は初手がありえないくらい強くて、相手の「切削」で墓地に《灰のフェニックス》も落ちて相手にかなり強い圧をかけることができた。相手は今回もタップインランドに苦しめられていて、こちらが4ターン目に16ダメージの打点を突きつけているタイミングで相手はまだ2マナ域のカードの2枚目を出したばかりだった。

1ゲーム目の例の場面でどういうプレイングをしたか

イヴァンが立たせている2枚の土地をタップさせたかったから、まずは《山火事の精霊》を唱えた。《山火事の精霊》は解決したので土地をアンタップインで置き、次に《エンバレスの盾割り》を唱えた。これにも相手は対応せず解決したので全クリーチャーで攻撃したところ、彼は《空飛ぶ思考盗み》をもう1体出したので、戦闘終了後に除去したんだ。その次のターンに彼は投了した(この方法によって墓地にカードが8枚溜まるのを防げたので、彼は《凪魔道士の威圧》を唱えることができなくなったのだ)。

凪魔道士の威圧

ラウンド14:アーロン・ガートラー – ディミーアコントロール

この試合はかなり不安だった。グルールアドベンチャーに対して相当有利なデッキだし、アーロンはスタンダードで実績のあるプレイヤーだ。彼がプレイミスをするとも、簡単に勝たせてくれるとも思えなかったね。

1ゲーム目は攻守が目まぐるしく入れ替わった。《悪夢の詩神、アショク》のために《探索する獣》は温存していたから、《悪夢の詩神、アショク》が出たらすぐに除去しつつ相手のライフにも圧をかけられるようになった。

《絶滅の契機》《恋煩いの野獣》にも《探索する獣》にも対応できる除去で、相手のデッキに4枚入っているからそのうち使われると想定し、《絶滅の契機》のあとの攻撃で勝利するゲームプランをとることにした。ディミーアコントロールに対して《エンバレスの宝剣》を使った攻撃を通すのは難しいから、《絶滅の契機》のあとの攻撃で1ゲーム目に勝利できたのは最高の気分だったね。

これが2ゲーム目のサイドボーディングだ。

vs. ディミーアコントロール

Out

エンバレスの宝剣 エンバレスの宝剣 エンバレスの宝剣 エンバレスの盾割り
漁る軟泥 漁る軟泥 原初の力

In

アゴナスの雄牛 アゴナスの雄牛 灰のフェニックス 灰のフェニックス
怪物の代言者、ビビアン 怪物の代言者、ビビアン 解き放たれた者、ガラク

2ゲーム目はアーロンの手札に問題が生じているようだった。4ターン目までこちら側を妨害してこなかったから、除去を食らったあとの第二波による攻撃に対して彼は耐えられなかった。

ラウンド15:アンドレア・メングッチ – エスパー《予言された壊滅》

アンドレアの手札は強く、こちらはワンマリガンして6枚でスタートしてたから、5ターン目を迎えるころにはもう勝ち目がなかった。

これが2ゲーム目のサイドボーディングだ。

vs. エスパー《予言された壊滅》

Out

エンバレスの盾割り エンバレスの盾割り エンバレスの盾割り
エンバレスの宝剣 エンバレスの宝剣 エンバレスの宝剣
グレートヘンジ グレートヘンジ 原初の力

In

アゴナスの雄牛 アゴナスの雄牛 灰のフェニックス 灰のフェニックス
怪物の代言者、ビビアン 怪物の代言者、ビビアン 魂焦がし 魂焦がし
解き放たれた者、ガラク

2ゲーム目は《アゴナスの雄牛》で引いた3枚のおかげで勝てた。《漁る軟泥》《エンバレスの宝剣》を組み合わせてぎりぎりでライフを削り切ることができたね。

彼のデッキには《太陽の恵みの執政官》が3枚入っているから《魂焦がし》を1枚サイドインした。これが3ゲーム目のサイドボーディングだ。

vs. エスパー《予言された壊滅》

Out

エンバレスの盾割り エンバレスの盾割り エンバレスの盾割り
エンバレスの宝剣 エンバレスの宝剣 エンバレスの宝剣
グレートヘンジ グレートヘンジ 原初の力

In

アゴナスの雄牛 アゴナスの雄牛 灰のフェニックス 灰のフェニックス
怪物の代言者、ビビアン 怪物の代言者、ビビアン 解き放たれた者、ガラク
魂焦がし 萎れ

相手は3ターン目の《エルズペスの悪夢》《山火事の精霊》を除去するところから動き始めた。その返しでそのターンに出せない《解き放たれた者、ガラク》を引いてしまい、《エルズペスの悪夢》でハンデスされてしまったのだ。そうでなければ勝ち目があったかもしれない。次のターンに彼は《予言された壊滅》を出して、そのまま数ターン後に手札を使い切りながら俺にとどめを刺した。

おわりに

今回の結果には満足している。接戦も何ゲームか制することができたし、自分にできる最高のプレイングを実戦できるように鍛え続けようという気持ちになるね。

大会のために一緒にがんばってきた仲間に感謝したい。セバスティアン・ポッツォとマット・スパーリングには特に深い感謝を捧げたいね。

セバスティアンは長年の友人でマジック(と人生)の大いなる助言者だ。ありがとう!君とともに学び、そして君自身からも学び続けているよ(実のところ英語が話せるようになったのもセバスティアンのおかげだ)。

マットの大会準備への貢献には驚かされたよ。Discordで活発に発言していて、誰かが必要としているときにはいつでも助力や知識の共有を惜しまなかった(日中は仕事をしている中での大会準備だったのに、どこからその体力が出てくるのかわからないくらいだったよ。ありがとう!)。

次の大会は1月だ。もっとポイントを積み重ねてライバルズ・リーグの頂点を目指すよ!

最後まで読んでくれてありがとう!

ルイス・サルヴァット (Twitter / Twitch)

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Luis Salvatto 長きにわたってプロツアーでの成功を夢見ていたルイスは、2016年に開催されたプロツアー『イニストラードを覆う影』で悲願のトップ8入賞を成し遂げた。その後さらなる研鑽を積み、プロツアー『イクサランの相克』ではアルゼンチン出身のプレイヤーとして初となるプロツアー王者に輝く。この優勝によりプレイヤーオブザイヤーへの足掛かりを得たルイスは、熾烈なタイトル争いの末にセス・マンフィールドを下し年間最優秀賞のタイトルをも獲得。史上最高の南米選手の1人として認知されるほどの成長を遂げ、2019年にはマジック・プロ・リーグに選出された。 Luis Salvattoの記事はこちら