Translated by Kohei Kido
(掲載日 2021/03/02)
はじめに
今日は私がTwitterに投稿したオムナス石鍛冶について話したいと思います。喜ばしいことにオムナス石鍛冶でMana Traderの大会でトップ8に入賞している方もいました。
《レンと六番》と《航海の神、コシマ》を組み合わせたデッキを試しているときに原型が生まれたデッキです。あとになって《航海の神、コシマ》は期待したほどのカードではなく、序盤にしか役割を持てない上にゲーム後半に引くと残念なカードで、1ターン生き残らないとカードアドバンテージを稼ぎ始めることもないのはモダンでは悠長過ぎました。
しかし赤いカードたちには感心させられました。《レンと六番》と《創造の座、オムナス》の組み合わせに《石鍛冶の神秘家》のパッケージを入れると強かったのです。《レンと六番》は常に優れたカードアドバンテージ源で、特に余分な土地を活かすことができるデッキなら尚更です。《創造の座、オムナス》はただのフェアではないカードで、フェッチランドを使うだけで試合にどんどん有利になっていきます。
デッキリスト
これは私が今使っているデッキリストです。
トロンの台頭と墓地利用デッキの減少を理由として、私はサイドボードの《安らかなる眠り》の枠に《減衰球》を入れました。もし墓地対策が必要であれば《夢を引き裂く者、アショク》にその役割を担わせることができます。多くのマッチアップで役に立つので《スカイクレイブの亡霊》もサイドボードに入れました。サイドボードのカードは想定しているメタゲームに合わせて調整可能です。《レンと六番》で戻してうれしい土地を増やしたかったので、《冠雪の森》も1枚だけ《冠水樹林帯》にしました。
争点解説
除去一式
赤はタッチ色に留まっているバントカラーのデッキなので、《稲妻》を採用するとフェッチランドでサーチする土地の判断が難しくなりますし、アグロデッキが多いこの環境では土地から受けるダメージを増やし過ぎることから採用しない方がいいのかもしれません。《流刑への道》の道はインスタントで、必要であれば自分の《呪文捕らえ》の誘発のスタック上で《呪文捕らえ》を追放して呪文を永久に追放できるので、《薄氷の上》より《流刑への道》の方が好ましいと考えています。
自らのクリーチャーを追放して《創造の座、オムナス》の3回目の誘発を達成することもできます。《薄氷の上》を複数枚引いてしまうと《爆発域》や《仕組まれた爆薬》を採用しているデッキに対して不利な要素となります。
自由枠
私は自由枠では重い呪文として《ドミナリアの英雄、テフェリー》を採用しています。《創造の座、オムナス》が生んだマナからつなげる5マナのカードとしてもっとも強いからです。《長老ガーガロス》や他のカードをメタに合わせて採用しても問題ありません。
《氷牙のコアトル》を採用するかしないか
このデッキで《氷牙のコアトル》を採用すると、接死の条件を達成するためにフェッチランドを使うときは基本土地を中心としてサーチしなければならず、この4色のデッキではマナ基盤に負荷がかかりすぎるように思います。ミッドレンジとコントロールが多い環境であればいい選択肢になるとは思うのですが、現在はイゼット果敢、バーン、デスシャドウ、そしてハンマータイムが幅を利かせていて2マナのキャントリップを使うのは危険をともないます。
追加の赤マナ源として《蒸気孔》は必要か?
今のところマナ基盤にはあまり問題を感じていないので、ショックランドを増やし過ぎるとアグロデッキに対して逆に弱くなるように思います。
コツと小技
誘発能力にスタックして《呪文捕らえ》を《流刑への道》で追放すれば、誘発能力で追放する呪文は永久に追放されます。相手が除去を手札に持っているという想定で、追放しようとしている呪文を相手に返したくないときに役立つ小技です。《時を解す者、テフェリー》が場に出ていれば、《呪文捕らえ》が除去されても追放されていた呪文を唱えることが相手にはできません。
対戦相手が複数のプレインズウォーカーを場に出していたり、ライフが4以下の状態なら《流刑への道》を自らのクリーチャーに使ってフェッチランドと組み合わせて《創造の座、オムナス》の3回目の誘発を達成することが可能です。
《石鍛冶の神秘家》と《殴打頭蓋》が場に出ているならば、まずは《石鍛冶の神秘家》の能力を起動しましょう。そうすることで対戦相手が《石鍛冶の神秘家》に使える除去を持っていても《殴打頭蓋》を手札に戻して場に出すことができます。
マナが十分出ているときには場に出しているフェッチランドを起動しないのも選択肢のひとつです。将来《創造の座、オムナス》や《不屈の追跡者》を引いたときにシナジーがあります。
1ターン目にやりたいことがないのであれば、最初にフェッチランドで持ってくるべき土地は《ラウグリンのトライオーム》であることが多いです。緑マナを出す手段を欠いているのでなければデッキに入っているカードの色マナ要求のほとんどを満たせます。
サイドボードガイド
イゼット果敢
メインゲームは除去を十分引けないと厳しいものとなります。後手であればなおさらです。サイドボード後はクリーチャーに使える除去が12枚あるので有利になります。《溶岩の投げ矢》にやられるだけの《貴族の教主》よりも、オムナスに土地を供給するなどの役割を持てるだけマシなので《レンと六番》はサイドアウトしていません。
対 イゼット果敢
ボロスバーン
バーン側は《殴打頭蓋》と《創造の座、オムナス》を乗り越えるのに苦労します。マナ基盤から不要なダメージを受けないように気を付けましょう。サイドボード後は《否定の力》があるので《石鍛冶の神秘家》や《創造の座、オムナス》を除去から守るのも簡単になります。
対 ボロスバーン
ラクドスシャドウ
対戦相手が1マナのクリーチャーを複数枚展開してきた場合を除いて、除去は《死の影》と《スカイクレイブの災い魔》のために温存しておきましょう。対戦相手が1マナのクリーチャーでダメージを与えてきているのでなければ、フェッチランドからダメージを受けるのも避けましょう。そうすれば相手は《稲妻》を使わない限り《スカイクレイブの災い魔》を出せません。サイドボードに《血染めの月》を採用しているデッキもあるので、対戦相手が「相棒」として《夢の巣のルールス》を公開するかどうかには目を光らせましょう。
対 ラクドスシャドウ
緑単トロン
メインゲームは相手がウルザトロンを早期に揃えて脅威を矢継ぎ早に展開してきたら厳しいものになります。こちら側は早期に脅威を展開してなるべく早くゲームを終わらせる必要があります。
対 緑単トロン
ハンマータイム
相手が《ルーンの与え手》を場に出していて、インスタントタイミングで出した《巨像の鎚》を《シガルダの助け》の能力でクリーチャーに付けようとしているのであれば、《シガルダの助け》の装備させる能力にスタックでクリーチャーを《流刑への道》に処すことが解決策になります。そうすることで《ルーンの与え手》でプロテクション(白)をクリーチャーに付けると《シガルダの助け》の能力が解決されなくなります。
対 ハンマータイム
ヘリオッドカンパニー
《呪文捕らえ》と《マナ漏出》は《太陽冠のヘリオッド》と《集合した中隊》のために温存しましょう。対戦相手のクリーチャーの多くは《太陽冠のヘリオッド》が場に出ていないと力を発揮できません。《創造の座、オムナス》は遅すぎる上にフルタップでターンを渡すこともしたくないので抜きます。このマッチアップではこちら側がコントロールデッキとして振る舞う側です。
対 ヘリオッドカンパニー
アゾリウスコントロール
いつでも《石鍛冶の神秘家》はコントロールデッキに対する好カードです。持ってくる装備品には《饗宴と飢餓の剣》を選ぶことが多いです。特に《貴族の教主》から《石鍛冶の神秘家》につないだ場合はそうで、こうなると相手はその場で除去を持っていないといけません。
相手は《僧院の導師》を使っているかもしれませんし、着地した《時を解す者、テフェリー》や《精神を刻む者、ジェイス》にも有効なので《スカイクレイブの亡霊》をサイドインしています。
対 アゾリウスコントロール
ドレッジ
メインゲームで勝つ可能性があるとすれば序盤に《殴打頭蓋》を出せたときです。サイドボード後は《夢を引き裂く者、アショク》に加えて《否定の力》もあります。ドレッジが流行るようなら《安らかなる眠り》はサイドボードに再び加えるべきでしょう。
対 ドレッジ
デス&タックス
相手は《幽霊街》と《ちらつき鬼火》を使っているので《薄氷の上》を1枚の氷雪基本土地に重ね貼りしないようにしましょう。
対 デス&タックス
アミュレットタイタン
《流刑への道》は対戦相手に追加の土地を与えてしまいますが、対戦相手が《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》による勝利をちらつかせてきているときにインスタントタイミングで《原始のタイタン》や《イリーシア木立のドライアド》に対処できるのは《流刑への道》だけです。
対 アミュレットタイタン
おわりに
この記事ではここまでです!オムナス石鍛冶を楽しんで使ってくれると嬉しいですね。質問があればぜひTwitterで聞いてください。最後までお読み頂きありがとうございます!
ケルヴィン・チュウ (Twitter)